2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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おおたに:いよいよ第2部の「ヨーロッパ人がやってきた」に入りますね。
一番初めに来たのは大航海時代でスペインやポルトガルが来たんだけれども、アジアにはそれに入れ替わってイギリスとオランダが進出してきましたね。例の東インド会社というやつですね。
それでモルッカ諸島、オランダが1623年にイギリス勢力を駆逐して東南アジアからイギリスを締めだしたんですね。アンボイナ事件というらしいけど。それでイギリスはインド経営に専念することになったんですね。
1639年にマドラスに進出して、カルカッタとかボンベイとか次々に拠点を作っていって、一方、オランダのほうはポルトガル領だったスリランカを取って、インド南部に進出していますね。そのあとオランダはイギリスとの競争に敗れてインドから撤退して、インド全体がイギリス領みたいな形になっていくね。
フランスも出てたんだけど、1757年にプラッシーの戦いというので、イギリスに敗れてインドから撤退してます。1814年にはネパールとイギリスが戦争しています。さあ、何という名前の戦争でしょう。
たけちよ:え!?
まき:フフフフフ。
おおたに:えー!? ネパールでやったんだけどな(笑)。
たけちよ:なんでしたっけ……。
まき:なんでしたっけ(笑)。
おおたに:ゴルカ戦争というやつですね。
たけちよ:あー。
おおたに:ゴルカ族がいた。
たけちよ:あ! のちのちゴルカ兵になっていく。
おおたに:お! 覚えてるじゃん。それはもうちょっとあとに出てくるけどね。
たけちよ:はい。ネパールの時に、イギリスはネパールにも手を出したけどインドで忙しかったんですよね。
おおたに:そうですね。
たけちよ:今聞いた話だけでも忙しいですね。オランダを倒しフランスを追い出し。
おおたに:フランスを追い出してね。忙しい、忙しい。
たけちよ:忙しいですね。
おおたに:それでネパール、イギリス戦争では条約を結んでね。「占領するかわりにイギリスの駐在官を置きました」という話をしたよね。それぞれの王国もあったんだけど、東インド会社の庇護のもとイギリス領みたいな形でそれぞれの王国が存在していましたね。マハラジャの国かな。
たけちよ:マハラジャの国っていわれてたんですか?
おおたに:いや、その頃の王様、大きい王様のことをマハラジャというらしいね。
たけちよ:あー!
おおたに:この頃中国で大きな事件があったけど。1840年とか。わかる人いますか?
たけちよ:お茶を捨てちゃったやつですか?
おおたに:お茶じゃないね。お茶はアメリカのほうだからあれだね。アヘンのほう。アヘン戦争。
たけちよ:あー!
おおたに:この頃は、インド、中国、イギリスの三角貿易だったんですよね。
たけちよ:インド、中国、イギリス……。インドでちょっと休憩して中国に行く?
おおたに:イギリスは綿製品を作るのが得意だったからそれをインドに売り払って、それを今度インドからアヘンを清に持っていって、アヘンで代金を払って、銀とかお茶を中国からイギリスに持ってきたんですね。
だからイギリスは銀とかお茶がほしかったけれども、お金を払う方法としてアヘンで払ったという。それで中国の人たちがアヘンを吸って朦朧としちゃうからね。
たけちよ:だめになっちゃうから。
おおたに:「やめてくれ!」ということで、アヘン戦争になったんだよね。だけど、結果としてはご存知のようにイギリスが勝ってね。
たけちよ:そうですね。
おおたに:香港もイギリスに割譲したりね。この頃から香港がイギリス領になっちゃったんだね。港を開港させたりとかね。そういう「やばい」という時代に、インドでも反乱が起きましたね。
たけちよ:お!
まき:あ!
おおたに:19世紀ですからね。セポイの反乱と呼ばれているやつ? 聞いたことありますか?
たけちよ:はい。聞いたこと……あります。
おおたに:内容までは覚えてないかな?
たけちよ:うふふー。
まき:うーん。
おおたに:キッカケは銃の薬包、薬きょうか。火薬のところに牛の油と豚の油が使われているといううわさが流れてね。それってインドの人たちにとったら牛の油なんか使われちゃっていたらさ。
たけちよ:大変なことですね。
おおたに:うん。それがきっかけとしてセポイの反乱になって、別名第一次インド独立戦争と呼ばれているんだけど。この時にイギリス側はゴルカ兵を使って鎮圧したんだね。
たけちよ:ここで出てくるんですね。
おおたに:ここで出てくるんですよ。強い、強い、ゴルカ兵。それが1857年なんだけど鎮圧されて、翌年1858年はムガール帝国の王様、バハドゥール・シャー2世はミャンマーに追放されていますね。ムガール帝国はここで完全に消滅です。
それで1877年に東インド会社を解散して、ヴィクトリア女王がインド皇帝を兼任するイギリス領インド帝国として直接統治が始まりますね。それまで東インド会社が、信託統治じゃないけど王国が存在しながら、その上に立って保護するみたいな形でやっていたけど、この時からイギリス領インド帝国になっちゃったんだね。
さっきのセポイの反乱は別名インド大反乱とも呼ばれているんだけれども、この頃アジアの三大反乱というのがあるんですけど、なんだか想像つきますか?
たけちよ:この時期のアジアの三大反乱?
おおたに:うん。
まき:なんでしょう?
たけちよ:アヘン戦争も入るんですか?
おおたに:いや、反乱だから入らないかな……。
たけちよ:あー。
おおたに:太平天国の乱というのが。
たけちよ:え! それは入るんですか?
おおたに:入るんだそうです。あともう1つが明治維新だって。
まき:明治維新も!
たけちよ:それは入るんですか!?
おおたに:「明治維新って反乱か?」と思うんだけど、たしかに反乱だよね。
たけちよ:でも、錦の御旗使いましたからね。
おおたに:江戸幕府に対する反乱だから。太平天国の乱は清に鎮圧されちゃったし、インド大反乱も鎮圧されちゃったけど、明治維新は反乱成功だったね。
まき:反乱って誰が決めたんですか?
おおたに:当時の統治側、政府側から見れば、新しい勢力はすべて反乱だよね。
たけちよ:でも、幕府は天皇から一応任されてた形ですよね。
おおたに:うん。でも、そんなのは朝廷側にも派閥があって、1つの派閥を引っ張りだしただけでしょ? それまでは会津が朝廷を守ったりしていたわけじゃない。勝者が歴史を作るからね。
たけちよ:勝者が歴史を作る……? 勝った人!
おおたに:勝った人が書き残したものが、それ以降の正式な歴史になるでしょ。
たけちよ:そうですね。
おおたに:この頃日露戦争なんかもあって、アジアがヨーロッパに勝ったということで、それぞれの国で民族の自覚が芽生えるんだよね。それで鎮圧されちゃったけれども、だんだん反英気運が高まってくるんだよね。反英って、イギリスに反対する、ね。
たけちよ:あ、はい。
おおたに:それでイギリスの方が押さえつけにかかってさ。イスラムとヒンドゥー、両教徒の分離をはかるベンガル分割令というのを1905年に出していますね。
たけちよ:それは仲たがいさせようとして、みたいな。
おおたに:そうそう。戦わせて、イギリスに刃向うことから気をそらすという感じかな。
たけちよ:よくある手ですね。
おおたに:よくある手だよね(笑)。
おおたに:元々仲良くやってたのにね。だから、当時は国民会議派もできてたんだけど、独立しようとする国民会議の派閥ね。それがこれに強く反対して、国民会議は英貨排斥。イギリスの貨幣を使わないぞ、と。
たけちよ:おー!
おおたに:それから自治を獲得しよう。スワラージと呼ばれたらしいけどね。スワデーシというのは国産品愛用。だからイギリスが売りつけていた綿製品を使わずに、自国で作った綿製品を使いましょう、ということ。
たけちよ:元々綿は作っていたんですよね。
おおたに:うん。だって綿が採れてたからね。
たけちよ:そうですよね。
おおたに:それをイギリスに持っていって加工して値段を高くして、売りつけようという。
たけちよ:「ふざけるな」という話ですね。
おおたに:あとは民族教育もね。四綱領を決議してますね。
たけちよ:よんこうりょう……?
おおたに:4つの大方針ということだね。
たけちよ:何か決めたんですね。
おおたに:コルカッタ国民会議ということで1906年にね。ベンガル分割令は1905年だから、翌年だね。イギリスのお金を使わないぞ。自治を獲得するぞ。国産品を使おうよ。民族をみんなで教育しよう。という民族自立。
イギリスもそういう反対が起きてくると、慌てて1911年に分割令を撤回するんだけど、もうすでに遅くて民族運動は年々強まっていく。そんなことをしているうちに、1914年に世界的に大きな事件が起きますが、それはわかるでしょう。
たけちよ:第一次世界大戦。
おおたに:そうですね。第一次世界大戦になるとイギリスはインドから兵員と物資を提供させたんですね。その時になんといったかというと、「戦争が終わったら自治をさせてやるから。だから兵隊と物資をちょうだいね」といったわけね。
たけちよ:大丈夫ですか? イギリスの約束ってあてにならないと思うんですけど。
おおたに:はい。その通りです(笑)。イギリスは戦争が終わったあと、約束を守りませんね。
たけちよ:やっぱり。
おおたに:やっぱりです(笑)
まき:パレスチナとイスラムの時も。
たけちよ:イスラエルもそうですよね。
おおたに:三枚舌。
まき:三枚舌外交ですね。
おおたに:守らないと、どんどん独立民族運動が出てくるじゃないですか。今度、イギリスは1919年に、令状なしに逮捕、投獄を認めるローラット法というのを施行したんですね。
たけちよ:えー!
おおたに:めちゃくちゃでしょ(笑)。
たけちよ:なんていうか、特高警察みたいな感じですかね。
おおたに:そうですね。さすがたけちよさん、古いことを知ってるね。まさか生きてた!?
たけちよ:いや、ちょっとこの目で……見てないですよ!?
おおたに:この頃、国民会議派のガンジーさんが出てきて、非暴力、不服従の運動を始めたんですね。非暴力、不服従。有名だよね。
たけちよ:そうですね。
おおたに:ただただ手をあげて立ち向かうだけですね。それで、さきほどの国産品愛用のもとに、イギリス製綿製品を着用せずに伝統的な手法によるインドの綿製品を着ていたんですね。それがあの有名なガンジーの格好じゃないかな。
たけちよ:あー!
おおたに:インドの糸車を回すガンジーの写真なんかが有名ですね。
たけちよ:そうですね。イメージがわきますね。
おおたに:実は、その糸車は大事なので、最初の国旗は糸車があったのかな? 今でも糸車っぽいデザインが国旗の真ん中にあるでしょ?
たけちよ:真ん中!
まき:いわれてみれば。
たけちよ:そうですね。
おおたに:糸車じゃないといわれているんだけどね。
たけちよ:違うんですか。
おおたに:やっぱり特定の主張を国旗に入れ込むのはマズイということがその後の議会で議決されて、あれは、実は糸車じゃないそうですよ。あれはダルマーだそうです。
たけちよ:ダルマー?
おおたに:うん。ヒンズー教において宇宙の法と秩序、正義を司る神様の名前を表している。
たけちよ:宗教的なものなんですね。
おおたに:ヒンズー教の神様だから。みんなが信じるもの。特定の運動を表してはいけないといいながら、ヒンズー教はいいんだろうね。
たけちよ:そのようですね。
おおたに:なかなか理屈がよくわかりませんが(笑)。インド人にとっては常識なのかな? それでガンジーの運動をやっているうちに、国民会議派の大会で1929年に完全独立を宣言したんですね。
その頃、塩はイギリスが専売していたので、それに対抗するために塩の行進──自分の手で塩を作る運動なんていうのもやっていますね。イギリスも押されて、1935年に新インド統治法を発布して、各州の自治を少し認めたんですよ。ちょっと手をゆるめる。
たけちよ:妥協した。
おおたに:そうそう。だけど、独立は許してなかったんだね。
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