2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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パトリック・ハーラン氏(以下、パックン):私がこれまで話してきたことは、メディアでのコミュニケーション、お笑いの話から大きく逸れています。そして、私はジャーナリストではないので、みなさんがこの話を聞きたいと思っていないことはわかります。
私は特派員ではありません。私は新聞記者でもありません。私はマルチタレントです。私はコメンテーターです。しかし、私は記者クラブの外にいる人間の視点から話しているのです。たとえば、日本の記者クラブ制度は再考されるべきです。修正する必要があります。
この制度は、報道の自由に対する壁だと考えています。また、みなさんもそう強く感じているかもしれません。しかし、認められているのです。
アメリカにも、日本で行われているような制度があります。私は、いつか日本のジョン・スチュワートになりたいと思っています。私は、日本のお笑いのなかで非政治的な論評を行っていますが、談話や議論など、メディアにとっての自由が大きくなれば、これを変えようと思っています。
特にアメリカでは、ジョン・スチュワートような人たちによる社会的な論評を含んだお笑いが、大きな役割を果たしていると考えます。もしかしたらみなさんもご存じかも知れませんが、一般の人々に対し、国内外のニュースについて尋ねた大学の研究があります。彼らに10の質問をし、どこでそのニュースを知ったかを得点付けし、ランク付けをしてもらいました。
もっとも高い評価を得たのが、アメリカの公共ラジオ放送NPRです。多くの人が、NPRから情報を得ていました。2番目は、ジョン・スチュワートのコメディを見た人でした。政治的なコメディは、面白い冗談を交えながら本当のニュースを伝えるもので、ニュースが印象に残りよく理解され、忘れにくいのです。
1番目がNPRで、2番目がジョン・スチュワートです。3番目はCNNで、4番目は「なし」という回答でした。人々はニュースを見ていないのです。4番目が最も重要です。5番目がThe Fox Newsでした。これは本当ですよ。ジョン・スチュワートは、人々に情報を伝えるための重要な役割を担っています。私は、いつかこの役割を担いたいと考えています。時間が来ましたね。伝えたいことは伝えられました。もしなにか聞きたいことがあれば、教えてください。
今の日本では、新しいニュースを発信したり、それを受け取ったり、論評したり意見を言おうとしようにも、非常に制限された情報源や、限定された権利しかないと考えています。人々は新しいニュースを聞きたいし、将来的にはそれを買うことだってあるのです。BS-TBSの「外国人記者は見た」は、その流行の始まりです。
私たちは、外国人記者の皆さんの声を日本人の視聴者に届けようと挑戦しています。同じニュースでも新しい視点でとらえることができるのです。
私のスピーチの締めくくりに、1つお伝えします。日本の人々や、日本のメディアは素晴らしいです。信じられないほど素晴らしいです。本当に、日本のためならどこへでも行きたいと思っています。私は日本の人々を愛しています。日本のみなさんは、とても素直です。日本の視聴者は、よく「これは三大なんとかだよ」と言います。あなたはこれを信じますか?
三大料理とか。それって誰が決めた三大料理なんだよ、と思いませんか? しかし、人々はうなずき、「おお!これが三大料理か!」と言います。トルコ料理は三大料理の一つ? 食べたことないです。それを誰が決めているのかを知っていますか? しかし、それは問題ではないのです。
人々は信じています。それはとてもいいことで、また素直さに基づいた認識なのです。なにを認めるかは、きちんとバランスを保って決めたほうがいいですね。
アメリカのニュースは、いいことも、とても騒々しく伝えます。それは恐ろしいです。24時間ずっとニュースを持っているし、視聴者がアドレナリンラッシュを起こすように挑戦しています。それらを引き起こすものは、「恐怖と怒り」なのです。
日本のテレビはとてもスムーズで、面白おかしいときに出る「エピネフリンとコルチゾール」を分泌させます。そして、それらのホルモンが笑いを引き起こすのです。これは、テレビによって素晴らしいサービスが提供されたときに、いい気持ちになることで起きる体内の反応です。
アメリカのテレビは、同じようにエピネフリンを、少量のアドレナリンと共に分泌させます。これは、あなたに恐怖や怒りを感じさせ、そして中毒にすることができます。あなたは、より怒りを覚えます。
アメリカのニュースには、とても長い台本があります。たとえば同じニュースでも、日本では「3人の登山家が、富士山でハチに刺されました」となるところを、アメリカでは「ダダンダンダダン……危険な事件です。ダダンダンダン……毒をもったドローンが襲撃してきました」となるのです。とても大袈裟です。
アメリカのニュースは完璧です。日本のニュースも完璧です。私はその両方から学びたいと考えています。そして外国人特派員の皆さんが日本に型や視点を持ち込んでくれるのだと考えています。もしかしたら、日本の視点を世界に広めてくれるのかもしれません。そして、あなたは今、より必要な存在となっています。
日本のメディアがエンターテイメント産業になるための小さな光が見えたならば、私を必要としていただけると幸いです。ありがとうございました。
ジョナサン・ソーブル氏(以下、ソーブル):今から、質問をお受けしたいと思います。またいくつか私からも質問をさせていただきます。報道機関の方から質問はありますか? 最初は、このクラブのメンバーにしましょう。
質問者1:6つのオーストラリアの新聞で記事を書いている者です。テレビ局で過ごすとき、スタッフとなにを話すのですか? また、スタッフはどのように接してきますか? 何を話してきますか? 私の経験からすると、日本人はいつも、相手が目上か目下かによって相反する反応をすると思うのですが。あなたはどのように接されていますか? どのようにコミュニケーションをとっていますか?
パックン:非常によい質問ですね。1つ言えるのは、私は外人タレントであり、特派員でもあり、ビジネスマンでもあります。相手の対応は、それぞれによって異なります。ハーバードを卒業していると、目上として扱ってもらいやすいです。しかし、正しいことではありません。この産業や私が選んだ専門分野では特に。
とても多くの情報がありますが、始まるときにはなにもありません。初めに少し印象が悪かったときは、目下として扱われます。しかし、私は目下でないと気が付きました。最近は序列の最下位から抜け出しました。これは誰かが言ったことによります。
たとえば、日本のテレビでは台本のない会話があります。そして、もし誰かに「ガンダムのあの登場人物に似てるよね~!」「シャアだね、シャア!」と言われたら、ほかの全員がそう言います。「おお~、シャア」と。で、なんとかでなんとかでなんとか……と喋ります。彼らは同じ語彙を持っています。しかし、それは私にはありません。
しかしながら、私には異なる文化の情報があります。私は先ほどのような会話には入っていけませんが、定番の決まり文句ならあります。そうすれば、トーテムポールの少し下のほうに行くことはありません。
今、私のプロとしての専門性は20年以上日本の芸人をしてきたことです。1996年に芸能人生を始めた時よりも、扱いはよくなっています。そして、その理由はまた違う理由にあります。今でもアメリカのテレビを見ていますし、アメリカのメディアを読んでいます。そして、世界のテレビを見ています。異なる価値観の情報を持ち、ライバルとは少し違う味を出していると、話をする機会をもらえました。
そして、外国人として扱われることがあるかという質問に対しては、レストランでこんなことがありました。私が「すいません。カレーライス、大盛りで」と注文すると、「わあ! 日本語上手いですね~!」「え? お箸、大丈夫ですか?」と聞かれるんです。22年も日本にいるんだから、そりゃ日本語も喋れるし、お箸も使えます。しかし、彼らはよかれと思ってしているんです。
すべてが必要かどうかちゃんと考えていませんでした。そして、繰り返しそれらに遭遇するわけではないことに気が付きました。だから、私は少し違う扱いを受けるという事実を受け入れることにしました。私は、特別扱いによって生き残り、成長できたのです。あなたは目下として扱われたことはありますか?
質問者1:昨日、忘年会に行きました。私は長い時間、特別ゲストの扱いを受けました。
パックン:忘年会で特別扱いされるということは、つまりあなたにおごってほしいということですよ(笑)。
ソーブル:根本的に、同じヒエラルキーで見られていると感じるか、違うと感じるか、どっちですか? 日本のテレビやエンターテイメントの世界では、露出が制限されるという話もありますが。どれくらい階層主義なんでしょうか? 両方の人がいます。政府の官僚主義のように、風通しの悪いこともあれば、自由気ままなヒッピーのような人もいます。あなたの経験からすると、基本的にどちらでしたか?
パックン:まず質問を定義しましょう。そして、日本のエンターテイメント業界はとても細かい階層主義です。たとえば、テレビ局に行ったら、出演までの間は楽屋で過ごしますね。芸能界では、若い人なら楽屋に挨拶に行くことになります。年上の人から順番に挨拶に行くことになっています。そして、この仕組みをないがしろにすると、本当に面倒なことになります。
そして、この業界では、若い人が年上の人をもてなすことになっています。私より若い人は、私の楽屋に来ます。本当に変なことです。なぜなら、ホストとゲストが入れ替わっているのです。こっちがお世話になってるから「すみません、お願いします」と言います。しかし、私はこれをやります。アメリカ人からしたら、とても変な文化です。
しかし、よいこともあります。外国人だから、ルールを破っても許してくれるのです。「大丈夫、まあ外人だからしょうがない」と。いつもこの言葉を聞きます。これは私にとってアドバンテージです。私は確信犯です。わざとルールを破ります。裏面もあります。彼らは、いつもそうされることを望んではいません。あなたの質問を言い換えると、1996年には多くの外国人芸人がいましたが、その多くは今、テレビに出ていません。
ソーブル:日本語を話すことが強制されるのでしょうか?
パックン:私の時代には、外国人芸人はいませんでした。2、3年から5年くらい経ったら、彼らは消えていました。私は、彼らを応援しています。「頑張れ、厚切りジェイソン」。しかし、多くの外国人が出ては消えていきます。そして、私が生き残った理由は、構造を考え出したことと、運がよかったことにあると思うのです。
私は、少し冗談を加えながらも、まじめに演技をします。おもしろいショーでは、少しだけ真面目な情報も入れます。私は、ニッチ市場を開拓できたのではないでしょうか。自分自身の経験からも、勉強は大切です。ハーバード時代の経験には本当に助けられたので。私はお笑いをする外国人なわけですが、世界のことをたくさん知っている芸人です。
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