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「すぐやる人」に変わる!「先延ばし」をなくす習慣(全2記事)

やめたい習慣ランキング1位は「先延ばし」 習慣化コンサルタントが語る、タイプ別・「すぐやる人」に変わるコツ

目の前のタスクや勉強などをつい後回しにしてしまう…そんな悩みを持つ方に向けて、「すぐやる人」に変わる方法を解説した本イベント。本記事では、習慣化コンサルティング株式会社代表取締役で習慣化コンサルタントの古川武士氏と、同社執行役員/講師、国際コーチング連盟アソシエイト認定コーチ(ACC)の島名祐紀氏が、タイプ別の先延ばし癖の解消法について語りました。

「やめたい習慣」ランキング、1位は「先延ばし」

島名祐紀氏(以下、島名):古川さん、簡単に自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。

古川武士氏(以下、古川):私は習慣化コンサルティングという会社を運営しておりまして、習慣化コンサルタントとして活動しております。やはり人生を変えるとか仕事の成果をより高めていくといった時に、「何がポイントなのかな」ということに焦点を当てています。

私はコーチングで独立しまして、企業の経営者のコーチングや企業研修もやってきたんですけれども、そこで「何を教えるかよりもどう続けていくか」が、すごく大きなテーマなんだなと気づきました。

経営者の方をコーチングしていて、何を続けたらいいかはわかっているんです。ただ企業の研修が終わったあとの現場での定着(が大事なん)ですね。なので、「習慣化」を大きなテーマとしてやっております。

本は、今24冊100万部ということで、それぞれ主題を設けて書いています。最新のものは『書く瞑想 1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』という本で、海外を含めて6刷4万部になっておりますので、読んでいただいた方もいると思います。今日は「先延ばし」ということでお話ししていきたいと思います。

島名:古川さん、ありがとうございます。今日の「先延ばし」のテーマは、本当に悩んでいる方が多いですかね。

古川:そうですね。

島名:「先延ばし」をテーマに、古川さんとこれからトークライブをしていきたいと思っています。まず、そもそも古川さん、なぜこの「先延ばし」というテーマを扱おうと思ったのか、そこから聞かせていただいてもいいですか?

古川:はい。「やめたい習慣や続けたい習慣は何か」というアンケートを取った時、やめたい習慣の中の第1位が何だったかと言うと、最初は「お酒を飲み過ぎるのをやめたい」とかが出てくるのかなと思っているんですけど、堂々の第1位は「先延ばし」だったんですね。「先延ばし癖をやめたい」という悩みがすごく多くて。

だとすると、やはり人生をより良く生きていく、もしくは生活をよりストレスなく生きていくためには、先延ばしと先延ばしによるストレスを解決していくのが、すごく大きなテーマだなと思って、今回は設定してみました。

ついタスクを後回しにしてしまう人の心理

島名:ありがとうございます。そうですよね。「先延ばし」が本当に第1位なんですね。

古川:そうなんですよね。でも、先延ばし(をやめる)技術というのは、世の中たくさんあると思うんですよね。なので今日は技術とか方法論をお話しするよりも、人生や生活の文脈に広げていった時に、「先延ばし」がどう影響していくのか、取り除いていくとなぜ人生や生活においていいのかをお話します。この理由が腹落ちすることがすごく重要です。

大きな文脈の中で「先延ばし」というテーマを捉え直すことがすごく重要かなと思うので、今日はそのお話ができたらいいかなと思います。

島名:ありがとうございます。ちょっと先延ばしの本質にも、一緒に迫っていきたいと思います。古川さん、そもそもなぜ人は「先延ばし」にしてしまうんでしょうか。

古川:どうですかね。例えば報告書とかジョギングとか、目の前のタスクを想像した時に、「それを今やるにはストレスだ」と感じる。人ってストレスが嫌なんで、先に延ばすことによってストレスを回避しようとする現象が「先延ばし」かなと思うんですよね。

例えば、「今日報告書を書いたほうが楽なんだけど、明日が出勤だったら明日でいいや」っていう時には、そのストレスから逃れたいと思っているんです。

島名:ちょっとでもね。

古川:運動しようと思っているけど、「外に出るとちょっと寒い。今日はもういいか」と思う時にストレスを感じるという。ストレスを小さくしてあげることがすごく重要で、それが大きなテーマかなと思います。

「面倒くさい」「失敗が怖い」とか、「嫌われたくない」「自信がない」とか。いろんな感情が出てくる時に、人って行動に移そうと思うとストレスを感じる。

島名:確かに。

古川:「自信がない」も大きいですよね。何かチャレンジする時、自信がないからストレスが大きくなって、結局先延ばしにしてしまう。先延ばしの原理はそこなんで、ストレスを小さくしてあげればいいということですね。

島名:今聞いているだけでも、「先延ばし」の裏には、人それぞれいろんな感情とか思いが混じり込んでいそうですね。

古川:そうなんです。感情なんですよね。それもすごく大きなポイント。

先延ばしのテイストが異なる、「アリタイプ」と「キリギリスタイプ」

島名:なるほど。ありがとうございます。そのへんも後々聞いていきたいなと思いますが、「先延ばし」って性格による問題なのか、それとも習慣だけで解決できるのか、そのへんどうなんでしょうか。

古川:結論から言うと、私は両方あるかなと。習慣とやはり性格。性格というか特性を理解することが大事かなと思います。まず習慣だなと思うことは、やはり自分の日々のTo Doとか先延ばしの報告書とか運動とかもそうなんですけど。やはり「スケジュールとか一日のリズムをどう見直していくか」によって、行動のレベルで解決できることがけっこうあります。

それは、自分に合った仕組みとかツールとか方法を見つけることが1つですね。ただ、私がもう1つ思うのは、やはり人って行動の特性と動機の特性があって、ウサギと亀ってよく言うんですけど、一気にバーッとやる人とコツコツ分散してやる人。

アリとキリギリスって分けているんですけど、アリのタイプはリスクを回避したい。やるべきこととかやらないといけないこととか、心配事を先に解消したいと思うので、比較的目先の先延ばしは(少ないです)。「心配だから片づける」というアリのタイプは、先にやるわけですね。

キリギリスのタイプは、楽しいことを先にやりたいから、やるべきことが後になる。この順番になりがちなんで、どちらかと言うとキリギリスタイプのほうが、表面的な先延ばしストレスを感じているんじゃないかなと思うんですね。

島名:なるほど。うんうん。

古川:ただしアリのタイプの人は、先延ばし癖が関係ないのかと言うとそんなことなくて。今目の前のやるべきことはこなせているけれども、人生における自分の時間とか、自分の未来のための時間が、結局目の前のことに追われて、先延ばしになってしまうという問題もあると思うんですね。だから、アリのタイプの人とキリギリスのタイプの人は、先延ばしのテイストが違ってくると思うんですよ。

島名:なるほど。

期限ギリギリで夏休みの宿題を終わらせる、2つのタイプ

古川今回のタイプ論は、みなさんやっていただいている方も多いと思うんですが。

島名:そうですよね。今の話を聞くだけでも、例えば本を読んですぐやる人とか、先延ばしの本がたくさんあって技術は学んだけどできないというのは、タイプとか個性が違う可能性があるんですよね。

古川:そうですね。だからやはり自分の特性を押さえた上で、どうしていくかがすごく重要になるということですね。

島名:アリとキリギリスだとモチベーションの上げ方とか動機がぜんぜん違いますね。

古川:そうなんです。こうやってアリとキリギリスも違うし、キリギリスタイプの中でも、うさギリスとかめギリスのタイプでは、対処法がちょっと違うんですよね。

島名:そのへんのタイプ別の違いもこのあと聞いていってもいいですか?

古川:例えばキリギリスのタイプは、やりたいことを先にやって、やるべきことは後に回すと。夏休みの宿題を例に考えたいと思うんですけど、ちなみに私はうさギリスですね。

島名:僕、かめギリスです。

古川:夏休みの宿題をどんなふうに片づけていたかと言うと、島名さんどうですか?

島名:僕は、一応目標とか立てるのは好きなので、1日にドリルをこれぐらいでやろうねと、カレンダーでページ数ごとに割り振るんですけど。計画を立てて満足して、友だちに「サッカー行こう」と誘われたら「行く!」って言って、最後は宿題に追われて過ごすみたいなことが多かったかもしれないです。

古川:そうですよね。

島名:一応予定は立てます。

古川:最初予定は立てたりとか、ちょこっと手はつける。だんだん予定がズレていって、最後に「重いな」みたいな感じで。

島名:そうそう。

古川:これがけっこうかめギリスのタイプがあるパターンで、うさギリスのタイプはどんな感じかと言うと、頭の中でうさギリスも一応考えているんですね。「今年こそこんなふうな自由研究をやって、これだけやってやろう」みたいな野望はあるんですけど、始まった瞬間から夏休みの宿題のことを忘れてバーッと遊んで。

「やばい、あと3日」みたいな感じで、スイッチ入るのがギリギリなんですよね。フッと開いてみると「もうこの量は無理だ」みたいな感じで、ハチマキしてギリギリ(間に合わせる)。

島名:(笑)。

古川:この乗り越え方が、うさギリスがやるパターンなんですよね。

島名:なるほどなるほど。

自制心のなさや気分のムラに振り回されないコツ

古川:なぜ今みたいなやり方の特性を、先延ばしの時に覚えたほうがいいか。例えばかめギリスの人がどうやったらやる気になるかと言うと、島名さん、どんな感じだと宿題とか勉強を続けてやろうと思いますか?

島名:そうですね。僕はかめギリスの方って、自制心のなさとか気分のムラに悩まれている方が多いと思うんですね。僕は特に夜は意志力ゼロになって、YouTubeとかに流されてしまうのがわかっているので、やはり環境を使う。

誰かと一緒にZoomに入ってタスクを進めるとか、朝活も、ファシリテーターって書いていますが、そういう環境と仕組みを作っているから朝に起きられる。1人では絶対無理だなというのは感じています。

古川:なるほど。そうですね。環境とか仕組みを上手に使って、自分を動かしたり、人と(一緒に)やる。うさギリスはスイッチが入るか入らないか。自分のマグマというか、ガンとスイッチ入ったらやるんだけどアップダウンが激しいんで、入ったらいいんだけど入らない。それが必ずしも人とは限らなくて、自分の中のスイッチなんですね。

「期限」がわかりやすいスイッチなんですよ。ギリギリになるまでやらない。だとしたら夏休みの宿題の納期を8月31日にするんじゃなくて、週ごとに納期を決めて誰かと約束する。どのみちギリギリにはやるんだけど、4つの週に分散できるみたいな。

島名:なるほど。

古川:こんなふうにして、無限にやり方をチューニングする。自分の特性をうまく使いこなすことが、すごく重要になってきますね。

「アリタイプ」の先延ばしのパターン

島名:なるほど。参考までにアリタイプはどのようにすればいいんですか? 先延ばしは少ないのかもしれないけど、でもアリタイプなりの苦痛はいろいろ感じていると思うんですが。

古川:そうですよね。アリタイプの方でいくと、例えばうさアリのタイプの方で言えば、自分をケアする時間がないとしますよね。目の前のことで忙しくてそういった時間が取れないなら、人と約束してスケジュールに入れちゃうのが、けっこうポイントですね。

パーソナルトレーナーとかジムの約束事があったりすると、その人を優先にできるんですよ。期限が弱いとやらないというパターンがうさアリですね。

島名:なるほど。ありがとうございます。かめアリはどんな感じなんですかね。

古川:これは小さくコツコツやることがすごく重要なんです。例えば「筋トレ」がテーマだとした時に、まずは1日10回の腹筋から始める。1週間後に15回にして、2週間後に20回にしてと、ちょこちょこちょことやっていって、育てていくとできるみたいな。でもいきなり100回とかやろうとするとできないですよね。

島名:なるほどね。タイプによってぜんぜん違うんですね。

古川:そう。もっと言ってしまうと、一人ひとりが自分をうまく乗せて止まるものを避けていくことが、大きなテーマなんじゃないかなと思います。

島名:ありがとうございます。ここまで見てくれているみなさんは本当に勉強熱心で、本も読まれているかと思います。なので、習慣の技術、先延ばしの技術ももちろん大事なんだけど、「個性とか性格タイプに合わせたやり方もあるよ」というのが、今お聞きしたところでございます。

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