メルカリが出品数を増やすために意識する3つのこと

今知っておきたい!Webサービスにおけるコミュニティマネージメント #3/5

SNSの普及などにより需要が高まっている「コミュニティマネージャー」ですが、職種の歴史がまだ浅く、必須条件や明確な定義付けが困難とされています。そこで株式会社nanapiが、各社の持つベストプラクティスを共有する場としてのイベントを開催。クックパッド、メルカリ、アンサーの3つのサービスの担当者がコミュニティマネージメントを行う際の方針や実際の施策などを発表し、コミュニティマネージャーとは何かを浮かび上がらせていきました。このパートでは、フリマアプリ「メルカリ」が出品数を増やすために意識してきた、「これなら自分でもできるかも」と思わせるような工夫や、マーケットの雑多感の重要性、「すぐ売れる」という感動体験などについて語られました。

フリマアプリ「メルカリ」が成長できた要因とは

皆さんこんばんは、株式会社メルカリの苅田と申します。本日はよろしくお願いします。まず簡単に自己紹介をさせていただきます。

少し経歴として珍しいかなというところは、高校卒業後に上海のほうに行っておりまして、その後新卒で北京に3年駐在しておりました。その後、メルカリ創業期にJoinしました。

現状、社内での役割は、職種としてはプロデューサーで、担当領域としてはCX(Customer Experience)の改善業務を日米ともに見ています。

サービスの紹介を簡単にさせていただきますと、フリマアプリ「メルカリ」とは物の売買を簡単にできるマーケットプレイスとなっています。大きな特徴としては3点ありまして、日本最大のフリマアプリで、3分で簡単に出品ができて、安心安全の決済の仕組みがあります。

現状、日本最大というところなんですが、日米で合わせて2000万ダウンロードを突破してまして、ダウンロード数だけでなく、出品数、購入金額ともにある程度圧倒的な規模になってきたなあ、と思っております。

本日のお話なんですが、私からは「投稿を促すためのコミュニティ設計」ということで、どちらかと言うと、運営というよりは設計についてのお話となります。

メルカリで働いていると、よくこういう質問をされます。

「メルカリってなんで成長できたの?」

すみません、正直わかりません。多分いろいろ要因はあるんだと思うんですけど、「これが要因です!」と言い切ることはできません。

ただ、1つだけ事実として言えそうなことは、出品と購入のサイクルがどうやらうまくいったっぽい、ということです。

出品する。その出品した商品が売れる。売れたお金でまた購入していただく。という流れが、けっこういい感じでできたのかなと、振り返ってみると、思います。

気軽に出品できる雰囲気づくり

今日は、具体的に出品に関して我々が意識してることを話したいと思います。

大きく3つありまして、1点目が「気軽に出品できるようにする」ということなんですけど、マーケットを見た時に「あっ、これなら自分もできそうだな」といかに思わせるか、ということです。

2点目がマーケットの雑多感というものを大切にしているということです。

3点目が出品した商品がすぐに売れるような仕組みにしています。

「気軽に出品できる」の1点目で、メルカリを使ったことのある方はご存知だと思うんですけど、「出品ボタン」を右下に常に置いていて、常に出品を意識してもらうということリリース時からやっております。

購入者から、「購入時に邪魔だから取ってくれ」という声をいただくこともありますが、出品が伸びないとサービスが伸びないと考えているので、ずっとここに置いています。

「気軽に出品できる」の2点目なんですが、全体的なデザインをいかに出品しやすい雰囲気にするかは、リリース時に意識していました。

左側は高級ブティックで、見た感じちょっと入りづらい雰囲気。右側のドン・キホーテさんは入店しやすい雰囲気な感じです。メルカリは、どちらかというとドン・キホーテみたいなマーケットにすることで気軽に出品できる雰囲気を作っていこうと考えました。

当時、デザイナーは「うちに大事なのは、しまむら感や!」とずっと言っていて、メルカリは「ドン・キホーテ」や「しまむら」をイメージしてマーケットの雰囲気を作っていました。

そうして出来上がったデザインがこういう感じです。右側を見るとよくわかると思うんですが、少しダサい。これは意図的に設計されていまして、キラキラ系女子だけに向けたデザインではなく、主婦とか、学生とか、マイルドヤンキーと言われるような方だったり、幅広い層の人に使ってもらうために、最初はあえてちょっとダサめなデザインにしていました。

ただ現在は、US版をリリースするにあたって、さすがにアメリカなので、しまむら理論は見直したほうがいいんじゃないかということで、ちょっとオシャレなデザインにリニューアルしました。

マーケットの雑多感を消さないように

次に2点目で、「マーケットの雑多感を大切にする」ということなんですが、メルカリだとこういう商品の並びを見ることができます。

これは一人の出品者なんですけど、梅干しを売りながらルイ・ヴィトンを売っているという。このラインナップは結構雑多だなと思っているんですけど、こういう世界観を大切にしてます。

あとは、すごい意味がわからない商品とかですね。

(会場笑)

「負けないでのイラスト」300円。これは誰が買うのか、本当によくわからないんですけど(笑)。こういう物も、あんまり厳しく削除せずに、もしかしたらどこかの誰かが欲しいかもしれないということで、残していたりします。

これは引用でして、『黒子の流儀』というDeNA会長が書いた本があるんですが、そこに書かれていたことで我々もすごい共感できる部分があります。

ビッダーズがなぜヤフオクに負けてしまったのかという敗因の1つに、出品物の自由度が狭すぎたというのを上げられています。当時、ヤフオクでタイムマシンが出品されていて、ヤフオクは残したけど、ビッダーズは「そんなものありませんよね。削除します」と冷たい感じで削除していたということで、遊び心が足りなかったなあと書いてありました。

メルカリも、商品の削除基準については、前提として安全で違法性がないかという基準をクリアした上で、いかに雑多で面白い商品を集めることができるかというのを大切にしています。

雑多で面白い商品ラインナップになることで、最終的に、アプリを使う目的が、事前に購入したい商品を定めてから購入するという目的だけでなく、ディスカバリーショッピングと言われるような、ワクワク感や探究心にそそられて、アプリをつい立ち上げてしまう人が多くなると思っています。

「音速で売れる」感動体験

3点目の「出品した商品がすぐに売れる」というところなんですが、出品しても商品がなかなか売れない場合はやはりリテンションは下がってしまいます。

メルカリはいろんなメディアで、「早く売れる」という記事を書いていただいているんですが、僕が言うよりお客様の声を実際に見たほうがいいかなと思い、まとめてきました。

Twitterで「すぐ売れた」「ビビる」みたいなことが書いてあったりとか。

「10分で売れた。神!」みたいなことが書いてあったり。

「1分で売れた」という人はwのマークが多くて、もう笑いが止まらないという感じで。

「1秒で売れた」とか。

最終的には「音速で売れた」とか。

(会場笑)

こういう感じで、すぐ売れることで感動してTwitterとかで書いてくださることが多いです。

実際、売れた商品の20%以上が1時間以内に売れているというデータがありまして、お客様の声だけでなく、事実としてかなり早く売れるマーケットなのかなと思います。

そこで、主にどういう設計になっているかというと、みなさなんも使っていてわかると思うんですが、1つはタイムラインが新着順になっているので、出品直後に、数千人数万人の方に見てもらえる可能性があります。

あとは、購入者が値段だけ見てすぐに購入できるというシンプルなところもメルカリの大きな特徴かなと思っています。

以上、メルカリで、出品を促すために意識してきたこととなります。ご清聴ありがとうございました。

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