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トリガーナイト「スポーツ漫画大好き芸人!」(全4記事)

桜木花道はなぜ1人暮らしなのか? 『SLAM DUNK』で明かされなかった謎

マンガが大好きな芸人さんをゲストに招き、毎回テーマを絞ってマンガとお笑いについて語るトークバラエティ『トリガーナイト』。今回は、パンサーの菅氏、エリートヤンキーの橘氏をお迎えし、大好きなスポーツ漫画について語っていただきます。

『SLAM DUNK』で明かされなかった謎

高橋伸一郎氏(以下、高橋):橘さんのおすすめの漫画はこちらです。

橘みのる氏(以下、橘):これみなさん知らないんじゃないかな。マイナーすぎて。

高橋:この漫画なんですけど、知ってますかね?

(会場笑)

高橋:序盤の話でガンガン言ってましたけど。

:「スラムドゥンク」っていう漫画。僕をなんでバスケに連れてってくれなかったんだっていう、その悔しさがあるんですよ。僕は野球部やりながら『SLAM DUNK』読んでたんですよ。だからクビになったのかもしれない。

(会場笑)

菅良太郎氏(以下、菅):でも、すごいよね、この漫画。キャラが全員立ってて。

:そう。そのなにがいいって、僕も身長が172(cm)しかないんで。

高橋:絶対ないでしょう。

:お前138だろ。

:138ってなんだよ。子供サイズじゃねーか。165しかないんですよ。その宮城リョータ君っていう、彼も160台。それで「チビをなめるなよ」とかね。そういう台詞が格好いいし。桜木君がずっと謎に包まれたまま終わってるんだよね。

:謎? 花道が? どういう謎なんですか?

:両親。

:出てこないってこと?

:出てこない。1人暮らしなんですよね、あいつ。

:そっか。

:そう、高校生で1人暮らしなんですよ。しかも、そこはなんの謎も解き明かされてないんだけど、それは伝えてるんですよ。1人暮らしだってことは伝えているのに。

高橋:地元もわからないってことですか?

:地元もわからないし、なんで1人暮らしかもわからないし、両親どうなってるかもわからないし。まだこの謎解きは終わってないんですよ。

:続編とかもありそうなのに。

高橋:学校で描いたみたいな。

:三浦のね。藤沢だっけ? 神奈川だよね。

:ありましたよね。

みんなバッシュを履いていた

:『SLAM DUNK』は、我々世代はみんな通ってきたじゃないですか。

高橋:これでバスケ人口がめちゃくちゃ増えたって聞きましたもん。

:それと同時期にジョーダンのバッシュの人気もあって、みんなバスケ部。野球部もバッシュ履いてたもん。

高橋:バッシュ履いてた(笑)。

:マジマジ。野球部もバッシュ履いてた。

:履いてたよ。俺もサッカー部だけど履いてたもん。

(会場笑)

高橋:誰もバスケに絡んでない。

:絡んでないけどバッシュ履いてるですよ。

高橋:バッシュ(語尾を上げる)じゃないですか?

:俺は今恥ずかしい。あーそうなんだ。バッシュ(語尾下げる)じゃないんだ? バッシュ(語尾下げる)でしょ。

高橋:バッシュ(語尾上げる)。僕そこずっと気になってた。

:『金色のガッシュベル』みたいな。

:『金色のガッシュベル』。

(会場笑)

:バッシュ(語尾下げる)じゃないんだ。バッシュ(語尾上げる)なんだ。そういうルールあるの?

(会場笑)

:ないけど。

高橋:言い出したら切りがないから。

:バッシュ(語尾上げる)って言ったほうが、お前が今後恥かかないよって。

:何対何でバッシュ(語尾上げる)なの?

:(会場に向かって)バッシュ(語尾上げる)は?

(会場挙手)

高橋:バッシュ(語尾下げる)だろうという人は?

(会場反応なし)

:0じゃねーか。

:そーなの。バッシュ(語尾上げる)。抜糸の感じ? バッシュね。もうこの話やめよう。

それぐらいすごく影響力あったなということなんですよね。

『SLAM DUNK』はキャラクター作りがすごい

:みんな、三井寿好きだった。

:そうそうそう。

高橋:3ポイントシュートですもんね。

:三井寿の出方であんなに髪切る?

高橋:ロン毛ですからね。

:最初の不良の時にロン毛で、急に髪切ってきたじゃん。「あんなに変わるんだ」「かっこよくなるんだ」って思ったの。その後に始まったのが『ビューティフルライフ』よ。

:関係ないだろ。

:髪を切ると人って変わるんだなって話よ。

:松たか子がいきなり髪切るのね(注:松たか子は出演していない)。

高橋:それで美容師人口がまた増えて。

(会場笑)

:マジですごくないですか? 漫画のなかのキャラクターで、あんなにルックスを変えて、人気もより高まるという。そのキャラクター作りについて、井上さんてすごいんだなって思って。

:すごいよね、この人。

高橋:かなりのやり手ですよ。

:描き分けだったり。死にキャラがいないもんね。

:木暮くんがまたかっこいいじゃないですか。

高橋:あれは、部活で活躍できなかった学生も勇気をもらえるキャラクターですね。サポートも6番目の選手というか。

:木暮くんもなかなか活躍する機会なかったですけど、僕なんて補欠にもなれずにクビになっちゃったわけですよ。でもね、そんななかで木暮くんの「じゃあ夢見させるようなこと言うなよ」っていう。

(会場笑)

:じゃあ、「俺を野球部で褒めるなよ」っていう気持ちもあったんだ。俺もたまに褒められたんだ。だって俺副キャプテンだったから。

:えっ。副キャプテンでクビになったの? お前なにしたんだ?

:「じゃあ、俺のこと副キャプテンにするなよ!」って思った。

:え。2人だったの?

:違う。野球は9人でやるんだ。

高橋:キャッチボールじゃないよ。

:2人だったら多分クビにならないんだ。

高橋:同好会みたいに。

:本当にキャラクターがすごいなって思って大好きなんですよ。

「漫画にクソなんてない」

高橋:僕も中学高校の頃は、仲良いやつ全員バスケ部でしたね。

:何部だったんですか?

高橋:バドミントン。

:そうなんですよ。バドミントン上手いんですよ、この人。

高橋:バドミントンの漫画があまりないんですよ。少ないんですよ。描いてほしいなって思うんですけどね。

『バドミントン・マガジン』っていうバドミントンの専門誌があるんですけど。そのなかに『スマッシュ』っていう漫画があって、その主人公の名前が、“日本一”って書いて、“ひのもと はじめ”っていうんですよ。多分クソみたいな漫画だと思うんですけどね。

:漫画にクソなんてない。あるのはクズだけだ。漫画は全部最高ですよ。

:学研から送られてくるやつもな。

:俺は進研ゼミの呼び込みのやつ。進研ゼミ始めたら急に勉強も恋愛も部活も上手くいく。

(会場笑)

:すごいなって思って。あれを思春期のやつに読ませたら、それは入るよ。

高橋:入りますね。

:俺、1回入ってかーちゃんに怒られて辞めて、もう1回入ったもんね。もう1回辞めたけど。

高橋:好きなあの子と同じ高校に行こうと思って。

:なにもかもが上手くいくんだよ。

:でも、俺、茨城の田舎町だから、だいたいみんな同じ高校に行くんだよね。よっぽどじゃない限り。

(会場笑)

:懐かしいですね。いろいろ蘇るわ。

格闘漫画はスポーツ漫画ではない?

高橋:好きな漫画は『バチバチ』と『SLAM DUNK』ということになりまして。いくつか出ているんですけど、今度は好きな漫画のエピソードですね。どんなエピソードが好きか、みたいな。

:なるほどね。でも、あれじゃないですか、そろそろ先生を。

:みなさん、お気づきだろうか。1つ席が空いていることが見てとれると思う。1つ席が空いているんですよ。私と菅さんが、NSCという養成所から、13年ですか、ずっとお世話になっている方がいらっしゃるんですけど。その方が「絶対に表舞台には出ない」と頑なに拒否されていた方なんですけど。

「今回漫画なんです。あなたのお力が必要だ」と。「スポーツ漫画をちょっと語ってください」と頭下げたんですけど、足らなかったんで、ちょっと地面掘ったんですよね。すると、「わかりました」ということで、若手の劇場では名前のある方で、構成作家の山田ナビスコさんという方をお呼びしているんですが、ご登場いただいてもよろしいでしょうか。

(会場拍手)

:山田さんですよ。山田さん、ビールでいいですか?

高橋:ビール好きそう。

:ビール3杯で1ヶ月生きた記録が残っています。

高橋:相当すごい。

:山田さんはスポーツ漫画で言うと、格闘漫画です。

山田ナビスコ氏(以下、山田):格闘漫画はスポーツ漫画と捉えられたくない。

(会場笑)

:どうですか、いきなりの説教。

:一緒にするなと。

:ちょっと違うよね。

(会場笑)

山田:ちょっと違うんですけど、ごっちゃになっちゃう。それは別の回で。今は特に、格闘技系が「これスポーツじゃないよね」ってことが多いので。『刃牙(ばき)』とか見ると。

:あそこまで行くと……『刃牙』に逸れてもいいですか。『グラップラー刃牙』は、山田さん的になんのジャンルに入るんですか?

山田:武道というか、概念になっていて。今は「何が1番強いか」に変わってるんで。刃牙は主人公じゃないんですよ。今板垣先生が、「どの武道が1番強いか」という概念をやっているんで。

:じゃあ、哲学でいいですか?

山田:哲学ですね。

:僕、こんなことを山田さんに言ったら怒られるかもしれないけど、『刃牙』のことギャグ漫画だと思っちゃってました。

山田:そういう一面もある。

:烈海王っていう中国武道の半端じゃないやつがいて。誰かを助けた時に、大回りしてたら大変時間がロスだってことがあって。川が目の前にあるんですけど。理論を考えて、足を踏み込んだ時に、沈む前に足を上げる、沈む前に足を上げる。これを繰り返したら水の上を走れるんじゃないかって。

:ギャグだ。

:それで実際に、これで渡ったの。

(会場笑)

:あの時、うわって思った。

山田:その烈さんも亡くなっちゃったんだ。お亡くなりになりました。

:急に悲しい話になりました。

高橋:パッと1回『刃牙』を見たら、片足、膝から下がなくなった。

山田:ピクルとの戦いで食われちゃったんですよ。

:これ漫画のなかのキャラクターが亡くなったってことですか? 僕は漫画に携わった人間が亡くなったのかと思って、本当にしんみりしようとしてた。なかの話なのね? お前らやばいな。

:そのくらい感情移入しながら見るべき。

:こんなこと言ったら怒られるかもしれないので、もう言わないです。僕はファンタジーなのかなって思っていて。『グラップラー刃牙』って、急にでっかいカマキリと戦うでしょ。

高橋:架空のやつ。

:イメージトレーニングを究めすぎたら本当に戦えるってこと。

:それで汗かいて血も出る。

高橋:血も出ちゃう。切られちゃう。

:赤ちゃんが「熱い物」っていう概念を覚えてから、鉄の箸を「熱い物」って思わせて肌につけるとやけどするっていう。実際そういうのがあるんだって。

:それ有名なのが、『エヴァンゲリオン』の声優さんが、アテレコの時に、本当に感情移入しすぎて、焼かれるようなシーンで、ここ(胸元)やけどしたみたいな。

:それと一緒。大きいカマキリがいるって思いこんだら、それがいる。

:なんで大きいカマキリがいると思うんだろうな。大きいカマキリいないのにな。

:いや、いるよ。『刃牙』読んだことある? (山田さんに向かって)大きいカマキリいますよね。

山田:いる。

高橋:駐車場か廊下で戦ってましたよね。

:廊下ですね。

:これも俺がマイノリティーなのかな。

(会場笑)

高橋:そのカマキリ見たことあるって(会場に)聞いてみます?

:聞いてみよう。マジで。この前逮捕された芸能人の女の子とかね。今日か昨日逮捕されたけどね。

梶原一騎がスポーツ漫画の源流

:山田さんのおすすめを聞きたい。

高橋:山田さんのお好きなスポーツ漫画とかありますか?

山田:スポーツ漫画ではない部分もあるんですけど、僕は『あしたのジョー』が。

高橋:ボクシングはスポーツという考え方を?

:セコンドいたら強そうだもんな。この人(山田氏)がセコンドにいる選手強いでしょ。

(会場笑)

高橋:しっかりワセリン塗って。

:ボクシングはスポーツなんですか?

山田:ただ、梶原先生のその辺あるんですけど。

:梶原一騎さんという原作者ですね。

山田:原作者の。その人が、スポーツ漫画のある意味源流ではあるんですよ。というところで言うと、2人共(橘氏・管氏)その源流から逸れていない漫画が好きで良かったなと。

:びっくりした。怒られるのかと思った。「2人共」で始まった時は。

山田:すごいのは、ジョーって実はボクシングが上手くないんですよ、ケンカが強いだけなんですよ。

:マジでセコンドみたいなこと言い出しましたね。

(会場笑)

:ボクシングは上手くない、ケンカが強いだけだ。

山田:これって梶原一騎の流れなんですけど。例えば『巨人の星』で、飛雄馬は別に天才ではないんです。努力の天才では左門が別にいるんですよ。飛雄馬は何かっていうと、ただ野球が好きなだけなんです。

:野球馬鹿なんですね。

山田:ジョーもボクシング馬鹿なんです。拳闘○○っていう放送禁止用語があるんですけど。みたいなことで、それが世界チャンピオンまで挑むっていう漫画なんですよ。

だから、最後は白く燃え尽きる。っていうことで言うと、今挙げてもらっていた『SLAM DUNK』は、実は花道はバスケ上手くない。菅君があげてくれてた『バチバチ』も主人公はソップ型といって体格がちっちゃいんですよ。

:あんたなんでも知ってやがる。こいつがでかいカマキリに見えてきた。

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