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ニコ生岡田斗司夫ゼミ3月6日号「夢と希望の一般放送枠~棚卸Q&Aいままでのを全部答えるぞSP」(全4記事)

批評する人に「だったらお前が作ってみろよ」と言うクリエイターは三流

評論家の岡田斗司夫氏がニコ生視聴者からの質問に次々と答える番組「岡田斗司夫ゼミ」。今回寄せられた質問は「最近Twitterで話題になっている『私が大好きなアニメを見れなくなった理由』の漫画についてどう思いますか?」というもの。ネガティブな批評ばかりする友人のせいで大好きなアニメが見れなくなったといった話に岡田氏は「自分自身の意見があればそれでいい」「若い頃はそんなもの」と回答。また、一部のクリエイターやお笑い芸人が言う「だったらお前が作ってみろよ」といった意見については、「それを言うクリエイターは絶対に三流」と語りました。

自分自身の意見があればそれでいいんじゃないの?

岡田斗司夫氏:では、本日はニコ生の話題です。いくつか用意しました。前説で「またキングコング西野が炎上してやがる」とか書いたんですけれども。ちょっと直前でね。これだ。

「最近Twitterで話題になっている『私が大好きなアニメを見れなくなった理由』の漫画についてどう思いますか? 私は自分自身が眼鏡の友達と重なってしまい、なんだか申し訳ないような、悔しいようなそうでもないようなモヤモヤした気持ちになってしまいます。このモヤモヤは何なのでしょう?」。

(参照:「私が大好きなアニメを見れなくなった理由」まとめ

ということです。まあ、皆さん上のリンク先で見てみてください。「私が大好きなアニメを見れなくなった理由」ですね。

みなさんわりと知ってるんですね。ぼくはネットニュースで評判になったのは知ってたんですけど、ネットニュースの記事をクリックする気にならなくて。なんででしょうね、う~ん……。

(コメントで)「続編が有料w」。続編、有料なの?(笑)。まあ、それは正しいんだろうけどね。

どんな漫画かというと、大好きな漫画がありました。アニメになったから友達と一緒に見にいったと。私はすごくそのアニメに感動したと。感動してすごくよかったと思うんだけれども。

ところがアニメを見終わったときに、一緒に見に行った友達が「いや、作風がどうも」とか「陳腐だ」とかだーっと語って、それっきりその大好きなアニメが見れなくなってしまったと。というわけで「批評というのは何も生み出さない」ということを皆にわかってほしいという漫画であります。

これに関して「どう考えればいいですか?」という質問なんです。というのは、「私は自分自身がメガネの友達と重なってしまい」ということですから、この人は、アニメに関してもしくは作品に関して、あれこれ言うタイプなのだと思うんですよ。それで困っちゃってるわけですね。

さてさて、これに関してどう思うかな。もういい年したおっさんの意見で言わせてもらうと、「自分自身の意見があればそれでいいんじゃないの?」ということで終わっちゃうんですよ。

若い頃はそんなもんだよね

身近な友達に言われてそれで自分の意見が「あっ」ってグラついて、見れなくなっちゃうというのは若い頃あることで。

だって、それは、大好きな友達が毎日いたんだけれども、他の子から「あの子と付き合わないほうがいいよ」と言われるというか、そういう経験だったら誰でもあるんですよね。

大好きなアニメ見れなくなった理由というのは「批評とは何なのか?」という抽象論に持ち込むことなく、「若い頃はそんなもんだよね」とも言えるんですよ。

なので、おっさんの意見としては、そんなこともあるのだけれども、本当にそのアニメが好きだったら、いずれもう1回返ってくるものであって。アニメと別れた期間、見れなくなった期間は自分の中であとでかもしだされて、よくなってくるものだから、「それはそれでいいんでないの?」というですね。

これは、僕自身がもう40歳も50歳も超えてるから言えることなんですよ。でも、アニメを今現役で好きなど真ん中の20歳ぐらいだったらそんなことは言ってられないですよね。

あとで自分がどうなるかではなくて、今、現に大好きなアニメが見れなくなったこの怒り、責任を誰にとってもらえればいいのよ、ということになるので落ち着いてられないということなんですけれども。

さっきのおじさん的な考え方、「若い頃はそんなものですよ」というありがちな意見ではなくて、ぼくの考え方ですね。これ本人です。そして、友人です。

友人と一緒にアニメを見に行って、友人からいろいろ言われて見れなくなったということなんですけれども。これを僕が考えるときは、考え方ですよ、事実は別にして。ここにもう1人友人がいたらどうなるだろうかと。

映画が終わったあと友人があれこれ言ったと。私はその批評のおかげで見れなくなった。でも、この人がもしそういうのを聞いてもの見れちゃった場合、これってよくある話ですよね。

そういう場合どうなるかというと、この人は批評によって落ち込むタイプだから、批評を聞かないほうがいい。この人は好きなアニメを批評されてもあまり自分自身の好き嫌いに影響されないタイプだから、見ても大丈夫ということになるので、個人の問題ということになるんですよね。

あくまでこの人を主体にして、この人だけで考えてしまうと「批評というのはどうなのか?」という話になっちゃうのだけども、ここに第3者を導入することによって、この自身のあり方・物の見方の問題に見え方が変わってきちゃう。

それを含めてるので、ネットの中で結局この問題をどう考えるのかというのがすごい盛んになってきちゃうんですね。

「だったらお前が作ってみろよ」と言うクリエイターは三流

どう考えればいいかなんだよな。たぶんこの番組を見てる人は僕と同じタイプで、作品をみたらあれこれ言いたいタイプだと思うんですよね。あれこれ言いたいタイプの人がこういう漫画を見せられると、自分の存在意義みたいなものを否定されるように気になってしまうと。

つまり、作品を作ることは偉くて、その作品を「批評するのは誰でもできる」ってよく言いますよね。芸人さんがよく言うことで、「お前ら、テレビ見て『おもろい・おもろくない』って言ってるけど、だったら舞台に来てやってみろ!」という批判があると。これ芸人さんがよく言う。

そうすると、次はお笑いのファンの人が同じように「じゃあ、お前も上にあがってやってみろ! 芸人はちゃんとリスク背負って喋ってるのに、お前は端で言ってるだけじゃないか?」ということをよく言うんだ。

同じようにアニメの世界でも、僕も自分自身でアニメを作ってたときから、やっぱり自分自身が「だったら作ってみろよ」というのは絶対言わないようにしてたんですよね。それは、それを言うクリエイターは絶対に三流だからなんですよ。変な言い方ですけれども(笑)。

漫画家でも言わないですよね。ちゃんとおもしろい漫画を作っている人は、「だったらお前描いてみろよ」というのは口が裂けても言わない。それがプロの誇りなんですよね。

ファンという立場は一番気楽に、たとえばアニメが好きだったら、「アニメはちゃんと作られてるけれども、それを見て語るだけなんて誰でもできる行為だ。だから、つまらないんだ」とも言えるし、好きなように言っていいんです。

けれども、それぞれのプロというのは、映画のプロというのは絶対に「だったらお前撮ってみろよ」とは言わないし、批評のプロというのは「だったら、お前らTwitterでつぶやくだけじゃなくて、ちゃんと批評として読めるものを書いてみろよ」とは言わないと。

そうじゃない中途半端なやつが、「自分が傷ついたことに関して他人のせいにする」というのが俺の知ってるパターンなので(笑)。

このTwitterの漫画を描いた人は中途半端なプロみたいなポジションから発言して、一気に注目を浴びちゃって、一気にプロとして覚醒しちゃったので、「ここから見ものだよな」と思うんですね。というのは、この方法で注目を浴びて漫画作品出しちゃったら、そしたら今度この人はこれまで持ってた弱者立場を使えなくなると。

これまでは、「私なんかが何を言っても弱者だから」という言葉で、たとえばpixivで漫画を描いて、Twitterでいろいろフォローされてとなってたんですけれども、今度は強者の立場になっちゃうんですね。

強者の立場になっちゃうと、弱者のときに言えた楽なことがすべて通用しなくなってしまうという、不利なポジションというほどでもないんですけれども、追い込まれるので、ちょっとここから先見ものかなと思っています。

プロが一瞬で誕生する現場を見せられた

なので、アマチュアの人がアマチュアなりのポジションで、悪い言い方をあえてすれば、言いっ放しみたいなことでやったことで、いきなり注目されて、いきなりプロレベルに行った。

それもそんじょそこらのプロではない、逆に言えば炎上とも言えるんですけれど、注目を浴びた人が今後何をこの世の中に出していくのかというのを、プロが一瞬で誕生する現場を見せられたわけですね。ちょっとおもしろいなと思いました。

さてさて、もう20分くらい語ったので、この辺でツイキャスの皆さん、ではでは、さらば。本放送(ニコ生)のほうを見てください。

今日は半ばぐらいからゲストのヤング漫画王を呼んでですね(笑)。その前にコーヒータイムに入りますけど、その前にあと1つぐらい何か答えられないかな? 「私が大好きな」が終わったと。

(コメントで)「ツイキャス宣伝は終了前にしないのか?」ああ、しないですね。なんか自分でやってると、そういう本来ツイキャスやってるなら、ツイキャス見てる人に対して「ニコ生のほうに来てね」とか「ニコ生入ったらブロマガ会員なってね」っていうような宣伝トークをすべきなんですけど。

本番が始まってしまうと、いまこの瞬間をおもしろくすることしか考えられなくなってしまうんですね。あんまり向いてないですね(笑)。

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