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DaiGo・やなぎーで人生相談に乗ってみた ゲスト:佐渡島庸平さん、こいずみ さきさん(全5記事)

その失敗は本当にメンタルのせい? スポーツのミスのとらえ方

心理テクニックを利用したパフォーマンスで人気を博すメンタリストのDaiGo氏と、ネットとテレビが連動した独自の企画を打ち出すメディアプロデューサーの柳内啓司氏がお送りする、ニコニコ生放送の人気番組「心理分析してみた!」。今回のゲストは、漫画家や小説家など数々のクリエーターのエージェント業を請け負う、株式会社コルクの佐渡島庸平氏。勝負事における心理戦から、ゴルフでのメンタルコントロールの重要性、さらには昨今のビジネスで企業トップが顧客に与える心理的影響まで、DaiGo氏にさまざまな質問をぶつけていきます。

メンタリストDaiGo氏は、どこまで人の心が読める?

柳内啓司氏(以下、やなぎー):本日のゲスト、コルクで代表をされている佐渡島さんです。

(拍手)

佐渡島庸平氏(以下、佐渡島):よろしくお願いします。

やなぎー:控室でも、いろいろと盛り上がったトークをされていたということですけども。

佐渡島:はい。

やなぎー:何でしたっけ? 最初の話は。

DaiGo氏(以下、DaiGo):最初の話は「僕がどのくらい人の心を読んでるのか」っていう……。どこまでなのか、そのしきい値を知りたいみたいな。あとウェアラブル(端末)の話とか。

佐渡島:そもそも人の心って、どこらへんくらいまでわかるのか。表情を見てとか、仕草とか?

DaiGo:正直に言ってしまうと、仕草から読める情報はほとんどないし、信ぴょう性がないってことが心理学ではわかってます。

佐渡島:そうなんですか。コントロールできちゃうからってことですか?

DaiGo:それもそうだし、後は1対1で対応してないって意味で、あんまり科学的じゃない。腕を組んだら必ず防御の心があるのか、図星なのかというのはわからない。というのが心理学の限界なんですが、ただそれを確かめる方法というのはあって。

例えば僕がテレビとかでやる方法ですけど、(相手が)腕を組んだときに「あなたが腕を組んだってことは自分を防御してる証拠ですから、まずいことを言われたんですね?」と言った瞬間に、相手が組んでる手をどうするか。

佐渡島:なるほど。

DaiGo:それであわてて手を戻したりとか、反応したら「あ、やばい。間違えた。隠さなくちゃ」という。それでわかるんですね。

やなぎー:そっちに答えがあるんですね。

DaiGo:そうですね。どちらかというと、メンタリストは表情を読んで分析してるというよりかは心理戦ですね。「ボロを出させている」というのが正しい。

佐渡島:言ってみればリアクションでわかるわけで。

DaiGo:そうですね。何もない状態で「顔だけで読め」って言われても、そこまでは……。もちろん心理学の範囲ではできますけど、パフォーマンスで見せたりするようなのとか、メンタリストの海外ドラマ(『THE MENTALIST』)とかで出てくるような「顔を見ながら全部ズバズバ当てていく」みたいなのはできないです。

メンタリストの能力で勝負事には勝てるのか?

やなぎー:じゃあ、1人で楽屋にいてモニタリングしてというのじゃなくて、やり取りのなかでわかると。

DaiGo:そうです。堀江(貴文)さんとか、最近だと坂上(忍)さんとかとババ抜きの番組をやりましたけど、あれもやり取りなしで顔だけジーッと見て、厳かな空気でやれと言われたら無理です。

佐渡島:なるほど。

DaiGo:前、ネット番組……、MONDO TVだったかな? もう放送されたかどうかわからないですけど、ポーカーの日本チャンピオンと1対1でポーカーをやるという企画があって。

ポーカーはテキサスホールデムだったんですけど、あれって会話がダメなんですよ。ルール上、「何持ってますか?」とか言っちゃいけない。雑談はいいんですけどカードに関することは言っちゃいけないんで、全然読みようがなくて。

佐渡島:将棋とかチェスをやったらどうなるんですかね。

DaiGo:将棋とかチェスは……。後半までこないと心理戦の要素が出てこない。定跡とか……。

佐渡島:理解のほうが重要になる。

DaiGo:もっと言うと、パターン認識のほうが重要じゃないですか。そこの能力の差を果たして心理戦で埋められるのかというと、結構難しいと思います。

よく「麻雀強いでしょ?」とか言われるんですけど、たぶん麻雀は僕無理です。役を覚える必要もあるし、場の空気感というか「これが出たらこれは出していけない」とか、細かいルールがあるじゃないですか。それができたうえで、能力が均衡した時の微妙な差を分けるのが心理戦なんですよ。

だからそういう意味では、僕が何も麻雀の練習をしないでいくとたぶん難しいと思います。麻雀をめちゃくちゃやり込んでプロレベルにまでなった時に、心理戦で1つ上回って勝つというのはあり得ると思いますけど。でも、それ以外は難しいと思います。

DaiGo氏流の瞑想法は、短い合間時間を利用する

佐渡島:DaiGoさんが座禅したりすると、どういう感じになるんですか? 座禅とかやります?

DaiGo:瞑想とかやりますね。

佐渡島:瞑想やるんですか。

DaiGo:僕はどちらかというと前頭葉を鍛えるための方法だと思ってやってるんで、普通に呼吸を落として……。呼吸に注目する一番シンプルなタイプの瞑想しかしないです。

佐渡島:どれくらいまで呼吸は落ちるんですか?

DaiGo:心理学者によると、1分間に4〜6回くらいまで呼吸を落とすと前頭葉が活性化されるということがわかってるので、それくらいですね。5秒以上かけて吸って、5秒以上かけて吐くと。

佐渡島:それは毎朝やってるんですか?

DaiGo:昼は動いてることが多いんですけど、朝と夜はやってますね。

佐渡島:何分くらいやるんですか? 1時間とかやります?

DaiGo:僕はいろいろやってて。1時間とか2時間とかやった時期もあるんですけど、最近は細かくやるようにしてますね。朝起きてから15分とか30分とかまとまった時間をやったら……、そこ(かばん)にタイマーを持ってて、25分集中したら5分休んだりとか、短いサイクルで回すんです。

(他のことに25分)集中したら、その合間の5分とかに瞑想をやるんですよ。5分とか7分くらい。それをやったらまたすぐに次の作業をやって、時間がきたらまた瞑想に戻って、というのをインターバルで。

ゴルフにも応用可能? 心理コントロールは重要か否か

佐渡島:ゴルフとかやります?

DaiGo:今日やってきました(笑)。コース回ってきました。

やなぎー:そうなんですか。

佐渡島:ゴルフも、相当自分の心理的コントロールが重要じゃないですか。

DaiGo:そうですね。

佐渡島:それがすべてというかね。

DaiGo:ただ、実際にやってみてすごく思ったのは、心理的なコントロールが重要だと言われてるんですけど、技術面とコンディションのほうが大きいんじゃないかと、僕は思うんですよね。

例えば芝の微妙なコンディションとか、ゴルフって読むべきものが多すぎるんですよ。そういうものはわからないじゃないですか。わからないと「それを読み切れなかった」、あるいは「自分の打ち方と芝の目の状態が合わなかった」という。

それが読めるかといったらわからない。でも、そこまで上手い人がめったにいないからメンタルのせいにしてるんですよね。そういうのはちょっと感じますね。

佐渡島:そうですか。僕もすごくゴルフが好きなんですけど、ゴルフって最後のパター以外のところって9割くらいはミスショットでも前に進むじゃないですか。そのミスショットをどういうふうにして組み立てていくかという感じなんだけど、ミスショットの時の心をコントロールしきれなかったりとか。

DaiGo:確かに、ミスをしたときにそのミスをどうとらえるかによって、次のショットが変わってくる可能性がありますね。

佐渡島:パーを2回取っちゃった後にもう1回パーを取るのって、かなり難しかったりして。そのときはドライバーとかえらいことになっちゃうから(笑)。

DaiGo:バーディを取った次とか、かなりやばいことになったりしますね(笑)。

佐渡島:そこらへんの心のコントロールの仕方とか、すごく興味がありますね。

やなぎー:セルフコントロールの方法ですね。

メンタルコントロールは本当に技術を高めてから

DaiGo:僕、プロの友達ができて、その友達が時々誘ってくれて一緒に行くんですよ。で、車の行き帰りで僕がメンタルコントロールの話をして、ゴルフ場ではゴルフの話を教えてもらうっていう。

やなぎー:ギブアンドテイクで。いいですね。

DaiGo:それを聞くとメンタルは大事なんですけど、やっぱり本当に技術が高まらないと。そもそも、メンタルの問題じゃない場合が結構多いんですよ。

佐渡島:そうですね。本当にある程度までいってからですね。

DaiGo:だからメンタルの問題かと思ってたらアドレスが違ってるとか、あとはライの状態が違ってて気づいてなかったとか、そういうのが多いんですね。ただ、メンタルが崩れたことによって普段のフォームに力が入りすぎたりはするので、そういう点ではメンタルのスポーツだと思いますけど。

やなぎー:超一流アスリートってメンタルの話が好きじゃないですか。あれって技術が極まってるからで、そうするとメンタルの部分が(大きく)影響してくる。だからメンタルの話が好きなのかもしれないですね。

佐渡島:というか、そこが最後なんだと思います。石川遼がタイガー・ウッズと一緒にマスターズか何かを回った時に、タイガー・ウッズの歩き方をずっと見てたって言ってて。やっぱり日常の歩くところとかをどうコントロールするとか、そういう部分も重要になってくるんだろうなと思うんですよね。

やなぎー:極まってくると。フォームはいったん極めたとして。

企業にも及ぶメンタルの波

佐渡島:そういう勝負だと思うんですよね。だから、経営者同士(の会話)でも「会社も結構メンタルだな」って、最近思いますけどね。どの会社もメンタルで勝負してるなっていう。

やなぎー:確かに。同じ会社をやってても、経営者のメンタルがにじみ出てくるというか。採用する時とか、後はユーザーにとっても「この会社のファンだから買う」みたいな。そういうことって最近増えてきてますよね。

DaiGo:特に(スティーブ・)ジョブズあたりからよくありますよね。経営者にファンがついてる。

佐渡島:そうですね。というか、ビジネスの仕組みがそういうふうに変わってきてるんだろうなと思ってて。今までは1個1個の企業って、その企業の商品を売ってるだけだったんですよね。トヨタだったらトヨタの車、日産だったら日産の車。それぞれの経営者がどんな人なのかという、イメージを売る必要はなかったと思うんです。

だけど、アップルとかは全体のブランドとして売っていってるじゃないですか。全体的なイメージが大切な時に、イメージって「人」以外には付けづらいんですよね。

DaiGo:そうですね。

佐渡島:服のデザインって、デザイナーの名前とかがそのままブランドになる。実はそれ(デザイン)が変わっても大丈夫で、人に付いてるような感じがするんですよ。

企業もブランドイメージを作っていく時には人を立てないといけなくて、CEOはかなり広報的な役割をするっていうふうに会社のあり方も変わってきてるんだろうなと思って。

DaiGo:まさにニコニコの世界でも擬人化が流行ってて。『艦隊これくしょん』でしたっけ? 戦艦大和が女の子になったり、あれなんかもすごく近い。

心理学の実験でも、線だけでできてる映像があって。丸いのと四角いのと三角のが出てきて、三角と丸が結託して四角いやつにボコボコぶつかってて、四角いやつは隅っこでブルブル震えてるみたいなのを見せる。すると、見た人たち皆が「三角形がボスで、丸いのが子分で、そいつらが四角いのをいじめてる」って言うんですよ。

でも、それってありえないんですよね。ただぶつかっていて、それによって四角いのが震えてるだけなのに。「擬人化してる」と受け取らないと理解できないんですよ。

やなぎー:なるほど。おもしろい。

大きなビジョンは漠然と、直近のビジョンこそ具現化が必要

佐渡島:DaiGoさんは今後どうしたいんですか?

DaiGo:僕ですか? 僕はもう、人生の目的が決まってて。「知識の最大化」が僕の人生の目的で、死ぬまでに自分の知らないことをどれくらい頭に入れられるかということだけですね。高尚な目的はそんなにないですけど、短期的な目標は結構ありますけどね。

例えば、今年あったのが『アナザースカイ』って番組でオックスフォードに行ってきたんですよ。その時にオックスフォードにいつか住みたいなと思って、帰りの飛行機の中で「オックスフォードに住むために何が必要か」というのを書いてったんですよ。

最終日がフリーだったんで、ちょっと物件を見に行って家賃がいくらなのかとか、買ったらいくらなのかを調べて。家賃が、小ぶりの一軒家でだいたい月200万円くらいなんですよ。買うと4億とかそれくらいで。

で、そのお金をどうやって貯めるのかとか。生活費というか物価も結構割高で、マックのバリューセットが1200円とかするような国なので。

そうすると、月これくらいあれば生活できる、その収入を定期的に得るためには何が必要か。で、今やってる仕事を並べるんですけど、それは日本にいないとできないものがすごく多かったんで「これじゃダメだ」と。

「じゃあ、海外でもどこにいてもできる仕事は何があるかな」ということで書き出していくと、いくつかあって。

今、企業の顧問とかもやったりしてるんですけど、それなんかは契約上スカイプとかでも問題ないので、そういうものをやったり。後は執筆も海外からでもできますし、ニコニコ動画も同じなんですよ。これも海外からできる。そういうふうに、僕が現場に赴かなくてもできるビジネスに力を入れていこうという目標を作って、やってたりとか。

でも、それは結局なぜかというと、本を読むのにおそらく世界でもっとも適しているであろう街に住んで、本を読みまくる生活をしたいから。大きいビジョンは漠然として、直近のビジョンはすごく具体化するっていう形で、基本は進めてます。

佐渡島:なるほど。だから、大きいビジョンはあえて「漠然としてていいや」って感じですね。

DaiGo:そうですね。たぶん、3年とか経ったら変わっちゃうと思うんですよ。

佐渡島:僕もそれは賛成です。

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