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LINEビジネスコネクトと人工知能型会話エンジン「りんなAPI for Business」を用いた新しいマーケティングソリューショ(全3記事)

2015.10.09

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LINE田端氏が語る「自然な会話を通じたマーケティング」の可能性

提供:日本マイクロソフト株式会社

日本マイクロソフトが開催したイベント「FEST 2015」で、LINE上でまるで女子高生のように会話ができる人工知能「りんな」についてのセッションが行われました。LINE上級執行役員の田端信太郎氏は、LINEの最新の状況や企業における活用事例について話しました。LINEは、現在置かれている「個人のコミュニケーションプラットフォーム」から、「企業のマーケティングプラットフォーム」へと脱皮しようとしており、今後は企業とユーザーとの自然な会話を介したマーケティングを促進していくと語ります。

LINEは既存のソーシャルメディアを置き換える存在に

田端信太郎氏(以下、田端):ただいまご紹介いただきました、LINE株式会社の田端と申します。皆さんよろしくお願いいたします。

私のほうからは今回の取り組みが、そもそもLINEの中で行われるものですので、LINE全体の状況について。

あるいは皆さん、ほとんどのかたが、いち個人としてLINEをお使いいただいてるんじゃないか、と思うんですけれども。企業のマーケティング、あるいはカスタマーサポートなどの法人分野において、LINEがどういった状況にあるのかということについてお話させていただければと思います。

まず大変恐縮なんですが、LINEを使っていただいてるかたは挙手をしていただいてもよろしいですか?

(会場挙手)

田端:ありがとうございます。8割ぐらいのかたに、お手を挙げていただきました。

今、特に日本や台湾、タイなどの環境では非常に使われるスマートフォンのプラットフォームになっていると思っているのですが、ユーザー状況について、確認をさせていただければと思います。

LINE自体は、4年前、2011年6月に誕生したものです。この4年強の間で、どのぐらい成長したかといいますと、全世界で、我々のマンスリーのアクティブユーザーが、2億人を突破しております。

また、今ほとんどのかたがお手を挙げていただいたように、日本では5,800万人の、あるいは日本以外でも台湾、タイ、インドネシアといったような、主要4か国において、メッセンジャーアプリとして、トップのシェアを誇っております。

そういったアジア以外でも、いろんなところへ展開させていただいていまして、グローバルでは今、2億人を突破したアクティブユーザーがいるスマートフォンのメッセンジャーアプリとなります。

2か月ほど前に「Business Insider(ビジネス・インサイダー)」というアメリカの非常に有名なメディアが伝えていた記事なんですが、メッセンジャーアプリは、ソーシャルメディアの一部というふうに捉えられてるかたが多いかもしれません。

しかしLINEのような大手のメッセンジャーアプリを足し上げていきますと、今やFacebookやTwitterというソーシャルメディアのトータルユーザー数すら超えてるという部分もあり、メッセンジャーアプリは、今やソーシャルメディアの一部というより、既存のソーシャルメディアを置き換えうるような大きなウェーブになっております。

実際LINEがどのくらい使われているかというと、例えば毎日LINEの中を飛び交っているメッセージ数は、1日170億通となっております。

マンスリーのアクティブユーザーが2億人ほどですので、そのマンスリーアクティブユーザーベースで考えてみても、1日平均85通のメッセージが飛び交っていると。

スタンプでの感情表現がユーザーに刺さる

皆さんがLINEを使われるときに、一つひとつの吹き出しが、ここにある「メッセージ1個1通」というところでして、「中毒的」というと語弊があるかもしれないのですが、おそらくスマートフォンの中で最もよく使われるアプリのジャンルではないかと思っております。

LINEの特徴というと、「ステッカー」が挙げられると思います。皆さんは、「ありがとう」とか「オッケー」とか「ごめんね」ってスタンプを、いろんな形で送られてると思うんですが、ある種非常に効率的な、「モバイルで忙しいタイミングに向いた感情表現」という部分が一番刺さりまして。

テキストで5文字「ありがとう」と打つよりは、無数にある「ありがとう」と言っているスタンプの中から、「自分が言いたい『ありがとう』は、これだな」という形で選んでいただける。「感情表現の自由」をもたらしたというところで、ユーザーには受け入れていただいています。

さらに言いますと、企業様が自社の、例えばソフトバンクさんだと「白戸家の白い犬のお父さん」とか、サントリーさんだと「ダカラちゃん」とか、そういうCMキャラクターをスタンプにして配信するという広告モデルのほうも、どんどん進んでおります。

なぜスタンプが、こんなに受けているのか。

これはアルバート・メラビアンという有名な心理学者の研究結果により証明されているのですが、人間と人間がこうして普通に話して会話しているとき、実は93パーセントの情報は言葉からきていません。

例えば、今の私のこのプレゼンで言わせていただきますと、この身ぶり手ぶりだったり、声のトーン、スピードであったり、そういうボディランゲージの部分の情報がはるかに多くて。

私が話した内容を純粋に文字起こしして、今日いらっしゃることができなかったかたが見ていただいたとする場合は、実は93パーセントの情報がこぼれ落ちてるんですね。

そういう情報をどうやってスマートフォン上、あるいはインターネット上のコミュニケーションで少しでも復元していくかという部分で。

「ありがとう!」っていうか、「ありがとう……」っていうか、「ありがとう」っていうのか分からないですけど。

いろんな「ありがとう」を表現していく手段としてスタンプ、英語で言うステッカーを発明、表現させていただいたということが、今の現状になります。

企業利用も、スポンサーのスタンプという形でどんどん進んでいるのですが、LINEの中では企業のマーケティング的なメッセージと、もともとユーザーさん同士のコミュニケーションが、渾然一体の形になって展開させていただいてます。それが効果的だということが挙げられるんですね。

これまでのネット広告、ほとんどの場合いわゆるバナー広告があったりして、これはテレビで言うと、本編とCMがきっちり分かれているようなものですね。そういう形でマーケティングをしていても、たとえばAppleさんのiOS 9の機能ですと、広告ブロックの機能といったもの自体が議論されている状況です。

そんな中、バナー広告だけ出して効くはずがないのですけれども、LINEのスポンサーのスタンプ、あるいは人工知能を介した会話型のサービスであれば、より効果的になってくるんじゃないかということを確信しております。

企業のマーケティングプラットフォームへの進化

皆さんもいちユーザーとしてはLINEをお使いいただいてると思うんですが、皆さまが所属されている企業の中で、LINEを法人向けに利用されているかたというのは、まだまだ少ないんじゃないかと思います。

今LINEは、個人のコミュニケーションプラットフォームとしているポジションから、企業のマーケティングプラットフォームへと脱皮しようとしております。

具体的には、主要なメインの商品となっているのが「公式アカウント」と我々が申し上げているものなんですが、今やいろんな企業さんや、チェーンストアさん、スポーツ新聞、テレビ番組さんなどがアカウントをお持ちいただいていまして、グローバルに今、750以上の企業やブランドがお持ちいただいています。

これは、身近なところでは例えばローソンさんとか、あるいは高級ブランドでいいますと、例えばDiorさんやBURBERRYさんとか。あるいは全然違ったところですと、Amazonさんや楽天さんのようにEC企業。あるいはコカコーラさんのようなナショナルブランド。

あらゆる業種の、あらゆるサービス、あらゆる業界のところが公式アカウントをお使いいただいて、スマートフォン上で、ほかのメディアでは接点を持ちにくいユーザーさんにマーケティングされてます。

もう1つ我々の特徴であるステッカー、日本名で言うとスタンプなんですが、これもLINE自体がデフォルトで提供させていただいてるスタンプと、有料で買っていただくスタンプ。

これはディズニーさんとか、ドラゴンボール」、あるいは「ちびまる子ちゃん」だったり、そういうものが多いんですが、企業のキャラクターやCMタレントさんがそのままスタンプ化されて出てくるというようなものも、どんどん増えてきております。

そういう形で企業やブランドが配信されるスタンプというものも、グローバルでは700ケース超えてますし、延べ28億人以上の方が、ダウンロードされております。

法人向けAPI「LINEビジネスコネクト」の登場

アカウントとスタンプという形で拡大してきたLINEの法人利用ですが、そちらをもっと次の次元に、というところで、よりダイレクトに、あるいは双方向にやっていこうとやらせていただいてるのが、この技術。

「りんな」と法人利用、実現していく技術基盤でもある「ビジネスコネクト」になります。

具体的にどういうものかというと、LINEの公式アカウントに対して、企業さんが、外の自社システムからメッセージングのツールとして利用できるようにAPIを改造した形になります。

企業さんが持っていらっしゃる、あるいはクラウド上にあげている自社の顧客データベースや、ビジネスの業務システムとLINEを接続して、CRM的にユーザーとやりとりするときのインバウンド、アウトバウンドのチャネルとしてLINEを使っていただけることが可能になったのです。

こちらは1年半ほどやっていまして、30以上の企業さんが利用しています。

日本郵便のアカウントに写真を送るとオリジナル年賀状が返ってくる

代表的な利用事例ですと、去年の秋くらいから発売されて、今年の元旦に送られた2015年版の年賀状。若者の年賀状離れがありますが、日本郵便さんがLINE上でアカウントを開かれて、普通の公式アカウントとは双方向の機能はできないのですが、ビジネスコネクトを活用された。

日本郵便さんのアカウントに、スマホの中にいっぱいたまっているスナップ写真を送ると、顔を認識して、顔だけ切り抜いて、オリジナルのLINEのはがきが返ってくると。それをそのまま買おうと思ったら、スマホ上から買って、印刷された年賀はがきの束が50枚や100枚、家に届くという形でも実現されています。

これもビジネスコネクト上に双方向で、かつOne to Oneの機能があるからこそ実現ができる機能です。

もう1つ代表的な事例は、若者層に対して、「もっと投資を訴えていきたい」という中、個人向けのネット証券は、非常にシェアが高いSBI証券さんが実現されていますが、LINEのアカウント越しに株価のデータなどをやりとりして、株の売買ができる。

あるいは、もしかしたら今後、株の相場や自分の持ち株が、ある一定以上激しく動いているときだけLINEに通知が来るとか。

あるいは、狙っている銘柄がものすごく下がっている場合、「買いますか?」とアラートが来たり。そういう展開も今後考えられると思うんですけれども、「株の売買のブラウザ」じゃないですよ。LINEの窓を使ったチャットの形の中で実現していくということが挙げられています。

人とデバイスがLINEで会話できる時代に

さらに、今日の話にもつながりますが、LINEを使った会話は、当たり前ですがこれまでは主に、人と人とが会話するものでした。ところがいわゆる「IoT(Internet of Things)」と言われている時代には、LINE越しに人と、いろんなハードウェアやデバイスが会話をしていくことも可能なのではないかと思います。

ガリバーさんが実現されている「DRIVE+」(ドライブプラス)というサービスは、自分の愛車とLINE越しに会話ができる。「バッテリーどれぐらい残ってるかな」とか。

特に電気自動車の場合は、「充電完了してるかな」とか、「何パーセント残ってるかな」というシビアな部分であったり。

「車がどこに止まっているか、大きなショッピングモールで忘れちゃった」といった場合に、「車はここに止まってるよ」とか。あるいはランチタイムの休憩中に「ガソリン何リットル残ってる?」って聞けるサービスが可能になってきます。

ビジネスコネクトを活用していただくことで、これまで一般人同士であったLINEのマーケティング、コミュニケーションの部分が、より双方向に、人と企業、人とブランド、そして人といろいろなデバイスが、文字通り会話できるようになっていくと思っています。

もちろん、この実現手段には、コールセンター的にオペレーターで会話をしていくみたいなことも有り得るのかもしれないですが。それをよりスケールしていく中で、今回マイクロソフトさんと協力させていただき、「りんな」のような人工知能のエンジンがLINE上で動いて、しかもそれが企業のマーケティングやカスタマーサポートに生かせるようになっていくということに、非常に興奮しています。

このあと実際の事例を、LINEのパートナーでいらっしゃるDACさんとトランスコスモスさんからご紹介いただけると思います。

自然な会話を通じたデジタルマーケティングへ

これまでネット上のマーケティングという、あるいはBingも検索エンジンですが、「検索窓に単語を打ち込む」という形が、一般の消費者から企業やブランドに対して何か意思表示をする場合に多いパターンだったと思います。

しかしLINE上で、検索窓というものではなく、自然な会話に基づいて、「自分はこう思う」とか、「こういうことをやりたい」、「こういうものはないのか」という意思表示をしていくことが、もっとも自然かと思っています。

「りんな」のようなエンジンを通じて、これまでの単語を放り込むような場面であるデジタルマーケティングから、自然な会話を通じたデジタルマーケティング、あるいはカスタマーサポートへ、どんどんシフトしていきたい。

そこにはLINEのようなコミュニケーションのアプリ、メッセンジャーのアプリが最適なんじゃないかと考えております。

私からの話は以上になります。ありがとうございました。

企業に会話エンジン「りんな API for Business」を提供

佐野:田端様、ありがとうございました。お話いただいたように、「りんな」という女子高生の人工知能を、今後、私どもマイクロソフトではLINE様と、本日お話いただく2社のパートナー様と一緒にビジネスにしていこうと考えています。

テクノロジーにおけるプラットフォームとしての「りんな」、女子高生設定の人工知能としての「りんな」は、さらに「りんな API for Business」という形で、パートナー企業様を通じて、企業様のアカウントに会話エンジンを提供していこうと考えております。

それは具体的に、どのように実現するのかというところを、こちらのダイアグラムでご説明させていただきたいんです。

まず会話のデータベースというものを作っていかないといけないんですが、実はBingという検索エンジンは非常にオープンなものでして、オープンなデータを企業のお客様が活用されるというのは、いろんなリスクがあります。

まずは、Bingはやめたほうがいいだろうと、企業のお客様には「会話のデータベースをお持ちでないですか?」ということを、聞いています。

さまざまな能力の話を申し上げましたが、能力の部分や解析をする部分は、まだB to Bには少し早いと思っています。まずは単純に、企業様がお持ちの会話データベースをベースに、エンドユーザーのお客様と会話をしていくものを「りんなAPI for Business」に仕立て上げていこうとしています。

企業アカウントをお持ちのお客様が、ビジネスコネクトと実際につなげる部分につきまして、パートナー企業様が運用を担っているケースが多いと伺っています。

その中でも今回、トランスコスモス様とDAC様とで協業させていただきまして、その2社と、その下にぶら下がる形で会話エンジンの「りんなAPI for Business」を、お客様に提供していくということが、現在、私どもが考えている「りんなAPI for Business」の運用スキームです。

それではさっそくパートナー様のほうからお話をいただきたいと思います。トランスコスモス株式会社様から所様、よろしくお願いします。

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