2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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倉本美津留氏(以下、倉本):今日はよろしくお願いします。
(会場拍手)
小西:倉本さんはいっぱい本を出されてて、すごくいい本がいっぱいあります。その中でも、最近この『倉本美津留の超国語辞典』というのを出されて、これがすごい。
僕が買ったら、その日に献本していただいて……結果的に3冊ぐらいあるんですが(笑)。これ、読んだことある人いますか?
(会場挙手)
前のほうがすごいな。なんか家族ぐるみで読んでますね。
倉本:(観客を指差して)あれ? あいつ、知ってるわ(笑)。ありがとう。
小西:っていうわけで、みなさんの手元にテストみたいなのを配りましたけど、あとで倉本さんこういうテストをやりつつ、ワークショップみたいなことをやっていったらいいんちゃうのということで。
たまたま僕も本を同じように自分で出したので、なんか一緒にやったらいいんじゃないかとなって、ここに来ています。
倉本:そうですね。コニタン(小西氏)が前に出した本の時も、俺もまた同じように本を出した時があって、その時も(2人でこういうイベントを)やろうかなと言って、なかなかできへんかったけど。また、タイミングが不思議と合ったこともあって。
(小西氏の本は)『すごいメモ。』というシンプルなタイトルをつけてるし。俺は『超国語辞典』というストレートなもので。なにか混ざったらできるんじゃないかなということで。
小西:「超」と付けると、やっぱりなんでもすごいことになる感じがしますね。
倉本:そうなんですよ。例えば、「超」は5年ぐらい前はダサかったんですよ。「超」ということを(いろいろな単語に)つけ出したのが、だいたい10年ぐらい前かな? 10年ぐらい前からみんな「超」をつけ出したんだけども、日常会話のなかで「超なんとかかんとか~」とか言い出して、「超」が1回使いにくくなったんですけれども。ここへ来て「もうええやん!」みたいな感じで「超」つけたったら、なんかしっくりきて。よかったなみたいな。
小西:これ、けっこう国語辞典に「超」がついただけなのに、ものすごい貫禄がでてますよね。
小西:(今日は)お互いの本について、ほめていきたいんですが。
さっきも言ったんですけど、高橋源一郎さんが「あんた、日本語のストーカーか!」という帯を書かれてるんですけど。これ読むと何がすごいかというと、ここまで日本語の細かいことについて考えてるおっさんは、まあ100パーセントいない。絶対に。日本中でたぶん一番すごいのが倉本さんというのがすぐわかる。
これ、あとで細かいところとか見ていったほうがいいと思いますけど、超おもろいんですよ。表現が大げさなことというのを集めているだけでも、一番最初の表現が大げさなやつ、「血眼になる」ですけど。
倉本:「血眼になる」というのは、ふつうにみんな使うじゃないですか。本当に探さなあかんものに対して。でも、血眼とは目が血だらけになってる状態やで。「そんなわけないやん!」という。大げさなことが多すぎるんですよ、日本語は。
小西:「眼球から血が出るほど探すとは、いったい何をなくしたというのでしょう?」とか、みたいなのが書いてある。むちゃくちゃおもろいんです。
倉本:そういうふうにいちいち日本語に対して一言つけてるんですけど。
小西:「断腸の思い」は、「本当なら気絶」完全に死んでるということになってるし(笑)。
倉本:「断腸の思いで」とか平気で政治家とか言うてるけど、「ぜんぜん断腸してへんやんけ」という。口先だけで言うてるやんって(笑)。
(会場笑)
小西:「石にかじりついても」については、「本当なら歯がボロボロ」とか、そういう講釈がすごいあって。気づきがすごいですよ。日本語とはいろんな角度から見ると、こんなふうにおもしろく楽しめるのかという感じがありますね。いろんなかたちで楽しめるんですよね。それが、すごいいいなと思って。
倉本:そうなんですね。僕はお笑いの仕事をずっとしてきたから、世の中、見方を変えたらなんでも笑えるやんという考え方なんですね。その1番身近にあるものが、文字だったり、しゃべりだったり、言葉だったり。いろいろあるそれらを当たり前のように、なんの気なしに使ってるのに「よく考えたらアホなこと言うてんで!」ということあるでしょ。
小西:(笑)。
倉本:まあ、言うたらツッコミです。みんな、ボケてるつもりはないのにボケてるというような状況になってる。それにツッコんでいってる本なんですね、いろんな角度から。かなりもう本当に頭おかしいくらい(笑)。だから、おもしろいはずですよ。
倉本:飲みに行った!
小西:飲み屋で「こういう本があってさあ……」と見せたら、馬鹿ウケするんです。やたらめったら、いろんな情報がつまってるんで。こんなふうに考えられるのかということになるから。飲み屋に行く時に1冊持っていくと、ものすごく使えて、ためになるようなことになると思います。
倉本:そう思いますよ。まあ、辞書なんでね。用語がいっぱい載ってて。50音順にのっているわけではないんですが、ジャンル別に、例えばさっきの「大げさ言葉」であるとか、「両立熟語」みたいなのもあるし、「お得読み漢字」みたいな、いろんな項目があるわけです。
それを……、辞書なので調べるために見るという見方もありますけれども、最初から読んでいくと、だんだんぶっ飛んでいって笑えるようになっています。僕は構成の仕事をしているので、読者に楽しんでもらえるように、最初は取っつきやすいところからゆるく入って、どんどん過激にしていき、無茶苦茶になっていって最後には「アホやなー」と、ツッコミながら笑える作りにしています。だから、辞書なんですがぜひ読んでいただけたらと思うんですけど。
小西:これ、ほんまはね、小学校とかに配ったらいいんですよ。中学校とか。
倉本:そうなんですよ。国語の教科書にしてほしいなと思って。小・中学生ぐらいかな、小学生高学年ぐらいからね。
小西:ものすごい、漢字とか日本語とかに興味を持つと思いますね。
名前は必ずそれをつけた人がいるわけで、例えば「イソギンチャク」が、なぜ「イソギンチャク」というのか、普段あんまり考えないじゃないですか。でも、「イソギンチャク」という名前をつけた人がいて、その人が「イソギンチャク」と言いだした時に「イソギンチャク」になったわけで。その人がたまたま浜を歩いていて、パッと見たときに巾着(きんちゃく)みたいなかたちだと思ったわけですよ、昔の財布。だから「磯に巾着みたいのがある」と言った。
その人がそういうことを言いださなければ、違ったと思うんですよね。みんながみんな「磯にある巾着だ」とは思わないじゃないですか。でもイソギンチャクという名前になっている。その感覚なんですよ。西洋人の目で見たらまた違っていてそっちのニュアンスの名前がついているとか。
小西:今の話と似てるんですけど、僕がたまにコピーライターの人と話すのは、世の中のすべての言葉って、ある状況とか感情とかに、誰かがその言葉をうまいこと言い当てたんだろうってことなんです。「フォール・イン・ラブ」というじゃないですか、普通の言葉ですけど。
倉本:「フォール・イン・ラブ」ね。
小西:「なんでフォールなのか?」と思ったことないですか? おかしいでしょ。だって、恋という概念はあるんだけど、それがフォールという(手で物が落ちるしぐさをする)。言葉になってる。「でもなんで落ちるの?」と。
倉本:そうだね。
小西:だから、あるとき、「なんとか・イン・ラブ」とか、いっぱいいろんなことを考えて、(最終的に)「フォール・イン・ラブ」と誰かが書いて世の中に提案したら、「それはわかるわー」ってなったんでしょうね。
倉本:なったんやろね。落ちる感じがね。
小西:それを日本語で「恋に落ちる」とよく言うのは、「ああ、落ちるわ」と思ったんでしょうね。でも、本当は「落ちる」っておかしいでしょ。
倉本:「フォール・イン・ラブ」が先だしね。日本語で訳した時に「恋に落ちて」っていうことで、「ああ、そのままいけるな」と、誰かが言い出したんだろうね。感覚でね。
小西:そうなんですね。だから言葉に注目してたりとか、興味があるようなことに気づくと、子供でも……。まあ、大人でもいいんですが、おもろいなあと。世の中には実は、そういうおもしろいことがいっぱい落ちていて、それに気づくのが、めちゃめちゃおもしろいんですよね。
倉本:めちゃめちゃおもろいんですよね。おかしなことだらけですから。だから、あとで、さっき配ったテストしながらね。(観客に向かって)例えば、「これどんな答えがありますか?」とか聞いていきますから手を挙げてね。僕が評価しますから。
小西:怖いですね(笑)。
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