2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
日経平均10万円時代に向けて投資家ができることは?(全1記事)
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ナレーター:アンケート調査から気になる8つのトピックをピックアップ。まずは「日本株の動向」。藤野さんが説くキーワードとは?
藤野英人氏(以下、藤野):私は2024年の1月に『「日経平均10万円」時代が来る!』という本を書きました。2034年に日経平均10万円が来ると、今でも固く信じています。それはまだ変わっていません。信じています、が……。「……」ですね。
なんで日経平均10万円時代が来るのかと言うと、長いトレンドで株のことを考えることが大事なんです。株式市場は上がったり下がったりするんですが、上がったり下がったりすることは自然なことなんです。毎日、毎日、株を見ていて、1ヶ月とか3ヶ月単位で見ても、けっこう株は大きく上がるし大きく下がります。それによってドキドキしちゃうんです。
「投資で儲かる絶対の法則はない」ということなんですが、1つだけあります。いやぁ、怪しいですねぇ(笑)。絶対に儲かる法則があるんです。
答えを言いますよ? それは、安く買って高く売れば誰でも儲かります。100円で買って200円で売れば必ず儲かるんですね。「わかってるよ。それができないから聞いてんじゃない」って。じゃあ、なぜそんなことができないのかということですが、これは本当に難しいんです。
藤野:安く買うというのはどういう時なのかと言うと、みんなが株を買いたくないと思う時なんですよ。悪い言葉でひしめいていて、「株を買うなら今が最悪の時期だ」「景気が悪い」「今、株を買うのはアホである」とか、みんなが言ってる時が買い時なんですね。
良い時はというと、「今は株を買わないとダメだ」「今こそ株を買う時期だ」「誰もが儲かっている」と言ってる時が、本当は売りなんですよ。
でも、人間ってそういうふうにできてないんです。上がれば上がるほど強気になっちゃって、下がれば下がるほど弱気になるんですね。本当は逆じゃないといけない。なので、安く買って高く売ることは難しいんです。
なので私が「日経平均10万円時代が来るよ」と言ったのは、長い目で見るとこういうことが起きるからです。日経平均10万円になるんだったら、40,000円が35,000円とか、30,000円を切ったとしたっていいじゃないですか。ちょっと上がっても、別に売る必要はないのです。だから、「長い目線でどうなるんだ」というイメージを持つことがすごく大事です。
投資用語で「ガチホ」という言葉があるんですよ。「ガチで保有する」ってことですが、株式投資ではガチホする“握力”みたいなものがすごく大事です。
そのために大事な心得は何かと言うと、いろいろあるけれども、「いつか良くなるし、良い社会が来るさ」というふうに思えるかどうか。私がこういうところで比較的明るいトーンで話をするのも、僕のためというよりみなさんのためです。明るい見通しを持って投資をし続けることのほうが、すごく意味があるのです。
ナレーター:では、これから日本株はどのような動きをしていくのでしょうか?
藤野:日経平均株価がすごく上がりました。新NISAも始まって、多くの人が口座を作りました。でも、今は停滞しています。なぜか。
2週間ぐらい前に、外資系主催で外国人投資家がたくさん来るカンファレンスがたまたま2社あって、私と東京証券取引所の社長さんと2人で投資家の意見を聞く会がありました。
そこで外国人投資家は、「東京証券取引所が東証改革のようなことをどれだけやるのか、どれだけ厳しくするのか」という質問に終始していました。そのことは良いことだと思います。日本の会社は、ちゃんと業績を上げて株価を上げるということに対して無頓着だった。だから割安な会社が多かった。
去年、それを脱しようとする会社が出てきて、それで投資家に向いたコミュニケーションをし始めたことが大きな変化だったんです。会社の純資産価値、会社の持っている簿価上の価値にほぼ近付いてきた。PBR1倍まで近づいて来たのが現状になります。
でも今、株価が停滞してる大きな理由は何かというと、PBR1倍に行き着いたんですね。ネガティブがレスネガティブになったと言うんですが、ネガティブが少しマシになった。こういう時にけっこう株は上がります。
でもこれからは、「10年、20年目線で本当にこの会社が上がるのか、上昇するのか」ということが重要になってきます。3月決算が出揃い、3月決算を分析して、5年とか10年を見据えた投資がこれから始まるところになります。なので、これからは何が起きるか。大事なことは、株価の選別が起きるということですね。
良い会社は、「PBR1倍までいったけれども、2倍とか3倍とか『僕らの付加価値がもっと上がる会社なんだ』ということを見て株価を上げてくんだ。そのための業績を上げるために、お客さまにこういうサービスをするんだ。株主に対してこういうサービスをしていくんだ」というようなビジョンを出せるかが大事です。
そういう会社がたくさん出てくれば、日本株はここからも上がるでしょう。意外とそういう会社が出なくて、「だいぶ株が上がったし、ほっと一息でここはちょっとのんびりさせていただきます」というのは日本の企業でよくありがちなんですが、そうなるとなかなか現状を打破できないと思います。
なので、長期が大事だということを前提に、これから半年くらいの短期的な見通しで言うと、これからインデックス(指数)がドーッと上がってくような相場で、ものによって上がる会社と下がる会社がだいぶ明確に変わってくるような時期になるのかなと思います。
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