人とのつきあいは、本能で

小林:ちなみに吉岡さんと僕との関係って面白くってですね。たまたまイベントに出て、名刺交換したら、「ヒューマン・ライツ・ウォッチです」とか言って、目をキラキラ輝かせていて、「何やってんですか」って言ったら、「人権NGO」って。「人権NGOって具体的に何ですか」ってお話を聞いたら、これこれこうですみたいな話になって「わかりました」って。

ちょうど僕、その時に東日本大震災があって、IVSってチャリティーオークションをやって、震災だから寄付しようみたいな話をしていました。でも赤十字みたいなのに寄付して、お金だけ、物資送ってもな、みたいな風に思ってたんですけど。たまたまいい団体がありましたみたいな。じゃあその場で寄付しますって言ってですね。実はその1週間後ぐらいに80万くらい寄付したんですよね。

そんな感じでほとんど何も考えてなくて、よさそうだって寄付をしていたら、意外にヒューマン・ライツ・ウォッチってノーベル平和賞とかに色々載ってるいい団体であるってことを、あとで知ったっていうですね。ヒューマン・ライツ・ウォッチのチャリティーディナーとか行ったら、佐藤さんもいましたけど。とてもいい団体です。

佐藤:びっくりしました。

小林:びっくりしてですね、お付き合いがこの辺から始まってるって感じです。

佐藤:だからあんまり人にラベリングをせずに、情報を入れずに、どちらかと言うと自分の直感で、この人おもしろいかなとか、いい人だなとか、仲良くなりたいなとか、そういう直感で、まず行動して、あとからちゃんとその文脈を理解して、その人の立場とか前後関係とか、スペックとしての情報は勝手に入ってくるので。

とくに今の世の中、実際に情報多いですよね。だから取ろうと思えばいくらでも情報集められるので、どちらかと言うと、勝手に集まってくる情報よりは、もっと動物的で本能的な、自分の直感みたいなものが人と人で付き合いを深めていく上では、まずは第一かなっていうのは、自分の経験上とても強く実感してます。

自分の熱量が他人の熱量を引き寄せる

小林:松田さんもどうですか。色んな人に会ってきたと思うですけども。

松田:私結構全力でぶつかるんですよね、一回一回の出会いってすごく大切にしていて。教育の話になると結構熱くなっちゃうんですよ。やっぱり誰かとお会いした際は、自分の教育に対する熱量をとりあえずもう放出しちゃうんです。人によっては迷惑かもしれないし、人によっては食いつきがいいんですけれども。でもそれ繰り返して何が起こるかって言うと、その人がまた他の人と会って話をしている時に、たとえばその人が教育に熱量持ってる人だとするじゃないですか。「こないだ教育に熱い思い持ってる教育界の松岡修造的な人と出会ったから、ちょっと会ってみてよ」みたいなことで。

小林:ちょっと外見が似てるんですよね(笑)。

松田:繋げてもらえるんですよ。だからそういった意味では、今、目の前にいる人に確かに先入観も何もなく、自分をそのままぶつけてみると損はしないと思います。逆に言うと、私も年間数千人の学生とか、色んな人に会うんですよね。やっぱり今でも覚えてるのはすげえ熱量で来る学生です。名刺交換だけで終わったのはやっぱり脳裏に残らないんですよね。

たとえば教育じゃなくても、環境とか人権とか、色んな問題、何かしら熱量を持ってる人っていうのは、頭に残っていて、自分が別でネットワーキングしている時に、なんか類似するような人がいたら、紹介したりだとか、連絡してつなげたりとかして。

なんかそういうのもただ単に1対1の出会いのみならず、すごく広がる可能性っていうのを秘めてると思うので。ぜひともお会いされる際は、自分の思いとか伝える。伝えれば伝えるほどそれは洗練されていくんで、それはまた自分にとってプラスになると思うんですよね。なので私はそういったことを意識してやっています。

メリットを考えて付き合っても続かない

小林:内藤先生、どうですか。

内藤:ちょっと違うくて、極度の人見知りなので(笑)。

小林:そうなんですか?

内藤:基本的にパーティーとかなんだとかあんまり行かないし、自分からご飯誘ったりとかしないんですよね。だからどちらかと言うと、出会った機会の大半を損してるっていうタイプでして。ただそのなかでも、狭く深くな感じで、長く皆さんとお付き合いしてる関係がある人たちって、ほぼほぼの人たちが、知り合った機会とか振り返っても、直近の利害関係とかまったく関係なく知り合った人たちなんですよ。

そういう人たちと長く、場合によってはその途中で仕事をすることがあったとしても、やっぱり、最初のきっかけが短期的に仕事が欲しいとか、この人と知り合ったら何か得するんじゃないかみたいな感じで、知り合うことは自分からもないですし、そう来られたりもあんまりしないんですけど。

そうじゃなく面白そうだとか、さっきの楽しそうだとか、この人と一緒にやったら目線が上がるとかも含めて、そういう人たちと長く付き合うことのほうを重要視してまして。そのなかで長く付き合ってくなかで、大切にしていることは、やっぱり貸し借りみたいなところだと思ってまして。

その、人から何かをくれくれ! みたいな人っているんですよ、世の中には。何かしてほしい、あれしてほしい。自分は何も返さないんですけど。くれくれ! みたいな人がいるんです。結構、真逆な考え方を持っていて。人に借りを作ったら十倍くらいで返さなきゃいけないなみたいな、すごい強い感覚があるので。自分がその借りを作るっていうことが、すごい大きく感じるんですよね。誰かに何かをしてもらうって。

そういう自分の中のポリシーみたいなのをすごい大事にしていると、それに共感する人たちと長くそういう関係が築いていけて。その上で場合によっては仕事をするとかっていうことが起きると思うんですけど。それを逆に考えちゃって、この人と知り合ったら何かいいことあるかもしれない、仕事あるかもしれない、何かしてほしい、あれしてくれ、くれくれになると、やっぱり浅い人間関係ができてしまって、結局5年10年経って何も残らないんじゃないかなという風に思いますね。

相手への好奇心と想像力を持つ

小林:吉岡さん。すみません、なんかものすごい深いあれで。

吉岡:私はどなたかと会う時に気をつけていることは、やっぱり好奇心と想像力かなという風に思いますね。やっぱり初めて会う方がどんな人なんだろうっていうその気持ちと、あとやっぱり一人ひとり歩んできた道が違う訳で。

自分が経験できないことを経験されてきた方。とくに他の国の方とかって、本当に想像もつかないような生活をされてる方もいらっしゃると思うんですけども。それはもうしょうがないので、だけど自分でできることは想像だと思い、一生懸命、その前にいる人にフォーカスして、いつも、ジグソーパズルの一つひとつを埋めてるような感覚で、新しい方と会う時、お話してるんですけれども。

どうしてそういう思考に至ったんだろうとか、どうしてこの行動を取ったんだろうっていう、知りたいなっていう気持ちと、あと考える力っていうのを持つと、一つひとつの出会いが、意味あるものになるんじゃないかという風に思ってます。

質問者:はい、ありがとうございます。話をよく聞いてみて、最初の頃は普通に人と会いたいと思って会ってたんですけど、自分のために何が欲しいっていう風に思って、人に出会うようにしてたところが今のところあったんで。もう一回初心に戻っておもしろい人と会うっていう風に、自分でこういう人に会っていきたいっていうのを考えながら、明日からバックパック背負って、どっか行きたいと思います。

小林:あの、これ人だけじゃなくて、場所もそうじゃないですか。店でも何でもいいんですけど。京都のなんとかに行くとか。同じだと思うんですよね、人だけじゃなくて。だからそういうのを常に考えていくと、楽しくなるんじゃないですかね。そろそろお時間なんですけれども、あと1問ぐらい。

結婚は自分の時間を奪うもの?

質問者:僕はちょっと色が違って、結婚についてお聞きしたいんですけれども。

勝屋:来たー!

質問者:僕は結構周りからこの考えを否定されることが多いんですけど、個人的には結婚っていうものについて、自分で将来やりたいことがあまりにも多すぎて。ワクワクすることをいっぱいしたいんですけど、それがもし結婚をしてしまったら、たとえば必然的に家族のために取らなければいけない時間も出てくるし、子どもができれば、その子どもと過ごす時間も絶対に取らなければいけないっていうことが起こってくると思ってて。

なので、自分のワクワクすることに費やす時間が減ってしまうんじゃないかなと思って、あんまり今結婚願望っていうのはないんです。そこで、結婚してらっしゃる方は、そういうのをもし感じたことがあれば、どういう風にマネージしたのかっていうのと、まだ結婚されてない方であれば、そういう風なことに関してどういう風にお考えかなっていうことについて聞きたいです。

小林:まあ、僕家族がいるんで。妻と子どもが女の子2人いまして、8歳と5歳なんですけども。もう楽しいですよね。僕も20代、独身の時とか、子どもがいない時とか、ものすごい夜中の何時まで働くみたいな、ワーカホリックみたいな感じだったんですけども。子どもができてから、やっぱり考え方が大きく変わりまして。こう1人でやってて楽しいことっていうのが実は楽しくなくなってくるっていうかですね。

今の、子どものために時間を使わなければいけない、みたいな考え方じゃなくなるんですよね。たとえば僕、スキー1週間行きます! みたいな話をすると、いかにも昔からスキーやってるように見えるじゃないですか。39歳なんですけど、2年前ですよ、いきなりスキーやり始めたの。なぜかと言うと子どもがスキーができるようになった年齢だからです。

子どもと一緒にスキーを滑るってこんなに幸せなことかっていう風に思う訳ですよね。楽しいですよ、すくすく成長して上手くなるの。当たり前だけどね。インストラクターとかついちゃうから僕よりか上手になるんですよ。それを一緒に滑るのは1人で滑降して何秒で滑りました、みたいなトーンより、全然違う次元の幸せを感じるんですよね。だからそういったもんで、そういうのに気づかせてくれた家族には非常に感謝してるし。本当にそういうのはおもしろい。

山登りも最近、ハイキングって、スイスだったらアルプスとか歩いてたんですけども。自分1人じゃ行かないですよね。山とか好きじゃなかったんですけれども、一緒に歩いて、一緒に景色を見て楽しいねみたいなのに幸せを感じるようになったので。お弁当の話もそうですよね。別に一人暮らしもしたことないし、僕、結婚する前なんてご飯とか作ったこともないし、炊飯器の使い方もわかんないぐらいだったんですけども。今となっては普通に料理するようになったんです。

それって家族がいてこそっていう話がありまして。そういう新しい自分の発見じゃないんですけども、そういったことができるチャンスがある。逆に言うと、多くの人が仕事が忙しいとか言って、夜中飲んでて帰んねえみたいな話があったりするんですけど。意外に身近なところに大きな幸せというか、楽しみっていうのがあるのかなって思うんですよね。

考え方としては仕事あるので家族がいないほうがいいっていう、別にそれはそれで、そういう考え方もあるかなと思うんですけども。できたらできたで、そういう幸せっていうのも必ずあるんじゃないかなと思いますね。僕自身は旅行行ったり、ご飯作ったり、過ごす時間が多いし、仕事もイベントも含めて1週間缶詰になって結構ヒーヒー言いながらやってますけども。それも含めてやってて、非常にいいですよ。