2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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乙君:というわけで今日はメンヘラの嵐というか。メンヘラたっぷりのブートキャンプというか。
山田玲司氏(以下、山田):メンヘラっていっても躁病に近い方でしょ? 江川(達也)さんに近いやつでしょ?
乙君:そこ、実名出していいんですか(笑)。
山田:江川さんは大丈夫。器が広いから。
乙君:(笑)。まず、新刊『スーパースーパーブルーハーツ』、全員読んでると思いますが!!
山田:なんだよその圧。
乙君:この間も『アリエネ』とか『Bバージン』の時に、なんか反応悪くて、実はこのニコ生見てる奴は漫画読んでない説が浮上しまして!
実際そうだったんで(笑)。ま、これくらいはね、前から出る出る言ってたんでね。読んでくれてると思って進めましょう! まずこの漫画、『スーパースーパーブルーハーツ』とはどういう漫画なのかっていうのを玲司さんからまず最初に解説していただければ。
山田:ブラック・ジャックの心療内科医版なんだよね。ブラック・ジャックはとりあえず切って貼ってなんとか治して心のことはやらないんだよね。「あとはお前さんでなんとかしな」っつっていなくなっちゃうんだけど、実際の話、心を治すブラック・ジャックっていうのがいないだろうかっつって『アリエネ』の後、上野公園で「次何描こうか」って話をこの3人でした時に。
乙君:そうそう(笑)。
山田:俺は異常な迷走をしててね。「もう1回水族館漫画描いたらどうですか」とか編集に言われて。また大混乱に陥ってる時だったの。
乙君:あ、そうなの。
山田:そうなんだよ。そん時に俺、もう1つ思ってたのが、マイケル・ジャクソンみたいなスーパースターを作るプロデューサーの話描こうかなと思ってたの。それでまた大混乱。二重三重に大混乱してて。
それでそん時に1個あったアイデアが、「心療内科医版のブラック・ジャックどうかな」って言ったら、君たちが「それは描くべきだ」と。
乙君:まあそうですね。
山田:言ってくれて。それで描こうかなと思って。主人公は謎が多いんだけど。ブラック・ジャックにあたる羽黒明っていう男がいて、それの相棒に伊豆山くんってのがいて、これがまあ、シャーロックスタイルなんだよね。
だから未熟な伊豆山くんと、ある程度完成度の高い羽黒明って2人が心を病んだ子供たちを助けるって話なんだけど。
山田:基本的にメインになってるのが、自殺用のカプセル「ブルー」っていうのが流行ってて、そのカプセルを飲んだら死んじゃう。カプセルの中には青酸カリが入ってて、そんで、それをペンダントにしてる子供たちがいると。
で、「いつでも私は死にますよ」っていう宣言をしていて、それは大人に対する挑戦で。それに対してどういう風なアプローチで彼らを自殺から救うかっていう話がメインですね。そんな感じです。
乙君:なかなか言葉で説明すると複雑ですね。
山田:カプセルを作った男がいて、それがドクターキリコにあたるっていう話なんだけど。
乙君:死を肯定する派と。
山田:「死ぬ自由」っていうのと「生きるべきだ」っていう派に分かれる。これだからブラック・ジャックと全く同じで、ドクターキリコとブラック・ジャックの違いなんだけど。
乙君:ただ現代における問題として、ガンがどうとかそういうことではなく、心の問題をまずなんとかしないといかんだろうと。
山田:うん! なんか世界一の自殺大国とか言われているんで。
乙君:ちょっと良いすか? 次。「この漫画ができるまでの過程」ってさっき言ってたのですよね。今言ってたんですけど、その横に「長渕から矢沢へ」って書いてあるんですけど。これ、どういうことですか(笑)?
山田:はいはい、俺、この作品から長渕から矢沢に変わりましたんで。皆さんに言っとかなきゃと思いまして。あなたはまだ長渕のままだと思うんですけど、俺は矢沢になろうと思うんで。
乙君:何を言うてるんですか?(笑)。ちょっと、ちょっと続けてください。
山田:長渕回やってすごい思ったのが、あの、なんつーのかな。俺物語! あの漫画とは違うんだけど(笑)。
乙君:複雑だな、なんか(笑)。
山田:俺の物語、俺の人生、俺の想いみたいなものを。
乙君:私小説派っていうことですか。
山田:私小説。『Bバージン』の頃から出してて、それで「わかる、わかる。俺もそんな感じ」みたいなのを共感のレベルでやってくっていう派で生きてきたの、ずっと。だからエンターテイメントになりにくい。
乙君:おー。
山田:だから「I LOVE YOU,OK」とかできない。「君は僕をI LOVE YOU」みたいなこういう。あの……。
乙君:「I LOVE YOU」てなんだって話になっちゃいますもんね。
山田:それをそろそろやめたいよねって気がついた時期だったの。
乙君:はいはい。
山田:『アリエネ』っての描いたんだけど、アリエネは半分自叙伝みたいな感じで。だからあれで俺の報われない魂を成仏させたところがあったよな、描き終わったあと。
乙君:あー、だから『アリエネ』で自分の私小説スタイルに1個区切りをつけたと。
山田:あれで楽になったんで「オッケー俺のことはみんなどうでも良い。みんな楽しんでよ。俺は恥をかいてみんなを楽しませる側にまわるからさ」っていうふうに決意して描いたのが『スーパースーパーブルーハーツ』なんで。これはだいぶ楽。
乙君:「アガペイズとかゴルパンの方の山田玲司」って確かにそうだなと思って。その路線もあるじゃないですか、エンターテイメント路線の。
山田:あー。まあ『アガペイズ』は私小説にならないようにするために、主人公をゲイにしてるんで。俺ゲイじゃないから、ちょっと離れたの。あと『ゴールドパンサーズ』に関しては11人の隠し子の話ですから。
乙君:そうですね。
山田:隠し子を作った男は死んでるって設定だったんでこれも距離があったの。これでちょっとバランス取れたところがあったんだけど、どーもエンターテイメントがうまくいかなかったんだよねー。
乙君:うーん。
山田:ねー。だからそれでもう1回ちゃんとエンターテイメントやろうと思ってこれを描いたっていう。
乙君:なるほど。ブラック・ジャックの話はさっきやったんですけど、この、大きなテーマなんですけど、死ぬだのどーのって。で、メンヘラの問題じゃないですか、これって。
ずっとこの番組でもやってきたんですけど、そもそもコメントとか見てても「何がメンヘラか」とかっていうのがちょっと、みんなそれぞれにあって。そこらへんの、定義って言ったら固いんですけど、ざっくり、玲司さんにとってのメンヘラっていうことをまず言わないと、この後メンヘラについて話してもみんなそれぞれちょっとずつズレちゃうんで。
それはあってもいいんだけど、自分の中のメンヘラって。この番組で、とりあえず玲司さんの中でのメンヘラとは何かっていうのをちょっと、あの、言っていただければ。
山田:もともとネットスラングらしいじゃない。メンヘラって言い方は。心を病んでる人でしょ。だから心を病んでる人っていっぱいいて。何つーの? つねにイライラしてる人たちも、それから、潔癖症とかも一種のそれだよ。
しみちゃん:(笑)。
山田:あなたそうなんですか?
しみちゃん:ハイ(笑)。
山田:巨乳が好きなだけじゃなくて、……一番ん弱いとこ突いちゃったね(笑)。それで、俺は俺自身もそうなんだって話なんだよ、基本的に。俺もメンヘラだよなって思ってるわけよ。要するに、まあちょっとしたことでこうなって(下降)って。クソ死にてーって。
『絶望に効くクスリ』っていうので、だいたいフォーマットとして最初の数ページが「クソ、死にてー」みたいな感じで始まって、そっから「誰か助けてー」って会いに行ってっていうのをずーっと10年間描いてたので。基本的にそういう人なんで、まあ、それは……。
乙君:基本的にそういう人なんで(笑)。
山田:メンヘラです。メンヘラですよもう。じゃあそれでどうするかって話をずっと考えてきたって話よね。
乙君:はいはい、なるほどなるほど。結局じゃあ何なんですか。こじれた人ってこと?
山田:フツーだと思うよ。本当は、だからメンヘラって言われてる人は、回答から言っちゃうと「当たり前」「マトモな人」っていうのが出てくるんだけど、この漫画で。マトモな人ほど心は病むよねっていう。
乙君:あー。
山田:それを目に見える形になっちゃったりとか、追い詰められすぎて手首切んないとわかんなくなっちゃうとこまでいく。だから基本的にはちゃんと感じることのできる人なんじゃないかって俺は思ってるの。メンヘラって。
だからこそキッツいことになっちゃうよね、この文明社会、みたいな。だから俺は文明病だと思ってる、近代病だと思ってるんだよね。
乙君:それはそうだと思いますね。
山田:それがなんで起こるかっていうのはちょっと後で話そうかなって思ってますけどね。
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