2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
The Chemistry of Addiction(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
ハンク・グリーン氏:脳がなぜそんなにすごいかというと、行動に報酬を与えるという点があげられます。危険から逃れたりとかそういうことですね。
昔はちょうどよかったシステムですが、今ではちょっといきすぎることもあります。ドラッグによって、興奮できたりします。そうやって人生が犠牲になることもあるわけです。
そうして私たちが生み出したものこそが「依存」といえます。脳さまさまですね。コカインが欲しいとかキャンディが欲しいという行為は同じ脳の回路から発生しているのです。ギャンブル、セックス、食事。シナプスの数だけトラブルはあるのです。
依存は大脳辺縁系で起こります。ここは得た情報に対する感情や行動による反応を司ります。脳の報酬センターとも呼ばれ、ニューロンと呼ばれる化学物質を放出し、情報に反応します。
人間の脳は100種類以上もの神経伝達物質を生産しているわけですが、そのなかでももっとも重要とされるものは、生存や成功に関わる瞬間に生み出されます。
神経伝達物質には大きく分けて2つの種類があり、健康な脳内では、それらのバランスは保たれています。興奮性神経伝達物質と抑制性神経伝達物質です。抑制性神経伝達物質はセロトニンといってよく聞くと思いますが、注目すべきは興奮性神経伝達物質です。
例えばエンドルフィン。痛みやストレスを感じた際に発生し、痛みを和らげます。おそらくもっとも重要なのがドーパミンで、思い出さないといけないような強い出来事に対して放出されます。例えばヘラジカに追いかけられた時なんかがそうですね。生存に関わるような出来事です。
しかしそれは依存にも大きく関係しています。なぜならそれはドーパミンや神経伝達物質の量を狂わせ、それを未来にも期待するようになるからです。
科学者たちは、ドーパミンは気持ちよくなるのか、またはもっと欲しくなるのかということを実験しました。その結果、ドーパミンが快楽を生むのですが、願望をも生み出すということがわかりました。おそらくそれが、快楽を生んで効果が切れた後も求め続けるのではと考えられています。
脳はドラッグによる刺激を体験すると同時に、バランスを保つためにそれに対する防御も行っています。ドラッグを長期的に使用すると、脳のバランスを保つために、神経伝達物質と受容体を減らします。それが機能低下報酬系です。ドラッグを使うべきではない理由、そして依存者が使用前にはなかった精神病を訴えるのはこれが理由です。
ドラッグが脳の活動をめちゃくちゃにするのには、主に2つのパターンがあります。
(1)自然の神経伝達物質のフリをする。(2)神経伝達物質の量を変えてしまう。
例えば、アヘン、ヘロイン、コデイン、モルヒネというのは、エンドルフィンに構成が似ているため、地球上でもっとも依存度が高いといわれています。神経細胞受容体とくっつき、多幸感を生み出します。アヘンの反応はより強力です。脳は、一度人工的な快楽を味わったら、そこに戻ろうとします。
ニコチンはちょっと違って、アセチルコリンのフリをします。アセチルコリンは大量のドーパミン解放の引き金となる物質です。それと同時に、記憶生成に関係するグルタメートも生成します。
ドーパミンが「もっともっと!」となっている間に、習慣を強化するメモリーループを生み出す神経物質が活動します。
さらにニコチンは、抑制性物質のGABAを放出します。ニューロンを落ち着かせるのですが、20分後にはGABAの受容体は鈍感になり、ドーパミン処理しきれなくなります。
脳と体を1つにするための神経伝達物質のバランスを乱すのがアルコールです。アセチルコリンやセロトニンといった受容体と結合します。最初は快楽、後に鎮静作用があります。
しかしアルコールの長期使用によって、脳は興奮性神経伝達物質を出すようになります。定期的に大量のお酒を飲むと、脳のシナプスがコントロール不可能になり、落ち着かせられなくなります。手の震えはそれが原因です。
神経伝達物質のフリをする代わりに、そのレベルを狂わせるドラッグもあります。コカイン、メタンフェタミン、エクスタシー、バスソルトなどです。
エクスタシーはかなり刺激が強く、ドーパミンやノルアドレナリンに作用します。ドーパミンが快楽、ノルアドレナリンがエネルギーを生み出します。コカインを使用すると、もっとコカインが必要になるのです。
メタンフェタミンの効果は12時間続き、かなりたちが悪く、コカインのドーパミン再吸収と違い、ドーパミンを過剰発生させます。これがさらに悪い理由として、依存者の脳内では、自己防衛機能として、ドーパミン、そしてそれを発生させる脳の機能を破壊する酵素を発生させます。そうしてメタンフェタミンの摂取量が多くなってしまいます。
それ以外にも、バスソルトというものがあります。これについては個別でのエピソードもあります。カチノンという合成麻薬が含まれ、コカインとメタンフェタミンが合体したような感じです。
科学者たちは、薬物乱用による化学反応は、行動依存にも類似していると言います。例えばギャンブルで賭けるという行為は、リスクに対する報酬の査定でもあります。サバンナで2日飲まず食わずでどうしようといった状況に似ています。
ギャンブルでドーパミンを発生させるのは、賭けに勝った時だけではないのです。80パーセントのジャックポットの時のほうが脳への影響は大きいのです。
報酬が得られそうという状況では脳では奇妙なことが起こります。脳はそのパターンを捉えようとしますが、スロットマシーンのようなギャンブルではそれができません。
2012年度の精神病統計マニュアルでは、行動依存を追加する旨が発表されました。セックス依存症、食事依存症もです。この2つはよく議論されます。脂肪にたいするドーパミンは、人間の進化の過程で普通だからです。
しかし、ラットの実験では、通常のエサのほかに、糖分と脂肪分が高い、ベーコン、チョコレート、チーズケーキを与えた場合、通常のエサを無視するということがわかっています。そうしてジャンクフードへの科学反応に適応して行き、脳が薬物依存と同じ働きをするのです。
そういった実験により、ドーパミン受容体が比較的少なく、依存しやすい人がいるとも言われています。セックスも似ています。発射後の脳内はヘロイン使用者と似ています。どちらもドーパミンが少なくなって、次を求めてしまうですね。肉体的であり精神的な願望なのです。
インターネットですら、ドーパミン受容体はダメにされ、快楽物質を刺激されてしまいます。ほかもそうですが、報酬より期待のほうが依存的なのです。
メールをチェックしてしまうわりに重要な内容はなかったり、ゲームに没頭したり。脳の研究に関しては、現在は黄金時代と言えます。多くの原因、依存、治療法が発見されています。
インスタントな快楽を避けるのはもう困難な状態です。ただ、ドラッグ依存よりは、「ロシアでかわいいネコ発見」みたいなネット情報で楽しんでいたいですね。ドラッグはダメですよ。
関連タグ:
2024.12.20
日本の約10倍がん患者が殺到し、病院はキャパオーバー ジャパンハートが描く医療の未来と、カンボジアに新病院を作る理由
2024.12.19
12万通りの「資格の組み合わせ」の中で厳選された60の項目 532の資格を持つ林雄次氏の新刊『資格のかけ算』の見所
2024.12.16
32歳で成績最下位から1年でトップ営業になれた理由 売るテクニックよりも大事な「あり方」
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
PR | 2024.12.20
モンスター化したExcelが、ある日突然崩壊 昭和のガス工事会社を生まれ変わらせた、起死回生のノーコード活用術
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.18
「社長以外みんな儲かる給与設計」にした理由 経営者たちが語る、優秀な人材集め・会社を発展させるためのヒント
2024.12.17
面接で「後輩を指導できなさそう」と思われる人の伝え方 歳を重ねるほど重視される経験の「ノウハウ化」
2024.12.13
ファシリテーターは「しゃべらないほうがいい」理由 入山章栄氏が語る、心理的安全性の高い場を作るポイント
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
Climbers Startup JAPAN EXPO 2024 - 秋 -
2024.11.20 - 2024.11.21
『主体的なキャリア形成』を考える~資格のかけ算について〜
2024.12.07 - 2024.12.07
Startup CTO of the year 2024
2024.11.19 - 2024.11.19
社員の力を引き出す経営戦略〜ひとり一人が自ら成長する組織づくり〜
2024.11.20 - 2024.11.20
「確率思考」で未来を見通す 事業を成功に導く意思決定 ~エビデンス・ベースド・マーケティング思考の調査分析で事業に有効な予測手法とは~
2024.11.05 - 2024.11.05