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第22回艶夜祭『エロコンテンツの闘争歴史論!~団鬼六とほんとうの自由スペシャル!!』(全7記事)

生け花をやるように女性を縄で縛った--エロ解放の時代にSMの巨匠が表現したもの

「山田玲司のヤングサンデー」22回目を迎える今回のテーマは「エロコンテンツの闘争歴史論!」。山田氏は「少子化を進めた3B(ぶりっこ・ぶっちゃけ・バーチャル)」の解説後、エロが開放された時代にSMの巨匠・団鬼六氏が何をしていたかについて話します。団氏が行っていた、まるで生け花やお茶をやるように、優雅に談話をしながら行う緊縛の世界とは。また、多数のギャルが生まれ、援助交際が社会問題化した90年代以降の、性愛なきゼロ年代に登場したコンテンツについても振り返っていきます。宮藤官九郎(クドカン)氏の『木更津キャッツアイ』、増えすぎたAV女優など、さまざまなコンテンツの話題についてお届けします。

エロ解放の時代に団鬼六氏が表現したもの

山田玲司氏(以下、山田):あともう1個!

おっくん:うん。ガンガンいきましょう、今日。

山田「ぶっちゃけの時代」に団さんが出してたものの資料をいろいろ探してたらさ、『縄師の歴史』ってDVD出してんだよ。

おっくん:なんの歴史?

山田:縄師! 緊縛師だよね。それがすごいんだよね。この世界にも伝説の緊縛師がいるんだよ。

これもともとは、忍者小説とかで人質にあって縛られるみたいな。それが江戸川乱歩にいき、みたいな。あれを団さんは読んでる。人質エロスみたいなやつよ。

資料探してたら、団さんちょっと若いんだけど「すごい縄師がいたな。あの頃のSMの時代は良かったな」っていうふうに懐古するおじいちゃんたちがいっぱい出てくるの(笑)。

すごいおもしろかったんだけど、何が一番おもしろいかって、おじいちゃんとおじいちゃんがしゃべってるだけじゃおもしろくないじゃん。

おっくん:そうですね。

山田:そこに真ん中に和服の女置くんだよ。

おっくん:えっ。

生け花をやるように縄で縛る

山田:すごいでしょ! さすがだと思わない? そこでテンション上がるでしょ。和服の女は一言もしゃべっちゃいけないの。両方とも縄師としては長けた人たちなわけ。そんで、喋りながら淡々とその女を縛ってくの。脱がして。で責めてくわけ。

おっくん:実際やるんだ。

山田:お茶やお花をやるみたいに「なかなか。彼女もなかなかよろしいですな」(って言いながら)。何これー! と思うじゃん。これは正にフリーセックス。「薔薇色の連帯」とか言ってる、あのオープンなものから真逆。陰の部分をやってた。

まじかーと思って。それをコンテンツにまとめるときに、それをそうする。だから生け花をやるみたいに縛るっていう、このかっこよさ。

おっくん:あー。もう日常なんですね。

山田:なんていうのかな、アートであり日常であり。そしてそこに、日常に非日常が現れるっていうアートなんだよ。パフォーマンスでもあるんだけどさ。っていうヤツですわ。

おっくん:つまりあれですよね。解放に時代がどんどん向かっていく中で、団さんっていうのは、隠す方とかアブノーマルな方にどんどんシフトしていったって。

山田:アブノーマルっていうか、秘すれば花の方かな。

おっくん:情緒とかそういうものの、アレですよね。

山田:だから、基本的に団さんが大好きなのが、令嬢。お嬢様。しかも誰も手を出せないようなお嬢様とか。階級の上。そして下衆な男たちがなぜか彼女たちをさらって、みたいな。「お嬢さん」って縛って、「やめて。こんなことしてタダで許されると思ってるの」みたいな。

これいろんなコンテンツに引き継がれてるの。何でかっていうと40代後半〜50代、60代の人たちは団さんに殴られてるわけ、一発エロいやつで。

おっくん:あー、本当のエロはこれだって。

山田:みんな下半身くらってるわけ。みうら(じゅん)さんなんて「全身からエロが溢れた」って言ってたから。

おっくん:全身からエロが溢れた!

200人中1人はAV女優!?

山田:そうそう、大変だったんだよ。団鬼六ショック、谷ナオミショックってのがあったんだよ。そんなわけで、3B終わったあとに、ゼロ年代になるとどうなるかっていうと、もうこうなっちゃう。性愛なきゼロ年代。だから、セックスから離れてく時代に突入してる。

おっくん:まあ、まあ。

山田:これはバーチャルで。あなたが言ってた、ある時期からとてつもなくAV女優さんの数が多くなるっていう。

おっくん:そーなんすよ、2000年台以降のAV女優の数がが半端ないんですよ。もう石投げりゃ当んじゃないかくらいの。でさっき調べたら、200人中1人はAV女優だって。女の人の。

山田:ちょっ、いいんですかそんな乱暴なこと言っちゃって。

おっくん:いや、そういう調べがあるらしいですよ。

山田:らしいですか。

おっくん:だから全校生徒400人だとしたら、そのうち2人がAV女優だっていう。でもよく考えたらヤリマンっていたんですよ。ヤリマンって、クラスに1人とは言わんまでも学年に1人くらいはいて、そういうグループもあったじゃん。

それを考えると、それが映像化作品に出るか出ないかみたいなところかなと思うと、そうでもないのかなと思う。

山田:まあそんなこんなで、二極化したんだよ。超ヤってるやつと、全然ヤッてないやつとにわかれちゃったの。

おっくん:でもそれ『Bバージン』でも描いてましたよね。

山田:そう。二極化進むよって言ってたの。

おっくん:90年でのとこで『Bバージン』で予想して。

山田:そう、91年でもうわかってたの、それは。1人の男が超ヤリチンか超絶食か、みたいになるだろうと思ってた。それで「それでもいいじゃん」って言わしてくれるコンテンツが大量に溢れるの。

おっくん:あー。

クドカン作品の罪

山田:それがゼロ年代の流れ。で、一方で俺はここでA級戦犯として挙げたい男がいます! 宮藤官九郎です。コイツが問題じゃないかと俺思うわけ!

おっくん:クドカン!?

山田:クドカンです。クドカンはね、純愛主義ってのをバカにしてんだよ。純愛ブームって何回も来るんだよ。でも、「バカみたいだねー」って思ってたわけ。

これどこからの流れかっていうと、実はね、もう『稲中』あたりから始まってんの。『稲中卓球部』で普通の男の子が恋愛しようとするじゃん。そうするとラブコメ死ね死ね団が出てきて潰そうとするじゃん。あっち側なんだよ、クドカンって。

だから基本的に、『木更津キャッツアイ』が顕著なんだけど、ラブモードになったりするときに、茶化す。馬鹿にするわけだよね。照れ隠しかと思うじゃん。照れ隠しのように見えるんだけど、これちょっと待てよと思うわけ。

俺、宮藤官九郎と同世代だからよくわかるんだよ。バンドブームくぐってんの。『稲中』くぐってんの。あの時の空気とかやっぱあるんだよ。何でかっていうと、「愛とか恋とかってダサいよね」って空気が確かにあったの。

Theピーズっているじゃん。『ブスだからいーや』って曲で有名な。『ビデオ買ってよ』って歌ったのはカステラだな。だから、「ビデオ買ってよ、OLなんでしょ、お金あるんでしょ、お別れの記念にビデオ買ってよ、新しい彼女作って一緒に見たい、ビデオビデオ」って曲あったじゃん。

この、空虚さ。だから恋愛そのもの、愛そのものの空虚さに徹してる。セックスすら「どうかなあ?」みたいな。要するに俺たちの心の中に「ぶっちゃけ」をやっている女子(ギャル)を見ながら開いていった巨大な空洞について歌ってるわけよ。

横で女子がガングロになってくわけよ。『Egg』見てカメラマンとヤッちゃうわけ。それ見ながら。オヤジといくらでヤッちゃったって話しながら、隣にいた俺たちは……みたいいなさ。心の中に巨大な空洞ができていく。Theピーズだよ。その頃、たまも歌ってたよ『さよなら人類』。

(会場笑)

『木更津キャッツアイ』こそゼロ年代の空気

山田:予言ですわ予言! そして、あれですわ『ケロロ軍曹』

おっくん:『ケロロ軍曹』?

山田:『ケロロ軍曹』の歌を宮藤官九郎が歌ってますね。『君にジュースを買ってあげる』。これは完全に『ビデオ買って』ですね。そう。ジュースしか買わないって歌なの。だからデートするけど、自動販売機でジュースは買ってあげるよ。あとは君で。って。

もうこれは、恋愛至上主義、俺たちの時代は女に湯水のごとくお金を使わなければヤれなかった時代っていうのをカウンターで一発くらわしてるわけだよ。これがゼロ年代。90年代後半から。

これを象徴してんのが、『稲中』もそうだけど、クドカンの『木更津キャッツアイ』のモー子って出てくんじゃん。

おっくん:酒井若菜。

山田:そう。あれに対する態度。ラブじゃないのもう。なんかねえ「おもしろいエロい動物がいるぞ」ってみんな取り囲んで(コール)。「モー子! モー子! モー子!」って。櫻井翔くんってバンビって役で出てくんじゃん。あいつ、ミスターなんとかになるじゃん。あいつだけ大学行ってキャンパスライフしてるんだけど、一番ダサい役なんだよ。

だから、その前の世代の要するに俺らバブル世代が青春をおくってたような形をやってる連中がかっこ悪いぞ。ロックボーカルで、セックスとか純愛とか関係なく俺ら男子校で盛り上がる、それだけでオッケーじゃんっていうのが『木更津キャッツアイ』。これがまさにゼロ年代の空気だったっていう感じがする。

おっくん:それはそうでしたね。

山田:恋ってバカだよねー。セックスってバカだよねーっつって完全に叩き潰されるわけ。同時期に!

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