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section 2 AROUND 25 和波 里翠氏(全1記事)

“見える化”で想いを届けたい--DeNA若手デザイナーの野望

「若手デザイナーがもっと成長できる場を」をテーマに開催された「UI CRUNCH UNDER25」。SECTION2では、各社デザイナーが登壇し、自身のキャリアとデザインについてのライトニングトークが行われました。株式会社ディー・エヌ・エーで新規事業のデザインを担当する、和波里翠氏は、自身がデザイナーを志したきっかけとライフワークとして取り組んでいる「グラフィックレコーディング」の魅力とその可能性について話しました。

デザインを通して想いを見える化したい

和波里翠氏:こんにちは。DeNAでUIデザイナーをやらせていただいている和波と申します。よろしくお願いします。『デザインとキャリア』というテーマで私は、「想いを見える化したいデザイナー奮闘記」というタイトルでお話をさせていただきたいなと思っております。

なぜこんなタイトルにしたのかというと、先ほど割石さん(Fablic)がセルブランディングについて話されていましたが、自分自身は「想いを見える化したい」というのをセルフブランディングにしているので、こんなデザイナーの人生もあるんだと、今までは真面目なお話が多かったと思うのでゆるく聞いてもらえればいいなと思ってます。

まず、私が何者なのかという話ですが、「和波里翠」と言います。平和の「和」に海の「波」と書いて、和波です。2012年新卒で1社目はデジタルガレージというところでグラフィックデザイナーをやって、今はディー・エヌ・エーという会社で、入って半年くらいですけれども、デザイナーをやらせていただいております。

そもそもなぜ私がデザイナーになったのかというと、タイトルに上げたように「想いを見える化したいから」、それに尽きるんです。「何だよそれ、どうやるんだよ?」という話なんですが、そう考えた時に、最初に就いた仕事がグラフィクデザイナーだったんです。

「なんでグラフィクデザイナー?」といいますと、(前職は)受託のグラフィックデザイナーだったんですが、それより前、大学生の時にミクシィで新しいサービスの企画開発インターンをしたんです。

その時に「企画はできたぞ。うまくいった」となったんですけれど、それを実際に作れないとモノにできないじゃないか、出せないじゃないかということを、痛感したんです。そこで、実際にサービスを作るんだったら、いろんな経験をしておいたほうがいいだろうし、自分はデザイン専攻だったのでいろんなものをデザインしたほうがいいだろう。それなら、まず受託のほうがいいだろうと、受託デザインにいきました。

受託ワークで多彩な経験を積む

グラフィックデザイナーとしていろいろ作ってました。ここから前職の受託時代の話になっちゃいますが、いくつかご紹介します。クライアントワークなので、お写真は控えていただければありがたいです。

Webデザインをやりまして、スペシャルサイトでパララックス風に作成しました。これはイラストも私がフォトショップで描き、アニメーションも作っていました。また、コーポレートサイトやECサイトのデザインをPCでもスマホでも作っていました。

ロゴのデザインもやってまして、サービスや企業のブランディングをさせていただきました。ロゴとサイトのデザインを同時にすることもありました。

お店で売っている商品のパッケージデザインも色々作っておりました。

あとはポスターも作っていて、私の最初の絵に合わせて実際に撮影したり。(ポスターのなかでモデルさんが着ている)服装は全部自分の服です。私の持ってるやつです(笑)。

ほかには、いろんなテイストのイラストでキャラクターデザインや、Web漫画を作ったりもしました。

「プレゼントを作る人」になりたくて転職

(ここまで紹介して)充実してたじゃないかと思うかもしれないんですが、ずっとやってるうちに、受託デザインってどうしてもクライアントさんのサービスありきで、ブランドがあってこそ、初めてできるデザインだと思ったんです。

そうなると、例えると、プレゼントのラッピングみたいだなと思ってしまったんです。ラッピングをいくらたくさん綺麗に作れても、それがユーザーさんに届いているのかなと。クライアントさんが「これいいね」と言ってくれても、本当にユーザーさんに届いているのかが分からないので、「プレゼント自体を作る人になりたいな」と、私は思いました。

すごい(写真が)パシャパシャ、びっくりしました。すみません(笑)。

では、どうするのかと、そうなった時に「サービス自体を作れるデザイナーになろう」と思い、今度はユーザインターフェース(UI)デザイナーになったんです。

DeNAでは今トラベル関係の案件をやっています。

「MELPY」といいまして、どんなサービスかと言いますと、最初は”海外旅行Q&A”を軸としてたんですけれども、段々とフォトチャットみたいになってきて、作ってみて違うんじゃないかって改めてピボットして、ちょうど今、”Q&A”に戻って開発しているという状態です。本当に失敗ばっかりという日々を過ごしておりますが、作って壊してを繰り返してようやく今チームで同じ方向を向いて作れています。

イラストと文字で記録を取る手法

そのなかでいろいろと試してるのは、私はグラフィックレコーディングが得意なので、ユーザーインタビューの時に聞きながらこういうふうに書いてみたりだとか。当初海外の方向けのサービスだったので、海外の方からもユーザーインタビューさせていただていたりもしておりました。全部英語だったので、隣でリーダーの方が訳してくれないと、ついていけなくなることも(笑)。

あとは、社内会議も、すべてグラフィックレコーディングをして記録しています。もし出られない人がいても、これをすぐにシェアして、話を次に進められるようにしていました。

グラフィックレコーディングの魅力

今、グラフィクレコーディングの話を出したので、私の社外活動になるんですが、ご説明させてください。

グラフィックレコーディング、今もちょうど(会場の)右で描いてくれている方がいますけれども、そういうのを描く人をグラフィックレコーダーと言います。グラフィックレコーディングはなんぞやと言いますと、「議論やリアルタイムで話されていることを、その場で可視化して共有する」手法です。よく私もこの「UI Crunch」で描かせていただいております。

なぜこんなことをやるかと言うと、メリットがあるからです。1人でやるとアイデアを発散できたり情報整理ができ、人とやると会議などで発言を促しやすくなる上、合意形成しやすくなる。大勢だったら理解を深めたり振り返りに使えたりとか。いろいろありますが、ちょっとここは省略するので、スクーさんでこの授業もさせていただいたので、よかったら見て下さいという勝手な宣伝を(笑)。ゆるいんで許してください。

なぜグラフィックレコーダーをこんなにやってるのかと言うと、これからの時代、コラボレーションがすごく大事だなと思ってまして。シビックテック、オープンイノベーション、共創とかって最近よく聞かれるようになったと思うんですが、そうなった時に文化や分野を越えた指標になるのが、言葉よりもグラフィックだなと思ったからです。

可視化することによって新しいものづくりの橋渡しになれたら嬉しいなと思います。

社外活動にも積極的に参加

グラレコ以外にも社外でいろいろ活動をしていて、ハッカソンでは「NASA」のボストンチームに入って参加したり、E2D3で小学生向けの単位ゲームを作ったり。

ほかには、オープンデータ活用コンテストを受けて、サービス企画とデザインを担当し、1週間くらいでWebデザイナーの方と二人でWebアプリ作りました。今自分のいる場所から一番近い駅と次来る電車を位置情報から出してくれて、そこまで徒歩何分で、あと何分で電車が出発しちゃうのか分かるアプリです。

いろいろやってるんですけれども、何のためかというと、グラレコや実際ものづくりを通して「想いの橋渡し」をしたいんです。そういった活動をすることによって、「想いを見える化」して新たな価値を生むことができるんじゃないのかなと、私は考えてます。

橋渡しで「繋ぐ」っていうのは、別に社外でどうのこうのじゃなくて、社外とDeNAを繋ぐって意味でも考えて活動しています。

DeNAは仲間づくりができる会社

デザイナーとしてお伝えしたいことは、さっきもラッピングの話をしたんですが、サービスのデザインというのはプレゼント作りだなと思うので、もしデザインの領域に興味を持っていて、プレゼント作りに興味を持ってくれていたらサービスデザインに進まれたらいいのではないかと思います。

社内のデザイナーって、こもって作るものだと思われがちなんですが、先ほど坪田(DeNA デザイン戦略室 室長)も「発信を自分からしていこう」と言ってましたけれど、外に目を向けることによって気付いて、なかに持ち帰れることもたくさんあるんです。

あとは、「デザイナー=仕事」と思われると思うんですけれど、私はあまりDeNAには「仕事だー」って思ってきてるわけではなくて、仲間づくりをしに来て、ここに入ったと思っています。先ほどいろいろお話あったと思うんですけれど、そういう会社だと思ったから私は入りましたし、スクーの授業に私が生放送で出た時も社内のデザイナーさんやエンジニアさんが見てくれてたり、情報交換も盛んで、中の繋がりがすごく強いです。

そうやって自ら発信していこうという者同士が一緒に切磋琢磨しているので、新しいものづくりをしていける環境だと思っています。最後、宣伝になっちゃうんですが、そういう方をすごい求めていますし、一緒に働けたらいいなと思ってますので、ぜひよろしくお願いします。

どうもありがとうございました。

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