辛酸なめ子氏から学ぶ「仕事や運気の高め方」

辛酸なめ子の「善行ビジネス講座」第2回 ゲスト平松昭子氏 #1/5

漫画家・コラムニストの辛酸なめ子氏が「ビジネスにおける運気の高め方」を紹介する「善行ビジネス講座」。第2回となる今回は、ゲストに平松昭子氏を迎え、自身のイラストレーターやファッションブロガーとしての仕事事情を語ります。「普段Webで見ることのできない写真」を元に語られる平松氏のエピソードや、辛酸氏ならではの切り口で迫る業界の裏側は必見です。本パートでは、平松氏が作品紹介を通じて、一見嘘をついているように感じる社交辞令の是非について触れ、「すべてに正直でなくてもいい」と摩擦を避けることの大切さを提言しました。(第2回辛酸なめ子の「善行ビジネス講座」より)

運気を高める「善行ビジネス」とは?

辛酸なめ子氏(以下、辛酸):この度は、お越しいただきましてありがとうございます。辛酸と申します。

今日は、何度か仕事でお世話になって、いつも作品がすごいすてきで、またこれを機会にお会いできたらと思っていた平松さんに、仕事や運気の高め方についてお話を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

平松昭子氏(以下、平松):平松昭子です。皆様、今日はお越しいただきありがとうございます。なめ子さん、ゲストに呼んでくださりありがとうございます。いろいろな運気の上がる、運気を高める、皆様のお役に立つような楽しいお話をできたらなと思っていますので、よろしくお願いいたします。

辛酸:今日もすごいすてきな着物を着られて、浴衣なんですか、それは?

平松:これは浴衣なんですけれども、着物としても着られるよそいきの浴衣で、銀座のちょっといいところの「ゑり善」さんであつらえました。なめ子さん(のお洋服)もかわいいですね。

辛酸:ありがとうございます。これは表参道のVIA BUS STOPのセールで買った服です。

平松:すてきです。

辛酸:ありがとうございます。

今日はすごい写真をたくさんお送りいただいて、幼少期の写真とかもあったんですけど、拝見していたら昔からすごいおしゃれだったという。

平松:そうですか? あんまりおしゃれな子供のときの写真がなかったんですけど。せっかく皆様、わざわざいらしてくださったので、普段見られないような、今Webでクリックすればどんな写真も出てきてしまうんですけど、出てこない写真を今日はご用意しました。

辛酸:そうなんですね。まず自己紹介というところを拝見します。

平松昭子氏のイラストワーク

(出典:文藝春秋「週刊文春」)

平松:なめ子さんが連載されている「文春」ですよね。

辛酸:はい。こちらは毎号文章を読んで、それを元に来示されているんですか?

平松:林真理子さんの原稿がだいたい、毎週木曜日の夜中に届くんですね。それを金曜日の夕方までにイラストを描かなくてはいけないんですけど、私もそんな夜型ではないので、だいたい朝読んで、夕方納品ですが、たまに2時ぐらいとか3時、夕方ちょっと前ぐらいに原稿が来て、1時間で描いたりとかもありますね。

辛酸:その間は旅行ができないみたいな?

平松:でも旅行はしたいので、空港で描いたりとかも。そしてアシスタントさんに送って、ちょっと色調を調整してもらったりして納品したり。あとはFAXで2枚描いて送って使ってもらったりしています。

辛酸:こちらが雑誌の「GLOW」ですね。

(出典:宝島社「GROW」)

平松:これは40代のファッション誌の「GLOW」で、もう5年連載をやっているものです。エッセーとファッションスナップを自由にやらせていただいて。

辛酸:こちらは特にテーマが美容とかそういうものではなく、なんでもいいんですかね?

平松:なんでもということはないですけど、ビューティプレスというタイトルですので、美にはちょっとリンクしたような感じに。でも毎月そんなにビューティネタがあるわけではないので、無理やりね。このときも「青の洞窟」という名前のパスタソースが。

辛酸:それが、息子さんが「青の洞窟」が好きだという話ですね。

平松:はい。なんとなくね、ビューティっぽく。

辛酸:色がすごいビューティ感がありますね。

平松:そういう感じで毎月書いています。

辛酸:こちらがLINEスタンプですね。

(出典:LINE)

平松:LINEスタンプは確か2、3年ぐらい前にお話をいただきました。スタンプが始まったばかりの頃ですね。

辛酸:ちょっと今度、検索してみます。

平松:私はLINEアプリを入れても入れても、すぐ壊れるというか使えなくなって、トラブルが多くなっちゃうので、もう使うのはやめてしまったんです。待ち合わせで使えなくなったり、相性が悪くて。

これは『SANKEI EXPRESS』という産経新聞のちょっと若い方向けの、横書きのタブロイド版の新聞を月に2回、連載をやらせていただいていて。

(出典:産業経済新聞社『SANKEI EXPRESS』)

辛酸:さっきのは?

平松:さっきのはミランダ・カーが、確か『VOGUE』の表紙で和装だったのに衝撃を受けて、イラストとコラムを書きました。これも自由に描かせていただいて、もう4、5年やっています。

海外ブランドのブロガーとしても活躍

辛酸:kate spadeのブログとかもやっていらっしゃったんですね。

(出典:kate spade)

平松:はい。2年間やらせていただいて。皆さん20代、30代前半の人が多い中、40代のブロガーは私だけだったんですけど、何とかやれました。

辛酸:でも、すごいスタイルがいいですし。

平松:いいですかね。

辛酸:はい。じゃあ、ニューヨークに行かれたりとかもしているんですね。

平松:ちょうどニューヨークがブロガーコンテストのショーだったんですね、1回目のニューヨークに行けるというのが。それでニューヨークも行きたいなと思って応募したら、受賞できて。

辛酸:kate spade、すごい景気がいいんですかね?

(会場笑)

平松:多分、よさそうですよね(笑)。今はSHOPBOPというアメリカの、Amazonがやっているお洋服の大きいオンラインショップの公式ブロガーになったのでkate spadeはやってないんですけど。

その代わり今、もう600以上のブランドの、ここで見たお洋服とか全部、イラストに自由に書いたりとかして、よりグローバルなお仕事になって。

辛酸:英語でですか?

平松:間違ってはいるんですけど、英語でも書かせていただいて。ニューヨークの本社でも記事が評判になっているとかうれしい声を頂いて、今一番楽しいお仕事です。

辛酸:じゃあ、日本でまだあんまりメジャーじゃないブログを知ることができると。

平松:そうですね。メジャーなのもありますし、メジャーじゃない新しいブランドもあるんですけど。新しいブランドはやっぱりオンラインでお買い物するのはちょっと危険ですよね、サイズとかもわからないので。でもイラストで書いて紹介したりして。

辛酸:こんな感じで。

(出典:SHOPBOP) (出典:SHOPBOP)

平松:はい、こんな感じでやってます。

辛酸:かわいいですね。

平松:これもね、kate spadeでもこういう感じで提案していったら、ルールができて、あんまり自由さが(なくて)ね、規制されちゃったんですけど。SHOPBOPは本当に自由にやらせていただけて。

辛酸:じゃあ、好きなアイテムを選んで構成できる。

平松:はい。kate spadeだけですとブランドのイメージがありますので、そこから大きくはみ出たりとか、どうしても規制がかかってしまって。

「お中元の箱の上にお金を置く」知られざる日舞の世界

平松:それはね、なめ子さんとのお仕事ですよね。

(出典:サイゾー『サバイバル女道』) (出典:平松昭子)

辛酸:前に取材をさせていただいて、そのときに日本舞踊の世界とか、和服を着ることについて話を伺わせていただいて結構、女性の社会で人間関係もちょっと厳しいみたいな話を聞いた気がするんですけれども。

平松:厳しいですね。日本舞踊の世界は。お金の使い方とか、月謝だけでは終わらなくて、それ以外に包んでお礼をするとか。

辛酸:じゃあ、お中元とかそういうのも。

平松:もちろんですし、お中元の箱の上にお金も置いたり。

辛酸:そうなんですか? あからさまに?

平松:そうなんですよ。だから、お金だけを渡しちゃいけなくて、お菓子の箱を台にしてお金を先生に渡したり、あと何かお扇子をお借りしたら、またお菓子とお金をね。

辛酸:じゃあ、1万円とかじゃ済まないお金なんですか。

平松:あんまり覚えてないんですけど。でも多分、1ヵ月分のお月謝ぐらい。

辛酸:そうなんですね。

平松:でも一番お金が掛かったのは名取の試験ですね。師範もやろうと思えば受けられるんですけど、ちょっと高すぎるので、まあいいかなと思って。そういうのが箔になったりするような時代ではもうないなと思って。名取だから、師範だからというのは。

だから習ったことをどこか自分に取り入れて、今の時代に合った自分なりの伝え方を、型を崩さず入りやすい感じで伝えていきたいなと思っています。

辛酸:あと普段の所作からにじみ出るもの、みたいな感じなんですかね。

読者をだましているようで、心が痛い時期もあった

辛酸:次は、そういう善行ビジネスというか、運気が上がるお仕事についてなんですけど。こちらは「ミュゼ」ですよね。

(出典:ジンコーポレーション「Shunme」)

平松:そうですね。私もよくわかんない、ミュゼって何ですか? ミュゼモニとかって言われている、よくわからないまま。

辛酸:ミュゼ、私も前、2、3年前まで通ってたんですけど、脱毛サロンですよね?

平松:脱毛サロンのミュゼなんですね。やっぱりいろんなお仕事をやっていると、どういうお仕事か、調べる暇もないまま納品しちゃったりとかもあるんですけど。

辛酸:脱毛と知らずに。

平松:はい。これは、どうして善行ビジネスに選んだのかというと、やっぱり企業とタイアップの広告漫画なんですが、サラッと読むと変わる話なんですよ。

「ドカ子」という子が1コマ目にいるんですけど。ドカベンみたいな女の子がミュゼのサイトと出会って、きれいになって恋をするというお話なんですけど。やっぱりそんな簡単にすてきな人に会えるわけないですし。

だから、私はもしかして読者をだましているのかなって。最初はこういう仕事も心が痛かったんですけど。だんだんいろいろやっていくと、夢を見るということがすごく大事だなと。夢を見させる、本当にすれすれなんですけど。微妙ですけどね。

辛酸:でも最近の人は何がタイアップか作品かすぐ見抜けるから、別に作品としておもしろかったらいいのかなとも思うんですけど。

平松:そう思ってくれればいいんですけど。だから、楽しい気持ちになってくれればいいかなと思ってやっているお仕事です。

辛酸:特に脱毛のこと、書いてないですものね。

平松:ないですね。これはミュゼのサイトを見て、何か買ったんじゃないですか?

辛酸:スムージーを買っているんですかね。そこでは今スムージーも出しているということですかね?

平松:きっと。だから本当によくわからないまま、お仕事が(来る)。以前は商品とか来ませんでした? なめ子さんとお仕事をしたときも商品がちゃんと来て、それを体験してやるとかってあったんですけど。

やっぱりいろいろ世の中厳しいのか、物がないまま画像だけが来て、試さないでやっちゃうので。だからいい仕事なのか……どうなんでしょうね。

辛酸:ですね。でも実際、スムージーってそんな悪いものじゃなさそうですものね。

(会場笑)

「すべてに正直でなくてもいい」ビジネス摩擦を少なくする方法

平松:その次なんですけど、その善行ビジネスということで。

(出典:平松昭子)

これは20代、30代のファッション誌の、「働く女の子のお仕事術」みたいな企画です。雰囲気で、「恐れ入りますが」「お手数お掛けしますが」とか、「お役に立てず申し訳ございませんが」とかを、ちっとも思ってないのに付けると、上司とはうまくいくよ、みたいなシーンをいくつか描いて。

ビジネスはこうやるとうまくいきそうだ、スムーズにいきそうだなと、私も勉強になるような1コマなので、今日入れさせていただいたんですけど。なかなかこういうのを使うのは難しくて。

辛酸:「恐れ入ります」とか、「かしこまりました」とかって言う人、多いなと思いますね。

平松:嘘をついているみたいに思って。でもいろんな大勢の人とかかわっていくと、仕事の摩擦は少ないほうがいいと思うので。やっぱりそんなすべてに正直でなくてもいいのかなというか。

辛酸:そうですね。そういう形式を重んじる人もいるということですかね。

世渡りが上手な女の子よりも、上西議員のほうが好感を持てる

平松:これはちょうど上西さん(上西小百合氏)の、事件があったときの「文春」の林真理子さんのエッセイに描いたイラストなんですけど。

(出典:文藝春秋『週刊文春』)

辛酸:本人よりかわいいですね。

(会場笑)

平松:そう。すごく叩かれていたので。本人はきっと、自分がこんな感じだと思っているんじゃないかなって。

辛酸:そうですね。

平松:そういう思い込みもすごく(大切)。女性は働いていくのが大事だし。でも(上西さんは)正直な人というか……多分いっぱい嘘はついている。嘘をついていて叩かれたと思うんですけど、逆にわかりやすい嘘を言っちゃう人なので、(本当は)正直な人なんじゃないかなって思いました。

辛酸:この平松さんのタッチがすごいすてきなんですけど、これは筆で描いていらっしゃるんですか?

平松:これは筆ペンで描きました。

辛酸:勢いがあって、いいです。

平松:彼女のふくよかな肉体とかを細いペンで描くのは表現できなかったので、ちょっと太めの筆ペンで。

辛酸:ピンクがすごい効いています。

平松:だからどっちかというと世渡りが上手な女の子よりも、上西さんのほうが好感は持てるんですけど、友達にはなりたくない。

(会場笑)

辛酸:そうですよね。

平松:怖そう……言うことを聞かなきゃいけなそうな感じで。

辛酸:うん、威圧感がありますものね。

制作協力:VoXT

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