ミサワ:中学の俺までひっぱり出してきて。なんでタイツの俺をさらし者みたいにするんですか?

シモダ 家入:……。

ミサワ:テクノとかテクノじゃないとか。テクノじゃないでしょ、これ。

シモダ 家入:……うん。

ミサワ:こんな写真出しちゃダメでしょ。タイツ履いてる人に、イラストを、任せたいと思いますか?

シモダ:……いや、履いてるの自分やろ?

家入:そうだね。

ミサワ:……そうですけど。

シモダ:なんか怒られる筋合いみたいなものが、全然わからんけど。

ミサワ:いやいや。これ、履かされて撮らされたんです。シモダさんに。

家入:いや、そんな顔してないよ。自分から履いて……。

シモダ:まんざらでもない。

家入:タイツをへその上まで上げて、したり顔。

ミサワ:したり顔じゃないです、これは照れです!

シモダ:照れのわりに、腕もちゃんと腰に当ててさ。これ腕? 足?

ミサワ:腕です、腕です。

家入:(笑)。

ミサワ:大体わかるでしょ。上の方から出てたら、腕ですよ。

シモダ:あー……。

ミサワ:あーじゃないですよ。

家入:そっかそっか。

シモダ:でも社長、これちょっとミスかも。足少ないですよ。

家入:え?

シモダ:お腹から二本、生えててもおかしくない。

家入:あ、そっか。

ミサワ:合ってます合ってます。俺、二本足です。

家入:え?

シモダ:木にミサワが張り付いてて、無理に取ろうとしたらギギギギギーって。

ミサワ:いや、合ってます。昆虫系じゃないです。

家入:腕に乗りたがるんだよね、ミサワが。

シモダ:そうそう。もう大変、みたいな。

ミサワ:俺、張り付かないです。

家入:……まあまあ、良いじゃないですか。その……良いじゃないですか。

シモダ:良いことは、良いと思う。

家入:それは認めて?

ミサワ:え?

シモダ:良いことは良い。

家入:それは認めよ?

ミサワ:……え?

家入:今のは良いって認めて?

シモダ:だって、こう、ロゴとか。

ミサワ:そうですね、ロゴはすごく良いと思います。

シモダ:ね?なんか……(手で、タイツの写真をちらちら隠す)。

ミサワ:なんすか。今のなんすか。手でこうやってたの。

シモダ:いや。実は、裸でしたー。実は、裸でしたー。ていう。

全員:……。

家入:いや、そういうギミック? そういう仕掛けとかもさ。

シモダ:手でやって欲しい。見た人がさ。

ミサワ:自分で?

シモダ・家入:(笑)。

家入:妹とかに。

シモダ:(手で隠す)おーい、チエー、こっちおいでー! チエってうちの妹の名前なんやけどな。

ミサワ:知らないですよ。

シモダ:チエー、見とけよー。ハッ!(手をどける)

全員:……。

シモダ:おにいちゃーん、てなるやん。

家入:(笑)。

ミサワ:いや、なりますけど。逆にそういうこと要求するサイトってなんすか。

シモダ:……あー、待った待った。で、僕のもとにこれ(イラスト)が送られてきました。

ミサワ:そうですね。

シモダ:どういう思いで送ってきたわけ? たぶんそれを、俺はわかってる。

ミサワ:だからこのイラストを見て、客が良いなって思ってくれて、仕事がばんばん……。

シモダ:じゃあイラストレーターっぽさを込めたわけ? これに。

ミサワ:そうですね。

シモダ:ちゃんといつものように描いてんの?

ミサワ:かなり力を入れて。

家入:着彩はどうやって?

ミサワ:これはフォトショップで。

家入:フォトショップですか。へー。水彩っぽい、透明感出てますよね。

ミサワ:良い色合い、雰囲気を出しつつ、描いた感じですね。

シモダ:なるほどね。で、ここからは僕の担当なんですけど。

家入:2ページ目ですね。

シモダ:2ページ目が、こういう。

家入:おー。

シモダ:テーマが、「おもちゃ感」。おもちゃ感を出したかった。

家入:おもちゃ箱感?

シモダ:そうそう、ひっくり返した時みたいな感じで。ミサワの絵がいっぱい入ってる。やっぱり絵って数を見てもらわないと、良さが分からないじゃないですか。

家入:そうですね。

シモダ:逆に言えば、絵を見てもらえばもらえるほど、そのイラストレータへの思いがどんどん募っていって。結果として、このイラストレーターにお願いしよう、と。その心理的なところを、すごくイメージして作ったんです。

家入:なるほどなるほど。説明してもらっていいですか?

シモダ:いいですよ。全体的に暖かーい、暖かーい、暖色系で。

家入:(笑)。

シモダ:あの、ペンってアナログじゃないですか。ペンで描くっていう。そこって、デジタルが広がったこの世界の中でも唯一、真実を表している。

家入:なるほど。

シモダ:アナログ、人の温かみ。デジタルになっても、その温かみは消えない。ていうを表現したくて、イラストを描く、種類も豊富、というを全部ここに凝縮させました。

家入:で、かつ暖色。ペンで思ったんですけど『Pen』て雑誌あるじゃないですか。あれの表紙でもおかしくないですね。

シモダ:本当っすね。ここに「Pen」ってロゴが入ってても、全然おかしくない。

家入:うん。「FIGARO」とかも良いかもしれない。

シモダ:良いですね。中が真っ白のノート使っててね。

家入:罫線がなくてね。じゃあちょっと寄って。みなさんまだ、遠目にしか見てないんで。(カメラに絵を近づける)

シモダ:ミサワから送られてきた、一枚の絵をですね、すごく細かく切ったんですよ。

家入:なるほどなるほど。

シモダ:で、同じ色の部分だけを合わせて、全く新しい絵を作りだした。

家入:あー、リミックスってやつですね。

シモダ:そうですね。ミサワのこういう腕とか顔の部分って、肌色してるじゃないですか。こういうのをちっちゃく切り抜いて、肌の色を当てて、付けることによって、全く新しい物として作りかえたっていう。

家入:はいはい。あー、新しいですね。

シモダ:パズル感。手法としては、そういうのを採りました。

家入:一番上は、これなんですか?

シモダ:一番上はですね、これは……足?

家入:足か手かって感じですね。

シモダ:ちょっと、判別付きにくいんですけど。あの……大体がそういうことですよ。

家入:はいはい。

シモダ:あんまりメッセージ性を持たせるのも、ミサワの世界観を壊しかねない。

家入:やっぱり、メッセージ性って良し悪しだと思うんですよね。Tシャツに「NO WAR」とか書いてあったとするじゃないですか。あれって、かっこ悪いですよね。

シモダ:かっこ悪いですよね。外人から見ても。だから、あえて入れないっていうのも、注目していただけると嬉しいかな。って感じですわ、ミサワ君。