2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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角野信彦氏(以下、角野):これ乾杯するんでしたっけ?
兎来栄寿氏(以下、兎来):そうですね、最初乾杯しましょう。
東海林真之氏(以下、東海林):青いですね、みなさん。
兎来:そうです。オールブルーです。こちらがフルイチオンラインさんの協賛カクテルで、オールブルーっていうのになってまして。マンガ夜話でトリガーに来ていただければいつでも飲めます。今日会場にいらっしゃってる、みなさんもぜひ注文してください。じゃあ乾杯しましょう。
角野:フルイチオンラインさんに乾杯。
一同:カンパーイ!
兎来:おいしい。
角野:けっこうお酒の味がする。飲みやすいですね。小林(琢磨)くんが堀江(貴文)さんに怒られてるときぐらい青い。
一同:(笑)。
兎来:マンガHONZのメンバーを知らない人には伝わりにくい……。
角野:それくらい美しい青ですね。
兎来:元ネタはワンピースのオールブルーから来ているというカクテルですけど。今日はブルーじゃなくて、ピンク系な。クリスマスが近いということで、甘酸っぱい恋愛青春マンガを今日は語っていこうと。
角野:ピンクオーシャンですね。
東海林:あれ? どんなタイトルでしたっけ?
兎来:ピンクとは違う感じがしますけど、大丈夫ですかね?(笑) もうちょっと青色とか……。
角野:ピンクは前回、語りつくしたんで。
東海林:青春懐古厨必見。
角野:甘酸っぱい恋愛マンガっていうのを今日は話したいということですね?
兎来:はい。ただ甘酸っぱい恋愛マンガを話すのに、おっさん4人。圧倒的な逆境ですね。
一同:(笑)。
筧将英氏(以下、筧):「テーマ違うだろ」ってみんな思ってるやつですね。
兎来:本当は女性を呼びたかったんですけども。マンガHONZメンバーの女性が師走の忙しさのあまり(2015年12月17日開催)、予定が合わなかったということで、仕方なく。
角野:「甘酸っぱい」というよりは、「酸っぱい」という感じですよね。古漬けって感じですよね。
兎来:逆境は乗り越えるためにあるのでがんばっていきましょう。
東海林:(ニコ生コメントで)ツッコミ入ってますね。「おっさんしかいないじゃないか!」って(笑)。
兎来:おっさんが、がんばって甘酸っぱさを醸し出していきましょう。甘酸っぱい恋愛青春マンガを語っていきたいんですけれども。今日はどっちからいきましょうか。角野さんから?
角野:僕は最後でいいです。
東海林:まさかの(笑)。
兎来:じゃあ僕から。甘酸っぱい恋愛青春マンガ、あるいは人生で最も心に残っている恋愛青春マンガでもいいと思うんですけど、最近おもしろかったもので。
角野:兎来さんいっぱいあるでしょ?
兎来:そうですね。とりあえず今日触れておきたかったのはこちらですね。『キュビズム・ラブ』という作品です。
兎来:これは最近『刀剣乱舞』っていうオンラインゲームがすごく流行ってまして。そのシナリオとか設定を考えてらっしゃる芝村裕吏さんっていう方が、原作をやっている作品なんですけど。その人が作る作品って本当に尖っていて。恋愛マンガなんですけど、これもすごく尖ってるんですね。
主人公は普通の中学生の女の子だったんですけど。部活の陸上の試合にいく途中に、交通事故に遭ってしまいまして。手術の結果、体が残ってなくて、箱の中に脳が詰まっているような状態になっちゃうんです。そこから、病室で始まる担当医との恋愛マンガという。
東海林:そこから始まる?
角野:脳だけ? 脳と会話するんですか?
兎来:そうなんです。脳が中に入ってて、考えたことが電波で声になる近未来的な。
筧:甘酸っぱさが、まったく感じられないですけど……。
(会場笑)
兎来:わかります。これだけだとだいぶSFだと思うんですけど。この設定でありながらも、胸キュンするんですよ。恋愛というか、まず自分に親切にしてくれる担当医。性格のいいイケメンなんですけど。その優しさにほだされていきまして、すごく気になり始めて、相手も自分のことを意識しているような素振りが見え隠れし始めて。
そこで男性医が、この5年間誰にも教えたことのないメールアドレスを、箱の女の子に教えてくれたりするんですよ。そういうところにすごいキュンキュンしてくるんですよ。箱との恋愛なのに。
筧:なるほど。
兎来:まず、ほかで見たことないですよね、箱との恋愛物語は。
角野:箱は、ダンボールですか?
兎来:いや、鋼みたいな、四角い。
東海林:「ルックスは関係ない」の極み、っていうことですよね。
兎来:そうなんですよ。完全に、外見が箱なので。
筧:どうやってコミュニケーションしてるんですか?
兎来:一応会話はできるんですよ。脳は残ってて。話しかけると、それは知覚できるっていう。本当に病室の1室だけで、4巻ぐらい繰り広げられる。すごいんですよ。
角野:完結してるんですね?
兎来:はい、全4巻です。フルイチオンラインさんで、買っていただけるのでぜひぜひ。
東海林:兎来さんから始まると、すごくマニアックなところにいきますね。
一同:(笑)。
兎来:メジャーなところもおすすめしておきたいんですけど。恋愛マンガと言ったら、最近は『ストロボ・エッジ』と『アオハライド』の咲坂伊緒さんがNo.1と言っても過言ではないと思うんですけども。
その方のアシスタントをしていた川端志季さんの『青に光芒』。
デビュー単行本の短編集でして。これがまた師匠譲りの、ものすごく甘酸っぱくていい恋愛短編集になってるんです。
今この方は『宇宙を駆けるよだか』というマンガもやっていて。それもすごくおもしろいですよね。そちらはいわゆる『累 -かさね-』みたいな感じで、美女とブスの女の子が入れ替わっちゃうみたいな話なんですけど。サスペンスで「そんなのも描けるんだ」と思ったんですけど。
こちらは正反対で、純粋に現実のフィクションなしの恋愛が繰り広げられていくっていうお話になっていまして。タイトル通りで青い、オールブルーより青い感じのいい短編集なので、こちらもおすすめです。こちらもフルイチオンラインさんで買ってみてください。
東海林:こんな感じで、自分のおすすめを言っていけばいいんですね?
角野:筧さんは自己紹介したほうがいいんじゃない?
筧:筧と申します。代理店にいます。僕は『おはようおかえり』っていう鳥飼茜さんの作品です。全5巻で完結している恋愛の話なんですけど。おもしろいのは湿度が低いマンガなんです。
舞台が京都で、いい雰囲気のある情景描写のなかで恋愛を進めていくんですけど。20代後半ぐらいの男性が主人公で。最初は女子大生と付き合ってたんですけど、うまくいかないみたいなところもありながら。主人公にはお姉さんが2人いて、そのお姉さん2人の恋愛も語っていくみたいなかたちです。
昔よりも今のほうが恋愛マンガはすごく刺さるなって思えてきて。昔よりも最近のほうが読むんですけど。リアリティのある恋愛のほうが最近は刺さるなぁと思っています。
僕は32歳なんですけど。恋愛で揉めごとがあったときに、カッとできないように、だんだんなってると思っていて。逆に怒りをぶつけるぐらいのほうがかわいいんですけど。それもできなくなってくるみたいなところに、すごくフィットするマンガなんです。
怒っていろいろ思ったり、悩んだりするんですけど。それを意外と言えなかったりとか、言って向こうも「そうだよね」みたいな感じの、湿度と気温の低い恋愛模様がずっといく感じがあって。それはすごく今の自分にはフィットしたなという感じがします。
ほかの人の感想はどうなのかなって、Amazonで見ていったんですけど。読んでいただけるとわかるんですけど、最後5巻で意外な終わり方をしていて。ハッピーエンドなんですけど。ずっと出てきた子とは結ばれないみたいなことになっていて、それも今っぽいかなぁという結末なんです。
Amazonでは「そこはどうなんだろう」みたいなことが書かれてたんですけど。それが逆に大人の恋愛っぽいという感じがして、最近はそれが刺さりました。
角野:ちょっとつまんなかったです。
一同:(笑)。
筧:最初なんで、すいません(笑)。
角野:じゃあ、東海林さん。
東海林:僕は今回のテーマが「青春懐古厨必見」って聞いてたんで。ベタなところを話そうと思ってたんですけど。自分が(筧さんと)同じように32歳で、1995年前後くらいに中学高校時代を過ごしてたので、ベタですけど『I"s』とか。『BOYS BE…』『SALAD DAYS』、出版社をバラけさせて言うとそういったところです(笑)。
『I"s』も捨てがたいし。捨てがたいというか、泉ちゃんのエロさとか。みたいな感じでしたけど、『SALAD DAYS』が好きでした。そこにたまたまありますけど。さっき兎来さんが選んでくださってたんですけど、その水着の表紙の巻を選んだのはあえて意味があるんですかね?
兎来:いやいや、そんなことはないです。ただこの娘が好きなだけです。
東海林:そうなんですね(笑)。あとは妹がいたので、当時妹が持ってる少女マンガを借りて読んだりしていて。昔、小林さんが「マンガHONZ」で記事を書いてましたけど、男子校あるあるで「男子校で少女マンガを回し読みする」っていう。
兎来:らしいですね。
東海林:『ママレード・ボーイ』とか『彼氏彼女の事情』とか、あと恋愛じゃないですけど『こどものおもちゃ』。その辺がいちばん青春というか、思い出深いものでしたね。
角野:『こどものおもちゃ』ってどこがおもしろいの?
東海林:あれ、恋愛じゃないですけどね(笑)。あれはなんでしょうね? でも社会派というか、当時の社会問題とかをうまく取り入れてやってたのがおもしろかったですね。
兎来:ああいう目線で子供を描いてるのは、あの時代、ほかになかったですよね。
角野:佐渡島(庸平氏)がね。
兎来:佐渡島さんがすごく褒めてましたからね。
角野:レビュー書いたんですよね。
東海林:あまりヒットしなかった?
角野:怖いぐらいいかなかった。
一同:(笑)。
東海林:そういうフリですよね、これ(笑)。
角野:オールブルーのように青くなってる。
兎来:オールブルー的なPVに。
東海林:すごくベタですけど、その辺ですかね。僕がここに呼ばれたのってあれですよね、『からかい上手の高木さん』とか『赤髪の白雪姫』とか、その辺ばっかり書いてたからですよね?
兎来:『からかい上手の高木さん』は近年の胸キュンマンガだと……。
東海林:あれはおもしろいですよね。詳しくはレビューで、ということで。角野さんはここの世代とはゾーンが違いますよね?
角野:僕は1971年生まれ、44歳。違いのわからない男。
一同:(笑)。
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