2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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(「DaiGoは人間か人狼か」という質問のアンケート結果が出る。人間45.6パーセント、人狼54.4パーセント)
佐渡島庸平氏(以下、佐渡島):あれ、DaiGoさんは人狼なんですね。
DaiGo氏(以下、DaiGo):僕は人狼みたいですね。聞いてみたら人間じゃないって(笑)。
佐渡島:僕、DaiGoさんと人狼ゲームやってみたいなあ。
柳内啓司氏(以下、柳内):人狼やるんですか?
佐渡島:僕、人狼ゲーム大好きなんですよ。
DaiGo:僕も最近メンタリスト要員で呼ばれることが多くて、この前も城田優くんとか赤西仁くんとかと一緒にやったんですよ。なんというか「人狼かどうか分からないけど、メンタリストだからとりあえず吊っとこう」と。で、人狼には食われると(笑)。そういうのがよく起こりましたね。
柳内:なるほど。狙われるんですね。
DaiGo:でも人狼ってすごく難しくて、みんな同じ顔してるんですよ。誰かを疑ってるから。だから「人狼だ!」って手がかりが時々パッと出ると、僕がバーッと一気に攻め立てて確実に吊れるんですよ。
佐渡島:濃いメンツでやるといいなと思ってて。僕もすぐ殺されるほうなんですよ。この前、川村元気とそう言ってたんですよ。堀江(貴文)さんもそうじゃないですか(笑)。そういう人だけでやる。
DaiGo:おもしろいですね(笑)。誰が吊られてもおかしくないっていう。
柳内:全員同じ条件。キャラ祭りで。
DaiGo:最初の1回、佐藤健くんとかとやった時に堀江さんも来てたんですけど、その時に(皆を)説得して堀江さんを吊っちゃったことがあったんですよ。何か表情が怪しいと思ったから。そしたら騎士で、僕をずっと守ってくれてたっていう(笑)。
柳内:恩を仇で返す的な(笑)。
佐渡島:それはおもしろいなあ(笑)。
DaiGo:今、コメントで「佐渡島さんのおすすめの本が知りたい」ってのがけっこうあるんで、いくつかご紹介してもらってもいいですか?
佐渡島:どういう系がいいかなあ。まず、僕が今やってる本。
DaiGo:それいいですね。
佐渡島:『テンプリズム』っていうファンタジー。曽田正人さんですね。
DaiGo:(検索する)これですね。へえ〜。
佐渡島:これはAmazonの評価ではなかなか厳しい感じなんですけども……。曽田正人さんという25年くらい漫画家をやってた人が、(初めて)ファンタジーに挑戦してるんですね。
僕もけっこう意外だったのが、作家が新しいことに挑戦した時に、元のファンがアンチになっちゃう。
DaiGo:ああ、それなんか分かります。
佐渡島:20年間近くずっと、曽田さんはリアルなことを描き続けてきた。『め組の大吾』とか『昴』とか、そういうのをやってきたんです。
僕は(『テンプリズム』は)ファンタジーとして相当おもしろいなと思ってるんだけども。曽田さんって、『capeta』とか昔のやつは全部5巻くらいを超えないとおもしろくなってこないんですよ。
DaiGo:おもしろいですね、それ。
佐渡島:どんどんテンションが高まっていくタイプの作家さんで。
DaiGo:(『テンプリズム』は)最近6巻が出たんですね。じゃあ、ここら辺からおもしろくなるよ、と。
佐渡島:そう。ファンタジーって、ある程度巻が進まないとおもしろくならないんですよね。前提条件が分からなかったりするから。
柳内:そうか。そこをまず理解してもらわないと。説明が必要なんですね。
佐渡島:そうなんですよ。『キングダム』とかもそう。キングダムはファンタジーじゃないですけど、まずあの時代の世界を知るまでにけっこう時間がかかるから、10巻超えるくらいまで全然ヒットしなかったんですよね。
DaiGo:なるほどね。
佐渡島:『キングダム』もそうだし、『ベルセルク』もそうだし、『鋼の錬金術師』もそうだったんですよ。今は当たっちゃってるから、皆そんなことないと思っちゃいますけど。
DaiGo:おもしろいという前提で読みますからね。
佐渡島:そうなんです。そうすると1巻からおもしろいってなるんですけど。『宇宙兄弟』も5巻くらいまでは、1巻のAmazonのレビューとか超低かったですよ。でも、今となっては1巻の点数が一番高いですよね。
DaiGo:へえ〜。「ファンタジー、5巻以降おもしろくなる理論」おもしろいですね。6巻以降か。
佐渡島:5巻とか6巻とか、ある程度巻を重ねてからですね。
DaiGo:確かに古典の名作『ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)』もそうだと思うんですけど、最初の頃って状況説明と「中つ国はこういうところで……」っていう歴史の話があって、そこを乗り越えてからおもしろくなってくるじゃないですか。
そういう意味でいうと、世代の差がここにも出てると思うんですよ。「読み解こう」って世代は、状況設定も細かく読んで自分で読み解くのがおもしろい。だから6巻以前のおもしろさも好きなんです。
だけど若い世代になってくると、YouTubeでも3分33秒とかが一番再生されるみたいに、最初に開いた第1話、第2話でキャッチがないと、たぶん読めないんでしょうね。
佐渡島:ファンタジーって、指輪物語が基礎なんですよ。すべてのファンタジーが、指輪物語の型をまねてるんです。指輪物語によってファンタジーの型が作られてて。
作家って、他の誰かが作った型の中で物語を進めるってことが好きじゃないから、曽田さんはファンタジーなんだけど、けっこうそこを無視してる。だから、おもしろいのが『テンプリズム』に対して「曽田さんはファンタジーを勉強してないんじゃない?」みたいなことを言ってくる人がいるんですよ。
DaiGo:(Amazonのレビューを見て)確かに「先生、ファンタジー好きですか?」ってある。
佐渡島:いやいや、知ってるがな、と。知ってて、あえて無視してるから価値がある。すごい作品なんだけども。でも意外と読者はそういうところを気にしなくて。
DaiGo:このレビュー、おもしろいですね。1巻とかで「読めません」っていう1つ星のレビューに、4つ星、5つ星の人が「とりあえず4巻まで読んでくれ」「27話からが熱い!」とか言ってて。
佐渡島:(話が)たまってからだと、感想が変わってくるんですよね。
DaiGo:おもしろい。みんな読み解く。このチャンネルを見てる人はけっこう読み解く系が好きだから、たぶん好きだと思う。僕も買って読んでみます。
佐渡島:ぜひぜひ。結局、ファンタジーのほうが極限の状態を描けるんですよ。例えば、今おもしろいのは女性同士が嫉妬してるシーンを描いてるんですね。普通、恋愛の話で女性同士が嫉妬してたら、ちょっと意地悪するくらいじゃないですか。ファンタジーだと殺し合うんですよ。感情をもっと爆発させて描けるから、より伝わるんです。
DaiGo:なるほど。女子のケンカって冷戦っぽいですもんね。
佐渡島:そういうふうになっちゃうじゃないですか。でもファンタジーの中だと殺し合ったりしながら描けるからもっとおもしろくなって、今まで描けなかったこととかが分かりやすく描けるんですよ。そういうファンタジーなんです。
もともと極端な感情を描くのがうまい作家だから、ファンタジーになればなるほどよりおもしろいっていう。
DaiGo:なるほど。(待機中のこいずみさき氏に)こいずみさん、女の子のケンカは冷戦になりますか?
こいずみさき氏(以下、こいずみ):女の子のケンカですか? でも私はあんまり感情的にはならないです。
DaiGo:戦略的なほうですか?
こいずみ:そうですね。
DaiGo:(笑)。
柳内:引っかき合いみたいなケンカはしたことない? 「泥棒猫!」みたいな。
こいずみ:それはないです(笑)。
佐渡島:僕が好きな本で、関係してないのをいきますけど……『ザ・ファブル』です。
DaiGo:『ザ・ファブル』。(検索する)
佐渡島:出てきますか? 『ナニワトモアレ』っていうのをやってた漫画家で、南勝久さん。
DaiGo:出ました。(こいずみ氏に)何か、ずっと待っててもらうのもアレだから……。
柳内:参加しますか。
(こいずみ氏が再度登場)
DaiGo:せっかくですから。どうですか? 緊張には慣れました?
こいずみ:だいぶリラックスしました。
DaiGo:よかった。(『ザ・ファブル』を見て)これ、カバーが不思議な感じですね。
佐渡島:そう。いろいろな漫画って、現実を観察して描くわけですよね。観察してそのまま描いちゃったりできるわけですよ。もちろんエッセイ漫画も難しいんだけども、やりやすいところとしてそういうエッセイ漫画があって、その上に現実を基にしたスポーツ漫画とか社会派漫画があって、その上にファンタジーがあると思ってて。
ファンタジーは自分の中で一回熟成させて出さないといけない。それと同時に、いろいろな物語というのは物語の型があるんですよね。サスペンスっぽかったりとか。
で、そうじゃなくて「ただ見てるだけでおもしろい人」っているじゃないですか。その見てるだけでおもしろい人を、現実じゃなくて作品の中で作り出すのってすごく難しいんですよ。
それと同じ感じで、『ザ・ファブル』はこの殺し屋を見てるだけでおもしろい。
DaiGo:なるほど。
佐渡島:『What’s Micheal?(ホワッツマイケル)』の猫も、見てるだけでおもしろかったりするじゃないですか。
柳内:『What’s Micheal?』ね。懐かしいですね。さきちゃん知ってる?
こいずみ:わからないです。
佐渡島:『ゴリラーマン』も分からないですよね?
こいずみ:分からないです。
DaiGo:30歳オーバー、30真ん中くらいじゃないとわからないですよね、たぶん。
柳内:主題歌も歌えますよ。
DaiGo:(コメントを見て)「わかる」って、わかる人多いな(笑)。
柳内:世代が近いですからね。
DaiGo:(コメントを見て)『スプリガン』ね。『スプリガン』好きが出てきた。
(コメントで「DaiGoは世代が違うのになぜ古い漫画を知ってるのか」という疑問が出る)なぜDaiGoが知ってるかというと、僕のテレビ番組のマネージメントをやってくれてる人がいるんですけど、その彼が「このマンガがすごい!」の創刊メンバーみたいな人で。
佐渡島:そうなんですか。
DaiGo:「ホットドッグ・プレス」とかもずっとやってて。村山って人なんですけど。あれ? でも講談社だったはずだな。
佐渡島:「ホットドッグ・プレス」はそうですね。
DaiGo:それでよくおすすめの漫画の話とか聞かされて、昔家に遊びに行った時なんか「これ読め」ってどんどん渡されるんです。それでチラッと見たことがあります。
佐渡島:あとは、小説は今なんだろうな。僕は結構ビジネス本を読むことが多くて、会社をどういうふうにやっていくかというのを考えてるから、どうやってマネージメントするかという。例えばファーガソン監督の自伝(『アレックス・ファーガソン自伝』)を今読んでますね。
DaiGo:ビジネス書からいかないんですね。
佐渡島:ビジネス書を読んでる中で、ファーガソンが重要だなと思って。
DaiGo:これ、いい本ですよね。
佐渡島:でも、僕はサッカー選手の名前はたくさん知らないから、知ってたらもっとおもしろいんだろうなと思いながら読んでますね。
DaiGo:僕もサッカーあんまり詳しくないんで……。これいつ買ったんだっけ? 献本か何かでもらったのかな。読んだ時に、監督というか指導者の考え方は分かるんですけど、サッカーの具体的な話が出てもよくわからないんですよ。
柳内:ああ、具体例がね。
DaiGo:そうそう。だから感覚的にいうと、マキャヴェッリの『君主論』を歴史資料を置かないで読む感じなんですよ。「○○卿がどうのこうの……」ってわかんねえよ、みたいな(笑)。あれとすごく近くて。
サッカーが得意な友達に聞いたりとかしましたね。「これどういうこと?」って。
佐渡島:ベッカムとケンカした時の話とかも赤裸々に語ってて、そこらへんはおもしろいんですけどね。
DaiGo:そこはさすがにわかるんですけどね。「ベッカムさんね」って。
柳内:サッカー好きにはたまらないくだりとかもあるわけですね。
DaiGo:ベッカムさんの性格とか、過去のやつがいろいろあるじゃないですか。そういうのを知ってたらもっとおもしろいんだろうなと思うんですけどね。選手の特徴とか、性格とか。
柳内:そうですよね。この選手がスランプだった時期があってこうなった、みたいな。
佐渡島:女性におすすめの漫画で、僕がもう1個やってるのが安野モヨコの最新作。『鼻下長紳士回顧録』。「鼻」の「下」が「長」い「紳士」の「回顧録」って書くんですけどね。
DaiGo:(検索する)へえ〜。これはちょっと知らないですね。
佐渡島:これは娼館に来る変態男性の話ですね。
DaiGo:変態男性の話ですか(笑)。
柳内:どこに来るんですか?
佐渡島:娼館。売春宿。そこに来る変態の男性について、娼婦が書いている話。
柳内:それを安野モヨコさんが描いたんですね。
佐渡島:だから『さくらん』とかが好きな人はいいかもしれない。
DaiGo:結構こういうのが好きな女子いますよね。
(コメントを見て)「DaiGoの領域」って言うな(笑)。「補足情報:エヴァの監督の奥様です」「さきちゃんの前でやめて」。すみません。
こいずみ:いえいえ(笑)。
DaiGo:そういうの大丈夫なタイプですか? すいません、気が付かなくて。
こいずみ:大丈夫だけど、そんなにノリノリではいけない。でも聞くのはぜんぜん平気です。
DaiGo:ムッツリってこと?(笑)
こいずみ:言われます(笑)。
DaiGo:(コメントを見て)「セクハラセクハラ」って出てる。(スタッフに)すみません、セクハラを禁止ワードに設定してください(笑)。
佐渡島:この『鼻下長紳士回顧録』は、結構DaiGoさんの興味とかぶるタイプの本かなと思いますね。変態ってすごく難しくて、自分の欲望を正確に知らないと変態になれないんですよ。
(参照:「漫画はリビドーで描くもの」 安野モヨコが『鼻下長紳士回顧録』に込めた変態紳士への愛)
DaiGo:確かに。
佐渡島:自分の欲望を正確に知るっていうのは、DaiGoさんのやりたいことじゃないですか。
DaiGo:そうですね。
佐渡島:それを性的なところに特化すると、変態になるんです。
DaiGo:つまり僕がWaist to Hip Ratioが0.70以下の女子で、かつ金髪のラトビア系の女性が好きというのは、自分の欲望を知ってる。だから変態になれると。
佐渡島:そう。
柳内:DaiGoさんのタイプですね?
DaiGo:なるほど。変態は目的志向だったんだ。
佐渡島:だから結構難しくて。
柳内:その中で試行錯誤もあるんじゃないですかね。
佐渡島:名前がついてる変態っていうのは、結局は枠の中にはまってるから本当の変態じゃなくて。自分の欲望をそんなに定義して分かってるってことじゃないんですよね。
柳内:「おっぱい星人」とかは、もう変態じゃない。
佐渡島:変態じゃないし「今日何食べたい?」って時に「カレーか寿司か……」という雑なレベル。欲望を正しく定義できてないんですよね。だから、自分が将来何になりたいか、自分の夢が何かというのを正確に捉える能力と、変態である能力というのは、心の使ってる部分は一緒なんですよ(笑)。
柳内:結果はだいぶ違うけど一緒だ、と。なるほど。
佐渡島:これを何で作家が描こうと思うのかというと、作家は自分の心をかなり観察してるわけなんですよ。その上で喜びや悲しみの感情を描いたりしてて、その観察するしぐさが変態と一緒だから、変態に興味を持つんですよね。
柳内:なるほどね。
佐渡島:でもそこでまじめにかいても意味ないから、変態とかを使いながらそういうのを伝えていく。どういうふうにして、自分の感じたことを直接じゃなく物語に変えて作るのかというのが、作家の一番の技術。
柳内:そのままのメッセージだとなかなか伝わりにくいから。
佐渡島:いや、伝わりにくいんじゃなくて、それだと芸術として完成しきってないというか。今エッセイ漫画とかが増えてるのは、たくさんの人が世の中で漫画家みたいになれるからじゃないですか。テクニック的には実は高まってないから、エッセイ漫画として出てくる。
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