セーラームーン愛を語り尽くす!

TANAKA氏(以下、TANAKA):本日こちらの書籍、『セーラームーン世代の社会論』の著者の稲田豊史先生と、リアルアラサー世代、セーラームーン世代の女性達4人に集まっていただきまして、セーラームーンについて、思いきりお話いただきたいと思います。

今回MCを務めさせていただきます、TANAKAと申します。よろしくお願いいたします。

セーラームーン世代の社会論

稲田豊史氏(以下、稲田):名前言うんですね(笑)。

(拍手)

TANAKA:では先生、自己紹介よろしくお願いいたします。

稲田:稲田豊史と申します。今回こちらの本を書かせていただきまして、ライター・編集をフリーでやっております。前は出版社に勤めていたんですけれど、2年半ぐらい前に辞めて、フリーになりました。

ジャンルは幅広くて、サブカルやビジネスの原稿を書いたり、本の企画をして本を作ったりしてます。この度とあるサイトに、「セーラームーン世代」に関するコラムを書いたところ、担当編集の方に声を掛けていただいて、本を書かせていただきました。

TANAKA:ありがとうございます。では、本日の座談会のメンバー、みなさまの自己紹介をお願いいたします。おもちさん、お願いいたします。

おもち氏(以下、おもち):はじめまして、おもちと申します。年齢は30歳で三十路になりました。普段は、雑貨の業界でデザイナーとして働いています。本日はよろしくお願いします。

TANAKA:はなさんお願いします。

はな氏(以下、はな):はなと申します。31歳で小学生の子供が1人います。セーラームーンは小さいときから今まで、どっぷりハマっておりまして......。

稲田:今も?

はな:はい。グッズをたくさん集めているので、多分、この中ではグッズを一番持っているんじゃないかという自信があります。よろしくお願いします。

TANAKA:続きまして、あずきバーさんよろしくお願いします。

あずきバー氏(以下、あずきバー):あずきバーと申します。28歳会社員です。セーラームーンは小さい頃に見たきり、まったく触れていなかったのですが、今回懐かしい企画に呼んでいただいて、楽しみにしています。よろしくお願いします。

TANAKA:では最後に、いけちゃんさん、よろしくお願いいたします。

いけちゃん氏(以下、いけちゃん):いけちゃんです。年齢は28歳で、今はパートをしています。主婦です。セーラームーンを見ていた記憶はあるんですが、こまごましたストーリーはあんまり覚えていなくて、でもこの本を読んで「すごく楽しいなあ、懐かしいなあ」と思いながら、読ませていただきました。

どんな遍歴で見ていた?

TANAKA:ありがとうございます。アラサー女子とアラフォー男子にとっての、セーラームーンということで。放映当時の思い出、どれぐらいセーラームーンに傾倒していたかなど。

ただ見ていただけという方も多いと思うんですけど、そのあたり正直にいろいろと、ざっくばらんにお話していただけたらなと思います。では語りたい方から......。

(一同笑)

稲田:すごい自由ですね(笑)。補足しておくと、放映していたのが1992年3月から97年の5年間ですね。(放映開始は)今からもう20年以上前ですか。

皆さん、お歳がちょっとずつ違うんで。セーラームーンは5シリーズあるので、どのシリーズを何歳ぐらいで見ていたのかというのが違うと思うんですけど。例えば「幼稚園のときに『R』を見てました」とか、そういう風に喋っていただけると、いいかなと。

はな:私は「無印」から「SuperS」まで見ていました。(5シリーズ目の)「セーラースターズ」の思い出が、ほとんどないかな(笑)。

稲田:多いですよね、そういう人(笑)。

はな:原作の「なかよし」のほうもそうなんですけど、コミックスを買って、後から復習したっていう感じですかね。

稲田:どうですか? おもちさんは。

おもち:私も同世代なんですけど、やっぱり小学校の頃に見ていた記憶が強くて、漫画も「なかよし」派だったんですよ。いろいろな少女誌があったんですけど。

漫画でもよく読んでいたので、おぼろげながら小学校の頃は、よくセーラームーンを見ていたという印象があります。

あずきバー:私は幼稚園のときと小学校1年生のときに見てて、先生の著書を拝見したら......。

稲田:「先生」つけなくていいですよ、別に(笑)。

あずきバー:いいですか(笑)? (見ていたのは、多分)「R」と「S」?

稲田:一番、脂がのってる時ですね。

あずきバー:そう、多分一番。それを見ていたので、小学校3年生ぐらいで「なかよし」を見たら、うさぎちゃんが「あれ? 急に大人になっちゃって」みたいな感じになっていたのを、よく覚えています。

稲田:いけちゃんさんはどうでしょう。

いけちゃん:いつフェイドアウトしたかは覚えてないんですけど、内容が合わなくなってきたというより、私が成長してきて。

保育園生から小学校1、2年生くらいまでで、3年生ぐらいになると、2つ下の妹のほうが夢中になってくると、「そういうのはなんか幼稚だわ」って……。

稲田:「同じものを見てるのってダセえ」みたいな。

セーラームーンを見ていたことを人に言えなかった

はな:めっちゃ見てたわ、その頃(笑)。

おもち:私もそうだよ。

稲田:何歳まで見てたんですか?

はな:けっこう見てた。

おもち:小学校高学年とかまで見てましたね。

はな:そう、高学年まで見てた。

あずきバー:えー!

稲田:そう、それ分かれるんですよね。高学年くらいまで見ている人と、2、3年生で卒業する人と。高学年まで見ている人は、ひと味違った大人になっている感があります。

(一同笑)

はな:(おもち氏を指して)こういう(笑)。

稲田:5、6年生まで見ているというのは、言い方はアレですけど、普通じゃないというか……。

おもち:でも、周りにたくさんいたよね(笑)。

稲田:高校生で見ていた僕が言うのもなんですがね(笑)。高2の3月から始まって、第1回から見てたんですけども、人に言えなくて大変でした。

(一同笑)

稲田:まず見てるっていうことを言ったら、共学の高校でしたけど、女子が多分口を聞いてくれない。まあ、今になってなんでそれ言ってんだって話ですけど(笑)

あずきバー:同級生だったら言ってると思います。「ちょっとキモい」って(笑)。

稲田:「やだ……キモ……」って。でも時代的に90年代初期は、今よりもずっとオタクっていう存在が厳しい時代で。「宮崎勤事件※1」というのが80年代にありまして、「アニメを見ている男は気持ち悪い」みたいなイメージがついていたので。(『セーラームーン』の放映開始は)そこから4年ぐらいしか経っていないんですよね。

だから言えない時期が続いて、この本を書いたことでようやく言えたと。

(一同拍手)

拍手ありがとうございます。

(一同笑)

アラサー女子には「R」と「無印」が人気

稲田:「R」とか「S」とか、いろいろあるんですけど、一番好きなシリーズは「無印」「R」「S」「SS」のどれですか?

はな:「R」です。

おもち:私は「無印」ですね。

あずきバー:多分「R」ですね。

いけちゃん:私も多分、「R」です。

稲田:「R」の何が?

はな:ちびうさが出てきたのって「R」ですよね。その頃一番ハマってたと思うんですけど、あの敵の魅力? あやかしの四姉妹、ブラックレディとか、とても惹かれました。敵では一番、あのシリーズが好きです。

稲田:あー、最高ですよね。コーアンとかベルチェとか。

アラサー向けの旧シリーズのグッズが売れている

はな:今もグッズ出てるんですよ。

稲田:まだ出てるんですか!?

はな:出てます。最近、そのキャラだけのグッズが出てて、めっちゃ現役で。

稲田:さすが現役で揃えてますよね。

おもち:すごいんですよ、彼女ホントに。写真とか見せてもらったんですけど、ものすごい量を持ってるんですよ。

稲田:ちゃんと旧シリーズ※2のものというか、今のキャラクターデザインで出てるんじゃなくて、ですか?

はな:じゃなくて。

稲田:昔のですか?

はな:そうですね。今はおそらく、アラサーをターゲットにしているので、旧作のほうをがんがんグッズでも出していて。当時のままのほうが売れているんじゃないかなって。当時買いたくても買えなかった大人達が、今自分達のお給料でこっそり高いものを。

※1 宮崎勤事件 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の犯人で、刑死。多数のアニメやコミックのコレクションがあった。特定のマンガなどを有害とし、排除しようという「有害コミック騒動」のキッカケとなたったとも言われる。

※2 旧シリーズ 昨年から、ニコニコ動画で、新シリーズとなる、『美少女戦士セーラームーンCrystal』の放映が開始され、それとは区別して、1990年代に放映されていたテレビアニメシリーズは、「旧セーラームーン」「旧シリーズ」と呼ばれるようになった。

セーラームーン世代の社会論