2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
The Most Venomous Animals in the World(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:動物界は食うか食われるかの世界ですが、限られたラッキーな動物だけが毒液の力を使うことができます。例えばヘビ、クモ、サソリ、貝、クラゲにハチ、そして一部の不思議な哺乳類もこの力を使うことがでます。
これらの動物たちは、皆種族が近いわけでもないのに、どのように毒で自分の身を守るようになったのでしょうか? 毒液はいかに誕生し、それはどのように作用するのでしょうか? そして皆さんが気になるのは、どの動物が最も危険であるかではないですか? いいんですか? 本当に知りたいんですね?
鳥やコウモリ、ハチなどは羽があり飛ぶことができるという共通項があるにも関わらず、彼らの生息地や種族が異なるのと同じように、毒を持つ動物たちもまた、収斂進化の一例です。
収斂進化とは、異なる種類の動物がそれぞれ異なる地点で類似する特徴を持つようになることを指します。クラゲのような刺胞動物門に属する多くの動物は5億年から7億年の歴史を持つ最古の有毒動物です。
サソリや……
ムカデは……
少なくとも4億年前から生息していると言われており、陸上で生息する有毒生物の中では最も古い歴史を持ちます。有毒ヘビは有毒のトカゲと同じ祖先を持ち、アメリカドクトカゲや……
コモドオオトカゲ……
といった有毒トカゲの歴史は、2億年ほど前から始まったと言われています。
このような生物が持つ毒は、どこからともなく突然やってきたわけではありません。これらは皆、たんぱく質遺伝子の変化により誕生しました。生物の毒の中には唾液の中に含まれる消化酵素に非常に近いものや、体内に侵入するバクテリアを攻撃するための免疫系タンパク質に近いものがあります。
多様な生物が異なる種類の毒を持っているのですが、大きくわけると、神経細胞受容体を攻撃するものと、血液を固める機能に障害をもたらす毒という、2種類があるといえそうです。
これらは化学的作用して生物を素早く殺すのに最も効果的な方法です。これがタコであろうがアリであろうが、すべての有毒生物が類似している理由です。そうです。有毒タコというものも存在するのです。
今ここで話している生物の毒(ヴェノム)と、一般的に使われる「毒」(ポイズン)は厳密に言うと異なります。「毒」(ポイズン)は消化、吸収、吸引されるものですが、有毒生物の生み出す毒液は、キバ、トゲ、クチバシ、尻尾や触手によって、その攻撃対象に注入されます。
ヴェノムを持つ生物は自身で毒を作りだしますが、ポイズンを持つ生物は周囲の環境からそれを得ます。これについてはまた後ほど詳しくお話します。
では最も危険な有毒生物とはなんでしょう? 答えは「どれが一番危険かは決めることができない」です。このような生物は、それぞれ生態も違えば行動も違い、環境も違います。ですから、科学的にどれが最も危険であるかということを証明することができないのです。
しかし、一撃で放つその毒の強度と量が最も危険であると言える動物は明らかになっています。
例えばオーストラリアのハコクラゲ……
これは地球上で最も危険な有毒生物のひとつと言えるでしょう。ハコクラゲはビーチボールほどの大きさで3メートルほどの細い触手を16本持ち、そのそれぞれに何百万という刺胞があるのです。
これは銛のような機能をし、獲物を捉え、毒を注入します。これは興味深い進化ですね。クラゲの身体は強靭でないので、爪や口で獲物を襲うのではなく、まずは相手の身体の動きを止めるのです。
ハコクラゲの毒成分は地球上で最も危険なものであると知られています。神経機能を攻撃する神経毒と心臓の動きを止める心臓毒、そして生きた獲物を殺す皮膚死毒素の混合であります。
もしこいつに刺されてしまったら、呼吸困難と心臓発作に襲われます。刺された瞬間に非常に強い痛みに襲われ、そのショックで岸に泳ぎつくまでもなく溺れてしまいます。海に遊びに行って、「ビーチボールのようだけど見たことがないボールだな」と思ったら、くれぐれも近づかないように。
そして海に遊び行ったら、「綺麗な貝だなぁ」と、なんでもかんでも拾わないように。
イモガイは世界中の暖かい海に生息します。彼らは非常に長い有毒な腺を持っています。これはとても小さく透明で、ウェットスーツすら貫通する、世界で最も早く回る毒を注入する銛のようなものです。
さらに、これは鎮痛作用も含んでいますので、刺されても何も感じないかもしれません。他の毒性生物も複数種類の毒を持っていますが、このイモガイはおよそ100種類の毒を持っており、それぞれの毒が異なる神経に対して作用します。
実験により明らかになったこととして、イモガイの持つある種の毒はネズミにけいれんを起こさせ、彼らの持つ別の種類の毒はネズミを眠らせました。
イモガイがこのように異なる種類の毒を生み出す理由としては、彼らがその遺伝子を増やす速さが動物界の中で最速であることが考えられます。つまり、進化論的に彼らは物凄い勢いで稼働しているということです。
ここまで話すと、皆さんは「海に行かなければ安全だってことでしょう?」と思うかもしれません。しかし、世界で毎年10万人の方が陸上にいる600種類以上の有毒ヘビのうちのひとつに噛まれて亡くなっています。
ヘビは最も強力な毒を持っていると知られていますが、だからといって常に彼らが危険であるわけではありません。
例えば熱帯地域、インド太平洋に生息するアマガサヘビ……
彼らは非常に強力な毒を持っているのですが、恥ずかしがりやで従順なので、人間を襲う可能性は非常に低いです。
しかしアフリカはサハラ近辺に生息するパフアダーは違います。
彼らの毒はそれほど強力ではないですが、その攻撃的な習性のために多くの人々が犠牲となっています。
東南アジアに生息するキングコブラは世界で最長の有毒ヘビで、その長さは6メートルにもなります。
怖いですね! 大人の象が数時間で命を落とすほどの毒をひと噛みで放ちます。なんでそんなに大変な毒を持っているんですか! そんなに毒を持っていてどうするんです! しかしそんなキングコブラでも、オーストラリアのナイリクタイパンに比べると大したことはありません。
ナイリクタイパンは地球上で最も有毒なヘビとして知られています。彼らの毒は最も致死効果のある神経毒タイボキシンと共にタンパク質を消化する蛋白質分解酵素、凝血促進プロコアグラントを含みます。
こんなに恐ろしい毒を持っているナイリクタイパンですが、彼らもまたシャイな性格なので、これまでの記録によれば、彼らの被害にあった人々は皆しつこく彼らを追い回す爬虫類学者だけです。しつこく追いかければ攻撃されても仕方ないでしょう。心配しなくても大丈夫です。学者たちは解毒剤を持っていますから。
次にご紹介するのは、ヴェノムではなくポイズンを持つ生物です。彼らの毒もまた非常に強力なのでご紹介したいと思います。アマゾン熱帯雨林に生息する体長5センチほどの眼がチカチカするような色をした、モウドクフキヤガエルです。
彼らは世界で最も有毒なアルカロイド、バトラコトキシンを持っています。これは他のカエル種の持つ毒に比べて少なくとも20倍の強さで、ストリキニーネの毒性の250倍の強さです。
アルカロイドは複雑で自然界の中では特定の種子植物に含まれます。モルフィネ、ニコチン、カフェインは、それを使用する人間の体内に影響を与えるアルカロイドの一種です。
バトラコトキシンは非常に有害な神経と心臓毒です。つまりそれは、あなたの脳と心臓に害を与えます。これらは生存するのに必要不可欠な場所ですね。バトラコトキシンは神経インパルスをすぐさま停止し、これが身体に麻痺を与え、心臓や身体中の筋肉の動きを停止させるのです。
このカエルは、お腹を空かせた鳥から身を守るためだけに毒を使います。しかしその昔、我々人類はこのカエルの毒を矢の先に付けて用いる方法を習得しました。そこから「フキヤガエル」という名前が付けられたのですね。このカエルの猛毒は、矢につけてから2年間もその効果を維持するそうです。
このカエルの毒が面白いのは、食生活に起因する点でしょう。野生のカエルはアルカロイドが多く含まれるアリをよく食べます。それにより、カエル自身に毒性が生まれます。同じ種類のカエルでも、捕まえられて飼育されるようになり、ミバエが主要な餌になると、その毒性は時間と共に低下します。
毒性を持つ生物の話をしているのですからクモの話を飛ばすことはできません。毛むくじゃらの手のひらサイズ、ブラジルのクロドクシボグモをご紹介しましょう。
英語名(ブラジリアン・ワンダリング・スパイダー)で「wandering(うろつく)」と付く名の由来は、彼らが日中はバナナや何かの下に隠れていて、夜中になると徘徊して動きまわるからです。
名前に「ブラジル」と付いていますが、彼らの生息地はブラジルだけではありません。2005年に英国のレストランのキッチンで大量の輸入バナナの下から這い出てきたクロドクシボグモがシェフに噛みつくという事件がありました。このシェフが完治するまでに1週間の入院が必要でした。
彼らは他のクモの多くとは違って攻撃的な種で、足がキバのように働き、それをつかっておいしそうな獲物を発見すると毒を注入しようとします。
神経毒PHTX3が彼らの毒の一種ですが、これは身体中のセロトニン・レセプターを過剰に刺激し、強い痛みを与えます。毒を注入されると、痛みに苦しんでいる間に体内に毒が周り、筋肉の動きを停止させます。そして横隔膜の筋肉が停止されると窒息します。
幸運なことに、これには解毒剤があります。毒に侵されてから素早く解毒剤を使えば大丈夫です。
またこの毒は、非常に強い痛みと命を落とす可能性があるだけではありません。それに加えて一酸化炭素を生じさせ、男性の場合は持続勃起が起こります。これは自発的な勃起ではなく、強い痛みを伴う勃起で数時間にもわたって勃起し続ける症状です。もちろん科学者たちはこれを利用して、新しい種類のバイアグラを開発できないかと狙っているというわけです。
実際、今ご紹介したような毒生物の毒は、怖いことだけではなく、医療研究の現場では、人間の治療に役立たせる方法を模索しています。ヘビの毒を使った関節リウマチを治療する方法が研究されていますし、サソリの毒を使って脳ガンを治療する方法も研究されています。また、モウドクフキヤガエルのアルカロイドを使って、モルフィネよりも強い効果を発揮する鎮痛剤の開発研究もなされています。
ドイツ、ルネサンス期の錬金術師であるパラケルススはこう言っています
「この世に毒など存在しない。有毒となる量があるだけだ」
今回の放送作成においてはクィーンランド大学のフライ先生にご協力いただきました。ありがとうございます。
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