2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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倉本美津留氏(以下、倉本):もう1個だけ、遊びやっていいですか? この「淋しい森林」というのをみなさん、やっていって。
小西利行氏(以下、小西):淋しい森林?
倉本:こう書くと、漢字の中に「木」だらけでしょ。「淋しい森林」という字のなかには、「木」が1、2、3、4……5、6、7個も入っているわけですよ。これがルールなんですよ。同じ漢字の入ってる漢字しか使ったらダメというルールで、短いセンスのいい文章作りなさいという遊びなんですよ。
これをやりだすとね、おもしろいですよ。シュールな短文ができてくるんで。僕がここに書いてる、「脇に協力する男」というのがあるじゃないですか。これは「力」という字が入ってる漢字しか使ってなくて。
小西:「脇にキョウリョクする男」は友情なんですか? ものすごい力ですね。
倉本:「協力」の「キョウ」は、ちなみに(「強力」ではなくて)あっちですからね。
小西:そっち、「協力」(笑)。
倉本:力だらけじゃないですか、「脇に協力する男」は。「なにを協力してんねん!」みたいなね。なんか「お前の脇、俺が助けたるー!」みたいな。
小西:何をしてるんでしょうね(笑)。
倉本:そんなのとかを作っていくんですよ。たとえば、「爽やかな殺気」とかね。
小西:「メ」だらけだ!
倉本:「メ」だらけなんですよ。「メ」をいっぱい集めようと思ったら、「殺気の中に爽やかなやつがあったと発見!」って。「爽やかな殺気」なんて、こんな言葉ないじゃないですか。でも、今までにはないおもしろい言葉がそこで生まれるんですよね。
小西:メ、メ、メ、メ……。
倉本:そうなんですよ。
小西:こういうふうにして言いながらやってくるやつは爽やかですよ。
倉本:そんな気がするでしょ?(笑)。
小西:(笑)。
倉本:こういうルールで遊ぶと、おもしろい表現がいっぱいできるんですよね。「蜆(しじみ)を見て寛(くつろ)ぐ親を窺(うかが)う」。これ、「見」ばっかりが入ってるんですよね。「見」がいっぱい蜆を見てくつろいでいるお父さんお母さんを、こっそりと見て「いいな」と思う。というような。
小西:「蜆やで」って。
倉本:蜆を見てお父さんお母さんが「綺麗やな~」って仲むつまじくやってるのを息子が静かに見てるというね。そういう、いい情景が。
小西:ものすごい見てますよね。
倉本:そうでしょう。こういうアホな、短い情緒豊かな文章が生まれるという、そういう遊びなんで。やってください。
小西:情緒豊かなんですか、これ(笑)。
倉本:情緒豊かでしょ、これ。情緒豊かにしてほしいんですよ。集める字は自由ですから、情緒豊かな文章になるように、がんばって選んでほしいですよね。そんないろんな遊びをこの本では提案してます。
小西:本当にこれだけ解説付きで聞くと、たっぷり楽しめますよね。7時間ぐらいやってられます。
倉本:1個のゲームだけで、ずっとやってられるからね。ちなみに(この本に)35個ぐらい遊び方が入ってます。
小西:たっぷり入ってますね。
倉本:コニタン(小西氏)のほうのテストしますか。
小西:僕ですか? ありがとうございます。1個だけやりましょうか?
僕の本のなかに書いてるんですけど、「ホワイト三角メモ」というアイデアの出し方をテストしましょう。これ、考え方でいうと、実はお笑いのジャルジャルさんと倉本さんでやってるお笑いライブと同じなんですよ……。
倉本:あれは、「超コント」というやつですね。コントに「超」をつけて、「超コント」という、簡単にいえば即興コントなんですけれども。
その即興を何に対してやるかというと、こんなふうにお客さんがいて、言葉をもらうんですよ。形容詞と名詞みたいなのを書いてもらって、ガーッとまぜてバンと引いて組み合わせる。その言葉は関連性ないからね、みんな好き勝手やってるから。変な言葉が生まれるんですよ。たとえば、「女々しい」「ワニ」とかができるんですよ。 「恥ずかしい」「土星」みたいなのとか。
小西:(笑)。
倉本:そんなことになるんです。聞いたことないようなもの。それをタイトルにして10秒後にいきなりコントやれという。当然打ち合わせできないんですけども。強引にスタートさせたら、テンションをバーッとのせてコントにしちゃうんですよ、ジャルジャルは。お笑い身体能力がすごく高くて。
それに対して、僕もその場で照明とか音楽とかを入れながら雰囲気を出すみたいなことをやってるんですけれども(笑)。そういうライブを、わりと定期的にやってるんです。「超コントLIVE」というキーワードで検索してもらったらと。
小西:それ、超おもしろいですね。やばいです。僕、この間、そのジャルジャルさんのやつを送ってもらって見たんです、タイトルは確か「イケてる宇宙人」……?
倉本:はいはい、「イケてるエイリアン」かな。
小西:会場から言葉集めて、その場で「イケてる宇宙人」ってタイトルが生まれて、10秒後にやるんですけど、そこから5分ぐらい即興でコントをやって、最後に爆笑に持っていくという奇跡が起こるんですよ。
倉元:奇跡が起きるでしょ(笑)。
小西:最初「何やってんの?」と思うんですけど、やりながらイケてる感じを表現していって。探りながらコントやるんです2人で。「こうなって、こうなってきたから、お前、何役な……」みたいな感じで、どんどん話が明確になっていって。で、爆笑!
倉本:ぜんぜん打ち合わせなしよ、コント始まってるからね。感覚で終わるから。
小西:最初は、両方とも変に動いてたのに、徐々にお互いに目線でどっちが宇宙人役なのかを探って、作っていくんですよ。
倉本:「あー、俺が宇宙人なんだな」みたいな。
(会場笑)
小西:それで倉本さんが要所要所で変な音鳴らすんですよ、フワーンみたいな。そしたら、それに合わせて宇宙人役が倒れたりするんですよ。「えーっ、どうすんのー」ってなる。ドキドキするけど、笑えます。ほんと見るとおもしろいんですけど。
倉本:そうそう。ぜひ見ていただきたい。その時に概念ができるんですよ、言葉がぜんぜん違うところからバンと会うと。そこから発明がなされるということですよね。
小西:そうですね。(背後のモニターを指して)ここにも出てますけど、この三角形が考え方の設計図なんですね。
で、今、倉本さんがおっしゃったようなことなんですけど、基本的におもしろいことを作り出すには、ゼロからイチを生むんじゃなくて、イチとイチをぶつける感じなんですね。
関係ない2つのことが出会うと、いきなり新しいことが生み出されるんです。アイデアを生むのがうまい人たちは、それを本能っていうかセンスでやってる感じなんですよね。
倉本さんもそうですよね。いろんな人たちと話をしてもそれが一番正しいアイデアの生み出し方だという。それを方式にしたんですよというのが、これです。
ここでは、超新しい回転寿司のアイデアが欲しいな……と。で、ターゲットは30代のおっさん。おっさんが喜んで行くような回転寿司屋にしたいと。
まず最初にやるべきことは、左側の三角形をただただ埋めていくこと。ほとんどの人が、回転寿司屋には行ったことあると思うんですけど、 回転寿司にあるものとか、できることとか、いる人とかを書いてく。「こういうふうなことはできるんちゃいますか?」みたいなことでもいい。とにかくいろいろ挙げていくんです。
倉本:手順は、左の三角に書いていくんですか?
小西:そうです。回転寿司屋にあるもの、できることというのをずっと書きつらねていくんですね。長いベルトコンベアみたいなのがあるじゃないですか。ああいうのも、「ベルトコンベア」と書けばいい。
倉本:押すとヘタしたらヤケドするやつ……。
小西:え?
倉本:湯のみ置かんと押したらヤケドするやつ。
小西:ああ(笑)。
倉本:そういうのあるよね。そういうのをいっぱい、書いていったらいいのね。(観客に向かって)言うてくれていいよ。
(会場挙手)
はい、どうぞ。
参加者1:お皿。
倉本:お皿ね。
小西:ほかに、なんでもいいですよ。バーッと、なんでもいいんで。これはいろいろ思いつくで。
参加者2:タッチパネル。
倉本:タッチパネルね。
参加者2:ついでに、早く来る新幹線のとかありますよね? 子供向けの。
倉本:新幹線の器。あるある。
小西:ほかになにかありますか?
参加者3:マグロ。
倉本:マグロあるよね(笑)。
小西:でっかい声で(笑)。
(会場笑)
小西:ほか、なんかありますか?
参加者4:待合席。
倉本:待合席ね。
参加者5:わさび。
倉本:わさび、ありますよ。次、どうぞ。
参加者6:おしぼり。
倉本:おしぼり、あるね。そういうのいいんじゃないの。
小西:おしぼりね。ほかにマニアックやけど、こんなのいいよみたいな。
参加者7:中国人の店員さん。
倉本:中国人ね、最近多いよね。
小西:いろんなところにいるよね、それね(笑)。あと紅しょうが。紅しょうがじゃない、なんだっけ。
倉本:ガリ。ガリもあるし。
小西:あるよね。
倉本:にぎり寿司が数字の代わりになってる時計とかない? 桶の時計。
(会場笑)
小西:まだまだいっぱいあるんじゃないですか。なんでもいいですよ。
参加者8:粉のお茶。
小西:ああ、粉茶。
参加者9:サービスタイム。
小西:サービスタイムね。
参加者10:乾いたお寿司にかぶせてあるプラスチックのフタ。
小西:長い(笑)。ありがとうございます。ほか、なにかありますか?
倉本:醤油はあるでしょ。割り箸とかもありますね。
小西:これはあまり見つけられてないなというようなのでも、「あーっ!」というようなのないですか? その空間でもいいし、できそうなものでもいいです。
参加者11:お持ち帰り用の透明の。
小西:お持ち帰り用のパックね。
参加者12:板前さん。
小西:いるいる、シンプルにいますね。
倉本:お椀だけ出してくる割烹着のおばちゃんとかね。
小西:奥からね。割烹着のおばちゃん (笑)。これはというの、ないですか?
参加者13:シャリを握る機械。
小西:あるね。シャリを握る機械。(あとは)なんやろね。
倉本:伝票。
小西:伝票、いいですね。
参加者14:お酢があります、最近。回転寿司なのに、お酢です。
(会場笑)
倉本:酢というか、ポン酢みたいな?
参加者14:いや、本当に酢。ありますよ。
倉本:いっぱい出さすね(笑)。
小西:どうですか? こんなもんでいいですかね。
参加者15:クーポン券。
倉本:クーポン券。
小西:はい、じゃあ、1回こっちいきますか。右側は30代のおっさんとかが好きなもの。こっちの左側はまったく考えずに、1回完全に忘れて、30代の男性客がめちゃくちゃ好きそうというもの、女性にしてもいいんだけど。なんでもいい。
倉本:これでおもしろいのは、コニタン(小西氏)のテストは実用性があるという。俺のは笑えたらいいという。
(会場笑)
小西:この後、どうなっていくのかが怖い。
倉本:一応30代男性でいきましょうかね。30代男性にウケるものでしょ? はい、どうぞ。
参加者16:家族。
倉本:家族(笑)。すごいなぁ。
参加者17:自分。
倉本:自分は好きだなー。アニメとかも好きなんじゃない?。
参加者18:水着女子。
参加者19:アイドル。
小西:ほか、なんでもいいですよ。
参加者20:ガジェット。
倉本:はい、どうぞ。
参加者21:英字新聞。
倉本:英字新聞?
小西:30代男性が英字新聞? かなりマニアックな男性ですよね。
(会場笑)
お金、ボーナス、ほかなんでもいいですよ。
参加者22:ゴルフ。
小西:ゴルフいいですね。
参加者23:サッカー。
参加者24:2次元。
小西:え? あ、2次元。
倉本:2次元の女の子好きやもんな。
小西:家族から2次元。すごいね、2次元の家族。
参加者25:どんどん現実的になってくる。
小西:どんどん言って、いいよ。
倉本:ダジャレが好きです。
観客26:『SPA!』
倉本:30代の男性、わりといるでしょ? ここに。自分のこと言ったらいいんですよ。教えて、教えて。好きなこと言うて。今の30代のことが知りたいからね。
小西:そうですね。
参加者27:筋トレ。
倉本:筋トレね。
小西:もうちょっと、言ってほしいですね。
参加者28:スニーカー。
小西:スニーカー。
参加者29:SNS。
参加者30:自己啓発。
参加者31:ハイボール。
倉本:ハイボールね。ハイボール流行らしたの、この人(小西氏)ちゃうか。
小西:ちゃうちゃう(笑)。サントリーの人。ほかになにかありますか?
倉本:みんな好きなの、おっぱいちゃうの?
参加者32:爆乳!
倉本:爆乳か。誰や今爆乳言うたん。
(会場笑)
参加者33:人妻。
倉本:いいね、そんなんどんどん言ってよ。人妻が好きなんや。
小西:あと1つ2つぐらいほしいですね。
参加者34:合コン。
倉本:合コンね。昔の30代とかだったら、車とかそんなの出てきそうだけど、最近出てこないね。車でドライブとかそういうの、みんなあんまり行かへんのよね。
参加者35:スタバでApple。
倉本:スタバでマック? 「スタバでマック」はおかしいな。iPhoneとか好きなんかな。
小西:こんなもんでいいですかね。
倉本:そうですかね。
小西:それで、いろんなもの挙げて、それとこれを合体させるだけなんですよ。なので例えば、さっき言ってたように上と下が合体すればそれだけでいいので、真ん中に何ができるかというのを考えて。湯のみ……、置かずに押すとヤケドするやつと、なにかを合体させていこうかみたいな。
倉本:水着女子でしょう、それは。
小西:やっぱり(笑)。「湯のみを置かずに押すとヤケドする水着女子」。
倉本:そんな肌あらわにしたら、ヤケドするでしょ。
小西:これをやっていくと、イベントとかみたいになるんです。わさびと……なにがおもしろいですかね? 「筋トレわさび」とか、どう考えても無理……。「おっぱいわさび」とか。
倉本:「わさび温泉」とかね。 でも、回転寿司屋のこと思いながらやらなあかんね、ここはね。
小西:そうなんですよ。
倉本:回転寿司屋のこと思いながらやるということでしょ、これやっぱり。
小西:ただ、こっち側は一応、回転寿司屋にあるやつを想像してるんで。「わさび温泉」というふうなことで、回転寿司を。「温泉わさび」……。「わさび温泉」って何?(笑)。
(会場笑)
だから「わさび温泉寿司」となるんですけど。「湯のみ置かずに押すとヤケドする水着女子寿司」。これいくらでも。「2次元マグロ寿司」。
倉本:怖いね(笑)。「爆乳タッチパネル寿司」いいね。爆乳をパネルのようにタッチしたら伝わんねんな。
小西:伝わるんですね。
倉本:なるほどね。
(会場挙手)
スタッフ:手を挙げている方がいらっしゃいます。
小西:はい、どうぞ。
参加者36:「お皿の上に家族」。
倉本:「お皿家族寿司」ね。
小西:ほか、なにかありますかね? (モニタに文字を打ち込みながら)割り箸……合コン。
倉本:いいですね、「割り箸合コン寿司」ね。なるほど。
小西:これはいったいなにをやってるかっていうと、普通では発想できないものを生んでいく。いっぱいワーッとやっていくと、なんでもかまわないです、マジで。それで組み合わせていくと、ほとんど使えないです。でもたまに、すごいのを生み出しちゃうというね。
倉本:「伝票アイドル寿司」いいね。
小西:これはいいですね。
倉本:かわいい子が最終的に伝票チェックしてくれるとかね。
小西:すごい、アイドルが。
倉本:それまでアイドル出てきてへんで。伝票のタイミングだけアイドルが出てくる、歌いながら。
小西:「新幹線の器アイドル寿司」。新幹線の器でアイドルがやってくる寿司屋。なんのことかわからないですけど、すごいむちゃくちゃなのができますね。
倉本:「待合席アイドル寿司」とか、普通になってきてるもんね。
小西:アイドル強いですね。これ、待合席にしかアイドルいない状態ですよね。ホンチャンではいない。
倉本:「板前さん自己啓発寿司」というのはどう?
小西:ああ、いいですね。
倉本:板前さんが、すっごいいいこと言ってくれるとか。「お客さん、それ食べちゃダメだよ。今日はこれにしなよ」とか。そんなこと。
小西:そんな横暴な(笑)。でもこれ、無限に遊びでやってられるんです。これイベントとかアイデアを考えていく時の……。この間、これをあるイベントで、結婚式の2次会とかでやったんですよ。(会場の)ホテルにあるものバーッと探して、やってほしいことバーッと挙げて、かけあわせるとおもしろいものができるという。だから、簡単にいくらでもやれるんですけど、でも実はアイデアの本質っていうか、基本骨格なんです。
逆にいうと、理詰めで考えるのも正しいですけど、左と右でぜんぜん違うものを考えずにかけあわせて、たまたまおもしろいものがあったら「それ、いけるじゃん」みたいなことにもっていけるとおもしろいなというのも、この本のなかには書いてて。
あと、ネガティブというか、この世の中で本当に嫌なことをいっぱい、ずーっと書き続けていて。たとえば、便座が冷たい。それでたぶん、便座シートが生まれたりとかしてるんで。世の中のネガティブを「これイヤなんですけど」「これ邪魔くさいんですけど」「ぜんぜんうまくいかないですけど」みたいなことをずーっと列挙すると、意外に発明とか発想の転換とかに使えたりするんですよ。それがけっこうおもしろいですよね。
倉本:それ直結しやすそうですね、確かに。
小西:という感じで、なんかザーッとしかやってないですけど、こういう発想法が本の中にも書いていたりするので、もしよろしければ。
倉本:役に立ちますよ。これとこれ(それぞれの著書)、両方もってるとすごい役に立つ。
(会場笑)
倉本:めちゃくちゃなことと役に立つことが書いてあるから、両方。そのほうが一緒に使えると思うんで。
小西:それでは、これでとりあえずトークショー的な、謎の感じのやつは終わります。
(会場笑)
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