
2025.02.06
ポンコツ期、孤独期、成果独り占め期を経て… サイボウズのプロマネが振り返る、マネージャーの成長の「4フェーズ」
3 Chemistry Experiments That Changed the World(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:化学は物質を研究する科学です。物質そのものだけでなく、ある物質がほかの物質とどのように相互作用するかを研究するのが化学です。
化学がなければ、物理学も生物学も、地学もそのほかの科学も成り立ちません。最近では化学がニュースになって世間を賑わすようなことはあまりありませんが、化学者たちは、常に我々の生活を変えるような発見をしているのです。
しかし、化学史上を振り返って、数多くの輝かしい功績のなかから、もっともすばらしいものを私が選ぶとしたら、次の3つになるでしょう。
まず、第3位に選びたいのは、酸素の発見です。1774年イギリスの牧師ジョセフ・プリーストリーが、私が毎日感謝しているこのありがたいものを発見してくれました。
彼は脱フロギストン空気と名付けましたが、我々は酸素と呼んでいます。彼は空気圧トラフという装置を使い、酸素だけでなくほかのいろいろな気体を取り出すことを考案したのです。
空気圧トラフという装置は、基本的には、水槽に細長いビンを逆さまにして突っ込んだものです。ビンに水を満たして、水槽の中で逆さまにしてそのまま持ち上げると、ビンのなかには空気が入らず水だけの状態になります。
そして、ビンの中にチューブを差し込み、チューブのもう一方の端を別のビンに入れて、2つのビンをチューブでつなぎます。その別のビンには彼が実験しようとするいろいろな化合物を入れておきます。そうしておいて、その化合物を熱すると、それから気体が発生して、それがチューブを通り、水槽の中のビンに溜まって、水と置き換わるという仕組みです。
プリーストリーは空気圧トラフを使って、いろんな物質を熱した結果、酸化窒素、塩化水素、アンモニア、二酸化硫黄、亜酸化窒素などなどを発見しました。しかし、一番大切な発見は、酸素です。彼は酸化水銀に太陽光を当てることによって、酸素を取り出したのです。
彼は身をもって体験することを重んじていたので、酸素の溜まったビンを水槽から取り出し、気体を実際に吸ってみました。「吸った後しばらくは胸がとても軽くて楽な感じだった」という感想を残しています。
彼自身は、生存に欠かせない大切な気体を製造したということにはまったく気付いていませんでした。彼は、火の元素であるフロジストン(燃素)を空気から取り出したのだと考えていました。
そうなんです、彼はまだ、燃焼は燃素という元素から生じると考えていたのです。しかし、化学史上偉業を成し遂げたことには変わりありません。
第2位はイオンの発見です。19世紀のイギリスの科学者マイケル・ファラデーは史上最高の実験科学者と呼ばれています。かのアルバート・アインシュタインも壁に彼の絵を飾っていました。それほど、ファラデーはすごい人なのです。
彼は単なる化学者というより、むしろ、電磁場を発見したことでよく知られています。また、ブンゼンバーナーも発明しましたし、我々が今日電気を使う礎を築いたのも彼なのです。しかし、彼は化学者として、電化を帯びた原子、イオンを発見しています。
彼がイオンを発見したのは、電気の研究に取りつかれていたからです。1834年、水中で電流をいろいろと試しているうちに、水中のある物質が電流を通すのだと気付きました。それがなにかははっきりとわかりませんでしたが、ある種の粒子が水中で電荷をある電極から別の電極に伝えるのだということを確信しました。
ファラデーは物事を発見するのは得意でしたが、自分の発見したものを命名するのはまったく苦手でした。そこで、かれは友人であり、よき相談相手でもあったウィリアム・ヒューウェルに手紙を書きました。
ウィリアム・ヒューウェルは当時いろいろなものに素晴らしい名前をつけていました。科学者という意味のサイエンティストも彼が考え出したものです。
ヒューウェルは返事を書き、ギリシャ語で「移動」を意味する「イオン」はどうかと提案しました。今日ではイオンとは、電子を互いにやりとして電流を起こすものだとみんなが知るようになったのです。
意外なことは、肝心の電子そのものは発見されていなかったのに、イオンが発見されたということです。しかし、ファラデーは陽極に引きつけられるアニオン(陰イオン)と陰極に引きつけられるカチオン(陽イオン)の分類まで行っています。もちろん、これらの名前もヒューウェルが考えたものです。
そして、発明の第1位は、合成薬です。
最近では、科学者はたえず病気を治すための薬を合成しています。我々の体はつまるところ、化学反応の集まりのようなもので、どこか気分が悪くなったりするのは化学反応がうまくいっていないからです。その反応を正常に戻そうといろいろ苦労してきたわけです。
人類は何十万年もの間、自然界の薬を使って反応を正常にしようとしてきましたが、1853年に初めて、フランス人化学者シャルル・ジェラールがアセチルサリチル酸を合成しました。
これがアスピリンです。彼は塩化アセチルをサリチル酸の塩と混合し、柳の樹皮に含まれる化合物と同じものを生成しました。彼は柳の樹皮に含まれる化合物がなにかを見つけ出し、実験室で同じものを人工的に作ることに成功したのです。
このことの重要性は想像できないくらい大きなものです。ジェラールのアスピリンの合成、およびバイエル社によるその後の改良ほど人類の歴史を大きく変えたものはないと言っても過言ではないでしょう。
それは、単に、痛みを和らげてくれるという副次的効果だけでなく、化学により病気を治すことが可能であるということが証明された点にあります。当時は誰も、ことの重要性には気付いていませんでしたが、やがて、そのおかげで、我々の生活が大いに向上し、寿命も大きく伸びることになったのです。
ジェラールさん、感謝しています。
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