2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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二村ヒトシ氏(以下、二村):そうなんです。今、キャバ嬢ってお話が出ましたけど、確かにキャバクラってお金を払って聞いて貰いに行くところだというような使い方が、特にバブルの頃はされており(笑)。それだともったいないよって、この本(『すべてはモテるためである』)には書いてあるんですけど、キャバクラへは逆にキャバ嬢の話を聞きに行け! っていうこと。
川崎貴子氏(以下、川崎):練習として?
二村:練習として。僕はAV監督という特殊な職業で、女性の話を聞くわけですよ。話を聞かないと、その人がどういう心の穴を持っている人か、何故AV女優をやってんのか? ってことがわかんないと、エロいセックスはできないと僕は考えるので、撮影前に延々と僕は話を聞くんです。
1人の女優さんから3時間くらい話を聞くんですけど。それが仕事ですから、それに慣れてたのね。あと例えば、取引先と一緒にキャバクラ行ったりして……。
「取引先と一緒に」とかいって言い訳をしてますね。すいません。僕もキャバクラ好きなんですけど……。
(会場笑)
二村:そこでやっぱり威張ってる男性を見ると、非常に嫌な気持ちになるんですよ。
川崎:「キャバ嬢も泣いてた」って言いますね。
二村:ああ、僕と話をして、ですか? そりゃ大袈裟に話が伝わっていて、たまたまcakesというWebメディアの加藤さんというかたが近くで見ていて……。そんなに毎回女の子が泣くわけじゃないんですけど。
川崎:私が目撃した編集者が2名、泣いてるんですけど。その時も二村さん、何にもしゃべってない。ずっと聞いてて最後に一言、ポロッと言っただけなのに、グワ〜って泣いてたんですよ。これは本当に、嘘偽りのない話。
二村:じゃあ女の子の泣かせ方については後で追々話します。ていうか企業秘密なんですが。
(会場笑)
さっきも言った、母親に育てられたとかね、僕に特別に共感力があるわけでもない。ただ、ヤリチンにも2種類いて、男性性が強いヤリチンと、女性性が豊かなヤリチン。女性性って何なのかという話は本にも書きましたけれど、その話はまたしますけれども。
キャバクラの話に戻すと、女性の話を聞くのは好きなので、キャバクラに行って金を払っていても、女の子の話をつい聞いてしまう。そのくらいの金を払える男は金を払って練習に行くべきなんだよって話を本に書きましたけど、さっき言ったサービスとか「ヨイショ」と、対話とかコミュニケーションって、違うじゃない?
キャバ嬢はいつも自分は聞いて男をヨイショしてるばっかりだから、聞いてあげるとワーっと話しだすことありますけど。普通の女性も、ただ、わかって欲しい女性が多いと思うんですけど……。
川崎:多いですねぇ。
二村:でも、それだけだと進展がないじゃないですか。お互い「わかったわかった」って聞いて「よくわかったよ」「わかってくれてありがとう」って言っても、こっちがそれに対して何も変わっていないと……。
友達の話だったらいいですよ。彼氏の悪口を傾聴する、女友達から、っていうんだったら、わかって欲しいだけで「わかった。酷い彼氏だね」って言ってそれで済むかも知れないですけど、「モテ講座」ですからね、今日は。
自分が仲良くなりたい女性との関係って考えた時に……。
川崎:なるほどね。
二村:聞くだけではないと思うんです。で、対話とは何か?っていうと、聞いたことによって、どんだけこっちが変われるかっていうこと。さっきも言ったけど「変わる」っていうとね、またそこで男は身構えるんだよね。俺は変わらなくていいだろ!って。
川崎:でもさっきの「柔らかさ」って、そういうとこに繋がりますよね。
二村:そういうことなんです。あのね、最初から僕が言ってる、男って実は女性が思ってる以上に……。いや、女性がじゃないな。本人が思ってる以上に男は傷ついている。っていうことに対して、男は男で身構えるところがあるんだよね。
女の人は、肉体が、男性からの性的な眼差しに常に晒されていて、身構えている部分が多分あると思うんですよ。嫌な男からはベタベタされたくない!っての、そこだと思うんですけど。
川崎:そうなんです。
二村:男は、これもいつも僕が本に書くことなんですけど、自分の肉体が性的な対象であるとは夢にも思ってない男性が多いので、身体に関しては無防備でだらしない場合が多いんだけど、心に関しては本当に男は守りが固くて。俺は変わらなくていい!って思っていて、変わることが自分のプライドに関わることだと。
川崎:変わらなくても良かったケースが多かったってことですか?
二村:「自分が自分を守ってる」ってことに気がついてすらいないだけなんですよ、男は。それが女性をムッとさせている。一応、傾聴はしますよね、まともな男だったら、女性が喋ってる時は。そんなことは今、どんな本にも書いてありますから、「女性の話を聞こう!」みたいなことは。
でも聞くだけ聞いてて結局変わらない。みたいなことにまた、女性はイラつかれるんだと思うんですよね。
川崎:ですよね。
二村:確かに「変わる」ってことは本当に辛いことで、男にとって。それまでやってきたことっていうのがゼロになる。「俺はこれでなきゃ生きていけない!」っていうことって、やっぱり男ってあると思うんですよ。実は女の人にもあるんだけど、「こだわり」っていう、よくわからない言葉がありますけれども……。
川崎:それはどっちかって言うと、女性のほうが順応性とかは高いかも知れないですね。
二村:でね、対話によって変わるのってね、「俺、この人とセックスしたい」でもいいし、「この人、魅力的だな」と思うでもいいと思うんですけど。「この人は魅力的だな」と思う相手、自分が好きになった異性。まぁ、同性でもいいんですけど。その人の話をちゃんと聞くことによって、自分が壊されていくことの快感だと思うんですよ。
「相手の影響を受ける」のとはちがうんです。相手だって間違ってるかもしれないし。対話することで、自分と相手がそれぞれ何にこだわっているのか、何にしがみついているのかを自覚させられる。おたがい同時に、ぶっ壊れる。それが対話。
その快感を味わう悦びを、男性はあまり知らない。そういう習慣がないってことが、男の勿体無さだったり、悲劇だったりする……。
川崎:そういうことを言わない女性を選ぶ傾向がありますよね、男性たちって。
二村:あるでしょうね。
川崎:それが女性の「ゆるふわ」をつくったりするわけですよ、わかります?
二村:よくわかります。「ゆるふわ」にしとけば男にモテるっていう。ゆるふわを求める男ってのはつまり、「俺の言うこと聞いてくれ、俺のこと壊さないでくれ」っていう……。
川崎:ことですね。願望が反映されてですね。
二村:僕は女性が強いAVを20年くらい撮ってきて、皆さん、お好きな方も多いと思うんですけど「痴女」っていうジャンルを作ってきたAV監督なんですけど。じつは意外と男の中に、普通の男性の心の中にマゾヒズムがある。
性的なマゾヒズムというより「ぶっ壊されたい」っていう欲望があったり「変わりたい、生まれ変わりたい」っていう気持ちがあったり、あと「受け入れたい」気持ちがね、本当はある。ところが男性ってのは社会的に「それを表明してはいけない」とされている。
それを持ったら「ビジネスが、仕事が上手くいかない。男として生きていけない」と思い込まされたりしている。だから、こんなに女王様のお店が流行っていたり、僕の監督したAVが売れたりしているんだろうっていう。隠された欲望として、男はそれを持っちゃってるから。
川崎:なるほど。
二村:「どこか異世界に連れていかれたい、ぶっ壊されたい、突き動かされたい、今の自分を変えたい」っていう欲望があるはず。だってほとんどの人は、今の自分が好きじゃないですから。
川崎:そうですね。女性もそうですね。
二村:というより、女性はわりとそれが表面化してる。
川崎:「変わりたい」って思って行動してる女性多いですよ。
二村:それによって女性はメンヘラ化しちゃうことも多いんですけど……。
川崎:占いに走ったりします。
二村:変なものにひっかかるのでなければ、占いもスピリチュアルもべつに悪いことではないと思うんですけど、それで被害者意識や自罰意識が強くなって、メンヘラ化することが。
女性の側の弱点、「私を変えて」っていう気持ちと、女性的なナルシシズムが喧嘩することってありますけど、男性は男性で、男のナルシシズム、「俺は、俺は変わんないぞ!」っていうガンコな気持ちと、奥の中にある「本当は今の俺じゃ駄目なんだけどな」っていう気持ちが喧嘩してて……。
川崎:何かかわいそうになってきちゃった。
(会場笑)
二村:女性ほど表面化してないから、だから高い年齢の男性は泣けないし、若い男には増えてますけど、年配の男性にはメンヘラ的な男性が少ない。
川崎:そうですね。
二村:メンヘラにはならないけど突然キレたり、破滅して自殺したりする。恋愛で女性が病むと男は馬鹿にしますけど、モテる男ほど恋愛で病む女性を馬鹿にしますけれども、わかりやすく病むってことは安全弁で逃がしてるってこともあるので。
男は仕事だろうと、結婚生活だろうと恋愛であろうと、ポキっと折れて自殺するとか、突然具合が悪くなって病気で死んだり、癌が進行するのって心因性のストレスが多いって聞きますし、とにかくガンコに自分を守ってる男性って、トータルに考えると非常に「生き物として弱い」んです。しなやかじゃないから、ポキっと折れやすい。女性と比べると。
川崎:すごい不安定に見えますけど。ちょっとそろそろ時間……。まとめに入らせて頂きたいんですが、質疑応答の前に。
二村:まとめるとね、男も対話をしよう! っていうことです。モテる男ってのは、対話ができる。自分が「好きだ!」って思った相手とでいいんですよ。嫌な人と別に無理に対話してストレス溜めなくていいんだけど、でも喧嘩になるのも我を張るからだよね。「俺のほうがモテるようになんなきゃ嫌だ!」みたいなことを、モテない人ほど言うわけですよね(笑)。
なので、自分が好きだって思った女性と対話をすることを恐れない。対話ってのは、こっちを押し付けることでもなく、相手の話をサービスで聞くだけでもなく、やり取りによって自分が変わることを恐れないっていうことかな。それができる男がモテるのは間違いないと思うんですけどね。
川崎:多分、本当にそうだと思います。ワーってマッチョな人じゃなくても、どこかでそういう乖離があるっていうの、今日初めて二村さんから言葉として、概念として教えてもらったように思います。
二村:そうなんです。マッチョじゃない男性も、けっこう無意識に引き裂かれてる。男は自分の引き裂かれ・矛盾に、女性ほど気がつけていない。
川崎:気づいてそろそろ。ね? 皆さんもね。
(会場笑)
二村:僕からお話できることは、今日のところは、そんな感じなんですけど。
川崎:じゃあ次、質疑応答で聞いて頂ければ……。
二村:質疑応答の時間、いっぱいとりたいね。
川崎:休憩はさみますか? 大丈夫?
二村:いいんじゃない? 僕は大丈夫。
川崎:じゃあ、そのままでいきますか。
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