2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会:増田さんのお話にも、もう1つの理由として「結婚や子育てを支援する国や自治体の制度が整ってきたから」という意見が男性の中でもあったということなんですが。小室さん、企業側の立場として、また、2児の母の立場から見て、制度の充実という実感はありますでしょうか。
小室淑恵氏(以下、小室):政府がやっている度合いに対しての実感値は、まだまだ低いんですけれども。ただ、最近政府の広報がちゃんと届いてきたなというのは感じます。実は、身近に知られていないんですけど、たったこの2年間で、20万人分の保育所ができたんですね。待機児童数は、25,000人なわけです。なので、20万人分作ったというのはものすごいことなんですね。
ただ、それ以上の女性が働きに出たので、まだ待機児童数はどんどん逆に増えたりしているんですけれども。これだけ短期間で、ずっと保育所不足を放置してきたところが、この2年の政権は一気に20万人分増えて。
つい最近の総理の発表だと、ここからあと3年であと20万人分だった予定が、10万人追加されて、さらに30万人分の保育所を作るという予算も増えている。なかなか今までは子ども関連にはお金は使わないという印象だったところが、これは確実に変わってきたなという印象が、やっとワーキングマザーにも届いて。
そのワーキングマザーから、口コミでこれから結婚するっていう子たち、ちょうど不安を抱えている職場の後輩たちも、「ずいぶん、最近変わってきたよ」という話も聞いてきているというところが、ずいぶん変わってきたかなとは思いますね。
司会:今後もさらに、まだまだ足りない部分があるということで、国や自治体の制度がより充実していくことが必要だと思うんですけれども。次に、どういった制度があると、今後結婚、婚活がしやすい世の中になっていくのかなと思われますか。
小室:保育所は子どもが生まれてからっていうところで。結婚のその先が見えやすくなってきたということではあるんですけれども。結婚というところに、先ほど増田さんのお話から「出会い」という話がありましたけれども、まず出会わなければ結婚、そして出産までいかないわけで。
出会いということに対しての疲弊感というんですけね。今の若者たちは24時間の大半を仕事に使っていますので。疲れて、もう会社に必須な勉強をする時間すらないっていうところに、自分の自由時間をさらに持とうというが、なかなかイメージできていない。
1日の24時間の中で、仕事以外の時間をどれだけ持てるのかっていうところが、次なるステップとして必要であるなと思いますね。
司会:ライフバランスの前に、まさにワークライフバランスというのが、皆さん考える必要が出てきているということですね。
そういった点を受けまして、増田さん。社団の代表としては、どのように感じられますでしょうか。
増田寛也氏(以下、増田):小室さんの話の中で、保育所を整備した、そのことによってまた新たに保育需要が掘り起こされるっていうかね。ですから、数字から見ると待機児童が増えたりとかですね、数字だけ追っていると、前に行ったり後ろに下がったりのように見えるんですが。
ただ、大事なことは、とにかく日本は高齢者には手厚いけど、若い人には冷たいと言われていたことに対して、「いや、そうじゃないんだ」と。「若い人たちに、うんと温かいメッセージだけじゃなくて、施策も届けます」という、そのことを今まで以上に言うこと。
それと、現実に政府あるいは自治体が中心になりますが、そういう具体的な政策を実行していくこと。私どもも民間の社団としては、そういう政府に対してお尻を叩く役割と。
それから、数字だけ見るんじゃなくて、その中身をきちんともっと掘り下げて見ると、いろいろ政策が手厚くなってきたというその部分を届けていきたいなと思います。
司会:結婚ブーム到来という以前に、そういった政府の取り組みなどが少しずつ実を結んできたのかなと結果が、この結婚ブームにきたというふうにも思えますよね。
司会:では、続いてのテーマに移りたいと思います。続いてのテーマ、「そうはいっても、出会いがない」ということなんですけれども。結婚ができない理由の1つとして挙げられています「出会いがない」ということ。どういうふうに改善ができるのか、皆さまに伺っていきたいと思います。
まずは、最近結婚されて、その出会いをつかまれました釈さんご自身の出会いのエピソードを教えていただけますでしょうか。
釈由美子(以下、釈):そもそも、私は仕事場で同業者の方と恋愛感情に発展するということは皆無でしたので、まず、職場恋愛はあり得ないなと自分で諦めまして。
そしたら、プライベートでどうやったら出会えるかと周りを見回したところ、そんなに簡単出会いって転がっているものじゃないじゃないですか。
本当に自分は婚活というか結婚したかったので、闇雲に合コンとかも行けないですし、親友とか周りの親しい知人に自分の性格をよく理解してもらって、どんな人が合っているかという人を紹介してもらうような形で、今の主人に出会えました。
司会:その中でご自身が思っていた理想像と、周りのご友人から言われたものは、違う部分とかってあったりするんですか。
釈:芸能界の世界におりますので、すごく華やかで派手な生活をしているように思われると思うんですけど、私の友人は、普段すごく地味だということを知っているので、そういうことを踏まえた上で、すごく地に足がついた誠実で優しい男性っていうのを、自分も望んでいたので、そういう方を紹介していただきました。
司会:コミュニティー内でなかなか見つからなかったというお答えだったんですけど、やはり自分のコミュニティー内の友人が、持ってきてくれる縁というのも考えられるわけですよね。
釈:積極的に「今、すごく自分は結婚したいんだ、婚活しているんだ」というのをアピールするのは大事だと思います。恥ずかしがらずに、どんどん自分を出していくことが、次の出会いのチャンスに繋がるんじゃないかなと思います。
司会:次にお伺いしたかったことが、今の言葉に全て含まれてたような気がするんですけど。まさに今、結婚したいんだけど、出会いがないと思っている男女にどんなアドバイスを。今一度お願いします。
釈:出会いって待ってても来ないと思うんですよ。やっぱり自分から何かアクションを取らなくちゃいけないくて。でも、「数打ちゃ当たる」みたいな感じでも失敗しちゃうと思うので。
「どういう人を自分が望んでいるのか」というのをより明確に自分の中でイメージしていくことで、出会った瞬間に「あ、この人だ!」って、すぐにわかるんじゃないかなとは思います。
司会:紹介するほうも、的確なイメージがあると、相手を紹介しやすいというのもありますよね。「交際相手の出会いのきっかけは何だったのか」という質問に対して多かったのが、釈さんの中でもありました、コミュニティー内はちょっと難しかったということだったんですけれども。
同じ会社の職場・同じ学校やクラス・友人の紹介といった、同じコミュニティー内での出会いが多かった結果がある一方で、20〜40代の未婚の男女にとって「コミュニティー内の恋愛は何となく気が引けてしまう人が増えている」という調査結果が出ました。
増田さん、そもそも出会いがないという環境があるにも関わらず、コミュニティー内での恋愛は気が引けてしまうという考え方が、気になる調査結果ですね。
増田:千差万別というか、百人十色というか。みんな迷ったりということを経験していると思うんですね。それから、昔と今とで大きく意識が違っているかというと、この調査だと今の若い人たちがモジモジしているように一見読み取れるんですが、そうじゃなくて、昔はガツガツと積極的にやっていたかというと、地域の世話焼きみたいな人がいたりして。
そうやって若い独身の男女を見つけたら、結婚を後押しするような人たちがいて、そんな人たちの活動もあって、結婚にたどり着いた人たちがすごく多いと思います。今、そういう人たちがほぼいなくなりましたので。
ですから、出会いのチャンスを広げていくと。それをどう使うかを別にしても、当人たちが出会いのチャンスが足りないということに対して、何かの形で出会いのチャンスを広げていくっていうこと、そこを模索するのが非常に大事だと思います。
司会:近所の親しいおじさま、おばさまたちがいないとはいっても、また別のツールとして今はインターネットなども盛んに使われますよね。
増田:今回の調査で新しくその項目が10パーセントくらい入ってきた。多分今後ずっと増えてくると思います。そういう新しい動きっていうのも、きちんととらえていく必要があると思いますね。
司会:出会う場所がない、コミュニティー内は気が引けてしまう方々に対しては、小室さん。企業としてはどういうふうにサポートしていけばいいんでしょうか。
小室:当たり前のことではあるんですけど、かつてに比べて、若者の比率って非常に少ないんですね。なので当たり前ですけれども、絶対数が少なくなっているわけです。その中で、当然恋愛ということがあれば、少ない人数の中ということになるので、以前よりも遠慮するということは当然のことなんですよね。以前は、若者がほとんどですので。絶対数が多い中で、ということだったので。
そこから比べて消極的になるというのは、今の若者が消極的というよりは、人材の比率、日本の人口比率そのものですけれども、これも大きな理由になるかなと思います。
そういう中でも、今、スタートトゥデイというアパレルのZOZOTOWNの会社さんですけれども、「社内恋愛を推奨します」っていうようなことをされている会社さんがあったりします。
その会社さんは、さらにおもしろくて、これは出会いのためでは全くなくて、社内のコミュニケーションを良くするために「サプライズランチ」といって、会社がくじ引きで決めた社内の知らない相手とランチをするんです。社長が来るかもしれないですけれども(笑)。その方とランチっていうのが。
「部署を超えたネットワークを持ちましょう」ということをやっています。これは、決して婚活のためではないんですけれども。社内恋愛を推奨しながら、部署間もコミュニケーションを良くしながら。
釈さんがおっしゃってましたけれども、部長が世話を焼いてくれるかもしれないですし。「うちの部署に男子いるよ?」というのがあるかもしれないですし。そういったことが、今まで部署ごとに非常に閉鎖的に仕事をしてました。企業ごとも閉鎖的ですし、部署ごとも閉鎖的ですけれども、そこのネットワークを作っていくというは非常にいい取り組みかなと思いますね。
司会:このところ個人情報などもあったりとかして、どうしても社内であっても情報共有というのが難しかったりとか、気が引けてしまうというのがあるんですが。会社の中で、そういったおもしろい取り組みっていうのは、大切かもしれませんね。
小室淑恵氏(以下、小室):私たちがコンサルティングしていて、いつも使っていただいている「朝メール、夜メール」っていうツールがあるんですけれども。これは、1日の業務の予定を15分から30分単位で「今日はこういうふうにやって、残業なく帰ります」というための報告ツールで。
皆さん、業務報告をするメールを送ると、ついでにライフのことも書き始めるんですね。実は今までの職場って「あの人が結婚しているのか、していないのか知らない」っていうような、あまりにもプライベートな話はいけないっていう風潮になり過ぎて、お互いが謎の人になっていました。
でも「あの人、娘がいるんだって」とか「あの人は結婚していないんだって」っていう、それぞれの状況がわかるようになってくるという、ライフの話をしやすくなる風土というものを、取り入れていくと。
私たちはこれを、業務効率を上げるためにやっているんですけど。実際に残業がすごく減るんですね。朝夜メールをやるだけで、1、2割くらい残業が減る職場が多いんですけど。
それって、お互いに困っていることが言い合えたり、背景がわかったりということができるのが、業務でもライフでも良いことだと思いますね。
司会:これだけ簡単にコミュニケーションツールがいろいろ発達した中で、まだまだコミュニケーションが足りていなかったんだなっていうのが新たな発見というのがありますね。
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