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肉ドクター渡辺信幸医師 医療講演会~あなたの美容と健康にMEC食~(全5記事)

「高血圧は肉不足が原因」3大疾病の死亡率からわかった、長寿を生む食事

ダイエットにも効く、話題の食事法「MEC食」を提唱した渡辺信幸医師が、栄養と健康について解説。食の欧米化が、日本人の寿命を伸ばし、体格を向上させました。伝統的な和食はたんぱく質に乏しく、決してヘルシーではありません。がん、心臓病、脳卒中、3大疾病による死亡率を地域別を見ると、健康に生きるために必要な食べ物が見えてくる。渡辺医師は力説します。

もともと肉食だった日本人

渡辺信幸氏(以下、渡辺):私たちは、700万年前、これは午前中の討論会で聞かれたと思います。長尾(周格)先生も詳しいね。原始人食の話になります。700万年前、アフリカで生まれました。

じゃあ、何を食べていたでしょうか? この頃、農薬も肥料もありません。私たちが今ヘルシーと言って食べているお米とか野菜は、すべて農薬(が使われた食べ物)です。

それで、700万年前にアフリカを旅立った人類は、日本までやってきました。つまり世界の人類は、アフリカを出て世界中に散らばっていった。1万年前に1カ所に住み始めました。家畜を飼い始めたんですね。

つまり、人類は、約1万年前に家畜を飼いました。家畜の餌を作るために農業が始まってますね。だから、大昔、僕たちは、肉を生肉で食べてました。火がなかった。

その頃、お米を見つけて食べれたと思います? 米を一粒ずつ外して生で飲み込む、無理です。消化できません。

ですから、この頃は、お米とか麦というのは、ネズミとかスズメのエサだったんでしょうね。僕たちは消化できません。それで、日本人のルーツは、沖縄の人から入ってきました。縄文人っていう人たちがいます。彫りが深い人たち。

もちろん、この人たちは狩りをして暮らしていた。宗田先生もおっしゃいましたね。縄文人は肉を食べていた。肉食なんです。

世界でもまれに見る肉食が禁止された国、日本

ところが、後から朝鮮半島から米の文化が入ってきました。この人たちを渡来人、弥生人と言います。このころからお米を作り始めますけど、肉食の縄文人の人たちは戦争や争いごとがなかったって言います。

つまり、捕まえたお肉というのは、その場で食べてしまわないと腐ってしまいます。だから、お腹いっぱい食べたら、みんなに配ってあげるわけですね。

ところが、お米を作り始めると土地が必要です。だから、土地をめぐって争いが起きますし、米は保存が利きますから、年貢と言ってお金の代わりになってしまう。

従って、お米を食べる文化の人たちと、肉を食べる文化の人たちがいましたが、後から(来た)お米をたくさん食べてた人たちが、いわゆる大和朝廷といって日本が始まります。ここからよく皆さんがご存知な日本の歴史になっていきます。

従いまして、日本という国は、大和朝廷がありましたけど、世界でもまれに見る肉食が禁止の国だったんです。

私が現在働いてる国は肉食です。沖縄県は肉食です。それから、昔々モンゴル帝国というのがありましたが、モンゴル人は世界を統一しました。朝鮮半島までやってきましたから、中国朝鮮は肉食の文化になります。

ところがモンゴル軍が日本に渡ろうとした、元寇ですけどね。台風が来て渡れなかった。従って、日本までは肉食の文化は伝わらなかった。

これが今の歴史になりますから、いまだに肉を食べたら血圧が上がるとか、肉を食べたら体臭が強くなるとか、肉に関する風評というのは、この文化によってかたち作られたと考えていいかと思います。

日本人の寿命を伸ばしたのは食の欧米化

それで、日本人の歴史をちょっと見ますと、日本人の平均寿命の推移です。背の高さ、見てください。縄文時代から弥生時代にかけては狩猟民族、肉を食べていましたから身長が伸びていきます。

弥生時代に入ると、米農作、農業が始まりますから、身長がやや小さくなります。古墳時代になると、もっともっと米が奨励されますから、身長がちっちゃくなります。江戸時代の頃は肉が禁止になってますから、背が一番ちっちゃい。身長155センチ。

アメリカがやってきて文明開化。明治時代って言ったら、ちょっと肉食が始まりましたからね、背が伸びるんです。ところが戦前は「贅沢は敵だ」と言って、日の丸弁当とか言いますからね、身長がちっちゃくなっちゃった。

で、僕たちが、欧米人並みに身長が伸びたのは戦後なんです。戦前は身長155センチ。戦後何が起こったかと言うと、食の欧米化です。

食の欧米化が進んで、子供たちも肉を食べるようになりました。それと共に身長が伸び続けた。やっと、欧米人に追いついたというのが現状だと考えてください。

それから、寿命の変化。日本人はすごいね、寿命が世界一だ。ところが寝たきりが多いんですけれども、寿命も見てください。実は、江戸時代から昭和22年まで、ほとんど寿命が伸びてないと考えてもらっていいんじゃないですか? 

ちょんまげしてた時代と、戦争の準備してた時代。寿命がほとんど変わっていません。私たちの寿命が本当に伸びたのは、やはり戦後です。

やはり、戦後何が起きたかと言ったら、食の欧米化です。肉食べるようになった、ステーキ食べるようになった。これが寿命の変化です。

世界各国と比べましてもどうでしょうか? 1950年、欧米諸国の平均寿命は、軒並み70歳代です。ところが日本人の平均寿命は50歳代。

で、私たちの寿命も、やっと欧米に追いついたんですよ。つい最近のことです。僕は1963年生まれですから、僕が生まれたころでも、まだまだ平均寿命は欧米人に追いついてないです。これが日本人の寿命の推移です。

日本人の寿命が短かった理由は高血圧

じゃあ、なぜ日本人は、それだけ寿命が短かったのっていうことです。実は、日本人は世界一脳卒中が多かったんです。昔から高血圧で亡くなる人が多かったんです。

ところが、エスキモーとかアメリカ人は血圧が低いです。エスキモーの人たちは肉食べてるからです。

高血圧というのは、心臓から体の隅々まで血液を流すんですが、僕の血管はやわらかいですね。太いから破れないんです。この血管が硬くなったり細くなったりすると、強く流さなくちゃいけないから、血圧が上がってくるわけです。

つまり、血管が強い、血管がやわらかいと血圧は大丈夫。血管が硬くなったり細くなったりすると高血圧になるんです。そうすると、世界一位血圧が高い東北人、東北の方は世界一の高血圧だったんですが、何を食べていたでしょうか? 

ヘルシーではない和食

高血圧の原因、これです。

皆さん、これはヘルシーだと思います? 伝統的な日本料理です。この食事が高血圧の原因なんですね。これをヘルシーとは言えないです。粗食なんです。

だって、皆さん。見たら、肉がない。卵もない。乳製品もないです。魚は生臭いからバター焼きがおいしいんだけど、バターがないから塩焼き。それから肉がないから、味噌とか納豆とか醤油なんです。卵がないから、木の根っことか梅干食べるわけですね。

これは日本の伝統的な文化です。だって、日本は肉が禁止でした。貧しいから、卵も乳製品もないんです。だけど、生き残らなくちゃいけないから、苦労して、海草も食べて、きのこも食べて、納豆食べて、味噌汁食べて、発酵食品がいいよ、酵素がいいよ、なんて言ってね。苦労して作り上げたのが、日本の伝統食なんです。

だけど、どうしても背はちっちゃいし、脳卒中になるし、年をとると、ひざと腰が曲がって杖をついて歩いてね。寝たきりなってしまう老人ホーム。これは世界的にはとても珍しいから、(和食が)文化遺産になったわけです。

(会場笑)

これでヘルシーっていうのは、もう皆さん、考え直したほうがいいかと思います。……なんか、宗田節が感染ってきた。乗り移って(笑)。

(会場笑)

高血圧の原因は肉不足

それで、皆さん、昭和50年代にこんな実験があるんです。家森(幸男)先生って言って、脳卒中ネズミを作ってね、放っておくと、2年経ったら脳卒中で死んでしまうネズミがいるんですね。そのネズミに塩分をあげた。たんぱく質をあげたって実験したんですよ。

そしたら、たんぱく質が少なくて塩分をあげたネズミは100パーセント脳卒中を起こしました。で、高たんぱく、たんぱくをいっぱいあげたネズミは0パーセントですよ。

2年経ったら脳卒中を起こすネズミにたんぱく質をあげたら、起こさなかった。この結果がもう出てるんです。で、塩分をあげても高たんぱくだったら10パーセント。

でも、100パーセント死んでしまうネズミにたんぱく質をあげたら、塩分摂ってもタンパク質あげたら、10パーセントしか死ななかったんですよ。これ、素晴らしいでしょう?

だから、脳卒中の家系だとか諦める前に、高血圧で悩んでる人は高たんぱく食を摂ればいいです。味つけしたとしても、10パーセントでしょうね。こんなデータが、昔から出ております。ですから、高血圧は肉不足が原因。たんぱく不足。

じゃあ、良質のたんぱく質は何かと言いますと、僕は草じゃないから、動物のたんぱく食べたいですよ。草の体になってもしょうがないですから。僕の血管は肉でできてますからね。稲になってもしょうがないです。

死亡率と食事の関係は

2013年、厚生労働省が発表しています。都道府県別ランキングです。日本人は歳をとったら病気になる珍しい民族なんですね。3大疾病、がん、心臓病、脳卒中。

さあ、がんの多い都道府県どこでしょうか? 秋田県の方、ごめんなさい。がんの多い都道府県は、秋田、青森、島根。ね。アレの産地ですよ。

で、がんが一番少ないところ。あきたこまち? いえ。沖縄、神奈川、愛知、埼玉、千葉ですよ。沖縄と言えば豚です。神奈川と言えば米軍基地。横浜、洋食屋さん。愛知、埼玉、都会。滋賀といえば牛。ピンと来ましたね。

それから、心臓病が多いところ。高知、愛媛、和歌山、福島。その土地土地の風土とかあるかもしれませんが、食事に変えますと、土佐の一本釣り、それから高知、愛媛、四国だから、うどん。愛媛、和歌山、ミカン。糖質。

心臓病の少ないところは岡山、福岡、愛知、神奈川、東京。どうでしょう? 都会ですね。食の欧米化がないところは、心臓病が多い。

それから、脳卒中、脳血管疾患が一番多いのは、秋田、岩手、山形、長野、新潟ですけど、また出てきましたね、何とかこまちとかね。何とかニシキとか。

長野県は野菜を日本一食べるんですけど、農水省はいつも褒めますね。長野の人は野菜を日本一食べるから寿命が長い。脳卒中4位ですけどね。

で、いつも比べられる沖縄県。脳卒中一番少ないですよ。長野県が沖縄の平均寿命を抜いた、なんて言いますけど、58日の違いですよ。私、調べました。そうすると、沖縄の脳卒中が一番少ないんだったら、沖縄のほうがいいと思います。

やはり、脳卒中の少ないところ見てください。沖縄、大阪、愛知、神奈川、東京。これ、神奈川全部出てきてますよ。優等生ですね。神奈川県の方いますか? はい。拍手しましょう。

(会場拍手)

やはり、欧米化が早いところは元気。で、糖尿病見てください。徳島、香川と言えばご存知ですね、う……、です。福島、青森、あきたこまち。

(会場笑)

沖縄県が、(3大疾病の死亡率が)3つとも最下位だったけど、今は15位に上がってきてます。だって、沖縄県は、昔は豚食べて、ポーク卵食べて、欧米化してました。基地があったから。復帰したら、うどん屋さんが増えて、すし屋さんが増えて、野菜から食べましょうでした。だから、沖縄県の糖尿病が増えちゃった。こういうのが見えてくるかと思います。

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