2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
Milk, and the Mutants That Love It(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
ハンク・グリーン氏:あなたは自分がX-メンだとか、実は天候をコントロールしたり他人の頭の中を読んだり、テレポートしたり、そんな類のかっこいいことができるミュータントだったら……と考えたことはありますか?
それでは聞きましょう。ミルクはお好きですか? アイスクリームは? 体調が悪くなったりしませんか? おめでとうございます。あなたはやっぱりスーパーパワーを持ったミュータントです。
ミルクは主に他の食べ物を消化することができるようになるまで、赤ちゃんに栄養を与えるために哺乳類の乳腺で作られるものです。にも関わらず、ミルクは本当に栄養豊富です。たっぷりのタンパク質、カルシウム、カリウム、ビタミン、そして、たっぷりのラクトースあるいは乳糖も含まれており、これは消化が難しいものです。
幸運にも、人間の赤ちゃんを含む哺乳類の赤ちゃんは、ラクトースの消化酵素であるラクターゼを大量に生成しているのです。
もし彼らが唯一の栄養源を消化することができなければ、彼らは死んでしまいます。子供が4歳とか5歳の頃には、彼らの身体においてラクターゼ生成が弱まってきます。そして7歳から8歳頃くらいには他の動物のミルクを飲むと体調を崩すようになります。
もしあなたやあなたの知ってる誰かがラクトースを許容できない体質の場合、2スクープのチョコレートチップアイスクリームに敗れて惨めにトイレに閉じこもる羽目になります。そして、そういう苦しみに苛まれる人は実は大多数に上ります。世界の人口における約70パーセントの人々は、子供時代以降、ラクターゼを生成できないのです。
ラクターゼがない人にとって、ミルクは基本的に毒になります。ではなにが変わったのでしょうか? どうしてミルクは赤ちゃんのためだけの変な食物からスーパーマーケットの必需品になることが可能だったんでしょう? 答えは2つの言葉、「ミュータント」つまり突然変異と、「農場主」たちです。
人類が動物を飼いならすことを始めたのは、11,000年前、中東からでした。
肥沃な三日月地帯では8,500年前、中央ヨーロッパでは7,000年前の遺物から乳脂の跡が発見されました。
科学的な分析によると、新石器時代に家畜を世話していた人たちがミルクの中のラクトースの濃度を薄くする新たな方法を見つけたことを示唆しています。発酵させるんです。チーズとかヨーグルトにしちゃうんです。でも彼らにできたのはそこまでです。
彼らはミルクそのものを飲むことはできなかったのです。ヤギであれ、牛であれ、なんであれ。そして遺伝子変異が起きて、全ては変わりました。ラクターゼ持続性形質として知られ、それはLP対立遺伝子と呼ばれるものによってもたらされます。
科学者はそれが最初に現れたのは約7,500年前の中央ヨーロッパであると考えています。それはひとつの小さな異型遺伝子で大人になってもラクターゼを生成し続けることを担うのです。
それはおそらく新石器時代にヨーロッパを通って北や南へ移動したグループによって広がりました。
対立遺伝子はいくつかの理由から、とりわけ北に広まりました。ひとつには乳製品は涼しい気候のところのほうが保存しやすく、食べ物を入手するのが難しい場所において、乳製品は非常に便利だったのです。
加えて、日照時間の短いような地域では、ミルクに含まれる高濃度のビタミンDは、健康上、貴重なものでした。通常、私たちの身体は、ビタミンDを体内で生成するのに、日光を必要としますからね。
ですから、ラクターゼ持続性形質は人類移動の波を形成するのに一役買ったわけです。でもどこにでも必要というわけではありませんでした。こんにち、英国とスカンジナビアにおいて90パーセント近い大人があらゆるミルクを一気飲みすることが可能ですが、一方でちょっと下にある地中海沿岸においてラクターゼ持続形質を持っている人はおそらく40パーセントにも及びません。
そしてアフリカやアジアの人口においては、10パーセントにも満たないところがあることが明らかになっています。
ですからあなたは何のお咎めもなくアイスクリームを食べることができる世界における選ばれた30パーセントのミュータントってわけです。他者より抜きん出た素晴らしい進化を存分に味わうのだ!
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略