2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
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藤原和博氏(以下、藤原):改めまして、みなさんこんにちは。
参加者:こんにちは。
藤原:ちょっと聞きたいんですけど、私、生(なま)藤原と今日、初めて会う人だけ、ちょっと手挙げてみて。
(参加者挙手)
藤原:ほぼ全員じゃん。はい、わかりました。その方々にお聞きしますが、初めて会うんだけど、(私の)顔を見るとなんか懐かしい気がしませんか? いわゆる歌手として歌ってんじゃないかと。大体わかりますね。最初の儀式なんですが、どの歌手に似てるのかですね、どんっと言ってほしいんです。僕がどうぞと言ったら、いいですか?
イメージ浮かばない人は、自分の好きな歌手でいいんで。大きな声で、とにかく眠気覚ましで歌手の名前を言ってください。はい、私生(なま)藤原は、どの歌手に似ているでしょうか? どうぞ!
参加者:さだまさし。
藤原:ちょっと小さい声でしたが(笑)。はい、さだまさしですね。僕実は27歳のときに、彼と衝撃的な出会いをしていまして。
27歳のとき、リクルートで広報課長をやってたんですね。宣伝課長と帝国ホテルでお茶を飲んでたら、なんと彼がこれぐらいの距離でお茶飲んでて、それから弟よりも似てる他人として、今日まで付き合いが続いています。
まあ、教育界のさだまさしとも言われているんですが。今日はどちらかというと、ビジネスよりの話をしてみたいと思います。「稼ぎ」っていうものをプロフェッショナルシンキングするっていうようなことになるわけですね。
実はね、小学校でも中学校でも高校でも、最近キャリア教育っていうのが注目されています。先生たちが職業についてとかキャリアについて、いろいろ教えてるんですね。ところが、その先生たちは自分がもらってる稼ぎの本質にまったく気づいてない。こういうことが起こってるんです。
おそらくみなさんもですね、思い返してもらえれば、親からこの稼ぎの本質について教わったことあんまりないんじゃないかと思います。例えばサラリーマンの人なんかも、どうしたら稼ぎを画期的に上げられるのかについて、多分教わったことないんじゃないかと思うんですよ。
意外とみんなが知らないこの稼ぎの本質について、僕は今ここに書いてある図をもとにして、小学生にも中学生にも高校生にも大学生にも、あるいはビジネスマンにも教えてたりするわけです。
藤原:今日、非常に短い時間ではありますけども、この主に2つのボードを使って、稼ぎの本質に迫ってみたいと思います。稼ぎの本質に迫るにはですね、日本の時給問題を考える必要があるんです。
年収というふうにみなさんは言うかもしれないし、月給っていうふうに言うかもしれないけど、年収とか月給って、月にどれぐらい働いているか、年にどれぐらい働いているかで割り算してみると、意外と効率が悪かったりするわけですよね。
なのでこれからみなさんはですね、年間に自分がどれぐらいの稼ぎがあるのか、それを年間に自分がどれぐらい働いているかを示す年間総労働時間、年間総仕事時間で割ってもらって、自分の時給を思い浮かべてもらいながら、この話をちょっと聞いてもらいたいと思います。
私のこの授業はですね、アクティブラーニング型っていって、みなさんにもしょっちゅう考える時間与えますんで、ぜひですね、頭ガンガン働かせながら、この問題を考えていただきたいです。
藤原:この数直線を見てください。左側はボランティアの世界ですね。いわゆる稼ぎとかは関係ないという世界です。
まず、ハンバーガー屋やコンビニのバイトをやると1時間いくら稼ぐかっていうの、みなさん知ってると思うんですが、大体いくらだと思います? ちょっと声出して言ってみて。
参加者:1000円。
藤原:はい、高いほうですね、それは。
参加者:800円。
藤原:そうですよね。800円ぐらいから始まるんですよ。まあ地方だと700円だったりするし、それから夜やると1000円だったりして。それから「頑張ると店長になれる」みたいな感じで動機づけられて、少しこれ(時給)上がっていきますよね。
次は少し右側に行きますね。フリーターって名のつく人たちが800円ぐらいからスタートなんですが。IT系、例えばプログラミングができるとか、コンピューターに触れると2000円ぐらいまで上がってきます。もちろんゲームのプログラミングができれば、これがもっと上がることになるわけです。そして大事なのはこの真ん中ですよね。
真ん中ね。3000円から5000円の領域にこういうふうに斜線を振ってるんですが、サラリーマンとか公務員とか教員の人は大体、年収を年間総労働時間で割ると、これぐらいの間、2000円から5000円の間ぐらいになってきます。
ところで、去年の自分の年収がいくらだってはっきり言える人、言わなくていいからちょっと手挙げてみてください。
(会場挙手)
ですよね。わりとみんな知ってますね。じゃあ、去年の年間総労働時間、自分が何時間働いてるかを大体言える人。
(会場挙手)
3人か4人ですね。これね、これからは絶対に気にするようにしてくださいね。
藤原:標準的な話をすると、例えば1日8時間バッチリ働く人が週に5日間すると40時間ですよね。年間っていうのは50週ありますから、40×50ですから2000時間になりますね。この年間2000時間をまず標準というふうに考えてください。
ワークライフバランスを考えて、スウェーデン並みたいな感じに「わりと楽に生きたい」みたいな働き方だと、1600時間ぐらいの可能性もありますが、日本だとおそらく本当に一生懸命働いてると、2000時間じゃすまないんじゃないかなと思います。
2400〜3000時間の間の人が多いと思います。特にマネージャーとかだったら絶対そうだと思います。
ちなみにね、1日10時間一生懸命働いて、300日働いたら3000時間ですよね。自営業なんかで1日12時間働く人だっているわけですよ。365日毎日働いてる人は4000時間越えてく可能性もありますよね。というような感じです。
標準の2000時間で考えてみて、自分はどうですか? 2000時間未満だっていう人、ちょっと手挙げてみて。仕事の時間ね。いないかな。じゃあ2000から3000時間の間ぐらいじゃないかっていう人。自分は3000時間以上働いてるっていう人。
もちろんね、ブラックに働いてる人もそうかもしれないけど、例えば経営者だったりマネージャーだったりベンチャーやってれば、それは当然自分から進んで3000時間以上働いてると思いますよ。というわけなんです。
じゃあ、その標準で自分の年収割ってみて、ちょっと計算して。いい? 年収言わなくていいからね(笑)。大体時給が僕が言った、2000円から5000円の間だな~という人ね、どれぐらいいますか? ちょっと手挙げてみて。
(会場挙手)
見てください、わりと入ってるじゃないですか。
では、これをいかに右側に上げていくかですよね。稼ぎを上げるっていうのはそういうことです。ちょっとその前に聞いてみたいんだけど、自分の今の稼ぎにもう満足してて、もう上げる必要ないって人いるのかな? 稼ぎ絶対上げたいって人だけちょっと手挙げてみて。
(会場挙手)
ですよね。だとすると、ここから抜け出さないといけないですよね。
藤原:5000円の時給ってどういう時給かっていうと、例えば「あなたの息子を東大に必ず入れます!」みたいな家庭教師は5000円は取りますよね。
もしみなさんが会社員でこの間にとどまってるとしたら、将来に向けての保証だったり、厚生年金だったり、健康保険だったり、そういうフリンジ・ベネフィットなんかも理由として上げられますよね。リスクをあんまり取らないで給料を得ようとすれば、2000円から5000円の間に留まる。こういうことになりますよね。
こっから先なんですよね。要するに、時給1万円以上のところ。これを僕はエキスパートというふうに呼んでいるんですが、例えばですね、大工さんで家一軒丸ごと建てられるような棟梁の場合、1時間に1万円ぐらい課金してきます。
見積りをとってみればわかります。それから庭師でもね、普通の庭師じゃなくて、例えばランドスケープのデザインまでわかる庭師だったら、やっぱり1万円以上課金してきます。
次に例えば弁護士ね。今弁護士が増えすぎちゃって、需要と供給のバランス崩れていて、弁護士になったとしても食えないっていうような時代が始まってるんですが、食えてる弁護士は大体時給3万円ぐらい。
つまりみなさんが例えば離婚の相談で1時間、その弁護士の相談をやったとしたら、つまり弁護士の時間とったとしたら、3万円ぐらいは絶対課金してくると思います。これぐらいはとれるんですね。
そして一番右端にあるシニアコンサルタント。例えばこの学校の学長、大前研一さんもそうですね。マッキンゼーのシニアコンサルタントがどれぐらいとるか、僕が調べたときには8万円ぐらいだったんです。
もちろんこれ本人がとる額だと思うので、当然会社にとしてはこの3倍とか5倍とかをクライアントに請求するんじゃないかと思いますが、大体これぐらいだとすると、この800円から8万円までね、これだけの開きがあるんです。この数直線の両端に。
もちろん、この時給というのが全然意味のない世界っていうのもあります。例えば起業家とかスポーツ選手、音楽家やスターのような人たちですね。例えばこの間、ニケシュ・アローラに孫さんが165億円、1年で払ってるわけですよね。そういう世界もあります。
でも、日本で普通に仕事するとしたら大体800円から8万円の間ですので、ここの話をしましょう。ちなみに、この差は何倍ですか? 言ってみて。
参加者:100倍。
藤原:100倍ですよね。これ100倍の差なんですよ。これね、良く考えてほしいのね。10倍の差だったら運がいいとかね、勘がいいとかね、それで許してもいいんだけど、100倍だぜ。ということはこれね、この謎に迫らないといけないと思うんですよ、やっぱり。
藤原:なぜ100倍の差がつくんでしょうかと。「Why?」と。その鍵が何かっていうことを今日つかんでいただきたいです。これをつかめると、どうしたら稼ぎが増えるかがわかります。いいですか、つまりこの鍵を握ったら、当然どうすればこの数直線の左から右へいけるのかがわかりますから。
これ僕ね、小中高校で同じ授業やってるって言いましたよね。小学生にこれを問いかけると、ちょっとおもしろいんですよ。いろいろな答えが出てきます。「大変さ」とか。でも、「大変さだったら、マクドナルドのハンバーガーつくるのを夜中にやってる人だって大変だから。大変さじゃないんじゃないの?」と。
「熟練」とか「年齢」とか言う子もいます。「年齢っていっても、右側で若いやつもいるよね?」と、そうやって返していくと、彼らは迷ってくるわけですよ。
このあとちょっと議論していただきたいんですが、時間が非常に限られているので、もう1個だけ、大人がよく言うやつを潰してしまいます。「技術」っていう人いるんですよ。ね?
みなさんも言おうとしてたかもしれないんだけど、技術っていうのは例えばIT系プログラマーの技術の高い低いと、庭師の技術の高い低い、比較できます? できないですね。
要するに技術っていうのは、この数直線に垂直に立つ軸で、例えばプログラマーとして2100円から2900円の幅がある、ということになりますね。そうではなくて、この左右、左から右を支配している秘密、力学は一体何なのか。どうすると右側にいけるのか。
鍵は何ですか、というふうにもう1回問いかけますね。
藤原:これから軽いブレストをやってもらいたいんです。3~5人がいいと思うんですね。
3~5人、さっと組んでもらって、まあ隣の人と知らない人が多いと思う、知らない人のほうがいいです。なんか仲間で2人きてるとか、夫婦で2人きてるような人は必ず、カルチャーの違う人を絶対入れて。
ブレストやるときに一番大事なのは、あんまり普段言われたことないと思うんだけど、最初にくだらないことを発言することなんです。ぱっとがん首揃えるでしょ。そのときに自分が一番若い、もしくは何となく若輩だっていうふうに思ってる人。あるいは、年寄りでも自分が、ああ若いんだって思ってる人でもいいんだけど。
その人はね、最初にすごいくだらないことを言ったほうがいいです。要するに絶対違うことを言ったほうがいいです。わかります? そうすると、皆が安心して自分の意見言えるじゃないですか。
逆にね、サッと集まったときに一番えらそうな人が正しそうなことを言っちゃうと、皆黙っちゃいます。
これ、おそらくみなさんの会社でしょっちゅう起こってることなんですよ。だからブレストやろうとかいって知恵出ししようとしてるのに、上司が「例えばこんな案とかさ」とか言っちゃって、それがすごい正解っぽい、正しそうな案だったらもうその瞬間終わりです。
そうなってしまったら、もうやめたほうがいいです。というわけで、できたらとにかく最初にくだらない案を出して、そこからブレストしてみてください。
1分半しかあげません。1分半で、こうじゃないああじゃないこうじゃないって。人の意見でいいのが出たら、それすかさずパクって、自分の意見を進化させればいいんで。いいですか、正解を当てようとしないで、自分の意見を進化させるっていうような感じで、ブレーンストーミングをやってみてください。
周りで立ってる人も、誰1人傍観してはいけないんです。僕のこの「よのなか科」の授業はですね、傍観する人がないように。ぜひでBBTの人も加わってやってもらいたいと思います。じゃあいきましょう、3、2、1、はいどうぞ!
(参加者、ブレーンストーミングタイム)
藤原:何でしょうか、この(時給)100倍の差は? ちょっとせっかくだから先生も入れて、大先生も。あと1分。
はい! じゃあそこまでにしてください。そこまでにしていただいて、次にこっちのボードに移動しますけれども、その前に忘れるといけないんで言っとくんだけど。
今日の僕の話のネタ元は、数年前に出してかなり売れました、この藤原和博の『必ず食える1%の人になる方法』っていうですね、東洋経済の本です。すごく評判になったものです。
そして6月に出た『中くらいの幸せはお金で買える』っていう本で、さらにその内容を補足しています。今日の後半で説明する「コツの2」についてはここにかなり書いてあるので、この両方を参考にしていただければと思います。
まずですね、これは答えがあるんで言っちゃいますよ。いろんな議論が出てました。この言葉をすでにつぶやいている人もいました。ヒントは漢字3文字です。はい、みなさん読めるでしょうか。
「希少性」ということですよね。ここで解説すればすぐわかると思います。こっち側の左の端の仕事っていうのは、まあマニュアルワークって言いますよね。誰でもできるんですよ。なので日本ならある程度日本語ができれば、あとは訓練すればできるような仕事ですよね。
ってことは、誰かこの仕事をやってる人がいても、他の人にとっかえ可能なんですね。需給関係にもよるんですが、とっかえ可能な仕事は基本的には世界レベルの一番低いところに揃っていきます。ですから、今後も低くなるおそれは大いにあります。
それがどんどん右側になりますと、かけがえのない仕事になってくるんですね。かけがえのない仕事です。最後ここは、「やっぱり○○さんじゃなきゃ嫌だ」っていう、そういう指名買いですよね。
右側になればなるほどそういう仕事になるわけです。つまり希少性が上がっていくということになります。
まあ別の言葉でいえば需給関係ですから、稼ぎっていうのもみなさんが中学のときに、あるいは高校のときに習った需給関係から逃れられないわけですね。
要するに、需要がものすごくある分野で供給が少なければ値段が高くなりますし、あるいは需要がそんなになくても、その地域に、ローカルに1人しかいなければ、例えば佐渡島に1人とか、淡路島に1人とかということであれば、絶対に稼げるんじゃないかと思いますね。
藤原:というわけで、希少性というのがこれの正解ですが。この希少性というのをね、子どもに言っても、例えば小学生、中学生に言ってもちょっと難しいじゃないですか。なので僕は子どもたちに何と言ってるかというと、この中にも若い人たちなんかはその言葉のほうがすっと納得できるって人いると思うんですが。
「レアカード」って言っています。わかりますかね。ポケモンカードゲームで遊んだことある人ってどれぐらいいます? ちょっと手挙げてみて。
(会場挙手)
結構いるじゃないですか。現役でやってる人もいるかもしれませんが(笑)。要は、やった人ならわかりますよね。レアカードが一番いいわけですよね。例えばまんだらけ行けば、数万円で売っていたり、ネットオークションでもすごい高くなったりするわけですね。つまりレアカードっていうのはものすごい価値があるわけです。
なので、小中学生でも君たち自身をレアカード化するんだよ、レアカード化しないと稼げる大人にはなれないんだよっていうと、ストンと落ちるんですよ。わかるんですよね。というわけでこの言葉を覚えておいていただきたい。
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