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ソクラテスカフェ:西野亮廣(芸人)(全5記事)

キンコン西野が「収入アップの法則」を解説 稼ぎ続けている人は何をしているのか?

東京デザインウィーク2015の中で行われたトークイベント「ソクラテスカフェ」に、お笑い芸人でありながら、絵本作家や作詞家など幅広い活動を続けるキングコングの西野亮廣(キンコン西野)が登壇。イベントの冒頭部分では会場参加者からの「仕事の広げ方」や「お金の稼ぎ方」といった質問に答えていきます。西野によると、アルバイトの人の給料が安いのは、いろんな人ができることをするからであり、さらにお金を稼ぐには、まず自分をレアカード化することが重要だと語ります。稼げる人から、さらに大きく稼ぎ続けられる人間になるには? 100人に1人の人間から、さらに100万人に1人の人間になるには? ホワイトボードで図解を描きながら、わかりやすく解説していきます。

郵便受けで○○は住居侵入罪!?

西野亮廣(以下、西野):これどれくらいしゃべるんですかね?

会場スタッフ:2時間かかりますので……。

西野:2時間しゃべるんですか!?

(会場笑)

会場スタッフ:5分くらい、とりあえずスタートまでつないでもらっていいですか?

西野:スタートまでつないで、なるほど。僕もこんな感じなんで、今着いて急にしゃべって……実は、奥のほうで内閣の人とか、すごい偉い人がいてそこで登壇して挨拶したんですけど、「ゲー!」っていうくらいスベってしまってですね。

調子が悪いですね。取り戻さんと、今日は。すごくいいことを聞いたんです、僕。これ勉強になったんですけど、うちの女性スタッフがストーカーに遭うたんですよ。毎日おっさんにつけまわされたんですって。

何日かつけまわされて、ある日ピンポーンってインターホンが鳴って、覗き穴から覗いたら、そのドア1枚挟んだ向こうにおっさんがおった。50代くらいのストーカーがおったんですよ。

それでこれだけじゃなくて、そこはいわゆるオートロックなんかしてないマンションなんで、ドアを挟んだ向こうにおっさんがおったんですけど、これだけじゃなくてこのオヤジがすげーヤバイやつで。

下脱いでパンツも脱いで、ごめんなさいね、女性の方……。ポコチンを郵便受けに入れて腰振ってたんですって。ドアでずっとやってて。ヤバイじゃないですか?

それで、警察に通報してすぐ現行犯逮捕で。何もなかったんで大丈夫だったんですけど、これ、何の罪に問われるかというと、3つの罪に問われたんですって。1つ目はつきまとったから脅迫罪です。2つ目は下を出したから猥褻物陳列罪。で、僕勉強になったのは3つ目なんですけど、これ住居侵入罪なんですって(笑)。

(会場笑)

西野:ここ(局部)だけでもどうやらカウントされるらしいですよ、1人として。ここだからカウントされたのかもしれない。男が入ったっていうことらしい(笑)。これ住居侵入罪なんですって。(笑)。この話をさっき内閣の人の前でしゃべったらえらいスベって。

(会場笑)

西野:「今ちゃうやろ!」みたいな文句言われて、大変でしたよ(笑)。

会場スタッフ:飲み物ございますので、どうぞ。

西野:これ飲めるんですか? みなさん、酒飲めるらしいですよ。みなさん、飲み物飲み放題なんですって。飲んどいたほうがいいっすよ。

ソクラテスカフェとは何か

西野:これちなみに、今日やること、話すことの趣旨を知ってるって方、どれくらいいらっしゃるんですか?(会場を見渡す)……もう、何かようわからんまま、とりえあえずここに集まったという状態ですよね。同じ状態だ。

我々とお客さんと、こういうおしゃべりしながら、みたいなことですかね?

会場スタッフ:はい。もともとソクラテスカフェっていうのは、フランスで学生たちがたむろしながら哲学について語り始めたっていうのがきっかけなんですけど。

その中でお酒飲みながら盛り上がってたりとかしたら、いろんな人が参加しているので、「こうでもない、ああでもない」と。結論とかなくていいんだけど、みんながいろんな意見を聞きながら勝手にしゃべるっていうのが、おもしろいねっていうコンセプトでやってますので、みなさん、お2人だけじゃなくてみなさんの意見をお伺いしながら、おもしろい話ができればいいなと。

西野:はい。じゃあそういうことですよね。僕だけで笑ってしゃべってるわけじゃなくて、お客さんと。ちょっとこういう場ですから、そうしましょうよ。

「これについてしゃべる」みたいな、「その話聞きたい」みたいなの、ある方いらっしゃいますか?

参加者:仕事の広げ方。

西野:仕事の広げ方! これおもしろいですね。他にいらっしゃいますか?

参加者:アートとデザインみたいな。

西野:よし。僕もよくわかってないですね、それおっしゃられたほうがいいですよね。はい、奥のおじさん。

参加者:学校について。

西野:学校! 他いらっしゃいますか?

参加者:お金について。

西野:お金。これ、僕めっちゃいい話持ってます。

(会場笑)

西野:僕ね、いいの持っているんですよ。最近仕入れたんですよ。最近むっちゃ考えてた。「お金ってなんやろう?」っていうのを、1回ちゃんと考えてみたんですよ。他に誰かいらっしゃいますか?

参加者:テクノロジーの進化。

西野:テクノロジーの進化。他(のテーマについて)いらっしゃいますか? もう大丈夫? まあまあ、おいおい思いついたら言ってもらえれば。

仕事の幅を広げてお金を稼ぐ方法

西野:というわけで、「仕事の広げ方」っていうことについて、ちょっとしゃべっていきます。これ、僕の話じゃないですけど、最近聞いて「なるほどな」と思った話があって。もともとリクルートかどっかで勤められてて、今どっかの中学校の校長先生をやられてる藤原和博さんて方、ご存じの方いらっしゃいますか?

(参照 藤原和博氏のビジネス講座「レアカードにならないと稼げない」

あの方の話がすごくピンときて、刺さったんです。その話を、ちょっとすごく難しかったんで1回ちょっとお笑いに置き換えて。

その方がおっしゃってたのが、まさに「仕事の広げ方」。お笑いに置き換えてしゃべります。聞いた話をそのまましゃべっちゃいますよ。

仕事の広げ方って結構、みなさん興味あることじゃないですか? その藤原さんがおっしゃっていたのは「お金の稼ぎ方」。お金をより多く稼ぐにはどうしたらいいかっていうのを。

これはね、僕もなんとなくは自分でも、「多分こうしてたらいいんだろうな」っていうのはあったんですけど、その方がもうちょっとわかりやすく図入りで説明してくれたんですよ。それがすごくピンときて。だから(会場の方が言っていた)お金の話でもあるんですけど。

たとえば、ここでお笑いやるんですよ。僕ずっとここでやってる。でもお客さんはどうですか? たとえば、「ご飯食べたいな」と思ったらこいつにお願いしないじゃないですか? 「野球見たいな」と思ったらこいつにお願いしないじゃないですか?

他にもこんな塊がいっぱいあって、「なんかお笑い見たいな」っていうときに球が飛んできて、僕はそこでようやくご飯食べられるんですけど、これ統計取れてるんですって。

お金を稼ぐには自分をレアカード化する必要がある

西野:1万時間やりゃ、100人に1人にはなれるんです。これはなんでもです。けん玉でも料理でもなんでもです。おむすび1万時間握ってたら、そのへんの人100人集めておむすび握らしたときに、1番にはなれるんですって。これはもうなんでもです。

でも100人に1人じゃここで飯食えないじゃないですか? いっぱいいるやつばっかりですから。大事なんは自分を100人に1人じゃなくって、お金を稼ぐときにすべて大事なのは、要は自分をレアカード化しなきゃいけないんです。たとえばアルバイトの方の給料が安いのは、いろんな方ができるから安いじゃないですか?

でもこれに何か専門的な能力が加わったら、なんとかエンジニアとかになったら、ちょっと給料が上がるじゃないですか? まずレアカード化しなきゃいけなくて、100人に1人じゃダメだから、こっち(別の方向)に何かやっちゃうんですよ。

家電でもなんでもいいです。家電をすげー勉強するんです。これも1万時間やっちゃうんです。ここでも100人に1人になるくらいやっちゃうんです。そうしたときにこの2つ兼ね備えてるやつっていうのは、100分の1×100分の1の、1万分の1ですよ。

こうなったときにこいつの仕事の需要っていうか幅は、この線上じゃないですか? たとえば「お笑いできて家電に超詳しい」ってなったら、まあアメトークの家電芸人のオファーが飛んできたりとか。

仕事の需要っていうのはこの線上じゃないですか? アメトークの家電芸人が入ってきたりとか、何かわからないけど、家電量販店の営業があったらこのへんの仕事ですよね。

100万分の1になれる秘訣とは

西野:いうても、これできるやつ1万人に1人くらいいるんですよ。1万人に1人じゃあんまり仕事にならないし、仕事が広がっていかない。その藤原さんがおっしゃるのは、この線じゃなくて、もう1個やるんですよ。

ここ(別の方向)に何か。これ何でもいいですけど、これも1万時間やっちゃうんですよ。そして100人に1人になる。

この3つ兼ね備えてるやつっていうのは、まずこういう面積(三角形)ができてくる。

この面積ができて、1万分の1×100分の1で、100万分の1になれる。この面積がすげー大事で、これのことを「クレジット」って呼ぶ。要は信用とか信任とか、任せる。「あなたに任せますね」っていう部分ですね。

こうしたときにこいつの仕事の幅っていうのは、急にここ(家電寄り)の仕事が入ってきたりだとか、ここ(お笑い寄り)の仕事が入ってきたりとか、ここの(新たな分野に近い)仕事が入ってきたりとか、すごい仕事の幅が広がる。このクレジット(三角形)は絶対になるべくでかいほうがいいですよ。

たとえばお笑いやって家電やって、わかんないけどお笑いで作家なんかやっちゃうと結構近いから。三角形がすごい小さくなっちゃうから、なるべくとんでもない、ここ(三角の上部)は農業みたいなくらいに飛ばしちゃって、すげー三角形でっかくすることが大切で。

このクレジット、「なるほどな」と思ったんですけど、小谷(注:ホームレス芸人 小谷真理)とかとすごい通じるなと思ったんです。

このクレジットあるじゃないですか? これを、すげーでかい三角形作って、年間1億円稼げるクレジットだとするじゃないですか? 全部、マックスで働いて。

これマックス働いちゃダメで、働く分は(下斜線部の)これくらいにするんですよ。

で、信用部分の現金化する分を1千万円くらいにするんですよ。すると、これくらい(斜線を書いていない部分の)時間が余るじゃないですか?

この余った時間を使って、こっち(別の方向)をまた作る。こっちを1万時間かける。

この面積を広げる。

クレジットを広げて現金化する分をこれくらい(斜線部)にしといて。

余った時間を使ってこっち(別の方向)でまた何かする。つまり、クレジットの面積を広げたらお金が稼げるっていうか、現金化できる率が上がるよっていう。これがすごいおもしろいなと思って。

でも僕ね、これも思ったんですよ。じゃあ、明石家さんまさんはこれで言ったらどうなんだっていうことです。明石家さんはここ(お笑い)だけやってるイメージじゃないですか?

でもよくよく考えてテレビの歴史振り返ってみたら、明石家さんまさんって当時、芸人なのにテレビ出たんですよ。テレビって、素人が出るものなんです。要は芸人ていうのは噺家(なしか)さん、落語家さんですから。落語家なのにテレビ出て、落語家なのにテレビの中では素人芸をやって。

鶴瓶師匠もそうですけど、落語家なのにテレビ出て役者やって、司会やったんですよ。当時でいうたら、お笑いと家電くらい離れてて、芸人界からすっげーバッシングされたんですよ。

(北野)武さんもそうですよね。お笑いなのに映画やっちゃったみたいな。もともと、僕たちが芸人漬けにみたいに思ってる人も、クレジットの三角形が大きい人が結構多いです。

バレんように広げて「私ずっとお笑いやってますよ」感出してますけど、結構多いなと思いますよ。お笑いの場合はそうですね。これがすげーピンてきたんですよ。

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