2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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高橋信之氏(以下、高橋):これ、言っちゃっていいのかな。まあ、いいか(笑)。
岡田斗司夫氏(以下、岡田):もう言っちゃったから、しょうがないっすよ(笑)。
高橋:今は伝説なんですけど、コナミという会社は、「機動警察パトレイバー」という商標を取ってたんですよ、その昔。
岡田:えっ! すごいなあ!
高橋:あれは東北新社とバンダイビジュアルと小学館じゃないですか。あとネットギアとか。「何取ってんだよ!」と。
当時、コナミは取れそうな商標を申請して、その商標が取れたら社員に5万円、報奨金が出ると。社員がみんな「おこづかい、もらえる!」って、いろんなの考えついて調べて出すと5万円もらえるっていう。もうバカスカバカスカ商標を取ったんですね。
岡田:なんか、80年代の後半ぐらいで、どっかが「ロリコン」っていう商標登録を取りました(笑)。すげーの取ったなって。何に使うんだと思って!(笑)
高橋:使えないよ。捕まっちゃうよね(笑)。そんなのコナミは、一連のなかで……。
岡田:(コメントにて)「ハガキ職人も取られた」らしいですよ!
高橋:うひゃあ!
岡田:「ハガキ職人」っていう商標登録、取られちゃった(笑)。
高橋:ひどいね(笑)。
岡田:すごいなあ。
高橋:コナミの場合は、なぜたくさん取ったかっていうと、いずれ自分たちが商売するときに、取っておくとカードとして有効なんじゃないか、みたいなね。そんなことないでしょうと。
案の定、東北新社さんとか、バンダイさんとか、小学館さんとかに、「何やってんの?」って叱られて、すぐ返上するっていう。
岡田:返上するっていうのありますよね。昔、マルサンが「プラモデル」の商標登録を取って。「プラスチックモデル」が正しいんですけども、「プラモデル」っていう商標登録をいち早く取ったので、よそが使えなくなったっていう。しょうがなく、みんな、プラ模型とか言い換えてましたけど。
高橋:今はね、たぶん全部、バンダイじゃないかな。
岡田:あれね、やっぱりマルサンが返上したそうです。それでも、80年代ぐらいになってようやく返上したので、「80年代からプラモデルって言えるようになった」っていうのを、海洋堂の前の館長が、今でも生きてますけど、すごい恨み深げに語ってました。
高橋:(笑)。
岡田:いったい何が1970年代前半にあったのかなって、おれたちも知らない暗黒の歴史がプラモ業界にあったらしいんですよ!(笑)
高橋:ちなみに「RPG」はバンダイが取ったんですよ。バンダイに1 RX-78っていうゲーム機があって、それのためにいろんなソフトとかアイデアとかの特許を取ったときに、ついでに取ったんですけど、これは逆に防衛的取得っていうところなんです。
商標とか特許とかに攻撃的取得と防衛的取得ってのがあって、攻撃的取得ってのは自分たちが持ってないから勝手に使うなよと、勝手に使ったら訴えるぞという考え方。アグレッシブ。
それに対してディフェンシブで、取っといて変な輩に取られちゃって、いろんなところでワーワーと文句が来るぐらいだったらば、もう一番騒がない奴が取っといて、誰が使っても大丈夫にしとこうという。
RPGはおもちゃ業界、ゲーム業界のためにバンダイが取って、誰が使っても別にいいよと。
岡田:別にだれがRPGと言っても、バンダイは文句言わないと。
高橋:はい。業界のために防衛的に取っておこうという、そういう取り方もあるんですね。
岡田:あれはどっちになるんですか? IBMがフロッピーディスクの特許で、ドクター中松に金を払ったっていう(笑)。
高橋:(笑)。でも、あれは本当みたいですよ!
岡田:そうなんですよね。調べてると本当みたいで、フロッピーディスクの基本の考え方、基本概念の17のうち1つが、ドクター中松が言ったことに触れるので、念のために取ったと。
念のために取って払った金額がとんでもない額だったという。すごいですねえ。
高橋:でも、あれも日本だけなんだよね。ドクター中松さんは海外の国際特許を取ってなかったんで。国際特許取ってなかったと思うんですね。日本だけだと思うんですね。
岡田:ドクター中松って特許をいまだにずっと出してるらしいんですけど、前にと学会で報告があったやつですごいのがあって、原子力発電所を利用した除雪っていうのがあったんです。
高橋:(笑)。
岡田:それは何かっていうと、原子力発電所を巨大なキャタピラの上に乗せるんですよ。
高橋:移動するんだ。
岡田:はい、移動するんですよ。で、幅2キロ、長さ5キロの原子力発電所を移動するやつを作って、雪国を走らせる。そしたら、勝手に行きが溶けると。原子力発電所、もう放熱問題を気にしなくていいっていうので。これで特許取れるんだと思って(笑)。
もう特許庁が7年も、これをなんでダメかの申請をするのにかかってて、特許庁の優秀な奴らの5人ぐらいは、ドクター中松の特許をはじくのをずっとやってるっていう! 無駄遣い(笑)。
でも、あれはきたものは全部審査しなきゃいけないし、ダメなものはなんでダメかって言わなきゃいけないから、ドクター中松って特許庁に言わせれば、本当に頭痛の種らしいんですよね(笑)。
高橋:日本は意外と官僚が真面目だから、そういう奇想天外な特許はなるべく排除しようっていうのがありますよね。アメリカだと全部自由なんで。基本的に何でも取れる。
岡田:基本的にそれはOKしちゃって、利用する奴がいるんだったらもう払えって言っちゃうわけですよね。
高橋:アメリカの特許は、あるとき、特許詐欺にあった奴がいて。ある出版社が特許詐欺にあって、社長が手形をパクられるんですけど、パクった奴ってのがある財団を作ってて。そこの財団のプロジェクトが日光鬼怒川に大宇宙館を作ると。中では宇宙飛行艇に乗って空中浮遊が楽しめますっていう触れ込みなんですね。
で、アメリカの特許の資料が出てきて、それが飛行船なんですね。1人乗りの飛行船を作って、それで空を飛ぶと。でも、1人乗りの飛行船って言ったって、浮力がヘリウムとか水素とか使ったらすごくでかくなるじゃないですか。
岡田:そうですね。
高橋:縮めたちっちゃい飛行船を作ったんです。でも、これじゃ浮力が足りないと。ドームの中の気圧を10気圧にするっていう。
岡田:それは確かに!(笑)
高橋:そしたら浮力が10倍になる(笑)。
岡田:それは思いつかなかった!
高橋:すごいでしょ!
岡田:すごい! いいアイデアとは言わないけども、意外なアイデアですね。
高橋:それを特許取ってね、巨大なドームを作って、中は全部10気圧になってますと。気圧が10倍になってるから。
岡田:いや、見てる理系の人はわかるけども、結局風船とかがなんで浮くのかっていうと、まわりの空気と重さの差で浮くわけで、その重さの差っていうのを大気圧を上げるほうほうでやっている。
だから、水中だったらちっちゃい浮袋で浮くんだけども、空気中だったらでっかい気球がいるのはなんでかっていうと、水の中のほうが密度が高いから。同じように、空気の密度を10倍にしちゃえば……。
高橋:10分の1の体積のものが上がるということね。
岡田:10分の1の体積っていうと、たぶん直径2、3メートルぐらいのバルーンで人間が浮いちゃうわけですね。
高橋:それを全部、まことしやかに特許取った人がいて、それを持っていった日本人がいて。
岡田:それあるんですけども、耳がキーンとするレベルじゃないですよね(笑)。みんな与圧服着ないといけないわけでしょ。
高橋:そのミニ飛行船がどっか壊れた瞬間に、ものすごい勢いで10気圧かかるわけですよね。たぶん鼓膜が破れるとかそういうことで。
岡田:あとドームが破れたら、浮いてる宇宙船が全部、バカバカバカって落ちますよね(笑)。
高橋:こんな企画を考えた人がいて、図面が出てきて。
岡田:日光鬼怒川に!(笑)
高橋:で、作るっていうプロジェクトで、それが300億だか400億だかのプロジェクト。それの出版社が、オフィシャル出版社として「今だったら君んところが小切手を出せば、出版社として君たちをオフィシャルに認めてあげよう」みたいな話になって。
最終的には、手形をパクられて逃げられるっていう。工事待ちの事務所にあるとき行ってみたら、もぬけのからだったって言う(笑)。
岡田:それ高橋さんとどういう関係?
高橋:実は僕が仕事をしてて、1000万ぐらいお金をもらってない出版社があって、そこの社長が「やられました」って泣いてきて。で、「お金もうありません」みたいなね。
岡田:1000万ぐらいお金がもらえてない出版社。
高橋:銀河出版ってとこなんですけどね。
岡田:銀河出版ですか、おれも知ってたよ(笑)。
高橋:おもしろいな。「この図面信じたのか、君は!」みたいなね(笑)。
岡田:日の目をみない特許って、おもしろいものありすぎですよね。
高橋:あれを引っ張ってきてね、詐欺をやる連中がいるんですね、グループでね。この財団ってのは、僕のなかでもおもしろいなっていう。1990何年かなあ。でも、彼の縁で、その出版社の社長、騙されたすごくマヌケでのんきな出版社の社長の縁で……。
岡田:(コメントにて)「Vガンダムの本を出してるところだっけ?」。
高橋:あー、そうですそうです、出しました。
岡田:もうみんな知ってます。あれが1000万の未払いだったんだって(笑)。
高橋:あれも一部です。
岡田:あれも未払い(笑)。
高橋:出版社の社長が騙されたんだけど、その人が助けてくれた人からの紹介で、僕が北村龍平と出会うというね。そういうおもしろこともあったんです。
岡田:北村龍平っていうと、ファイナルゴジラ……。
高橋:そうですね、『ゴジラ FINAL WARS』。
岡田:『ゴジラ FINAL WARS』の……、エビラを空手で倒す映画ですよね。
高橋:(笑)。
岡田:よくあんな映画撮りましたよね!(笑)
高橋:まあね、勢いでね(笑)。
岡田:怪獣と空手で戦う映画って、おれ生まれて初めて見た。そこそこおもしろいのが意外ですよね、あれ(笑)。
岡田:はい、じゃあ、ええと、次に質問いきましょう。「ゲスの極み乙女の川谷さんやベッキーから今後の活動の相談を受けたら、岡田さんはどんなアドバイスをしますか?」はい、これ高橋さんに聞いてみましょう!
高橋:うわっ(笑)。
岡田:ベッキーやゲスの極み乙女から、今後の活動の相談を受けましたと。そんな相談ってけっこう受けますよね? 高橋さん。
高橋:もうダークヒーローになるしかないんじゃないっすか、ベッキーは。もう歳も30なんだし。もう悪い女の演技をえんえんやり続けるとか。そっちで。
岡田:はいはいはい、菜々緒路線。
高橋:そうそうそう。だけど、結局、見てるほうは、本人がけっこう無理してやってるんだろうなって思うから、けっこうシンパシー集められるみたいな。
岡田:ああ、逆張りですね。
高橋:どうかなあ、ダメかなあ。
岡田:それもいい気がしますね。だって、もう昔のようなCMの仕事って、絶対来ないわけですよね。
高橋:もう来ないよね。
岡田:なので、もうあえて逆張りで、悪女の演技やっちゃうとか。それやるんだったら映画ですか?
高橋:うん、まあ映画でしょうね。で、デビューするっていかですね。じゃあ、もう脱ぐか。30過ぎてるけど、脱ぐか。
岡田:(笑)。見たいかって言われると、微妙ですけども。
高橋:難しいねえ。
岡田:まあ、50過ぎたおっさんがこんな話してるのもなんですけど(笑)。
高橋:(笑)。でも、ゲスの極み乙女って『アラサーちゃん』の主題歌だったじゃないですか。
岡田:はいはいはい。
高橋:僕、『アラサーちゃん』けっこうおもしろいと思ってて。
岡田:僕も好きです。
高橋:見てる最中に、あの主題歌いいなあって思ってたんだけど、本当に主題歌で歌ってる内容と、それからグループ名と、やってることがブレがない。
岡田:ブレがない!(笑)
高橋:僕はブレがなくていいと思うんだけどね。そんな叩くほどのこともないと思っていて。アーティストなんてあんなもんでしょ。
岡田:じゃあ、次いきますか。もう本当は限定なんですけど、限定に切り替える前に1つだけ。これ、僕も気になってたんですけども。
「『ぐるナイ』の『ゴチになります』というコーナーの、何がおもしろいかわかりません。出演者が自腹を切ると言いつつも、ギャラをもらってるはずだし、別につらくはないでしょ。茶番劇としても低レベルだし、なぜあのコーナーが続いてるのかわかりません」。
これ、僕自身が持ってる質問なんですけども、『ぐるナイ』という番組があって、出演者がみんな高級なところでご飯を食べる。で、金額を言って、一番はずれた人間が全員の文を負担するっていうやつなんですけども。
まあ、みなさん、見事にですねはずれて、「今日は10万円です!」とか「12万円です!」とか、実につらそうに出してくれるんだけども、あの番組に出てる芸能人のレベルだったらつらくないですよね。
高橋:どうなんだろうね。まあ、10万はきついかもしんないよ。
岡田:きついですか。二階堂ふみだったらつらいかもわかんないけども、でも、ゴールデンタイムの1時間ぐらいある番組の出演料って……。
高橋:まあ、まんま入んないからね。本人の事務所に30万、40万入っても、本人のところにチャージされて10万とか、そんなもんですよ。事務所が、半分以上持っていっちゃうからね。
岡田:ああ、そうか。つまり、ギャラとしては番組としては30万で出したとしても、その本人に渡ってるときには、10万ぐらいになってるので痛いと。
高橋:それで、その日の分がタダ働きになっちゃう可能性もありますよね。
岡田:なーるほど。
高橋:たぶん、あれを一番初めに始めたのは『おごってジャンケン隊』だと思うんです。現代洋子さんの。漫研の後輩なんですよ。洋子ちゃんは。んで、現代洋子のあれが始めたんだけど、あれはほんとにね、原稿料はページ2万とかですね。んで、4ページとかじゃないですか。
するとさ、10何万円しかもらえなくてさ、10何万ふっとんじゃうわけだからさ、あれきついよね(笑)。しかも、芸能人は出てもさ、出演してる1日で終わりだけど、漫画家は描かなきゃいけないから(笑)。
岡田:それを漫画で描かなきゃいけないから。丸損ですよね。
高橋:あれはつらいよね。
岡田:テレビ番組とかを見てると、そういう、この人も書いてるけど、茶番みたいなものって、よくあるじゃないですか。いわゆる「自腹です」とか、出してもらうと言って痛そうな演技をする。
でも、僕らからしたら、テレビに出てる人はすごいお金もらってるんだから平気じゃないのっていうギャップがあって、テレビしかなかった時代だったら、そんなギャップってあんまり気にならないんだけども、今もうネットあるし、あと芸人さんがギャラのカミングアウト始めちゃったから。そういうの作りにくいですよね。
高橋:おそらくね、テレビを見てる多くの人、お茶の間の人たちってのは、やっぱりそこはわかってないんじゃないかな。
岡田:ほう! じゃあ、ゴールデンだから、このクラスの俳優だからギャラ30万、40万ぐらいって考える人って、テレビ見てる人の100人に1人ぐらい。
高橋:そうそう、多くの人は。やっぱりそれでいいんじゃないかなあ。
高橋:ずいぶん前ですけど、その昔、ゆうばりファンタスティック映画祭で『チャイルドプレイ』……。
岡田:『チャイルドプレイ』、チャッキーですね。
高橋:はいはい、『チャッキーの花嫁』っていうので出てきて、っていうのをやってて、ちょうど映画会社もチャッキーの着ぐるみ作って持ってきて。
岡田:チャッキーの着ぐるみ!
高橋:そうそうそう。でかくなっちゃった(笑)。
岡田:そうですよ、だってそれは、(テッドのぬいぐるみを手に取って)これの着ぐるみを作るのと同じ意味ですよね(笑)。
高橋:でかいのがいるっていうね(笑)。
岡田:チャイルドプレイじゃないっていう。ただの変態ですよね(笑)。
高橋:それがキャンペーンで出てきてて、それを僕も見てたんだけど、終わって出てきて。
岡田:それはそれで怖いな(笑)。
高橋:出口に出てくると、チャッキーがいるわけですよ。みんな、僕らは大笑いしてるわけですよ。「でかくなっちゃった!」とか言ってね。
それを見てるときに、その夕張の市民、純朴な地元の市民がですね、見終わったあとじゃないですか、その着ぐるみにむかって、「おもしろかったよー!」って言ってて(笑)。
岡田:(笑)。
高橋:いや、この人じゃないよって(笑)。
岡田:この人じゃないし、出演もしてないし、サイズも違うし!(笑)
高橋:でも、夕張市民は、地元の市民は、おじさんたちは(笑)。ほら、役者も来てるから、ファンタスティック映画祭は。役者も監督も来てるから。
岡田:なるほどなあ。
高橋:あの『チャイルドプレイ』はおもしろかったねえ。
岡田:おれは今のエピソードはおもしろかったです(笑)。
ということでですね、このあたりで限定放送のほうに切り替えようと思います。それでは、一般放送をご覧のみなさまですね、ごきげんよう。また来週お会いしましょう。それでは、これから限定放送のほうに切り替えます。
(有料会員放送に続く)
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