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結婚しない男たち・「ソロ男」を語る夜(全5記事)

お互いに干渉しない関係がいい ソロ男・ソロ女カップルの相性がいい理由

現代で増え続けている、1人の時間を大切にする「ソロ男(そろだん)」呼ばれる独身男性。はたしてソロ男と結婚した女性は幸せになれるのでしょうか? 荒川氏によると、誰かと一緒にいるよりも自分のために時間を使うソロ男は、似たタイプの「ソロ女」との相性が良いそうです。パートナーといつも一緒にいたいと考える女性の場合は難しいですが、お互いに干渉をしない、ベッドも別々で1人で寝たいタイプの女性とならソロ男ともうまくいくはず。また、一度決めたブランドを長く愛し続けるソロ男は恋愛でも一途で浮気をしません。ソロ男との結婚は精神的にも経済的にもお互いに監視し合わない関係を築ければ、うまくいく可能性が高いといえます。

ソロ男の好きな女性のタイプ

荒川和久氏(以下、荒川):それで、ガチのソロ男を結婚する気にさせる方法。

杉山豊氏(以下、杉山):(プロジェクターに好きな女性の外見のタイプを示した棒グラフが映る)これ、何ですか?

荒川:好きな女性のタイプの外見。左側は既婚男性の好きなタイプで、右側がソロ男の好きなタイプで、これはその差分です。差分で見た時に、要するにこっち側(右)にいってればいってるほど、ソロ男が好きなタイプなんですね。

身長が高くて、痩せ型で、貧乳で、顔が和風で、ツリ目の人が、ソロ男が好きな人。ソロ男というと、秋葉原のメイドカフェにいる萌え萌えキュンみたいなのが好きなイメージ、あるじゃないですか。むしろこれ、モード系のモデルですよ。

杉山:意外。

荒川:逆に言うと、既婚男性のほうが身長低くて、ぽっちゃり型で、巨乳で、顔が洋風で、タレ目。顔がかわいらしい感じの人ですね。

杉山:ソロ男が好きなのはクールビューティ系?

荒川:クールビューティ系です。

杉山:(グラフで)顔が突出してますもん。

荒川:既婚男性の巨乳好きというのも、突出してるんですけど。

(会場笑)

杉山:やっぱり、結婚する人はマザコンというか、母性なのかな。(ソロ男は)女性を感じさせないほうが好きなのかな。

荒川:女性に対して、女とか母を求めてないんですよ。

杉山:ないということですね。

荒川:逆に、既婚の人はそこに女性とか母を求めてるので。ソロ男が女性の外見に求めているのは、観賞用の美、美しさみたいなところになるんですね。

ソロ男はバリバリ働く女性が好き

荒川:(好きな女性の性格のタイプを示した棒グラフが映る)見た目はそうなんですけど、性格に至ると支離滅裂で。赤いのが、ソロ男がいいと言ってる項目。「落ち着いてておしとやか」これはまだわかるじゃないですか。なぜか向こうから連絡してくれて、甘えてくるけど、バリバリ働く人(笑)。

(会場笑)

杉山:あんまり「会いたい、会いたい」は嫌だけど、向こうから連絡してくるのはいいんだ。

荒川:おしとやかで、向こうから連絡してきてくれて、しかも甘えてくる。そして、バリバリ働く、と。そのまま見ちゃうと、もう支離滅裂でわけわかんないんですけど、既婚のほう見るとやっぱりわかりやすくて。明るくて活発で、仕切りたがって、体育会系で、甘えさせてくれる、専業主婦なんです。

ソロ男の人は全体を見ちゃうと、言ってることとやってることが違うので騙されちゃうけど、一番重要なのはこのバリバリ働く女性が好きというところですね。専業主婦を望む既婚男性に対して、ソロ男は女性にバリバリ働いてほしいんだと。

杉山:相手もちゃんと自立してほしいということですね。

荒川:これは別に、ヒモになりたいということじゃないですよ。自分は自分で働くんですけど、相手もやっぱりバリバリ仕事をするところに、攻略点が実はあるのかな、と。

杉山:友達っぽい。

ソロ男と相性が合うのはソロ女?

荒川:よく聞かれる話で、ソロ男の話で「ソロ女はいないんですか?」と。

杉山:はい?

荒川:ソロ女。ソロ男に一番合ってるのは、ソロ男の気質を持ってる女性だと思うんですよ。束縛されたくないし、1人の時間を大切にしたいし、誰かに依存しないという方は、ソロ男とバッチリ合います。

杉山:寝る時、私は1人だ、と。

荒川:なんなら部屋も違っていい、と。お互いが1人の時間を大切にしあって、適度な距離を保って、無闇に干渉し合わない関係。それがソロ男にとっては一番気持ちのいい相手というか。だから、いつも一緒にいたーいという女性、絶対無理です。

これは、消費と一緒なんですよ。消費もメリハリなんですね。お金をつぎ込む時はガンガンつぎ込むけど、ケチるところはとことんケチるみたいなところがあるので。逆に言うと、さっき言った一度決めたブランドを長く愛し続けるとは、要するに浮気をしない、一途なんです。消費では。

恋愛でもそういうのがあって、浮気するのはたいてい既婚者です。

(会場笑)

(ソロ男と既婚者の浮気経験を示した棒グラフが映る)「浮気をしない、したことがない」という方が右側なんですけど、どうですか? この50代の既婚男性の浮気率の高さ。下に下がるということは、浮気したということです。

20代30代のうちはこらえてるんですけど、50代になると一気に浮気するんです。しかも、相手の浮気を許せるかという話になると、自分は浮気してるくせに、既婚男性は相手の浮気は許せない。

実は一途なのは、ソロ男なので。さっき言ったように、適度な距離を保って共同生活、パートナー関係を作れば、うまくいくんじゃないかというような気がします。

杉山:そう聞くと、ある女性にとってはいい旦那という気がするけどね。

ソロ男と結婚した女性は幸せになれるのか

荒川:ソロ男と結婚して女子は幸せになれるのか。(プロジェクターに表を映し)ソロ男を、4象限に分けてみました。

杉山:4象限?(笑)

荒川:未婚と既婚だけじゃないんです。未婚と既婚の区別に加えて、ソロ男度が高い人と低い人で分けると4象限に分かれます。未婚で、かつ、ソロ男度が高い人を「ガチソロ男」と言います。

対照的に、既婚で、かつ、ソロ男度も低い、こんな人は「ファミ男」です。家族が第一、よき父よき夫。これはもう、ソロ男とはまったく対極に位置する人なんですね。それと未婚だけどソロ男度が低い人たちは「エセソロ男」になります。未婚だけどソロ男ではない人たち。

杉山:その人たちは結婚できないんですか?

荒川:結婚したい人たちですね。もうひとつ、既婚でソロ男度が高くい人もいて、この人は「隠れソロ男」。結婚はしてるんですけれども、行動様式とかはソロ男と一緒ですね。

結婚しては離婚して、結婚しては離婚して、何回も何回も「何バツ?」みたいな人っているじゃないですか。意外と男に多いんですけど。こういうのは、結婚向いてないのに結婚するんですね。

杉山:それは、「隠れ」?

荒川:はい。何回も結婚をする人。いったり来たりする人。それでたまに、「隠れソロ男」なんですけど、「ファミ男」に移行する人がいるんですよ。これタイミングは、子供が生まれて子煩悩になっちゃう人。

これは一気に、人間の人格が変わったくらいに変わります。よきお父さんになります。育児もします。

杉山:これ要するに、自分以外の人に時間を使えるようになったら「ファミ男」なのね。自分の時間よりも子供の時間とか。

荒川:そう言うと、既婚男性がいい人っぽく聞こえる。

杉山:いい人だもん(笑)。

(会場笑)

荒川:そういう意味でいうと、子育てみたいなことも、ちょっと語弊があるかもしれませんが、ある種の趣味感覚で楽しめる男性もいるんですね。達成欲求の1つとして。

自分がこうして一生懸命子育てしてるのも、ある種の達成目的になっているので。それが娘だとするじゃないですか。高校生くらいになって「お父さんクサイ」と言われると、すげえ落ち込むんですよ。

杉山:「ファミ男」、なるほどね。

お互いの趣味を尊重し合えば幸せになれる

荒川:幸せになれるのかという話でいうと、相手の男性がソロ男気質だとか知らない間に結婚してる女性もいるので。ソロ男だから女性は苦労するんじゃないかとか、妻は苦労するんじゃないかとか、そういうことは実はないんです。

実は杉山さんも、自分の趣味のためにお金を使ってるじゃないですか。もっと言うと、この「隠れソロ男」の人は、奥さんに家計を任せない人が多いです。

杉山:口座別にしますもんね、隠し口座。

荒川:よく銀行などが旦那のお小遣い調査とかやりますけど、お小遣いをもらってるのは、こっちの「ファミ男」の人です。

ソロ男に小遣い制なんてもってのほかで。消費が幸せなのに、小遣い制で消費ができなかったら、たぶん死んじゃいますよ。そんなことやるんだったら、ソロ男の旦那に家計簿作らせたらいいですよ。多分めっちゃすごい表計算作りますよ。

杉山:それ、新しいかも。

荒川:旦那に任せちゃったほうが、いいと思いますね。それで彼自身の満足感を達成させてあげれば、いい会計士役になりますね。家庭で。

杉山:なるほど、それ新しい。

荒川:みたいなこともありますので。さっき言ったように、消費の行動とニアイコールなところがありますので、いかにこの承認欲求とか達成欲求みたいなことを奥さん側がどうコントロールしてあげるかが、非常に重要かなと思います。

だから、そういうところを押さえていけば、ソロ男気質を持っていようがいまいが、幸せな家庭が作れるんじゃないでしょうか。

杉山:うまく付き合うと、いい男な気がしますね。一途だし、こだわりがあるし、何かDVとかしそうな感じがしない。

荒川:それは調べてないから、わかんないですけど。

杉山:ソロ男、そういうことしないような気がする。相手を尊重するタイプなのかな。意外にいい旦那になるんじゃないかなという。

荒川:繰り返しになっちゃいますけど、精神的にも経済的にも、お互いに無闇に干渉し合わないところですね。1人になれる時間とか。

やっちゃいけないのが、旦那の趣味がフィギュアのコレクターだとするじゃないですか。私も旦那に合わせて、フィギュアのコレクションを趣味にしようとか。趣味に寄り添っちゃだめです。

そうすると、せっかく1人で楽しみたいのに、入ってきたら「何で入ってくるんだよ、1人の時間じゃなくなっちゃうじゃん」みたいな感じになるわけですよ。

杉山:恋人がライトセイバー持ってた時に、無理して買わなくてもいいんですね。

荒川:買わなくていい。ライトセイバーで戦う相手は、別にいますから。

杉山:それはわかる。あと、自分が付き合ってる人がソロ男かどうかわかるのは、家具屋さんに行って「ダブルベッドいいね」と言った時に、嫌そうな顔したらだいたいソロ男。2人で一緒に寝たくないんだもんね。

荒川:そうですね。

杉山:自分の時間が確保できて、相手が自立してて。全部条件が揃えば、別に結婚に対してネガではない?

荒川:例えば、相手の方がこういうことを守ってくれて、1人の時間を守ってくれて、趣味とかも干渉しないし、お金も自分で管理していいし……ということであれば、別に結婚が嫌なわけじゃないんです。

杉山:結婚は嫌じゃないんですね。

荒川:そういうことが遮断されてしまうのが結婚だと思ってるから、結婚は嫌だと言ってるだけであって。だから、新しいパートナーシップというか、パートナーのあり方みたいなものがあれば、結婚もありえるんじゃないかなと思ってます。

杉山:今までこういうのをマーケティング的な視点で見る人は、なかなかいなかったですよね。

結婚しない男たち 増え続ける未婚男性「ソロ男」のリアル (ディスカヴァー携書)

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