2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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司会:荒川和久さん、そして杉山豊さんです。よろしくお願いいたします。
杉山豊氏(以下、杉山):男の話ですけど、女性が多い。
(会場笑)
荒川和久氏(以下、荒川):そうですね、こんなに女性が多いとは思ってなくて。もっと男くさい会場になるはずだったんですけど。
杉山:彼氏がソロ男で煮え切らないから来たんじゃないかなという気がしてるんですが。勝手に。
荒川:一応Facebook等で「こんな話しますよ」という、女性集客っぽいレジュメを出したのもあるんですかね。
杉山:なるほどね。僕が言うのもなんですけど、自己紹介されたほうがよろしいんじゃないですか?
荒川:『結婚しない男たち』という本を書かさせていただきました。兼、博報堂という会社で「ソロ男プロジェクト」をやっている荒川と申します。よろしくお願いします。
(会場拍手)
杉山:僕は、同じグループの博報堂DYメディアパートナーズで働いておりまして。僕は日ごろ映画ライターをやっていて、ホラー映画とかアメコミ映画とかのイベントの司会もやるんですけれども。(荒川氏と)仲がよくて、たまたま呼ばれたんですけど。僕は既婚者で愛妻家なので、今日はたぶん対称を目指したんだろうなと思いますので(笑)。
荒川:そうです。彼は会社内外でも、話のテーマに合った服装をするので有名なんですけど、今日は何でその衣装なんですか?
杉山:今日は、もやもやっとしたことを表現したいなと思って。「朝から何でこんなおにぎり包む皮みたいな格好してるんだ」みたいなことも言われましたけど。
荒川:はい、じゃあ、さっそく「結婚しない男たち」ソロ男を語っていきましょうか。
杉山:ソロダンなんですね、ソロオじゃない。
荒川:ソロオじゃない。
杉山:すごいですね、『結婚しない男たち』ということで。この本最初に読ませていただいた時に、結婚できない男たちじゃないんですね、と思ったんです。結婚しない男たち。
荒川:しない男たち。
杉山:「can't」ではなくて「will not」なんですね。別に、帰国子女じゃないんですけれども。
荒川:強い意志。
杉山:強い意志ということなんですけれども(笑)。そもそものテーマなんですけど、ソロ男の定義といいますか、ソロ男とは何なのかということを。
荒川:皆さんはもうこちらの本は読んだ方いらっしゃいますか?
(会場挙手)
荒川:半分くらいですね。本の内容とかぶる場合もあるかもしれないですが、一応お話させていただくと。「ソロ男とは?」という話の前に、そもそも「いつまでも結婚しない独身男性は、どういうイメージ?」ということをとくに女性に聞くと、このように言います。
「ニートでしょ?」「貧乏でしょ?」「オタクでしょ?」「コミュ障でしょ?」「引きこもりでしょ?」「マザコンでしょ?」と。「どこか人間的に欠陥があるんでしょ?」みたいに、たいがい言うわけですね。
杉山:言いますね。
荒川:要するに一言でいうと「キモいんです」と、たいてい出てくる。「40とか50で独身なのは何なの?」というところがあって。たいていこの一言で片付けられる。
杉山:そうですね。新入社員の女の子が来て、「結婚してないんだ、俺」と言われたら引きますよね。
荒川:(散らかった部屋で寝そべってゲームをする太った男性のイラストが映る)こういう人! こういう人をイメージするんだけど、ソロ男はこういう人ではない。それを今日言いたくて。
杉山:こういう人じゃない、と。
荒川:やっぱり、独身男性に対する変な先入観や偏見は多くて、ああいう人をイメージするんです。「ソロ男はニートじゃないですよ」「年金パラサイトでもないですよ」と。ちゃんと働いてるし、一人暮らしをしていて、親にも依存していなくて、自立している人たちをソロ男というんです。
(会場笑)
杉山:ちゃんとしてる人じゃないですか。
荒川:ちゃんとした人です。
杉山:ちゃんとしてるんですね。
荒川:「独身男性をソロ男というの?」と誤解されるんですけど、さっきも言ったように独身男性とソロ男はイコールじゃないです。例えば、親元で暮らしている独身男性はソロ男とは言わないです。一人暮らしをしてない、自立していないから。
杉山:あー、自立をしてないから。
荒川:あくまで、ちゃんと一人暮らししてないとだめなんです。
杉山:一人暮らしをしてないとだめなんですね、なるほど。それで、ちゃんとしてるということなんですね。何て言うんですかね、そういう珍しい生き物というか……。まずは、何でそれに注目したんですか? 広告会社の荒川さんが。
荒川:その前に、これ(ソロ男度診断)やっていいですか?
杉山:すみません、段取りがありました。すみません。
(会場笑)
荒川:「ソロ男度診断」というのがあって。本の中では設問の内容がバレないように、ごまかして書いたんですけど。要はこれくらい簡単な質問なんです。皆さんにやっていただきたいんですけど。
(会場に向かって)まず1番、「束縛をされたくない」。イエス、ノー、それからどちらともいえない。イエスの方。
杉山:「束縛をされたくない」、そうですね。
荒川:ノーの方。どちらともいえないという方いらっしゃいます?
杉山:全員イエス。
荒川:「1人の時間は必ず確保したい」、イエスの方。ああ、これはバラけますね。ノーの方、どちらともいえない。じゃあ、3番。これは「何かあった時にも誰かに頼らず、自分で何とかするほうだ」。イエスの方、ノーの方。どちらともいえない方。
はい。これですね、わかりやすく言うと、全部「イエス」と答える人がソロ男度が高いということなんです。1個でも「どちらともいえない」とかを挙げてる人は、ソロ男度ゼロです。「どちらともいえない」とか「ノー」が1個でもあった人は、ソロ男度が低いとかじゃなくてゼロです。ほぼない。
杉山:これ1番と2番はわかるんですけど、3番は……。けっこう難易度の高い生き方じゃないかなと僕は思うんですけど、どうなんですか? そういうことなんですか?
荒川:例えば、何か問題があったりとかピンチがあった時に、誰かに電話したりとか助けを求めたりとかしないで、全部自分でやる人です。
杉山:そういう人いる?
荒川:全部やろうとする人です、先に。先にやろうとするか、先に電話をするかが、この違いなんですよ。
杉山:もう1回。先に……?
荒川:何かあった時に、先に自分だけでやろうとするか、先に誰かに相談したりするかの違いです。この3番が大事なんです。
杉山:結果的に頼っちゃうけど、最初はまず自分だけでやろうとする人?
荒川:はい。結果的に頼ってもいいんですけど、最初は自分でなんとかしようとするかどうかがポイントで。
杉山:なるほどね。
荒川:本当は、正確にソロ男度を測るためには100問くらいやるんですけど。だいたいこれの最大公約数をとると、この3つの質問に全部「イエス」と答えていると(ソロ男度が)高いねということがわかったので、これにしてます。
杉山:女性陣はこれ覚えとくと、ボーイフレンドにやれますからね。
荒川:第3問目だけ覚えておいたらいいです。だいたいの男は、1番2番は「イエス」と答えるんです。本当はこれ(回答が)5段階なんです。「かなりイエス」か「まあまあイエス」かという話なんですけど。本当は「かなりイエス」が高いんですよ、ソロ男は。
杉山:こういう、ある種面倒くさい人に、何で注目したんですか?
荒川:そうですね。ここからはプレゼンみたいになっちゃうんですけど、ソロ男に着目した理由ということで。
ご存知だと思うんですけど、すでに単身世帯率が32パーセントを越えていて、将来的に40パーセント近くが単身世帯になります。もはや単身世帯がマジョリティで、標準世帯と言われる「夫婦と子」世帯よりも上回ってるんです。
この現象は世界的な現象で、日本に限ったことではなくて。全世界の単身世帯は、この15年間で80パーセントも増えてます。
実は、単身世帯数でいうと日本は世界3位なんです。中国5800万、アメリカ3100万、日本は1600万、ロシアは1100万。この4カ国の合計だけで、世界の単身世帯の43パーセントを占めるということで。たぶん中国はもっともっと増えます、これから。今、男がすごく余ってるので。意外に皆知らないんですけど、こういう状態です。
杉山:これはさっきの定義で言うと、結婚したくてもできない人も一応入ってるんでしょ? 単身だから。
荒川:もしかしたら、単身赴任の人も含まれると(笑)。
(会場笑)
杉山:なるほどね(笑)。じゃあ、けっこう主流派なんだ、今や。
荒川:主流派というか、マジョリティになってる。アフリカとか発展途上の国は家族世帯多いですけど、先進国になればなるほど。これ、数は少ないですけど、ヨーロッパの主要国はほとんど単身世帯のほうが多いです、4割5割と。
もうすぐ最新の国勢調査結果が発表されると思うんですけど、男性の生涯未婚率は今でも20パーセントで、今度発表されるので24パーセントくらいになるだろうと言われていて、2035年には30パーセントになるだろうと。要は、3人に1人の男性が生涯未婚。
杉山:未婚なんですね。
荒川:そうですね、離婚とかじゃなくて。未婚のままで、1回も結婚せずに人生を終えるということです。
杉山:はー、すごい。
荒川:男余り現象っていうのがあって、これもよく知られてないですけど、20代から50代の未婚男性の男女の数を比べると、男性のほうが300万人は多いんです。遺伝子的にも男性が多く生まれるのもあるんでしょう。
日本はこの70年間、戦争もなく平和に過ごしてきたので、男性は300万人余ってる。つまり、女性が100パーセント結婚できても男性は300万人が結婚できないんです。
杉山:おー、なるほど!
荒川:そういう状況。女性も最近は結婚してないですから、もっとできない。
杉山:300万人余る……。結婚できないんだね。
荒川:しかも、結婚しても安心できないぞ、と。35パーセントの離婚率で、3組に1組は離婚してますから。こうなってくると、日本の人口の50パーセントは独身という時代が来るんです。
2010年の国勢調査段階でも、15歳以上の配偶者なし人口は4600万人なので、4割超えなんです、すでに。あながち適当に言っているわけじゃなくて、本当に半分は独身です。夫に先立たれたおばあちゃんも含むんですけどね。
杉山:独身なんだ、半分は。
荒川:かつて、「おひとりさまブーム」というのがあって。これは対象が女性ばっかりで、メディアは女性ばっかりに注目してたと思うんです。ひとり鍋とかひとり酒とかひとり焼き肉とか。そんなの、男はずっとやってたじゃん。「何で女性がやると注目するんですか?」みたいな話とかあるわけですよ。
2010年の流行語大賞で「女子会」というのがもてはやされましたよね。「女子会やろうよ」とか。男子会だってやってたのに、何で注目されない? 汚いからどうでもいいというのもあるんですけど、男子会は男子会でやってるんですよ(笑)。
(会場笑)
女子の1人テーマパークというのも、3割を超えてるらしいんです。もはや女子が1人でテーマパーク行っても寂しくないというのは、市民権を得た感じがする。そういうことは、ネットどころかテレビのニュースになったりするわけですよ。だけど、男だって20パーセント近くは行ってるんです。でも、怖すぎて話題にしないみたいな。
(会場悲鳴)
杉山:それは怖い。テーマパークに男が1人で?
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