2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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江藤愛氏(以下、江藤):では最後になりますけれども、これからの時間は、これからの「暮らし方」「すまい方」について皆さんで考えていきたいと思いますが、スーさん、これからどんなふうに生きて過ごして暮らしていきたいと思いますか?
ジェーン・スー氏(以下、スー):平和に(笑)。えぇと、ごめんなさいね、20代30代の方にはヒリヒリする話だと思うんですけど、40過ぎると途端に老後のことを考え始めるんです。医療費入れた生活費を年間300万でおさえたとしても、65歳から20年生きちゃったら、6000万いるんですよ。年金は期待できないし、そんなの絶対無理じゃないですか。
雨宮まみ(以下、雨宮):もう絶対無理だよ。
スー:絶対無理です! そこでチェンマイですよ(笑)。わたしの『貴様女子』(『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』)っていう本で、公団を全部買い取って、あそこで大人の女子校をやるんだって、同潤会アパートをやるんだって言ってたんですけど、それもちょっと厳しいということで、お金が貯まらないから、もう貨幣価値を変えるしかない。
みんなでチェンマイに行くか、もしくはもう1回北海道を開拓しようって言ってる。地震の少ないところを調べてそこに女たちで開拓しに行こう。
もちろん男もいて、旦那がいたり、彼氏がいても全然いいですけど、主導権はこっちでやらしていただいて、申し訳ないですけどそちらの方たちは同行するんだったら、どうぞっていう。
雨宮:ちょっと除雪系の免許とか取っておいたほうがいいかもしれないね。
スー:初めてですね、女がかわいいとか若いとかじゃなくて、今までの仕事を何やってきたかで判断されるようになって。ここに参加するには何かしら手に職がないと。
雨宮:ちょっと鹿とか撃てたほうがいいし。
スー:そうですよ(笑)。
雨宮:銃の免許も。
スー:みそ汁を10分で何人分作れますとか。1度に250人いけますとか。
江藤:私もっとこれからの暮らし方って、もっと楽しいことかと思って意識して聞いたら、すごい答えがでてきて、びっくりしちゃった。
スー:そういうぼんやりした話は30で終わったの。
(会場笑)
40過ぎていきなり老後の背中が見えてくるんで、リアリティーのある話になるんですよね。だって6,000万なんて貯められるわけがない。
江藤:貯められないですよねー。
雨宮:Francfranc(フランフラン)で夢見たのはもう30で終わり。
スー:Francfrancって腐って乱れるところですよ。誰も見つけてくれないもの、私なんて。腐乱腐乱ですよ最後(笑)。
(会場笑)
江藤:おもしろい。
スー:おもしろくないよ(笑)。辛いだけ。これからはどれだけ少ないお金とは言わないですけど、少しダウンサイジングしても楽しいっていう状況をどうやって作るかっていうと、さっき言った土地とか建物とかっていうのはお金と直結してくるんですよ。
でも友達とかっていうのは、お金と直結しない唯一の財産なので。近所に友達が住んでたりすると、ちょっと楽しくなったりするでしょ。
江藤:楽しいですよ。
スー:あれを作るんですよ。コミューンを作っていくってことが大事かなと思います。
江藤:なるほど。雨宮さんはいかがでしょうか。
雨宮:これからの暮らしはそうですねぇ。1回移住を考えちゃったんですよ。神戸に住んだらどうかって。その時すごい考えちゃったのは人間関係。
スー:そうですよね。
雨宮:関西方面にお友達がいないわけじゃないんですけど。東京の友達となかなか会えなくなるので。予算が潤沢であれば、別に私は新幹線で毎週東京に行ったり来たりするのは全然いいんですけど、やっぱり厳しい。家が両方に2戸あればいいんですけど。
スー:それはねぇ。
雨宮:と思って。
スー:お金があっても難しいです。
雨宮:40が射程範囲に入ってくると急に考えますよね。ハッて我に返るんですよ。それまでのふわっとした、お金持ちと結婚するかもしれないしみたいなことを何割かは思ってたんですけど。
江藤:心のどこかにはありますよね。
スー:無いですよ。やめたほうがいいよ、早めに。
(会場笑)
江藤:見つけますから。
スー:早くマンション買った方がお金持ちになれる!
江藤:そうですね。旦那はリセールできないからね。
雨宮:お金は降ってこないっていうのは、もう刻み込まれるんですよ。
江藤:何歳ぐらいから気づくものなんですか?
スー:私は40で。
雨宮:私は38歳。
スー:今ですね。「あっ、死ぬな」ってみたいなのがちょっとわかるんですよ。
雨宮:そうそう!
江藤:えぇー!?
スー:30代の終わりまではどこかで死なないと思ってたけど、「あっ、これ死ぬなぁ」みたいなのが。初めて死がリアリティーを持ってくる。
(会場笑)
雨宮:急に80とかって考えたら半分なんですよ。なんとなくもう1年の感じで言うと、9月ぐらいまで終わったなみたいな感じになるんですよね。
スー:ほら、90過ぎてる女の人ってすごく多いじゃないですか。
江藤:みなさんお元気で。
雨宮:宝塚劇場にいっぱいいる。観に行ったらすごい。
スー:そしたらもう買える価値を買うしかないなと思って。
スー:なんかザハの案がね、却下なので霞ヶ丘団地が残るんですよ。
江藤:ザハ・ハディドの案ですか?
雨宮:あれは潰す予定だから、一応アパートみたいなのが近くにありますし、神宮あたりに。
スー:そうそう、今は福島からの避難民の方が住んでると聞いたことがある。あそこを建て替えて、独居女老人の館にしたら最高ですよ。庭でバーベキューやって。
江藤:スーさん、そういうの率先して作ってくださいます?
スー:なんとかしてNPOにして、国から(予算)引っ張れないかな? そういうのを企業さんと協力をして、そういった新しい住まいを……。
雨宮:今、裏でちょっと話してきてくださいよ!
江藤:いくつか今日プロジェクトを立ち上がりました。その独女のやつと、夫婦だけど2世帯で暮らす。
スー:そう!
雨宮:2世帯夫婦住宅。
スー:本当に。必要ですよ。
江藤:今後のこといろいろ考えていただきながら。
雨宮:そういう話をしていると暗い話のように捉えられがちですけど、そうじゃなくてちゃんと働いて、結構一生懸命生きてきたわけじゃないですか。
その先の人生が楽しくないって嫌なんですよ。それなりに仕事もほどほどにして、老後楽しく生きたいなっていうのはあるから、それを現実的に実現するにはどうすればいいかと考え始めるとそういう案がでてくるんです。
スー:そうです。決して暗い話ではなくて、たぶん同世代の人はわかっていただけると思うんですけど、お若い方は「うわぁそんな話になるんだぁ」って。全然楽しい話なんだけど。
雨宮:夢が無いと思われるかもしれないけど、スーさんは夢をどうしたら現実的に着地できるかっていうことを考え始めた時の案ですから。チェンマイとか。
スー:俺たちのチェンマイ(笑)。その時の情勢が安定するかによりますけれど。
江藤:そうですね。政治的に大丈夫なところ。
スー:一緒に来る?
江藤:行く!
スー:チェンマイ。
江藤:みんな行きたいですよね! 行きたい。今の話を聞いていると、すごく自分で考えるとすごく暗くなっちゃうんですけど、不安が。前向きに考えていくことですごくね。
スー:できることなら結婚したほうが人生勉強にはなるんだと思いますけどね。そこで失敗しても温かく迎え入れるけど、最初から「結婚しない」って決める必要はないのかもしれません。
江藤:でも、生きていく上でスーさんがいると安心しませんか?
スー:さぁ、そろそろ壺を売る時間がやってきました(笑)。でも、私いろんなこと言ってきたから、さらっと結婚したりしますからね。やってやるから、いつか。って言っておかないと、勝手に「独身女性の期待を一身に背負った代表者」みたいに言われちゃうんですよ。すぐ。
雨宮:それはちょっと困りますよね。
スー:諦めてるわけじゃないから。
雨宮:「あいつ独身じゃなくなったから、この仕事はもう無かったことに」っていうのも困るじゃないですか。
スー:でもさっき、住まいで暮らし方が変わるって言ってたじゃないですか。ライフステージがある。あれ、誰にでも言えることだと思うし。
結婚した人だって、旦那が先に死んじゃうとか、家族は減ったり増えたりしますから。やっぱりそこは柔軟に、私はこうとか、こうじゃないとダメとか決めないほうがいいかもしれませんね。
雨宮:決めないほうがいいですね。
江藤:柔軟に。
雨宮:買うときは1人ぐらいは増えてもいいぐらいの部屋が一番いいなぁって、買おうかなって考えたときには思いました。1人増えるか、もしくは賃貸で貸せるワンルームとかじゃないですかね。
スー:欲しいですね。
江藤:いろいろ選択肢があるかと思いますが、あっという間に。
スー:もう時間が押してるんですね。すいません、老後の夢をいろいろ語ってたから(笑)。
江藤愛氏(以下、江藤):あっという間でした。「女子103人でおうちのことを考えてみよう会議」進めてまいりましたが、お時間でございますので、最後にお二人に少しだけ感想をお伺いしたいと思います。今日はスーさん、皆さんと一緒にいかがでしたでしょうか。
ジェーン・スー氏(以下、スー):課題を与えると一生懸命やって発表して、パッと手を挙げるクラスの女の子って、どういう女の子たちなのかよくわかった。
江藤:素敵でしたね。
スー:安心できますよね。こういう人たちが日本を支えてるんでしょ?
江藤:ここに来てくれるというのがね。
スー:最終的にはみんなでチェンマイ。
江藤:なんかあったらチェンマイ。
スー:もしくは北海道再開発。ありがとうございました。
江藤:ありがとうございます。雨宮さんいかがでしょうか?
雨宮まみ氏(以下、雨宮):私はもうちょっとふんわりした感じかなと思ってたのに、みんな書くスピードも速いし、まとめるのも早いし、この調子で、普通に混じって聞きたかったです。どういうふうに家を考えるか。
江藤:本当に頼りになる皆さんと、楽しい時間を進めてまいりました。本当に長い時間ありがとうございました。
スー、雨宮:ありがとうございました。
(会場拍手)
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