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The 3 Coolest Things Built By Bugs(全1記事)

ハチの巣はなぜ六角形なの? 合理的な形をつくる小さくて優秀な建築家たち

地球上には特徴的な巣を作る虫たちがたくさんいます。その中でも代表的なものが、蜂(ハチ)、蟻(アリ)、蜘蛛(クモ)。彼らが作る巣は建造物の観点から見ても精密にできており、人間がその構造を真似するほどです。例えばハチは、可能な限り広い空間の巣を作るために六角形(ハニカム)という形を選んでいます。またアフリカやオーストリアに生息する一部のシロアリは9メートルにもなる山を作り、さらにしっかりとした空調システムも備わっています。クモは何百万匹もの仲間と協力し、太陽光を遮断するくらい大きな蜘蛛の巣を作ることもあります。そんな虫たちが作るスゴイ建造物の仕組みを解説していきます。

小さな建築家たちによる、驚くべき3つの建造物

ハンク・グリーン氏:ピザハット、タコベルなどの複合施設やショッピングセンターの高層ビルが現れるずっと前、自然界にはそれぞれ設計者がいました。どんな生き物でも生活のため、子供を育てるため、必要に迫られて生活をしていくための構造を創り出すのです。

今まで、作られてきた、最も複雑な構造は虫によって建設されたものです。たとえば、蜂が蜂蜜を貯えるための蜂の巣を見たことがあると思います。

そして、それらが完全に左右対称であることにも気づくでしょう。ハチの巣は、全てが1mm以下の6つの角を持ち、しっかり120度の角度で隣り合っているのです。

なぜハチの巣は六角形なのか

でも、なぜハチが巣を作るのに六角形を選んだかわかりますか? 彼らは効率を最大化するため、六角形を選んだのです。1グラムのワックスがハチの巣を作るために生み出されますが、それは最低でも6グラムの蜂蜜を消費するものです。

また、ハチは平らな場所で、可能な限り広い空間になる完璧な形が必要なので、それぞれ隙間がなくフィットしている形でなければいけません。それに、適した形は、たった3つだけで、四角形、正三角形、そして六角形なのです。

そのなかでも、六角形は三角形や四角形よりも短い外周を持ち、与えられた場所でより多くの形にフィットするのです。

ギリシャの科学者は、2000年以上も前に、このことを予想していましたが、1999年にミシガン大学の数学者トーマス・ヘイルズが19ページに渡って、六角形は僕たちが知っているよりもずっとコンパクトだということを証明するまで知られていませんでした。

一部のシロアリは9メートルを超える山を作る

みんなはシロアリについてもよく知っていると思います。また、このシロアリには、あまりいいイメージを持っていないかもしれませんが、彼らが築く山について知ったら尊敬するようになるでしょう。

世の中には1000種類以上のシロアリがいます。そのなかでも、アフリカやオーストリアに生息するシロアリは9メートルを超えるような山を作ることができます。

もし人間がこのスケールの高層ビルを作るとしたら、1.5キロメートルもの高さになってしまうのです。

アフリカやオーストリアでは、外の温度が2度から40度まで変化するため、シロアリは、自分たちの家の中の温度を30.5度に保つようにしています。その理由は、シロアリがカビの製造者でもあるからで、彼らにとってカビは主要な食べ物になります。

シロアリは山の中と外でこのシステムを作っています。ですので、中の温度はいつでも一定で、1日を通して、通気口も溝も山の中の空気が山の中に入ってくるように、泥の壁でできたトンネルで引き込むように調節しているのです。

トンネルに空気が流れていくと、空気の温度は蒸気冷却を通って下がり、その一方で、山の中の温かい空気は対流電流に引き込まれ、一番上にある送気管の出口を通って出ていきます。

もし、気温が高くなりすぎたり、低くなりすぎたら、気温を調節するためシロアリは通気口を掘り、古いものは塞ぎます。

本物の天才と言えるシロアリが建造した山には、効率的な空調システムがあるのですが、実は人間が真似をしています。ジンバブエの最大のショッピングセンターとオフィスの複合施設は、このデザインをモデルにしていて、従来の空調システムや暖房システムはありません。

また、イーストゲートセンターは、薄いコンクリートの壁でできていて、高い熱容量があります。ですので、建物は1階の外にある扇風機を通し、空気を取り入れ、コンクリートか空気か、どちらかが温められたり、冷やされたりします。そして夜間は、シロアリの山と同じように、煙突部分から温かい空気が排出されるのです。

何百万匹ものクモが協力して巣を作った

やっと、科学における、クモの巣の構造を語るときがやってきました。

どうやって2007年に、180mもの長さのクモの巣が、東テキサスのレイクダラス州立公園までやってきたかを話しますが、クモはとても縄張り意識が高く、獲物を捕まえるため、巣を作るときには共食いをするほど、その意識は高いものなのです。

2007年に起こった興味深いことと言えば、とても湿気の多い夏で、蚊やコオロギ、イモムシの幼虫が大量発生したことがありました。

豊富な餌を、より効率的に獲るために、少なく見積もっても1ダースくらいある種類の何百万匹ものクモが協力して巣を作りました。

この巣はとてつもなくレアなもので、きっと気味が悪いと思うでしょう。さらに、この巣は場所によって、太陽の光を遮断するほどの厚みがあるものでした。餌が獲れたとき、この巣が気持ち悪いものではないことを祈ります。

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