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vol.8 岡崎慎司選手(全1記事)

FW岡崎慎司「コンプレックスもやりようでひっくり返せる」 自称"ヘタクソ"が桜井和寿&GAKU-MCに語ったサッカー哲学とは?

自他ともに認める"サッカー狂"である桜井和寿とGAKU-MCの2人が、今季、欧州主要リーグにおける日本人最多記録となる15ゴールをマークした独1部マインツのFW岡崎慎司と対談。本場・ドイツサッカーの雰囲気や、自身のサッカー哲学、憧れのゴン中山から受けたエールまで、ブラジルW杯を控えた日本代表のエースに迫ります。

対談前日、ウカスカジーの2人は岡崎出場のマインツ戦を観戦

GAKU-MC:昨日は、その選手の試合も生で見れて。

桜井和寿(以下、桜井):すごかったですね!

GAKU-MC:すごかったなー!

桜井・GAKU-MC:ありがとうございます!

GAKU-MC:お待ちしておりました。

岡崎慎司(以下、岡崎):ようこそマインツへ。

桜井・GAKU-MC:はじめまして。

岡崎:はじめまして。

GAKU-MC:昨日の試合楽しかったです。

岡崎:決めたかったっすねー。

GAKU-MC:惜しかったー。

桜井:昨日はvsシャルケ戦。

岡崎:うっちー(内田篤人)がいなかったんでチャンスだと思ったんですけど、まあ、かなりチャンス多かったんで。

桜井:でもびっくりしました。シャルケサポーターでスタジアムが青一色のなか、すごく小さなエリアにマインツサポーターが。

GAKU-MC:ピザの8分の1くらいのとこに。

岡崎:全然こっちが攻撃しても盛り上がらないんで、アウェー感が半端なかったです。

桜井:でも、逆に燃えるってことはないんですか?

岡崎:でもゴール決めた時が一番嬉しいですね。静かになるっていうか。

「走ってないほうがチャンスになる時もある」 ドイツでの戦い方

桜井:もうドイツのリーグは慣れました?

岡崎:そうですね。ようやく自分の本当のポジションでサッカーできてるって感じで。それまでは結構、やっぱり相手に合わせたりとか味方に合わせたりとか。どうやったら自分がドイツでも活きるんやろっていうか、そういうのを試行錯誤してたんで、あんまり「点をずっと取ろう」っていう感じじゃなかったんで。

点を取りたいけど、守備のバランス見たりとか攻撃行ったりとかそういうことしてたんで、今はやっと得点だけに集中してるって感じです。

桜井:昨日、ピッチサイドに行ったんですね。それで試合前の選手とか見たんですけど、やっぱりみなさんすごく背が高いじゃないですか。

岡崎:デカいっすね。

桜井:その中でやってくために工夫したところとかってあります?

岡崎:やっぱり準備っていうか、相手より先に間合い取ってとか、ボールが落ちるところを見極めてポジション取ったりとかして、そういうふうに相手より先に準備するっていうのは。

GAKU-MC:昨日ずっと岡崎選手だけを見てたんです。

岡崎:もったいないですね、せっかくシャルケ来てたのに。

桜井:いやいやいや!

GAKU-MC:どういう動きをして最後に行くのかっていうのを、ずっと(見てた)。意外と走ってないんだなっていう。

岡崎:そうですね。結構走ってない時のほうがチャンスになったりするんで、こっちとかでも。そういうのは結構心がけてましたね、昨日。

GAKU-MC:メリハリが。

"本場"のサポーターとスタジアムは、盛り上がり方から違う

GAKU-MC:お茶します?

桜井・岡崎:お茶しましょう。

GAKU-MC:本当にドイツ来ちゃってるからな、我々も。

岡崎:初めてですか?

GAKU-MC:僕はライブで何度か来たことあるけど、キャプテン初めてでしょ?

桜井:初めて。

岡崎:本当ですか。なんか来てそうなイメージあるんですけど。

桜井:初めてなんですよ。あんまり海外行かないんです。

GAKU-MC:ドイツのサッカーの魅力って何ですか?

岡崎:スピードですかね。やっぱりスピード感っていうか、あんまりサイドチェンジとかを多くしなくて、縦に早くっていうか。見えたら早く前に当てる。取ったら前に、みたいな。見てる人は暇じゃないっていうか、スピーディーなんでそれは楽しいんじゃないかなって思います。だから足を運んで見る人も多いのかなっていう。

GAKU-MC:あの満員の雰囲気は、ねえ。

岡崎:スポーツでみんなが盛り上がってる、っていうのは感じます。ドイツに来てすごい一番感じてる点で、すごい良いなーと。日本もこうやって、みんなが足運んでそこで楽しむっていうふうになればいいなって。それはすごい思いますね。

GAKU-MC:行きも帰りも相当歌っててね、みんな。あの具合もたまらない。

岡崎:あんまりないですもんね、日本でそういう歌いながらって。

桜井:あの、スタジアムのLRがすごい。

桜井:「(L)なんとか!」「(R)おー!」「(L)なんとか!」「(R)おー!」っていう掛け合いが。

岡崎:なんか試合前にライトアップしてませんでした? 僕あんま見れてないんですけど。

GAKU-MC:してたしてた! あれもカッコよかった。

桜井:「今日は誰かの誕生日か!?」と思って(笑)。

GAKU-MC:そうそうそう。あと自分たちのチームの街を宣伝、みたいな。昔は炭鉱だった歴史とか。ああいうの見るとちょっと良いなって。

考えこむけど、三日坊主

桜井:一日の中でどれだけサッカーのこと、今考えてます?

岡崎:海外来てからはよく考えてましたね。大体家族とかといても、考える時はサッカーのこと考えてたりするし。その時は子どもとかがボーっとしてるかな。「遊んでよ」みたいな。サッカー忘れよう、みたいな感じなんですけど。

桜井:じゃあ、ついついそれは考えちゃう?

岡崎:ついつい考えちゃいますね。考え込むと「こうしとけばよかったな」とか。昨日の試合とかでもずっと家帰ってきてから「なんであれ決められないの」とか。

桜井:それじゃあ、メモしたり「岡崎ノート」みたいなのがあるんですか?

岡崎:ないですね。結局僕、三日坊主とかで終わるタイプなんですよ。それだったら、毎日同じように繰り返して反省するのもありなのかな、自分にはって。

岡崎慎司にとって、音楽とは?

ウカスカジー『勝利の笑みを 君と』

GAKU-MC:なるほどね。音楽聴いて試合入ったりしますか?

岡崎:ほぼ毎試合聴いてるし、僕もやっぱり試合までは結構不安っていうか、どっちかというといろいろあれこれ考えて「早く試合始まってくれよ」って思うタイプなんで。大体試合前に20~30分寝て、起きたら始まるっていう気持ちでそこから音楽聴くんですよ。

そこからテンション上げて。今(SBのパク・)チュホっていう韓国人が同じ部屋にいるんですけど、ホテルでそいつと歌を歌いながら盛り上げていって、それで(試合に)入ったりとか。

GAKU-MC:なるほど。じゃあその彼にも一緒に聴いてもらって(笑)。

岡崎:覚えさせますよ。

GAKU-MC:「woh woh」言って欲しい。「woh woh」だったら言えるだろう、多分(笑)。

桜井:そうだね。

岡崎:これ作るの、結構時間掛かるんですか?

GAKU-MC:これね、多分今までの人生の中で一番掛かった。

桜井:そうね。1時間……1時間じゃないや、1年半くらい掛かって。

岡崎:えー! まじっすか!?

GAKU-MC:毎日やってたわけじゃないけど。

岡崎自身にとって、もっとも印象深いゴールは?

岡崎:日本にいる時はあんまり外に出なかったっていうか、いろんなとこには行かなかったんですけど、海外だったら、ちょっと気晴らしに行っちゃおうかなって(笑)。

GAKU-MC:「国境を越えるか」みたいな?

岡崎:刺激がなかったりするんで。サッカーばっかりずっとやってるじゃないですか。

GAKU-MC:ヨーロッパにいる日本人の人たちってみんなつながってるんですか?

桜井:なんかでもフットワーク軽いのが、(元日本代表MFの)藤田俊哉ってオランダから2時間半掛けて来たんですよ。

GAKU-MC:Facebookで「ドイツ行きます!」って書いたらピュってメール来て「ドイツいんの? 行く行く!」みたいな。

桜井:岡崎さんが考えるサッカーの魅力って何かな?

岡崎:サッカーの魅力……。やっぱり11人でやるっていうことが一番かなと思うんですけど。チームで助け合ったり。ミスが多いスポーツなんで、それを周りがカバーしなきゃいけないし、自分もそれを助けたりしなきゃいけないし。一つのゴールに向かうっていうことで。

あとはルールはもちろん、ポジションとかフォーメーションとかあるけど、やっぱり自由なのが一番いいのかな。何しても、どう動いてもいいし、例えば自分は足が遅いっていうコンプレックスが一応あるんですけど、それでも動き方によっては足が速い相手にも勝てるし。そういうチャンスがすごいあるスポーツなのかなと。

GAKU-MC:思い出に残るゴールってありますか?

岡崎:やっぱり前のワールドカップの予選で決めたゴール、ウズベキスタン戦のゴールとか。「岡崎慎司」っていうゴールだったと思うし、日本代表に今でも居れるのはあのゴールがあったおかげって思う。自信持ってサッカーできるようになったゴールかな、とは思うんですけどね。

GAKU-MC:子どもの頃の夢というのはやっぱりサッカー選手だったんですか?

岡崎:漠然と。プロもあったし、サッカー選手、日本代表っていうのは思ってましたけど。

憧れのゴン中山から受けたエール

GAKU-MC:何か一番、それに対してよく頑張ってきたからこうなれたっていうのはありますか?

岡崎:目の前のことにいつも全力を尽くすじゃないけど、何も考えずにやって失敗して、またチャレンジして失敗してって、そういうことが自分はできてたのかな。自分が下手だって思ってたからかもしれないですけど。失敗を恐れずにいつもチャレンジしてたっていうのは今でもそうだし、子どもの頃からずっと続けてることなんで。自分がやれることをやるって感じで。

GAKU-MC:好きな選手に、中山(雅史)さんを挙げてたのを見たことあるんですけど、プレースタイルも多分近くて。なんか意識します?

岡崎:もともとなんで好きになったかっていうと、他人に「似てるな」って言われてるとこから、そっから僕も意識しだして。「似てるんかな?」ってなったらそっからゴンさんが目についてしまって。

プロに一番最初になった時もちょうどジュビロとエスパルスが試合する時あって、それでゴンさんにサインもらって、部屋に飾ったりとか。ゴンさんを密着取材したTVとかを見たりとかして、ゴンさんを追いかけてたんです。

そしたらジュビロと試合したとき、気持ちが一応伝わってたのか知らないですけど、試合終了後に頭突きされるっていう。

(一同笑)

岡崎:めっちゃ嬉しかったですね。何も言葉なしで頭突きされて。「頑張ろう!」って。

GAKU-MC:なんだそれ(笑)。

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