2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
How Do Animals Re-Grow Limbs (And Why Can't We?)(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
ハンク・グリーン氏:ヒトデは自身の腕を再生することができます。トカゲには尻尾を数回再生させることができるものもあります。扁虫はひとつの細胞から全身を再生させることができます。そして私の肌細胞は紙で切ってしまっても元に戻ります。つまり我々は皆、ある程度身体を再生させることができるというわけです。
しかし、もし私の腕が取れてしまったとして、腕が元に戻ることを期待したりしません。傷は時間をかけて、タンパク質コラーゲンで瘢痕組織(=かさぶた)となり、元に戻るわけですがね。
しかし世の中には、ものすごい再生をする生物が存在するのです。それがこのサラマンダーです。
彼らが腕や足を失うような傷を負ったとします。すると瘢痕組織などで癒そうとはしません。その代わりに化学的指示を皮膚下細胞に送り出し、研究者たちが呼ぶところの傷表皮というものができます。
するとすぐに傷口の神経が動き出し、細胞組織や筋肉を再生します。つまり細胞が成長しきっていない状態に戻り、細胞たちがまだ身体のどの部分になるか分化されていない状態になるのです。
そしてその細胞たちは傷へ流れ込みますが、これを芽株と呼びます。
これらの分化していない細胞は、まだ「肌細胞になれ」「肝臓になれ」「心臓になれ」と指示されていない幹細胞や幼胚のようなものなのですが、成長していたときに自分たちがどの部分の細胞だったか、つまり、筋肉細胞だったのか、四肢だったのか、心臓の細胞だったのか、足の関節だったのかを覚えています。この細胞により、サラマンダーは失った足を再生することができるのです。
大体のところはこんなことだろうと判明しているのですが、研究者たちはこのプロセスの詳細について、未だに頭を抱えています。なぜ傷表皮が生まれたのか? そしていかに傷表皮は傷下の細胞を若返らせるのか? なぜ若返った細胞は、どこをどう再生すべきか知っているのか? このような点の詳細は、まだ明らかになっていません。
すべての生物はマクロファージと呼ばれる身体を修正させる細胞を持っています。
これらは傷口ができるとそこへ行って、死んだ細胞や細菌を食べると共に、免疫能細胞を生み出します。さらにこれは、筋肉を再生する働きもします。
オーストラリアのジェームズ・ゴッドウィン博士は、あるヒントを得ました。彼と彼のチームは、サラマンダーの傷のマクロファージの数を低下させました。するとサラマンダーの再生には、より時間がかかることを発見したのです。
そしてサラマンダーからすべてのマクロファージを取り除くと、サラマンダーは四肢を再生することができないこと、我々にかさぶたができるように瘢痕組織で傷が覆われることもわかりました。
この研究は、身体の再生は可能であることを示唆します。マクロファージ細胞は、分化していない細胞が身体再生を起こす生化学的なシグナルを出しているということであるからです。
つまり、我々も失った足を自身で再生できるようになるはずだ、ということなのでしょうか? 研究者たちは人間が身体再生できるようにするにはまだまだ研究が必要であると言います。
小さなサラマンダーが足を完全に元に戻すには1年かかり、大きなサラマンダーになると10年以上もかかるというのですから、仮に人間が自分の足を再生できるようになったとしても、完全再生には20年以上もかかることになるのではないでしょうか。
しかしこの研究から、実現可能で現実的なゴールも見えてきます。例えば傷を今よりも早く、そして傷跡が完全に残らぬように治す方法です。
関連タグ:
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略