2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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山田玲司氏(以下、山田):柿内くんのメインワーク、有名なやつは『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』っていうので。
柿内芳文氏(以下、柿内):ちょうど山田さんと初めて会ったのもその頃ですね。
山田:そうだね、さおだけ屋大フィーバーのときに俺も山田真哉さんの所に取材に行って。
おっくん氏(以下、おっくん):柿内さんのキャリアというか、どういう仕事をなさってきたのか。
山田:まず、有名なのがさおだけ屋。あと『99・9%は仮説』っていうのも良いし、『バルサ対マンU』(チャンピオンズリーグ決勝 バルサ対マンU 「世界最高の一戦」を読み解く)も良くない? 試合をサッカーライターに1冊新書にさせてるの。
柿内:あれも初めてですね。
おっくん:あれですか。メッシがヘッドで。
柿内:そうです。
おっくん:あの試合かっ!
柿内:まさかメッシがヘッドで? っていう。
おっくん:あれはやばかったっすね。確かに。あーこれサッカー話できますね。
山田:だからこの人は代表戦のときに目覚ましかけて、やっと起きれたなって見て、コロンビアを応援してた。日本対コロンビアのときに。
おっくん:え?
柿内:あ、こないだのときは全力でコロンビアを応援してたんですよ。日本のために! ここは勝っちゃいけないんすよ、あの試合は。
おっくん:ほほー。なるほどねー。
山田:非属ですから。
柿内:僕は、才能が一番開花して欲しいんですよ。日本代表が才能を開花するには、ブラジルで勝っちゃだめなんですよ。だから、全敗が必須。
おっくん:なるほどね。そんな運で勝っちゃうより。
柿内:渋谷でわーわーとか言ってる場合じゃないですよ。
おっくん:まあ、確かに。
柿内:だから早朝起きて、コロンビア、コロンビア! ってずっとやってたんですよ。……でも、こういうのあんま言うとね。
山田:あとね、いっぱいあるんだけど、星海社に移って、星海社新書っていうの作るんだけど、そこで一番いったのが『武器としての決断思考』じゃない。
柿内:武器としての教養がコンセプトの。
山田:俺もそこで出させてもらってるの。これが『資本主義卒業試験』。これと同時にヨガの本も2人で作ろうとしてて。俺ヨガにハマってて。ヨガのマスターに会いに行きたいと。
それと同時に、俺は資本主義卒業試験について考えたいって言って。エコの問題とか色々考えた挙句、資本主義が問題なんだったら、今こそ資本主義から卒業しなきゃだめなんじゃん? っつって、「うんざりなんだよこんな国」ってこの帯の書き方、ヴィレッジバンガードのPOP風っていうのもこの人から始まったの。
柿内:あ、パクったんです。
山田:パクってさ……。こういう売り方ですよ。ちょっとびっくりなのが、これ開くじゃん。新書って体じゃん。開くと漫画ですから。
おっくん:あー、なるほどね。
山田:「何これ、漫画じゃん」って思うじゃん。小説になります、途中から。
おっくん:ほー。
山田:「小説なんだ」って思うとまた漫画に戻るんだよ。どっちなの? って。これはいわゆる、絵物語のパターンを漫画でして、これ(漫画)で一発こういう世界観ですよっていうのを見せて、それで内容はいろいろ難しい話が出てくるから、それは字にするっていうパターンを2人で考えて。仕掛けて仕掛けていく、みたいな。
柿内:これおもしろかったですね。
山田:おもしろかった。こういうことをするのがおもしろい。
柿内:ヨガはね、本にならなかったですけど。いろいろあってね。これ(資本主義卒業試験)は思想編で、あとはもうカラダ編というか、実際に身体がこう向き合って。
ビクラムヨガっていうところに山田さん通ってて。共通の友人がそのビクラムヨガっていう、世界一のヨガグループなんですね、ビクラムさんっていう人が始めて、ホットヨガの元祖ですね。
おっくん:40度くらいのところでやるやつ。
柿内:そうです。で、その共通の知人がヨガの先生をやってて。それ経由で山田さんもヨガやってヨガ良いってなって。ヨガの決定版の本ってないなって。女が適当に……こういうこと言っちゃいけないな、健康志向とか。
山田:美容にーとか。
柿内:まあファッションになってて。
おっくん:なってますね、もうなっちゃってますね。
柿内:そういうんじゃなくて、コアな部分。
おっくん:本当のヨガとはなんじゃいと。
柿内:そうそう、そういういう、哲学としてのヨガみたいなのをちゃんと捉えるために、世界一のヨガの人に行くのが良いだろうと思って。
山田:会いに行く主義だから。
柿内:だったら、ビクラムさんのとこに行くのが良いだろうって。
おっくん:ビクラムさんのとこ行ったんですか。
柿内:カリフォルニアにいて、レディ・ガガとかが通ってるっていうから。
山田:ジョージ・クルーニーもね。
おっくん:アメリカ人なんですか。
柿内:インド系アメリカ人ですね。
山田:いまセレブだよね、大成功しちゃって。
柿内:もうね、マックヨガって言ってそこら中にあるんですよ、マックみたいに。
山田:マックの数ほどあるヨガスタジオ。
おっくん:え? それどうなの。資本主義的にどうなの。
柿内:だから、そこにコアなことを聞いてくる。
山田:そんなもんだって。ディスってる場合じゃない。会いに行かなきゃ、ビクラム・チョードリーに。
柿内:なんで、とりあえず会いに行ったんですよね。
山田:マスタークラスっつーのがあって。世界中からヨガの先生になるための人たちが集まってビクラムさん先生に教えを乞うっていう会があって、そこに2人で参加ですよ。
おっくん:あー、マスターズマスターみたいな。
山田:すごいぞもう。世界中からヨガの先生が来てるんだよ。それで、勉強しに来てるんだよ。そこに紛れ込んでんの。
柿内:何百人って世界中のマスターが来てるマスター大会に、ビクラムさんがゴッドとして君臨してみんなに教えるんですよ。
山田:もうスター・ウォーズの酒場だよ。ほとんど(笑)。いろんな星からいらっしゃってる方が、もうゴロゴロしてて。すげーなと思って。それでさ、いろいろ行ったらさ出版関係いろいろ契約が難しくて。
柿内:ビクラムさんやっと会えたんすね、で話聞いたら、じゃあヨガのこと聞くぞーって思ったらいきなり、険しい顔しだして。権利がほにゃらら。
山田:すごいぞアメリカ。
柿内:(自分たちが)無邪気すぎて。弁護士が一度に3人来て。5,000万がどうのこうの、ドルがなんとかとか。
山田:「いまNYに電話する」みたいなのやってんの。
柿内:えー!? みたいな感じになって。僕ら行って話聞こうと思ってたら、あまりにも準備しなさ過ぎて。
「俺は話したいんだけど、権利に縛られて何も話せないんだ」みたいな感じになっちゃって。
おっくん:なんか息苦しいっすね、ヨガマスター。
山田:いや、それはアメリカだから。だけど俺たちそれで負けてないから。俺たち、カリフォルニアに行っちゃったわけだから。彼サーファーじゃん。マリブ行かなきゃだめじゃん。
おっくん:サーファーなの? 初めて出てくる(笑)。
山田:柿内くんサーファーなの。かなりのサーファーなの。もう波を読んでるわけよ。
柿内:まあ下手ですけどね。
山田:読んでるわけよ、千葉でがんがん攻めてるわけよ、もともとは。俺たちカリフォルニア行っちゃったわけじゃん、そしたらマリブビーチが待ってるわけじゃん。
柿内:世界的に有名なね。
山田:そしてさあ、まあそしたらさあ、オープンカー乗らなきゃだめじゃん?
おっくん:オープンカー?
山田:オープンカーにやっぱり乗るわけじゃん? やっぱり。
柿内:わざわざ企画のために行ったのに企画が頓挫しちゃって。ただの馬鹿です。
山田:あえてのここまでいこうと。マスタングが。
柿内:もうマスタング乗るしかないなと思ってマスタング探したんですよ。
おっくん:……これ、資本主義に毒されてませんか?
柿内:大好きです!
山田:資本主義サイコー! みたいな(笑)。非属を舐めんなよ! 非属をただの左翼だと思うなよコノヤロー。
柿内:ドラッグストアの駐車場に停めて。
山田:どっぷりアメリカ人やるぞーって。本当に。やるときゃやるからな、俺達も。そんでマリブビーチでうっとりなんつって。やってましたよ。
おっくん:何をしてるんですか!
柿内:いやー、楽しかったですね。
山田:サーファー。
柿内:普段こんな感じでサーフィンしてます。
おっくん:あ、これ良い写真ですね。
山田:アノニマスな。
おっくん:これベニスかどっかで買ったんすか、仮面は。
柿内:これAmazonですね。
山田:(ニコニコ動画のコメントにて)「卒業できてねぇw」「やっぱ左翼なんだw」って左翼じゃねーよ!
おっくん:アノニマスだって。
柿内:見たらなんか欲しくなっちゃって。被ってみたいなーと。
おっくん:なるほどねー。こんな感じの柿内さんです。
山田:そしてですよ、舐めんなよ、柿内戦法を。
おっくん:ん、なめてませんよ?
山田:この人、売るためだったら脱ぎます。
柿内:これ昔のTVブロスですね。
山田:ちょちょ、おっくん。
おっくん:え、これ柿内さん?
柿内:だいぶ若いんで。
おっくん:別人みたいですね。これ何年前ですか?
柿内:これは、8年くらい前、『ウェブはバカと暇人のもの』っていう本があって。
山田:良かったよね〜あの本。
柿内:そのプロモーションとして、TVブロスに「何でもやるからページくれ」って言って。
山田:(ニコニコ動画のコメントにて)「ドン引きしてしまいました」って素敵なコメントがいま流れましたけど(笑)。
柿内:TVブロスに「何でもします」って言っちゃダメだったんすね。
おっくん:これは、皆さん覚えておいてほしい。TVブロスには「何でもします」と言っちゃダメだと。
柿内:著者の中川淳一郎さんっていう、Web界隈では有名な人なんすけど、TVブロスでもともと書いてたんすよ。だからちょっと昔の馴染みで宣伝お願いしますっつって。
そしたら2ページあげると。「何でもします!」と2人で言ったら、TVブロスの編集者が1週間考えますって。言ってきたのが「じゃあ2人で全裸で対談してください」みたいな感じになって。
山田:あ、これブロス計画なの?
柿内:そうです。
おっくん:男子校ノリですねブロスは。
柿内:なんで全裸なのかっていうと、そのとき某アイドルグループのやつが、全裸で。
おっくん:あ~! あの時か!
柿内:あの直後だったんですよ。乗っかったんすよ。
おっくん:すごい余波で。
柿内:いや、ブロスすごいなーと。それで、これタイトルのとこないですけど2人で「シンゴーシンゴー」って言っちゃってんすよ。
で、見出しのところが「シンゴー、シンゴー、Webって気持ち悪い。馬鹿と暇人ばっかだ」っていうのを最初茶化しながら。こんなのできるのTVブロスしかないですよ。
山田:あ~、治外法権だから。
柿内:これ僕がいた光文社って雑誌社だったら絶対できないですよ。ブロスすごいなあと。全裸で赤裸々対談をしましょうっつって。
山田:いや~、やるよね。
柿内:売るためなら。
山田:あと思い出すのが『キラークエスチョン』って本も一緒に作ってんだけど。
おっくん:これも!
山田:この時もすごいおもしろかった。この時は「山田さん、マラソンしましょう」って言い出して、42.195キロ。42店舗僕回りますから。山田さん、オリジナルのPOPを42個作ってください。
おっくん:あ、書店に合わせてね。
山田:書店に合わせて、俺42種類の肉筆のPOPを描く。
柿内:よくやりましたよねえ。
山田:よくやったよねー。やったよ! 俺もやるし、この人もやるわけよ。夏の暑いときに行くわけ。
おっくん:え、0.195店は?
柿内:販促するときに、結局売りたいわけですよね。漫画家としての絵をね。要するに山田さんとずっとやってたのは、最初は絵を使わないって縛りでずっとやってたんですよ。
おっくん:あー、漫画家だけど。
柿内:なんか、だからこそ絵を絶対使わない、武器を使わないようにしようって。『キラークエスチョン』もそうなんですよ。帯ではちょっと使ってますけど。
中身は一切。使おうと思えばいくらでもね、漫画があったほうがわかりやすいんですけど、使わないと。でも販促のときはやっぱり漫画家としての力を最大限利用したいから。
やっぱり漫画家の直筆POPって効くんですよね。すごい手間かかるんですよ。だから1個作って刷って、コピーして直筆っぽくやるじゃないですか。嘘じゃないですか。嘘が嫌いなんですよ。
おっくん:嘘が嫌い!
柿内:だって直筆っぽくやってるけど刷ってるよって、だったら印字に、フォン卜にしろよって思うんですよね。
その時なんか知らないけど、マラソンを思いついたんですよね。山田さんにとにかくたくさん描いてもらおうって思ってて。無理を強いる代わりにこっちも何か等価交換をしないといけない。
と言った時に、42.195店舗回るから。あれ2週間かけて午前中使ったんですよね。他の編集作業は午後やって。
『非属の才能』と『絶望に効く薬』の上位店の店舗を42個選んで、池袋の書店だったらいけふくろうを描いたPOPみたいな。
おっくん:そのご当地ものにちょっと合わせて。
柿内:国立だったら国立の。要するに1枚絵でオリジナルだよってわかる形で。
山田:あなたのお店のために僕描きましたよっていう。
柿内:なんとか書店様って全部入れてもらって、色もつけてもらって。
山田:色つけたかんね。
おっくん:はー!
柿内:たぶん、連載するくらい大変でしたよね。
山田:そうね。
おっくん:でもそういう時のほうが楽しくないすか。
山田:盛り上がるよね、文化祭的な感じ? この番組も文化祭的な感じで楽しいんだけど。俺、文化祭好きなんだなーと思って。
おっくん:終わらない前夜祭ですね。
山田:終わらない前夜祭。ずっと続いてるっていう。
柿内︰0.195店はそのとき護国寺にいたんで、音羽グループの。護国寺にある書店てことにして。
おっくん:まあ良いかなと。まあ約43店行ったかなと。
柿内:そうです。それで最後、テープを貼って。自分でゴールってやったんですよ。
山田:ゴールないとダメじゃん。
柿内:孤独な戦いなんで。
おっくん:あ、2人で?
柿内:いやいやいや、それは僕だけで。1人で。僕が会社に自分でゴールってテープを貼って。一応ゴールって。マラソンてゴールしなきゃ。
おっくん:それで周りで「ウィー!」とか言いながら?
柿内:いやいや、恥ずかしいから会議室で僕1人でやりましたよ。一応自分のためにやったんで。
おっくん:あー、自分で自分を。
柿内:超大変だったんすよ。
おっくん:いやあ、おもしろいですねえ。
山田:まだ言ってなかったんだけどね、この人、こんだけおもしろいのに高校時代友達1人もいなかったんだよ。
おっくん:え?
山田:中学のときはいたんだっけ?
柿内:中学の時はいましたね。
山田:おもしろいでしょ?
柿内:高1の途中まではいましたね。
山田:途中から誰ともしゃべらなくなったんでしょ。
柿内:そっすね。高2はギリギリ挨拶とかしましたけど。高3は誰ともしゃべってないっすね、ほとんど。
山田:高3誰ともしゃべらない1年間を過ごした。
おっくん:(ニコニコ動画のコメントにて)「何があった」「何があった」って。
山田:ほら、皆さん食いついてらっしゃる。
柿内:だからこの『非属の才能』みたいなのすごいわかるなーって。
おっくん:あー、じゃあこれは、柿内くんの話でもあるんだ。
山田:うん、俺もそうだから。俺は表面的に付き合うんだけど、気持ちは非属だから。漫画業界でも非属じゃん、俺って。
おっくん:そうですね。
山田:ゴールデンボンバーに言われたからね。そうなんだよ、同じタイプって。だから一緒にやれるんだよね。
柿内:そうですね。だか、中2賞とかめっちゃ嬉しかったですよね。だって中2生が選んでくれたんですよ。そのあと対談しましたけど。そん時(授賞式)会えなかったから、彼らに会わせてあげたいってことで。一応アフターフォローを。
山田:懐かしいね。
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