メルカリの炎上対策

司会:ここからは、クックパッド株式会社中山様、株式会社メルカリ苅田様、株式会社nanapi久間、そして株式会社nanapiの古川をファシリテーターに、今皆様に記載していただいたことをテーマに、コミュニティマネジメントに関してパネルディスカッションを行います。それではこの後、進行は古川に移させていただきますので、よろしくお願いします。

古川健介氏(以下、古川):よろしくお願いします。それでは、皆様からのご質問に対して、多かったものから順に聞いていきたいと思っています。

一番多かったのは、安全安心とか、炎上対策のところですね。「炎上対策についてどうしているか」「良い投稿悪い投稿の線引をどうしてるか」。

ちょっと皆さんに聞いていきたいんですが、まずはメルカリの苅田さんから。問題のある投稿があったときどうしてるかとか、炎上したときにどう対応しているか、とかありますか?

苅田直也氏(以下、苅田):まずメルカリに関して言うと、商品とコメントというところでユーザーの投稿があるんですが、商品に関して言うと、大前提としては安全であること。プラスアルファとして違法性がないこと、という2軸にはすごい重きを置いていて。

それ以外のところ、言ってみればどこまでグレーゾーンがいけるのかっていうところに関しては、カスタマーサポートのリーダーと社内の法務のほうで常にコミュニケーションとりながらラインを決めているという感じです。

古川:問題のある投稿って、一見してわからないものが多いと思うんですよ。たとえば、著作権犯してるとか。その辺のチェック体制とか、どうしてるんですか?

苅田:直近の取り組みでで言うと、権利者の方と直接連携して進めたりしているケースもあります。

クックパッドのパクリ投稿への対応法

古川:ありがとうございます。中山さん、クックパッドのほうはどういった炎上とかトラブルがあるのかから、その対策法まで、教えていただいて良いですか?

中山:よくあるのは、レシピっていろんな方が書いていると似たようなレシピも多いですし、実際雑誌に載っていたプロの方のを転載してしまったっていうのもあったりするんです。

それを防ぐというか、今クックパッドのレシピには項目の中で「このレシピの生い立ち」っていう欄がありまして。作者さん自身がこのレシピを書くときに、このレシピがどうやって生まれたかっていうのを、自分の言葉で書いてもらってるんですね。

元々はこの欄はなかったんですけれども、パクリ疑惑だとか炎上してしまう事案が増えたときに、「パクリはやめてください」とか「違います」とか言うよりも、作者さん自身にきちっとそのレシピの生い立ちを書いてもらうことで、作者さん自身も振り返って私のレシピだなと感じることができるし、客観的にレシピを見た方にとっても、このレシピはどういうふうにできたかって伝わるようになりました。

例えば「おばあちゃんから教わって親子3代続いている大事なレシピです」って書いてあると、そのレシピの価値自体も高まることになって、皆もより興味を持てるようになるので、できるだけ「禁止」とか「だめです」って表向きに言うよりは、サービスの中で自浄作用というか、自然に意識して書けるように持っていくっていうのは、結構上手くやってるかなと思います。

古川:プラットフォームでそれが解決できるのは、めちゃくちゃ素晴らしい感じですね。ありがとうございます。

ユーザー間の揉め事にはあまり介入しない

古川:それでは久間の方から、アンサーではどういったことをやってるか紹介してください。

久間:アンサーでは、ガイドラインや利用規約に反するような良くない投稿、例えば出会いを求める投稿ですとか卑猥な投稿っていうのは、どんどん厳し目にというか、こちらも頑張って削除とかしていっています。

一方で、捉える人によっては嫌に思うようなもの、例えば誹謗中傷だったりとか、ユーザー間の揉め事とか。そういったことには、投稿としてはあまり消さないようにというか、お任せするようにしています。

そうしている理由は、運営が本当にその人が嫌だったかっていうのを、どこまで判断したら良いのかわからないっていうのと、考え方としてあんまりきれいな場所にし過ぎたくないっていうのがあって。

こちらがめちゃくちゃ管理しているきれいな場所って、逆に不自然だと思っているので、そういったユーザー間に起こることについては、まずはユーザーさんに「自分たちで解決してみよう」っていう感じでお返ししたりすることが多いです。

「クックパッドは上位投稿者に電話している」は都市伝説

古川:ありがとうございます。次はフィードバックのところですね。「ユーザーの声ってどうやって反映されてますか?」。また、ちょっとおもしろいなと思った質問は、「休眠しているユーザーさんとのコミュニケーションはどうしてますか?」とか「ユーザーアンケートを取るというのは、施策としてタブーじゃないかという意見もありますが、どうしてますか?」などがあります。

では、中山さんに「ユーザーさんと直接コミュニケーションして声を吸い上げる」みたいなことは、どういうことをやっているのかお聞きしたいと思います。

中山:ユーザーインタビューはちょこちょこやっています。発表でもちょっと話したんですけど、今目の前にいるこの人が、1つのモデルケースとしてどういう気持ちでレシピを投稿したり利用したりしているのかっていうのを聞くためです。

ユーザーインタビューの目的は、皆さんの意見を聞くというよりは、こちらが立てている仮説の確認というか、それがハマっているかの確認みたいなかたちで聞くことが多いですね。

古川:なるほど。一説によると、上位の投稿者の方に電話をしていたって噂を聞いたことがあるんですけど、あれは……。

中山:電話はしてません。どこの都市伝説ですか(笑)。

古川:わかんないです!けど、これ僕、めちゃくちゃ人に言っちゃってたんですよ。「クックパッドは電話しているんだぞ!」って。

(会場笑)

中山:してないです。1度もしてないです(笑)。

ユーザーの声をどう吸い上げていくか

古川:あれ、おかしいなあ(笑)。苅田さん、どうですかね?

苅田:うちの場合は、ユーザーの声をどうやってプロダクトに反映していくかっていうところで申し上げると、社内で日報の仕組みが結構整ってまして、カスタマーサポートのスタッフが100名くらいいるんですけど、100名が日報を書いて、それを僕だったり経営陣も見てたりするんで、そこから結構吸い上げていくっていう感じ。

古川:日報、おもしろいですね。

苅田:ただ、ユーザーの声を全て聞いてるとなかなか良いプロダクトってできないと思うので、いかにその中で本質的な課題をチョイスするかっていうのは、常に試行錯誤しながらやってる感じですね。

古川:結構ユーザーさんの直接なフィードバックってそのままでは使えないことがあると思うんですけど、どういう基準で、「これは本質的にはこういうことだ」みたいなのを判別してるんですか?

苅田:例えば、日報を見たときに、特定のキーワードでトラブルが結構起こってるなっていうときは、SQLを叩きにいって、実際デイリー何件くらいそういうトラブルが起きてるかって見た上で、それが解決すべき課題だと判断したら、さらに詳細を詰めていくっていう感じですね。

古川:なるほど。アンサーではどうですか?

久間:アンサーは、発表にもちょっとお話したんですけど、コミュニケーションをとりやすいサービスなので、自分のほうからどんどん出ていって、わりと気軽に、雑談も含めて話しにいって、そこから意見を貰うっていうことが多いです。貰うだけではなくて、こちらの考えとかを共有させてもらったりして、ユーザーさんと一緒に理解を深めていったりします。

アンケートもやったりしたんですけど、目的は量とか計るというよりかは、定性的なことを計るためのアンケートにしていたので、多いものを採用するとかではもちろんなくて、「こんなこと言ってる人がいる」とか分類分けして、開発チームにお戻しして、施策に落とすっていうことをやったりもしました。