暗いところで色がわからなくなるのはなぜ? 人の視覚の仕組みを解説

How we see color - Colm Kelleher

なぜ人は色を感じることができるのでしょうか。皆さんは、光は波の一種で、ある物の色はそれが反射する光の波長に関連してると聞いたことがあるかもしれません。しかし、この考え方は人間の目の仕組みとはまた別の話です。眼球の網膜の中には、弱光下で物を見るのに使われる桿体(かんたい)と赤、緑、青の色に堪能する錐体(すいたい)と呼ばれる2種類の異なる光検知細胞があります。色を見ると、それぞれの錐体が自分独自の信号を脳に送ります。黄色を知覚する特別な錐体はないのですが、黄色は緑色とも赤色とも近いので、赤錐体と緑錐体が共に活性化され、それぞれが脳に赤と緑の信号を送ります。この人間の視覚が持つ性質はテレビの製造にも役立っています。実世界に存在するあらゆる色を組み込むのではなく、赤、緑、青の3つの光を組み込むだけでいいのですから。(TED-Ed2013 より)

なぜ色を感じることができるのか

コーム・ケレハー氏:皆さんは、光は波の一種で、ある物の色というのは、それが反射する光の波の波長に関連している、ということを聞いたことがあるかもしれません。

光の波が高波長だと紫色に見え、低波長だと赤色に見え、中間の波長だと黄色、緑色、オレンジ色などに見えます。この考え方だと、色は光の物理的な性質の1つそのものと言えるので、色は物理的なものといえるかもしれません。

この考え方だと色は人間の感覚と独立しています。これは、間違っていませんが、これだけで完結する話というわけでもありません。

例えば、以前にこのような絵を見たことがあるかもしれません。ご覧のように、赤と緑の光が重なる領域は黄色になっています。よく考えると、これはちょっと奇妙です。

光は波なので、2つの異なる波長はそれぞれ干渉しません。ただ共存するべきです。歌手がハーモニーを奏でるようなものです。

よって、この黄色に見える領域では、2つの異なる光の波、1つは赤の波長を伴い、もう1つは緑の波長を伴います。そこには黄色の光は存在しません。

では、この領域ではどのようにして、赤と緑の光が混ざり合い、黄色に見えるようになるのでしょうか?

これを理解するために、少し生物学を理解する必要があります。特に、人間が色を見る仕組みについての理解です。

光の知覚は眼球の後ろ側を覆っている網膜の細胞がそれに当たります。これは紙一枚の厚さの層で発生します。

人間には3種類の錐体しかない

網膜の中には、2種類の異なる光検知細胞、桿体(かんたい)と錐体(すいたい)があります。

桿体は弱光下で物を見るのに使われており、1種類しかありません。

一方、錐体は桿体と異なり、1つの細胞に3種類存在しており、それぞれ赤、緑、青の色に対して大まかに反応します。

色を見ると、それぞれの錐体が自分独自の信号を脳に送ります。例えば、黄色の光では、黄色の波長を伴う黄色の光が実際に目の中で輝くのです。

黄色を知覚する特別な錐体はないのですが、黄色は緑色とも赤色とも近いので、赤錐体と緑錐体が共に活性化され、それぞれが脳に赤と緑の信号を送ります。

もちろん、他の方法でも赤錐体と緑錐体の両方を同時に活性化させることができます。それは、赤色の光と緑色の光を同時に存在させることです。

要するに、黄色の波長を伴う光を見ようが、緑色と赤色の波長が混じった光を見ようが、脳は同じ信号を受け取るのです。そういうわけで、光では、赤と緑を足すと黄色になるのです。

では、暗所ではなぜ色を知覚できないのでしょうか? 弱光下では、網膜内の細胞の中で、桿体が錐体の役割を引き継ぎます。

桿体は1種類しかないので、脳に送ることのできる信号は、光があるかないかの1つしかありません。1種類の光センサーだけでは、色を見る余地がありません。

無限に多くの異なる物理的な色がありますが、私たちは3種類の錐体しかないので、脳は、赤、緑、青のたった3つしかない色を注意深く組み合わせることで、どんな色も見ることができると錯覚しているのです。

この人間の視覚が持つ性質は実世界でも大変役立っています。例えば、テレビの製造です。

テレビの製造メーカーは、実世界をシミュレートするのに無限に多くの色をテレビに加える必要はなく、赤、緑、青のたった3つの光を組み込めばいいだけです。これは本当に幸運なことです。

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