「誰とでも親密な関係になる36の質問」で彼氏を作った女性が語る顛末とは

Falling in love is the easy part

見知らぬ2人が36個の質問をしあうことで恋に落ちると言われている「ロマンティックな愛を生み出す研究」を実践し、恋人を作ることができたMandy Len Catron(マンディ・レン・カトロン)氏。そのことを書いた記事が大ヒットし、周囲から何度も「まだ付き合ってるの?」と聞かれるようになりました。カトロン氏は、人々が知りたがっていたのは恋に落ちるための実験に効果があるかどうかではなく、長続きできる本当の愛を生み出すことが可能かということに気付きます。スピーチの中では、彼女がこの一連の出来事の中で学んだ、恋愛に対する解釈について語りました。(TEDxChapmanU2015 より)

ロマンティックな愛を生み出す研究

マンディ・レン・カトロン氏:今年、ニューヨークタイムズのコラムで、『To Fall in Love With Anyone, Do This』という記事を出しました。そこでロマンティックな愛を生み出す研究と、それを実践した私のことについて書きました。プロセスはいたってシンプル。見知らぬ2人が36個の質問をしあい、その後は目を逸らさぬまま4分見つめ合うというものです。

いくつかサンプルを紹介します。

質問12、明日目覚めたら新たな能力が身についていたとしたら、なにがいいですか?

質問28、誰かの前、または1人きりで泣いた最後の時はいつですか? 質問が続くにつれて、より個人的な内容になっていきます。

質問30、これは私のお気に入りでもあるんですが、パートナーに好きな部分を正直に伝えてみましょう。初対面の相手には言わなさそうなことを言ってみてください。

何年か前に私が初めてこの研究を実践した時、とても気になる出来事と直面しました。この研究の参加者が6ヶ月後に実際に結婚し、研究室を結婚式に招待したというものです。もちろん疑っていましたが、同時に興味もありました。そして自分自身でこの実験を実証することになるとは、知る由もありませんでした。

(会場笑)

これはいい話ができたと思い、数ヶ月後にモダンラブコラムにそれを送りました。1月に公表され、とうとう8月になりました。まだ私達が恋愛関係にあるか、気になる方もいると思います。皆さんが気になるだろうと私が思う理由というのは、過去7ヶ月に渡って私が何度も問いかけたからというのもあります。そしてこの質問こそが、今日お話したいことなのです。

(会場笑)

記事が出る1週間前、私は非常に緊張していました。過去何年かはずっとラブストーリーの本を書くことに時間を費やしていたので、自分のロマンティックな恋愛に書くことも慣れていました。ブログは身内だけしか見ていなくても、ニューヨークタイムズの記事は少なくとも何千という数の人に読まれる。

ものすごい注目に感じられましたが、それがどんなことになるかというのは私にはわかりませんでした。

毎日メールや電話で「まだ付き合ってるの?」と聞かれた

金曜の午後に公開され、土曜にはブログに人が殺到しました。そして日曜にはToday ShowとGood Morning Americaがコンタクトをしてきました。ひと月も経たないうちに、記事は800万ビューとなり、私にはそんな規模の注目に対する準備ができていませんでした。勇気を出して赤裸々に綴ることはできても、国際ニュースになるのとはまた別の話でした。

(会場笑)

世界中から恋愛関係に投資されるなんていうことは。

(会場笑)

毎日のメールや電話でいつもこう聞かれるのです。「まだ付き合ってるの?」「まだ付き合ってるの?」いうフレーズで自分のメールボックスを検索するだけで、いくつかのメッセージが選出されます。

講演のステージで、「マンディー! 彼氏は一緒じゃないの?」なんて聞かれた時には顔が真っ赤になってしまいます。でもこれはしょうがないことです。ただ返答の準備は私にはできていなかっただけのことです。

ニューヨークタイムズのバレンタインデーの追加記事で、この研究を実践した際の実験率についてのものがありました。こうした衝撃は、私達自身の関係を守る方向にしか働きませんでした。

持続可能な本当の愛を生み出すことは可能なのか

メディアへの出演などは全て断りました。恋に落ちるというプロセスのアイコンになるということが相応しいとは思いませんでしたし、恐れていました。そして私がわかったことがあります。

人々が知りたがっていたのは、その研究に効果があるかどうかではなく、持続可能な本当の愛を生み出すことが可能かということだったのです。

そしてその答えは私には答えられるものではありませんでした。私達の関係はたった数ヶ月のものでしたし、そんな私達にとっては相応しくない質問を人々はしたがっていました。

私達の関係が続いているかを知って、それが何の意味があるのでしょうか。もし答えがノーなら、はたして36個の質問の価値が下がるということなのでしょうか?

1997年の研究でアーサー・アーロン博士が初めて書いたこれらの質問は、ロマンティックな愛を生むという目的ではありませんでした。そうではなくて、学生同士の親密さを培うためのものだったのです。

持続的で、相互に自己の開示を高め合う。 ロマンティックですよね。でもこれは実際に効果があったのです。参加者は実験後には親密になったと感じたのです。その後の研究で、これが他人同士の信頼や親密性作るために利用されました。

警察やコミュティー、政治的に反対の思想を持つ人々などの間で使われました。私達が去年の夏に使った、あの4分間目を見つめ合うという記事は出ることはありませんでした。

数ヶ月前に講演で行ったリベラル系の大学で、ある学生が恥ずかしそうに私にこう言ってきました。「研究を実践してみたのですが、上手くいきませんでした」彼は困惑してる様にも見えました。「恋に落ちることができなかったってこと?」と私は聞き返しました。

「友達になりなりたいだけみたいです」彼はそう言いました。「でもいい友達になれなかったの? もっと知りたいと思わなかった?」私がそう聞くと、彼は頷きました。

「だったら、上手くいってるはず」私はそう言いました。でもそれは彼が聞きたかった答えではなかったと思います。また、それは誰しもに言えることだと思います。

私が初めてこの研究に出会った時、ちょうど辛い失恋の真っ只中でした。20歳の時から続いていた関係で、ざっくりいえば、当時大人としての私の人生の全てでした。なので彼なしでこの先どう生きていくかという感じでした。そして私は、ロマンティックな恋愛に関する研究は全て調べて、それによって心の痛みに抵抗しようとしていたのです。

当時自覚できていたかは定かではないのですが、ロマンティックな恋愛について理論武装することによって、過去のように傷つかないようにと願っていたのです。そしてそれらの知識は何らかの形で役に立っていました。より忍耐強く、リラックスして、自分に素直になれる。自分のことがよりはっきり理解でき、身の程を知ることもできた。

私が求めているのは安泰なのです。今日明日愛されるだけのことではなく、私が愛する相手に愛され続けるということなのです。人々が私達の関係について尋ねるときに知りたかったことというのは、まさにこのことなのかもしれません。

恋に落ちることと恋愛関係を保つことは同じことではない

なのでメディアが伝える36の質問というのは、恋に落ちるショートカットかもしれません。リスクを軽減する方法になっているのかもしれません。恋に落ちるというのは素晴らしいですが恐ろしくもあります。誰かを愛すると認めた瞬間、それは多くを犠牲にすることを認めたことでもあります。

これらの質問は、相手を知り、相手に知られるためのメカニズムを与えるということでもあります。そしてこれは、認知され、理解されるという、愛を通して求めるものでもあります。

しかし私が思うに、恋愛になると人はつい「まだ付き合ってるの?」と聞きたくなってしまい、「はい」か「いいえ」の答えに満足してしまっています。

なのでそういった質問よりも、「自分に愛されるに値する人はどんな人で、またどんな人がだめなのか?」「困難なときも恋愛関係を保ち続けるにはどうすればいいか?」「けりをつけるにはどうすればいいか?」「疑いというものと、どう付き合っていくか?」といった難しい質問をすることを提案します。

これらの質問の答えをわかってるわけではありませんが、愛とは何かという、思慮深い対話による重要なスタートがそこにはあると思います。

それでも私達の関係について知りたい方にはこう言いたいと思います。知り合いと一緒に生み出した研究によって、ロマンティックな恋に落ちることができました。そして私達はまだ一緒にいますし、私は満足です。

けれども、恋に落ちるというのは恋愛関係を保つのと同じことではありません。恋に落ちるだけなら簡単なんです。記事の最後に私はこう書きました。「愛は発生するものではない。お互いに、そうある選択をした結果として生まれる関係なのです」今読むとちょっと竦んでしまうような内容ですが。

彼がこの先も私を選びつづけるかどうかを知るか確かでもないのに、そういった選択をし続けなければならないということを考えていなかったのです。そしてこれが、アメリカのニュースでおおっぴらにできるほどのものであってほしいと思うのです。

しかし実際に私がやったことというのは、この関係を神話のようにしてしまったとあうことです。そして私は、おそらくこれを神話ではなく真実にしたいと思っているのです。タイトルでにおってくるようなハッピーエンディングは、私も求めています。

(会場笑)

私が持っているものというのは、誰かを愛するという選択をするチャンスであり、彼も私を愛するという選択を選ぶことを願います。恐ろしくもありますが、そういうものですから。

ありがとうございます。

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TED(テッド)

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