LINEのチャットによる顧客サポートを提供

所年雄氏(以下、所):皆さまこんにちは。ただいまご紹介いただきました、トランスコスモス株式会社の所と申します。

ここからは、トランスコスモスが「りんなAPI for Business」を使って、どのようなことをやろうとしてるのか。いろいろなことをやろうとしていますが、本日は時間も限られていますので、1つだけ、こんなことをやりますというご紹介をさせていただきます。

本題に入る前に、トランスコスモスという会社をご紹介させていただきますと、渋谷に本社がございまして、コールセンターの会社というふうにご認識いただいてる方も多いかと思います。最近におきましては、デジタルマーケティングの領域や、ECを中心にした海外展開という部分での事業拡大を図っております。

私どもが「りんな」を使って何をやろうとしているか。私どもは、さきほど田端様のほうからもご紹介がありました、「LINEビジネスコネクト」というLINE様のサービスの開発パートナーに昨年から認定されておりまして、「オムニチャネルサポートPowered by LINEビジネスコネクト」というサービスをリリースさせていただいております。

これは何かというと、簡単に言ってしまうと、「チャットサポートがLINEでもできますよ」といったようなものになります。お客様が、何か困ったことがあったときに、その企業のビジネスコネクトアカウント宛に、質問をLINEのアプリケーションから投げることができる。

企業側は専用のツールを使って、お客様にLINEを使って答えを返信していくといったことが可能なサービスとなっております。

簡単なデモ動画を流させていただいておりますが、右側がお客様のスマートフォンの画面で、左側がオペレーターが使う、対応する専用のツールになります。何か質問があればいつも使っているLINEのアプリケーションから質問を投げて、オペレーターは質問を専用ツール上で対応して返信していくことができるようになってます。

今ご覧いただいてるように、写真を使って質問、やりとりができるというところに、非常に好評価をいただいておりまして、引き合いなどが殺到しているサービスになっております。

人間のオペレーターの代わりに「りんな」で対応

ただ、このサービスもやはり評価いただいて、利用いただければいただくほどオペレーターが対応しているという部分で、どうしてもクライアント様に、人の部分のコストを負担していただくことになるので、今回私どもは、このサービスに対してオペレーターの部分を「りんな」で対応しようということを考えております。

現在、人が返信しているお問い合わせの対応のうち、よくある質問や世間話レベルの対応は「りんなAPI for Business」が担当しますと。

そして売り上げにつながる特定キーワードが出たら、シームレスで有人対応に変更するという形です。こういったサービス、やってみるとわかるのですが、やり取りをしている会話の50パーセントから70パーセントぐらいは、実は世間話や、答えがあまり必要のない会話だったりとかするんですね。

なので、その部分を「りんな」が対応して、残りの部分の、実際に売り上げにつながっていくとか、サービスの契約につながるような、いわゆる刈り取りの部分は、人が対応しようと。そんな仕組みのサービスを提供していく予定でございます。

例を挙げますと、不動産会社さんのお客様が「こんにちは、暑いですね」っていうふうに言ってきたら、「りんなAPI」のほうは「バテバテ、お部屋探しですか?」みたいなことを答えていくとします。

そのときにお客様が「違う、暇なの」みたいな日常会話を話してきたら、りんなAPI側は「海に行く?」みたいな世間話ですね。すでに「りんな」のアカウントでも展開しているものですけれども、こうやってりんなAPI for Businessで対応していきましょうと。

ただしこれが、「お部屋探しですか?」と言ったときに、お客様が「うん、西日が入らない部屋を探してるよ」なんてことになってきたら、この瞬間に「りんな」からオペレーターに裏側で切り替わって、オペレーターが「場所はどのあたりを希望なの?」みたいな感じで、いわゆる「刈り込み」に入っていくんですね。

システム的には十分可能な技術なんですが、昨日、私が社内で「こんなことやります」って言ったら、「りんな」からオペレーターに変わるところが、「きれいなお姉ちゃんが答えていたら、急に横に怖いお兄さんが出てきた」というようなイメージが出るんじゃないか、というふうに言われたんですけど、そこら辺は、私どももコミュニケーションのノウハウを十分持っておりますので、ご安心いただければと考えています。

こういったことを、トランスコスモスは「りんなAPI for Business」を使って、LINE様、マイクロソフト様と一緒に進めていこうと考えております。

本日、すごく短い時間ですので、十分にご説明できてないかと思います。私どももLINEビジネスコネクトのアカウントを持っておりますので、ご質問などございましたら、LINEアプリの公式アカウントメニューで「トランスコスモス」と検索していただきますと、「トランスコスモスSNS部」というアカウントが出てきます。

友だち登録をしていただいて、質問を投げかけていただければ、私どものスタッフがそのまま対応させていただきます。

本日、入り口のところに置かせていただきましたが、LINE統合サービスというパンフレットを置かせていただいておりますので、そちらに記載のある、問い合わせ先にお問い合わせいただければと思います。

すいません、足早になりましたが、私のパートはこれで終了とさせていただきます。本日は、ありがとうございました。

LINEビジネスコネクトと接続する「Dialog One」を提供

佐野健氏(以下、佐野):所様、ありがとうございました。続きましてデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社から、佐瀬様にご登壇いただければと思います。佐瀬様、よろしくお願いします。

佐瀬博久氏(以下、佐瀬):皆さまこんにちは。ただいまご紹介いただきましたデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムの佐瀬と申します。会社名が長いので、DACと呼ばれております。

本日は弊社DACが、「LINEビジネスコネクト」と接続してご提供させていただいている「Dialog One」についてご紹介させていただきます。

はじめに弊社のこと、それほど認知の高い会社でもないので、弊社の立ち位置と、どうやってサービスをご提供させていただいているかという部分を、ご紹介させていただきます。

弊社は博報堂DYグループの一員として1996年に設立しました。広告会社様と、ネットメディアを運営されている媒体社様の間に立って、メディアレップという業態でサービスを提供しております。

大きく分けて2つ、メディアサービスとテクノロジーサービス、この2つを提供させていただいておりまして、メディアサービスでは、広告主様や広告会社様が、プロモーション上の課題がある場合、そこに対して最適なメディアプランや、運用体制をご提供させていただいてる状況です。

テクノロジーサービスに関しましては、弊社で、内製で「マーケティングソリューション」というものを開発していますし、海外からソリューションを持ってきて、日本でローカライズして提供させていただくというサービスも展開しております。

LINEの話に戻りますが、LINEさんが昨年「LINEビジネスコネクト」を提供するようになってから、LINEというものは、今まで僕たちはメディアとして見ていたんですが、「LINEビジネスコネクト」の登場によって、マーケティングソリューションというものにもなりました。

弊社は、メディアサービスのチームと、テクノロジーサービスのチームを統合して、LINE専用のLINE担当チームとして、今回ご紹介させていただく「Dialog One」を開発し、広告主様に、ご提供させていただいております。

人工知能で「りんな」と連携しサービス提供

「Dialog One」がどんな機能を提供しているのかというお話をさせていただく前に、まず、どういった企業さんにご利用いただいているかを、先にご説明させていただきます。

現在、今年1月から不動産企業様や飲料メーカー様、都市銀行、メガバンクさんにご利用いただいております。

そのほか、9月10月からどんどん大きくなってくるのですが、ドラッグストア様やエステ企業様、クレジットカード企業様、そして県庁の方々にご利用いただいております。見ていただいてわかるとおり、業種を選ばず、さまざまな企業様にご利用いただいております。

じゃあどんなサービスをご提供させていただいてるのかというところを、ここからご説明させていただきます。

「Dialog One」自体は、これという機能、ピンポイントで言えるものはないのですが、基本的にここにあるように、上からセグメント別メッセージ配信機能、アンケート機能、左下にある人工知能の部分で「りんな」と組んでサービスを展開させていただきます。

本日は、さきほどご紹介させていただいた7社に、一番利用されているセグメント別メッセージ配信という部分を、それに付随したアンケート機能、アクショントラッキング機能について詳しくご説明させていただきます。

さきほど田端様からもご紹介がありましたが、まず、セグメント別メッセージ配信機能の仕組みについてご紹介させていただきます。

LINEユーザーと企業が持つ顧客データをひもづける

現状、LINEで公式アカウントなどのアカウントを開くと、だいたい数十万人から数百万人のLINEユーザーを囲うことができますが、その人たちを「Dialog One」をハブに企業の皆様がお持ちの顧客データと、それぞれひも付けていくことができます。

ひも付けることで、例えば一番上の女性で「20代会社員」という人にだけピンポイントでメッセージを配信することができますし、「男性 20代大学生」と双方にコミニケーションを取ることもできます。

女性だけに、お得なクーポンを配信するということもできるようになっています。

今、簡単に数十万人から数百万人の人たちを顧客データとひも付けるとお話してしまいましたが、ここに1つだけ課題があると、感じております。

これは概念的な図になりますが、今、一番右に人が囲ってあった図を丸で表していますが、友だち登録ユーザーが、だいたい数十万人から数百万人囲えるのに対して、顧客データとひも付けられるのはどれくらいか。顧客データとひも付け済みのユーザーが徐々に広がっていって、その人たちに関しては個別配信が可能です。

一方、黄色くなった部分、多くの人たちは、まだまだ顧客データとひも付けることが、そう簡単にはできないことでもあります。そのため、ここにもったいない部分があったりします。

この人たちに対して、もっと密に、最適なメッセージを配信してプロモーションにつなげていくことが重要だと考えております。

会話データをもとにOne to Oneコミュニケーションを展開

そこを補うため、さきほどご紹介したアンケート機能と、アクショントラッキング機能をご提供させていただいております。

このアンケート機能に関しましては、商品の認知度や好意度をアンケートで聞いたり、アクショントラッキング機能に関しては、LINEユーザーが、「どんなメッセージに反応してくれてるか」というところを、データとしてためておくことができます。

そして今回「りんな」と組むことで、企業アカウントとユーザーさんの間で、言葉のメッセージのやりとりがあったとしたら、それをすべてログとして残しておいて、その人がどんな特性なのかという傾向が読み解けるようになってくるようになってきます。

それを元に、さきほどの顧客データとひも付けるというところでなく、アンケート機能で取ったデータ、アクショントラッキング機能で取ったデータで、より広いユーザーさんにセグメント配信、One to Oneコミュニケーションを取っていくことができます。

今ご説明したものをもう少し細かくご説明すると、こういう図になっております。

顧客データはなかなか「持ってないよ」という企業さん、特にメーカーさんがいらっしゃると思います。

そういう場合、アンケートデータやアクションデータが「Dialog One」にたまっておりますので、「Dialog One」自体を、新しいライトな顧客データベースとして考えていただいて、こちらを元にOne to Oneやセグメント配信に使っていただければ、と考えております。

ほかにもさまざま機能は持っているのですが、本日は時間の限りがありますので、ここまでとさせていただきます。

マスとOne to Oneマーケティングの両方で効果を上げる

最後に、弊社がどんなご提案をさせていただきたいかといいますと、やはりLINEさんの一番の強みとなるところは、「マスボリュームのユーザーさんと、LINEアカウントを通してつながれる」という部分がありますので、まずはマスマーケティングの観点は絶対に忘れてはいけないと思っています。

今回LINEビジネスコネクトを活用することで、One to Oneコミュニケーションというマスとは真逆の考え方の部分が可能になります。

なのでマスマーケティングとOne to Oneマーケティングを、両方うまく活用して、皆様にとって効果のいいプロモーションへと持っていけるように、ご提案させていただきたいと思っております。

簡単にはなりますが、以上となります。ありがとうございました。

LINEとりんなを通じて新しい顧客層の獲得が可能に

佐野:佐瀬様、ありがとうございました。それでは最後に私のほうから簡単に、本日のセッションのまとめに入らせていただきます。

本日、3社のパートナー様からお話がありましたように、「りんなAPI for Business」の利用シナリオといたしましては、やはりLINE様を通じた従来のマーケティングにはない、「新しい顧客層の獲得」が狙えるんじゃないかと思っています。

さらに「りんな」との楽しい会話を通じて、顧客との継続的な接点の確立、あるいは我々が女子高生の人工知能の「りんな」で目指しているような、エンドユーザー、お客様との感情的なつながりを構築することのお手伝いができるのではないか、と考えております。

会話エンジンのニーズは、いろんなところにあると思うのですが、例えばサポートのようなシナリオで、10代の電話では抵抗がある、若い世代が今、増えてきています。

そういうかたが、テキストのチャットで気軽に問い合わせができたり、それがさらに従来の応答システムとは違う形で、よりフレンドリーで、自然な会話でユーザー様が求めている情報にたどりつくというシナリオが「りんなAPI for Business」で実現できるんじゃないかと思っています。

皆さんへのお願いも含めたまとめなのですが、まずは今日、いろいろお話をさせていただきましたが、この女子高生の人工知能の「りんな」と会話をしてみてください。

やはり若年層のユーザー様をターゲットにしていますので、少し違和感を感じる部分も、あるかもしれないですけれども、そこは気持ちを若く持っていただいて、「なるほど、こういうものがおもしろいのか」ということで、ぜひお試しいただきたいなと。

具体的にはLINEの公式アカウントで「りんな」と検索していただくと、そこから友だちになれます。

「りんなAPI for Business」は、本日お話いただきましたトランスコスモス様とDAC様が販売、運営されますサービスの裏側で動きますので、ぜひ2社のパートナー様にお問い合わせをいただきたいと考えております。

最後になりますが、ぜひこの2社のパートナー様にご相談をいただきたいということと、ご質問などございましたら、御社のご担当営業、マイクロソフトの営業にお問い合わせいただくか、このあと、こちらの会場の裏側になりますが、展示会場のそばで、今話したメンバーがAsk the Speakerコーナーにいますので、お時間がありましたら、ぜひそちらのほうにお立ち寄りいただければと思います。

それでは以上で私のセッションを終わりにします。

FEST2015の公式イベントレポートはこちら

制作協力:VoXT