2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
The Deepest Hole in the World(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:西ロシアの奥地、極寒の砂漠地帯に、野心溢れた科学的実験が行われた中のひとつの残骸があります。今は廃墟となり、ぎざぎざの金属やボロボロに砕けたコンクリートが散らばる不毛の土地です。
そこをある一定時間観察して回ると、土地に取り付けられたさびついた蓋が見つかります。
それを試しに取ってみようと皆さんは思うのではないかと思います。でも、それはできません。それは、地球の12キロ奥深くまで埋められた穴に、溶接された蓋なのです。海の深度よりも深いのです。これは、世界で最も深い穴なのです。
この穴は、コラ半島超深度掘削坑と呼ばれています。この穴は、石油や調査とは関係がありません。採掘が1970年代に始まったとき、ソ連の科学者は、地殻のより良い理解を得るため、ゆくゆくは1万5千メートル深くまで掘ろうとしていました。
なぜなら、太陽光のシステムに比べて、私たちは自分の足元の下についてほとんど知らないからです。
彼らは断続的に24年間掘り続けましたが、1994年にこの仕事が中止された時も、従来の目標とは程遠いものでした。科学者たちは、12,262メートルという記録的な深さまでたどり着きました。これの記録は今も変わっていません。
20年後、コラ半島超深度掘削坑は目を見張るべき技術的科学的偉業として残っています。この穴を掘るために、科学者たちは新しい方法を生み出しました。それは、縦坑の端を少しずつ掘り、潤滑油として、この場合は加圧された泥を、下までポンプで送り込み、それをくるくる回すようにしました。穴の最下部を測るための器具も開発しなければなりませんでした。
バルチック大陸の地殻を掘る中で、私たちは何を学んだのでしょうか。まず1つめが、深部に水があったことです。科学者たちはまさか水が見つかるとは思っていませんでした。彼らは、高度の圧力がかかったため、石の結晶に締め付けられた水素と酸素が水を形成したと疑いました。
地下水と違い、これらの水は鉱物自体から生まれたものです。これは、今まで一度も観察されたことはありませんでした。また驚いたことに、顕微鏡でしか見えない化石が、深度6.7キロのところでロシア人によって発見されました。研究者たちは、このプロジェクトの作業を通して24種類の単一細胞プランクトンを標本化しました。
これらを探すのに通常使われる石灰岩やシリカといった鉱床は用いられませんでした。これらは地面より奥深い場所の高い圧力や高い温度のおかげで保存された有機炭素、窒素に覆われていました。
温度に関してですが、科学者たちが12キロメートルの記録を抜いた時、サンプルとして採取された石は27億年ものと推測され、温度が主要な問題になりました。研究者たちは石の温度は100度になると思いました。彼らが実際に発見したのは、温度は180度を超えるということでした。
そのために、採掘作業は中止されることになったのです。科学者たちは、12キロメートル地点のその石は、石としてよりもプラスチックのような役割を果たしていると表現しました。
もちろん、このプロジェクトの驚くべきことは、コラ半島超深度掘削坑が、地表の一部を開けたということにあります。12キロメートルというのは、今まで人間が掘った3倍の深度です。でも、地球の表面は、35キロメートルの深度から始まります。地球の表面は、さらに2,800キロメーター続き、地球の中心部は地表より6,300キロメーターの深度に位置しています。
採掘に24年間の時間を要したコラ半島超深度掘削坑は、まだ地球の中心部までの道のりの0.002%でしかありません。地球は、大きな惑星なのです。
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