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Why Do Tornadoes Hate America?(全1記事)

トルネードはどのように生まれ、なぜアメリカを襲うのか?

北米で発生する巨大な竜巻、トルネード。日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、アメリカでは甚大な被害をもたらす深刻な問題です。トルネードが発生しやすいのは、湿気を含んだ空気が低地で温められ、乾燥した暖かな空気の層に蓋をされた状態のとき。そこに寒冷前線など高気圧の湿気を急激に上昇させる要因が加わると、時速160キロメートルの突風が発生し、空気が回転し始めるのです。とくにアメリカでトルネードが発生しやすいのには、2つの理由があります。1つは、中緯度では空気の流れるスピードと方向がまちまちになること。もう1つは、湿気を含んだ空気が流れ込み、南北に大きな山脈が走っているという地理的な問題です。そのため、オクラホマ、テキサス、カンザス、ミズーリ州はトルネードの発生源になりやすいのです。

アメリカはトルネード大国

ハンク・グリーン氏:トルネードは地震やハリケーンと同じように世界中で起きています。しかし、これはアメリカの問題でもあります。もちろんアメリカだけの問題というわけではありませんが。

トルネードは北極大陸以外のすべての大陸で発生していますが、ある科学者は世界中でトルネードが起こる可能性を指摘しています。

トルネードは定期的にバングラディッシュ、オーストラリア、中国、イギリスを襲います。国土の広さに対する発生率でいえば、イギリスが世界で一番多いんです。しかし、世界ではおよそ1,500回のトルネードが毎年発生していますが、その65~85パーセントがアメリカで起きています。特にパワフルで巨大なものはアメリカで起きているんです。

なぜトルネードは我々が嫌いなのでしょうか?

我々は本当に知るべきことを知りません。科学者は新たなトルネードの発生源を、ロッキー山脈とアパラチア山脈の間の平原に発見しました。晩春から初夏が、トルネードがもっとも発生しやすい環境であることもわかっています。

発生しやすい環境要因としては、大量の湿気が低く留まることです。アメリカには湿気を含んだ空気がメキシコ湾から運ばれてきます。大陸に運ばれた湿気は低地に留まり、太陽で温められます。湿気は南西の砂漠からくる暖かい空気層に押さえつけられ、上昇し雲を形成することができません。この「コンベクションキャップ」と呼ばれる乾燥した暖かい空気の層が、沸騰したお湯を閉じ込める鍋の蓋の役割をします。水蒸気は上昇することができないんです。

コンベクションキャップの上では、ロッキー山脈から冷たい空気が流れ込みます。暖かな空気は上昇し、冷たい空気は下降するようになります。

トルネードが発生するトリガー

そしてコンベクションキャップは弱まり、エネルギーが蓄積されます。トルネード発生に必要なのは、高気圧の湿気を急激に上昇させるトリガーです。トリガーは寒冷前線の場合もあれば、低地での収束風の場合もあります。いずれにせよ、トリガーによりキャップが取り除かれると、時速160キロメートルの突風が発生します。そして空気は舞い上げられ、回転を始めます。

ほとんどのトルネードは、スーパーセル型雷雨から生まれます。メソサイクロンと呼ばれる繰り返し上昇する巨大な対流嵐です。

暖かな空気が急激に上昇すると、パワフルで不安定な上昇気流が発生します。高さ1万5,000メートルに達する嵐がたった数分で発生するんです。我々は上昇気流と、直径2~6マイルにもなるメソサイクロンの複雑な関係性を解明中です。

わかっているのは、上昇気流が続き、メソサイクロンの中央の渦が固まることでトルネードが発生するということです。内側と外側の風のバランスが保たれれば、漏斗雲が発生することもあります。

なぜアメリカがトルネードの発生源になるのか?

アメリカ中央部が完璧なトルネードの発生源になる理由は2つあります。ひとつは、赤道から北緯30~50度の中緯度では、空気の流れるスピードと方向がまちまちになることです。すると、スーパーセルが回転を始めるのです。

2つめの理由は、トルネードアレイ(注:竜巻が頻発するアメリカの地域の俗称)の地形のユニークさです。赤道付近で湿気を含んだ空気が流れ込む場所、そして、トリガーとなる寒冷前線を発生させる、南北に連なった山脈がある場所は他にありません。

つまりオクラホマ、テキサス、カンザス、ミズーリ州はトルネードの発生源になるんです。自然の驚きと脅威と言わざるを得ませんね。

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