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section 2 AROUND 25 亀谷長翔氏(全1記事)

「サービスの成長にコミットするのがゴール」エウレカ若手デザイナーの提言

25歳以下の若手デザイナーのためのコミュニティ「UI Crunch Under25」によるイベントに、カップル向けSNS「Couples」のデザインリーダーを務めるエウレカ・亀谷長翔氏が登壇。デザイン未経験の大学生だった亀谷氏が、デザインの基礎を覚えるために、ただひたすら取り組んだというあることについて話しました。また、後半部では、「UIデザイナーが今求められていること」というテーマで、UIデザインとサービスの関係について語ります。

デザイナー歴3年目のデザインリーダー

亀谷長翔氏:株式会社エウレカの亀谷長翔と申します。本日は、タイトルにあるとおり、僕自身、UIデザインを始めてちょうど3年が経ったくらいの状況です。

僕が所属している株式会社エウレカという会社は、「pairs」というサービスと、「Couples」。この2つの自社サービスを運営しておりまして、僕はCouples。こちらのデザインリーダーという立場でやらせていただいております。

本日の目次です。僕の「これまでの道のり」ここは学生さん向けかなと思っているのと、もう一つは「UIデザイナーが今求められていること」という2つの話を、お話したいと思います。

大学をサボり続けた危機感で、インターンへ

まず第1章として、僕がどういうことをやってきたか。

僕のデザイナーとしての始まりは、大学の3年生の頃で、当時は経営学を専攻していました。

ですけれども、ここに書いてあるとおり、僕、大学をすごくサボっていたんです。なので、やることが無くて、というよりできることが無く、結果として学外で何かやらないと「このままじゃヤバイんじゃないか」という状況からインターンを探しています。

そこで出会ったのがエウレカです。エウレカは当時創業2年目で、人手不足というのもあり、僕みたいな未経験の者でもデザイナーとして一旦採用していただけたと。ですけども、この面接のときの一言、これですね。大学の状況を話したら、「ってことは暇なんでしょ? じゃがんばってくれる?」てな形で、本当に放置プレイで、初めてのフォトショップと毎日ググリながら格闘をしていました。

具体的に、どうやって0の状態からデザインを学んでいったのかというと、僕がこういう場で言えることは、これしかないかなと思っていて、こちらです。

本当にシンプルに「ひたすらインプット」。これだけを必死で僕は頑張りました。

なぜインプットだけと言っているかというと、やはりアウトプットはもちろん業務のなかでやることになるので、自然とやっていく機会があるんですけれども、その反面、どうしてもインプットが疎かになってしまうパターンが多いと思っているからです。

ひたすらアプリのキャプチャを撮った

じゃあ、「インプットって何をしたの?」というと、こちら、僕の「Dropbox」のあるフォルダの中身なんですけども、例えば右下「Facebook」と書いてあるフォルダで、こういった形でサービスの名称が書いてあるフォルダがこの中に1000個ほど入っています。

と言われても、よく分からないと思うので、さっそく答えです。

これです。ひたすらに、単純に、アプリを触りまくって、僕、全画面キャプチャを保存していました。

本当にこれだけで良いのかと思うかもしれないんですが、これが今の僕のデザインの引き出しの全てと言っても過言ではないと思っています。やはりUIというのはパターンなので、そこのバリエーションをしっかり、例えば僕みたいにアプリを触るということで覚えていけば、絶対、誰にでもできるようになると僕は思っています。

例えば、ログイン画面だとかプロフィール画面とかいうのは、そんなに種類があるものではないので、しっかりとパターンを覚えてどういうUIにすることが適切なのかをまずは覚える。ここなのかなと思っています。

なので、第1章で言いたいことは、やはり「インプットあってこそのアウトプット」。ここを忘れずに、最初は誰よりも多くインプットしていくと。これをやっていくことで、きっと自信が付いていくんじゃないかなと思います。

UIデザインはなんのため?

駆け足ですけども、第2章です。「UIデザイナーが今求められていることは何なのか?」というところ。最初に触れておきたいのが「UIデザイナーにとって、デザインとは何か?」ということです。

「デザイナー」と「UIデザイナー」は違うと僕は思っていて、今回はUIデザイナーという立場で話をさせていただきたいです。そして、UIデザイナーにとって、デザインっていうのは、やはり目的ではなく手段なのかなと。

UIデザイナーの役割というのは、単純にデザインをすれば良い、良いデザインを作れば良いというところではなく、自分自身が関わっているサービス、これをより良い結果に導くところまで、ここまでやってようやくゴールなのかなと思っています。

言い換えれば、例えばUIデザイナーとして求められているのは「サービス成長へのコミット力」。デザインをして終わりではなく、その先のサービス成長へのコミット力。僕は、自社サービスを運営している会社(の人間)なので、尚更それが求められてきています。

アプリ利用者を満足させるために

僕の場合に当てはめて言い換えると、僕が求められているのは「より良いデザインを作ること」では不十分で、その先の「Couplesというアプリで利用者の方々を満足させること」。ここまでやって、ようやく目的達成だということになります。

「それってどういうこと?」と思うんですが、ゴール、目的に「最高のデザインを作ること」を置いている場合の考え方のプロセスを考えてみますと、アニメーションに力を入れるとか、プロトタイピングっていうのを使ってクオリティを上げていく、っていう考え方のプロセスになると思うんです。

ですけども、UIデザイナーという肩書きにおいては、これだけだと不十分だと僕は思っていまして……。

僕が先ほど言った、「サービスの成長にコミットする」ということをゴールにしっかり置くとどうなるかというと、さっきも出た最高のデザインを作る。これっていうのが1つの選択肢、1つのやらなければいけないことでしかなくなると思っています。

僕を例にして言えば、他の選択肢として、広告の見せ方を考えるということもあったりします。Couplesの場合は、メディア運営もしているので、それを運営していく上でデザイナーが広告の一番良い見せ方は何なのか、というところまで考えなければいけないんじゃないかなと思うわけです。

もうひとつくらい例にとると、リファラルの仕組みを考えるにしても、いろんなアプリを触って事例を知っていれば、別に役職だとか職種に関わらず、誰がこのリファラルの仕組み、機能を提案しても良いと思うわけです。

といったところからサービスの成長にコミットできる能力がUIデザイナーに求められてくるだと感じています。目的というものをちゃんと理解して、そこから逆算をし、手段、つまりデザイナーとしてできることを増やしていけると良いのかなと思います。

基本を押さえ、重宝されるデザイナーに

まとめです。自分自身のキャリアを振り返って見て、「UIデザイナーに必要なものは何か」というところで、まず1つ目。

デザイン面で、やはりデザインをできないといけないので、豊富なインプット、というところから正しいアウトプットを出していけるようになること。これは最低限のところで、誰よりも多くインプットをしていく、これが、まず、デザイナーとしての自信につながるはずだと僕は思います。

もう一点が、UIデザイナーとして、サービスの成長にコミットする。これを目的において、そこから必要な手段を選択して、実行できるようになっていくこと、これが必要なのかなと思います。

最後まで話したんですが、僕自身、まだまだ若輩者ですので、毎日本当に悩んで、頑張っている途中です。だからこその実感値として、この2点ができていれば、絶対にUIデザイナーとしての可能性は広がっていくはずだと思っていますし、UIデザイナーとして重宝される存在になっていくんだろうなと思っています。

とは言いましたけども、UIデザイナーという職種は、まだまだキャリアの前例も少なく、ロールモデルもあまり多いとはいえない業界だと思うんです。ですが、逆に言えば可能性に溢れている職種なのかなというのは本当に思います。ここにいるみなさま全員で仲間として、業界を盛り上げていけたら最高だなと思っています。

最後ですが、株式会社エウレカでもデザイナー大募集中ですので、今回の内容で興味を持っていただけた方は、ぜひいろいろお話できればと思います。

本日はありがとうございました。

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