2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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岡田斗司夫氏(以下、岡田):ニコ生岡田斗司夫ゼミ、今日は特別編でですね、ドワンゴ会長の川上さんに来て頂いてます。
川上量生氏(以下、川上):どうもどうも(咳)。
岡田:いきなり花粉症(笑)。
川上:いや、本当岡田さんにはお世話になってて。
岡田:お世話してますよ(笑)。
川上:ありがとうございます。
岡田:毎月毎月たぶんドワンゴさんにはですね、60万くらい儲けて頂いているはずですから。
川上:そうですね。一応稼ぎ頭ということですから。その本来ウィンウィンの関係の岡田さんにですね、なんで酷いことを言われなきゃいけないのか。
岡田:あれ、そんなこと言いました? 一回も言ってないですよ。例えば、まず、頭に色付けたのが似合わないとかってこれ本当でしょ? さっきもコメントにあった通り、何で眉毛と色違うんだって言われているぐらいなんだから、たぶん皆止めた方がいいと思っているんですよ。そこで、若者ぶってどうするって思ってるんですよ(笑)。
川上:岡田さんリバウンドしてますよね?
岡田:してます。川上さんってそういう風に仕返しするタイプだったの? 可愛い人だったんだ(笑)。
川上:こうね、岡田さんのやっていることには色々腹が立つんですよ(笑)。ただね、ダイエットをちゃんと成功してリバウンドをしていなかったという事だけ尊敬してたんですよ。今ね、尊敬している要素がゼロですね。
岡田:そうですか。困ったなあ、俺今日実は、この24時間で川上さんのファンになってたので、それの話をしようと思ったのに(笑)。意外でしょ? この24時間でちゃんとファンになってきたんですよ。
川上:本当ですかね?
岡田:本当。嘘なんか言ってもしょうがないもん。というわけで、今日は何かまずアンケートがあるそうなので、助田さん(スタッフ)アンケートお願いします。
スタッフ:いや、その前に岡田さんの聞きたいことからお願いします。ちょっと2分くらい待って欲しい。
岡田:2分くらい待って欲しいのか。俺なんか悪口言いました? さっき言ったように、何かこう髪の毛について言ったのと、あと、超会議はやめた方がいいように言いました。これは悪口じゃないですよね。あと、何か言ったっけ? ジブリの鈴木俊夫に何か学ぶことは、それは学ぶことがあると思いますよ。何だろうな。
川上:何言われたのかな? 覚えてない。
岡田:覚えてないでしょ。
川上:覚えてない(笑)。
岡田:たぶん、よくよく聞いたら悪口になってないと思います。
川上:いや、そんなことないですね。
岡田:そう?(笑)
川上:まぁそりゃ一応ね、じゃあこう言いましょう。僕がね、何か言われるじゃないですか。言われるときにそれが正しいか正しくないかっていうのってあまり関心がなくって、損か得かだけに関心があるんですよ。損ですよね。岡田さんに言われる事が。
岡田:じゃあ、どういう風に言うと得になります?
川上:いや、それは何だろう?
岡田:じゃあ、3倍返しくらいで得にしますよ。どうしましょう。何でもツイート、言われるがままに。
川上:いやいや。
岡田:実際に会った彼は爽やかで、髪の毛も似合っててみたいな。カタカタっと。こういう冗談で返してもしょうがないんで。でも何だろうな。
川上:もうね、そっとしておいて欲しい(笑)。
岡田:わかった。じゃあ、今後触れない(笑)。
川上:本当ね、出たくないんですよ。そういう世の中に。本当はひとりでいたいんだけど、ちょっとね、諸事情があって出てるんですけれど、本意じゃないので、本当そっとしといてください。
岡田:何でじゃあ、例えばこの前、羽生さんとも対談されたんですよね。
川上:はい。
岡田:何でそんなことするんですか?
川上:ねぇ。でもあれはプロモーションですよね、単純に。
岡田:ドワンゴで?
川上:いや、えっとね、それね、亡くなられた米永さんが悪いんですよ。米永さんってどういうタイプかというと、亡くなった人のことを言うとあれなんですけど、要するにトップ営業する人なんですよ。だから、要するに、川上を出せって何かとそうなるんですよ。
岡田:じゃあ、本当はやりたくないんですか?
川上:羽生さんとは会いたいですよ。会いたいですけど、何で人前で会わないといけないのか、カメラがあるんだみたいなね(笑)。
岡田:今日のこれは本意じゃないんですね。
川上:本意じゃないですよね。
岡田:カメラまわってた方が本音出ません?
川上:あのね、最近ね、カメラが全く気にならなくなったんですよね。慣れちゃって。もうね、どうでもいい(笑)。
岡田:僕ね、一応ね、川上さんっていう人はどんな人か教えてって昨日ツイートしたら、いろんな人に教えてもらって、その中であの情熱大陸じゃなかった、カンブリア宮殿があったんですよ。あれ見たら、結構川上さん、緊張してて。
川上:はい、そうですよ。
岡田:あんまりブログほど面白くなかったんですよ(笑)。
川上:ごめんなさいね。
岡田:で、僕、ほらさっきこの24時間でファンになってきたって言ったじゃないですか。あれ、ブログ読んだんですよ。大体読んでコイツ面白いと。何で今まで見逃してたんだ、こいつ絶対変だと思って、それで今日会うのを楽しみにしてたんですけども、あのブログの面白さと、テレビとかで答えている川上さんの間にえらい温度差っていうのかな、仕上がりの差があるんですよね。
川上:だって俺、基本出不精だもん。人前でしゃべるっていうの向いてないんですよ。だって僕、なんていうのかな? 年賀状の枚数ってあるじゃないですか。ちなみに今年の自宅に届いた枚数って7通だったんですよね。
岡田:はいはい。
川上:わかりますか? この位置で、まぁ一応会社に届くんだけど、会社の人はね、それの枚数が100枚なかったんですよ。
岡田:はいはい。
川上:これって普通はないと思うんですよね。会社やってたらね(笑)。
岡田:じゃあ、そのインディアンたちをどうしようとしてるんですか? 川上さんは。
川上:どうしようとは別に思ってないですよね。ただね、居場所を守ってあげたいと思っているわけですよ。ニコ動を作った時にね、今までいろんなビジネスをやったんだけど、基本自分が楽しいと思ったサービスを作ったことがなかったんですよね。着メロとか。みんな楽しそうにしてるなとか思いつつも、ニコ動は、これは本当に楽しいなと思ったんですよ。
自分も楽しいし、たぶんユーザー側に行ったらもっと楽しいんだろうなと思って。このニコ動ができた5年前って覚えている人も減ってると思うんですけど、あの時のニコ動は誰が見てもこのサービスは1年以内に潰れると思ってたんですよ(笑)。こんなものが許されるはずがないと。
岡田:確かに否定しないな。本人が言うとすごい説得力ありますね(笑)。
川上:いや、どう見ても無理だろうと。絶対なんかで潰れると。で、そのサービスを残そうと思ったんですよね。残す過程でいろいろ残し方を考えたんだけど、たぶんユーザーが嫌がることもやらないといけないんだけれども、たぶん残すことの方が重要だから僕はそれをやろうと決めたんですよね。その過程ですよ。
岡田:その残すためってなんのため? 彼らの居場所ってさっき言ったじゃないですか。それはネットにいる人たちですか? 例えば、さっきの相変わらず使うんですけど、元々新大陸とかリア充に住んでたネットの民の人らの居場所ですか?
川上:そうですね。ニコ動って最初から面白くって、アクセスログのリファラー見てて分かったんですけど、実はね最初からミクシーとかyahoo!のユーザーが多かったんですよ。でGoogleとか2ちゃんねるのユーザーが少なかったんですよ。これって世間に思われてるのと全く逆でしょ。
岡田:そうですね。
川上:逆、逆。でね、実は最初からニコ動ってライトユーザーが火をつけたんですよ。それが火をつけてITメディアの記事で1日で2000万ページビュー突破とかっていうのが出たんですよね。その記事が出た瞬間に2ちゃんねるが押し上げてきたんですよ。
それってすごく面白い現象でしょ? だから1番初めにひろゆきが宣伝して2ちゃんねらーやビッパーっていう人たちが大量にきたんですよね。で、彼らは帰ったんですよ(笑)。1回きて帰ったんですよ。
確かに最初に来たのは彼らなんだけど彼らすぐ帰ってこなくなったんですよ。その後、普通の人が火をつけてそれがITメディアで話題になったら彼らが帰ってきたんですよ。これって2ちゃんねらーのパターンとして理解できるでしょ?
岡田:最初来た時に、あまり彼らの満足するものがなかったわけですよね。
川上:まぁそう。荒らして帰ったわけですよ。
岡田:荒らして帰ったって何かバイキングみたいですね。
川上:そう。荒らして帰ってその時は別に居場所と思わなかったんですよね。ただ世間で騒がれて、あっ、やっぱ俺らのものかもってそこで初めて……(笑)。
岡田:急に地下資源が発見されたので領土権を主張するみたいな(笑)。
川上:だね、中国みたいな。そういう話ですね。
岡田:俺それは言わないようにしてたのに(笑)。
川上:そんな話なんですよ。だから、実は最初から2ちゃんねらーたちが自分たちの物だと思ってたんだけれども、実際のユーザーっていうのは普通のライトユーザーに聞くとね、Googleを知らないんですよ。意外と。
Yahooは知ってるけどGoogleは知らないっていう子たちがニコ動ユーザーだったんですよね。そういう人たちが、超コアなユーザーが作ったマッドみたいなものとかでみんなで遊んでいたわけですよ。
で、見てるのは超ライトユーザー。しかも、ニコ動が流行ってるってことを、最初にドワンゴ以外の人から教わったんですけど、教わった人がどこかっていうとエイベックスの人から教わったんですよ(笑)。とにかくめちゃめちゃ面白いサイトがあるって。教えてくれた人がエイベックスの人だったんですよ。だから、これがいかにみんなが思っているイメージと違うか。
岡田:なるほど、じゃあコアなネットユーザーが作った文化ではなくって。
川上:だから融合してたんですよ。最初から普段交わらない人たちが一緒にいたんですよ。そのコアのユーザーもいれば超ライトユーザーもいて。
岡田:たぶんそれの理由は2ちゃんねるみたいないわゆる自分のメールアドレスを登録しないでも使えるサービスではなくって、ほんのちょっとバリアがありますよね。ニコ生って。
川上:あの頃は無かった。
岡田:何にも登録しなくて使えたんですか?
川上:そうです。
岡田:何でそんなことになったんでしょうね。面白いですね。
川上:逆にライトユーザーはID制にしてから入ったんですよね。最初はYouTubeと同じでIDが要らないで使えるニコ動にライトユーザーがいて、それで僕が思ったのは、ここってやっぱ理想郷だなって思ったんですよね。
初めてそういうリアルな人たちとネットの人たちが全く気づかなかったにせよ、同居してるっていうネットの空間が現れたのは初めてのことだったんですよ。だからこれをずっと残したいし、もしくはそれをもう1回再現したいし、っていうのが僕がずっと思っていることです。
岡田:今日、聞こうと思ったことがあってですね、僕は川上さんのブログをこの24時間でザーっと読んだんですよ。すごく面白くてですね、特にユーザーに対するあきらめ感っていうんですか、あきらめ感って言ったら変ですけど、例えば自分の発言っていうのをこういう風に歪めて捉えられる。
で、ネットの言動の自由っていうのは、つまり他人の言動を歪めて伝える自由でありそれを検証する人よりも乗っかって騒ぐ人の方が圧倒的に多いと。それはネットユーザーだけじゃなく人の性なんだろうという考え方なんですよね。
川上:人の性とかまで一般化してないんですけど。
岡田:そういう風には書いてなかったんですよ。
川上:ネットユーザーにそういう人が多いわけなんですよ。それがね、何で多いかって言ったらね、やっぱり社会に居場所がない人が多いからですよね。やっぱり疎外感を感じてる人がネットで荒らしてる大部分の人かなと思うんですよね。
これに関してはあきらめっていうのはどういうところから来てるかっていうと、僕も昔、荒らしてたんですよね。それはね、やっぱり世の中に恨みがあったもん。それはしょうがないなと思うんですよ。自分のことを思い出してみても。そこはあきらめが出ますよね。
岡田:僕、さっき人の性だなと思ったのは、ネットユーザーだからとか、恨みつらみがあるからとかじゃなくて、やっぱりある情報で川上さんがこんなひどいことを言ってるぞって言ったらそこでその言葉だけ見てカッとくるのは当たり前じゃないですか。
1回自分がカッときちゃったらそれに対する反対の意見って取り入れたくないですよね。1回自分が怒っちゃったっていう感情を大事にしたいから。言っちゃえば一目惚れみたいな一目嫌いみたいなものがあるからそれを大事にしたがりますよね。
川上:お前が言うことは嫌でも肯定しない。みたいな。
岡田:そういう風なものが人にある以上、ネットっていうのはそういう、人の発言を歪めるのに向いているメディアであるっていうか、発言の自由って言っちゃうとそういう風になる。そういう風に思っている川上さんが同時にネットユーザーの居場所っていうのを守りたいっていうのは何なんですか?
川上:いや、だからね、やっぱり自分がネットユーザーだと思ったからですよね。本来は。で、すごい複雑な感情があって、会社を作ったっていうのが僕の人生をかなり否定してるんですけど。
岡田:はい、失敗だったって書いてらっしゃいましたね。
川上:そう。会社を作って何だったかって言ったら、僕が好きなネットユーザーのコミュニティーの中の人たちを会社に入れたら、そこに僕が社長であることによって入れなくなったわけですよ。
唯一の現実社会が嫌で引きこもっていたのに、そこで会社を作ってしまったらネットの中にも居場所がなくなったという。そこに対する恨みがまだ晴れてないんですよね(笑)。
岡田:ちょっと待ってください。それは恨みとは違って、自分のせいですよね(笑)。
川上:いやいや、恨みですよ。ふざけんなと。
岡田:誰に対して(笑)。
川上:ネットなんか滅ぼしてやると(笑)。
岡田:それは何なんでしょうね。そのころにタイムスリップして戻ったら会社作らなかったってことはないでしょう?
川上:タイムスリップして戻ったら確実にウルティマオンラインやりますね。
岡田:ウルティマオンラインやってる?
川上:やるやる。僕それ心残りだもん(笑)。
岡田:今頃、ドワンゴの社長がきれい事ばっかり言いやがってって打ってると思うよ(笑)。アリーナ最前列で。
川上:本当人生の中で一番後悔してるのって言ったらウルティマオンラインが始まった時の楽しかった世界に僕が加われなかったという。会社を持ったから。
岡田:会社が忙しくて。
川上:そう。潰れたら困るから。それですよね。やっぱりネットが居場所って思ってるし、そのネットの居場所が現実の人たちにだんだん追いやられていくのってやっぱり僕は嫌なんですよ。
岡田:何かあれですよ。ジョン万次郎みたいな方ですね(笑)。いわゆる、向こうから黒船がやってくると、そして開国と言っているんだけど、鎖国と言っているその日本人の心情もわかりながら、こんなん開国したかないんだけど俺が間に入って何とか日本を上手く開国にもっていくしかないのか、みたいな感じですよね。だから、両方から裏切り者なんですよね。
川上:そうそう。両方から裏切り者。だいたいそういう構造ってよくあるじゃないですか、世の中って。ジャスラックっていうのもそうで、音楽界でジャスラックって改革派なわけですよ。
岡田:あれで改革派なんですか?
川上:そうなんですよ。改革派なんです。もっと保守的な人もいっぱいいるんだけど、表にいるのがジャスラックだからみんなジャスラックを叩くじゃないですか。あの古い音楽業界の。
それでめげないのが彼らのすごいところだと思うんですけど。やはり、改革派っていうのは、実は保守派と思われて世の中から攻撃される可能性って結構高いですよね。業界内の改革派は。
協力:岡田斗司夫とFREEex(公式ブログ)岡田斗司夫のトークや文章起こしは、こちらでもお楽しみいただけます。・岡田斗司夫チャンネル
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