エウレカの強みは人事と採用にあり--創業時からのこだわりを女性経営者が語る

エウレカ×Open Network Lab #2/2

エウレカ×Open Network Lab
に開催

2015年9月2日に開催された、エウレカ×Open Network Labのミートアップイベントに株式会社エウレカの取締役兼共同創業者の西川順氏が登壇しました。西川氏は、マッチングサービスの「pairs」、カップル向けのアプリ「Couples」などの人気サービスを提供して、スタートアップとして急成長を続ける自社の組織作りについて、創業時のメンバーと決めたエウレカのポリシーや社内制度、ナンバー2というポジションから見た他のベンチャーとの違いを紹介しました。

エウレカが実践する人事考課と採用制度

司会:時間になりましたので、セッション2に入らせていただきたいと思います。西川さん、よろしくお願いします。

西川順氏(以下、西川):テーマは「優秀なチーム・組織作り」ということなんですが、エウレカもまだまだ足りないところがいっぱいあって、正直優秀とは思ってないですけども、今まで何をしていたかを簡単にお話して、質疑応答の時間を多めに取りたいと思います。

エウレカは起業当初から変えていないことが2つあって、大きく分けると人事考課と採用に関してです。

まず1つ目、スタートアップは評価シートとか評価面談とか、あまりやらないと思うのですが、うちは(社員が)3人くらいのときからシートをつくってきちんと評価するということをずっとやっていました。

私が会社をやろうと思った理由の1つが、サラリーマンのときに「日本企業は能力に応じた給与体系が構築されてるところが少ない」と思っていて、できる人とできない人に給与で差をつけるというのをやりたいと思ったんです。

私は外資で2社働いた経験があるんですが、給与交渉ができました。「この給与は納得できません」と言い、明確な理由を説明できるときは給与が上がっていました。もちろん、日本企業でもある一定レイヤーになると給与交渉はできるところはありますが、そもそも、年齢や職種が同じだと、給料はだいたい横並びが多く、それを変えたいと思ったのが私が起業を決意した理由の1つでした。

エウレカの成長を支える、経営者面談と評価シート

西川:なので、会社が本当に小さいときからフェアな評価制度作りには時間を費やしました。年に4回評価面談をやっていて、その回数分昇給タイミングがあります。優秀なら3ヵ月に1回昇給するという感じですね。多い人は年収が年間で100万変わる人もいますし、同じ年齢・職種でも給与が200万とか、300万違う人もいて、相当給与に差をつけてます。

年4回の面談はインターンから正社員まで全員やっていて、全員の面談に経営者が出るというのをやっています。1回計算してみたんですけど、1人あたり1時間~1時間半面談をやっているんですね。80人くらいやっていて、80時間×年4回で240時間。面談シートの記入の時間もあるので、役員陣は1年のうち2ヵ月面談をしていることになります。

外の方から「そんなに時間使う必要ないでしょ」ってよく言われるんですが、エウレカが伸びた最大の理由は、この評価面談の頻度にあると思っています。「何がダメで何が良かったか」3ヵ月間を振り返って、「こうすれば次の3ヵ月伸びるよ」ということまでかなり細かく話すので、メンバーがすごく成長しやすいんですね。

自分たちも経営者として成長しつつ、社員の成長に最初からものすごい時間を使ったというのが、短期間で社員が成長して、会社が伸びた理由の1つだと思います。

西川:(評価シートを画面を見せて)小さくて見えないと思うんですけど、これはたぶん6代目くらいの評価シートです。ものすごく細かく項目を作っていて、一番適切だと思うものに何度も変えてます。会社のステージとか人数に合わせて変えているという感じですね。

大きく分けると、専門スキルとマーケティングスキルとビジネススキルと組織構築貢献度と、管理職はマネジメントスキルというのがあります。その中でものすごく細かく分けていて、1点1万円で、(合計)何点かによって給料が決まるという仕組みです。

もう1つ、創業した年からずっとやっていることとして、賞与を年2回出してます。どういうふうに決めてるかというと、税引き後の営業利益の一定パーセントを賞与予算にしていて、その額を正社員で配分します。配分は能力に応じて係数を決めて、半期に1回算出してます。

なんでこうしているかというと、会社の営業利益が増えれば、自分たちに還元される金額が増えるという認識をつけて欲しいなと思ったので、税引き後の営業利益の一定パーセントを賞与予算にするということを決めました。

あとは予算が決まる場合、少人数で効率よく仕事をしたほうが配分額が増えるので、そういう効率よく仕事をすることも意識してほしいという思いもあります。

ちなみに創業以来、役員賞与は出したことはありません。

採用のミスマッチを防ぐために何をすべきか

西川:次に採用です。今、全体で90名いて正社員が55人なんですが、専任の採用担当がいないんですね。なので、どこの採用メディアに出稿するか、どんなクリイエイティブ・内容で出すかという判断も経営陣がやっています。

あとはヘッドハンターさんにかなりお世話になっていて、うちの会社のことを理解してくださっているヘッドハンターさんから(採用が)決まる率が非常に高いです。外部の採用コンサルの方とかも入ってもらっているんですが、基本的な戦略や方針を決めるのは全部経営陣がやっていて、自分たちでハンティングもしてます。10月から専任の人が入ってくるので、やっと求人の情報更新を私たちがしなくてもよくなるという形です。

どういうふう採用しているかというと、1回の面接は大体2時間くらいかけます。1時間は相手の話を聞いて、1時間は会社の説明をするという形ですね。とにかく会社のことを全部話します。売り上げとか会員数の伸びとか、過去から今まで全部話す、未来のことも話す感じですね。

あと会食もするんですが、なんでかというと、人としてお互いが一緒に働きたいかって、ざっくばらんに話したほうがわかると思うからです。お酒を飲むと人って本性が出る気がして、双方がそれでもこの人と働きたいって思うかどうかを見るために、会食を設定します。

あとは「現場の人に会いたい」と言われたら、それもすぐ設定します。逆にこっちから現場の人に会ってほしいということも多いです。やっぱり現場と相性が良くないと、双方が不幸になるので。面接するためには、できる限りなんでもやるという感じです。

ミスマッチを防ぐために、「エウレカで何ができて何ができないのか」というのをきちんと話します。今までミスマッチだった人を採用してしまって、組織的に良くなかったことが何度かあって、それから余計に面接に対してすごく気を使うようにしていています。

エウレカのダメなところ、何が足りないかということをものすごく話しますね。必要以上によく見せるということは絶対にしないようにしてます。自分が転職する側だとしても同じだと思うんですけど、何かを隠すと後で、「話が違うじゃん」というときに絶対に問題になります。うまくいかなくなってどっちみち辞めることになるので、それだけは避けるために、わりと包み隠さず話します。

創業時〜成長フェーズにおける組織の変化

西川:採用経路の変化を出してみたんですけど、起業したときはインターンがほとんどだったんですね。正社員3人に対して、インターン20人とか30人みたいな状態でした。その30人が、だいたい1ヵ月で10人ぐらいやめて、また次10人入ってくるみたいなことを最初やってたんですけど。そこから正社員が増えていって、社員紹介がすごく増えていきました。

今は求める人材のスキルがすごく高めの人になってきたので、ヘッドハンターさん経由の割合が大きくなってきたんですけど、同時にグリーさん、DeNAさんなどの会社からの転職者というのが結構増えていて、彼らは「元同僚で別の会社に行ってるけど、転職したいと言っている人がいる」って紹介してくれるパターンも最近増えてます。

社員数が増えてすごく変わったことは、創業時から30名くらいは事業=組織で、事業が動いていれば組織化とか考えなくても勢いでどうにかなって、事業モデルがすべてだったんです。私たち経営者が現場最前線に入っていたので、細かいマネジメントはあんまりしてなかった。

しかし、30~50名くらいになってくると、だんだん組織化とか組織マネジメントの重要性が出てきました。今は事業もモデルが決まっているので、その事業モデルをより成長させるにはやはり組織の力がすごい必要だなと思っています。

そうなるともっと必要になってくるのが、中間管理職の育成だと思っていて、50名を超えてから中間管理職の育成に本格的に力を入れ始めています。正社員55人しかいないんですけど、マネジメント研修を隔週でやってます。

経営学とかマネジメントのフレームワークを含めて勉強してもらうというのを、やっています。お金がすごくかかるので、そこまでやっているベンチャーってあんまりないと思うんですけど、今後それが活きてくると思うので、コストをかけてでも中間管理職層を増やします。

家賃の高いオフィスに入ると気が引き締まる?

西川:チーム、組織作りその他でやっていることは、家賃補助、海外社員旅行、オフィスにこだわるって3つあります。これは最初から全部やってますね。家賃補助はどこもやってらっしゃるところ多いんですけど、オフィスから3km以内に住めば、月額3万円の家賃補助を出しています。

最初は忙しくて通勤時間がもったいないだろうなと思ったのが始まりだったんですけど、今はみんなが会社の近くに住むことによって、仕事が忙しいので飲みに行く時間があんまりない人たちも、「帰り道が一緒だから、ちょっとご飯食べに行こうか」というのが結構増えています。

上司に相談する飲み会も、終電を気にせずに結構やっているみたいなので、家賃補助がすごいいい機会になっているなと思います。社員旅行は、去年はサンフランシスコ・シリコンバレーに行きました。ほぼ全員ですね。

一昨年は台湾で、その前はグアムです。目的は社員交流で、これも普段仕事で接しない人と海外で「あそこ行こうか、ここで遊ぼうか」ってやると、仲良くなれたりするので、業務をスムーズにする意味でやっています。今年は80名の大所帯をどこに連れて行くかを考えている最中です。

オフィスは月曜日に移転したばかりです。今回、セミナールームもつくってかなり広いオフィスに移転しました。CTOが本当にこだわって、一脚10万円くらいする椅子をめちゃくちゃ値引き交渉をして、バルクで買うから安くしてっていうのを全部交渉してくれて、長時間座っても腰が痛くない椅子を買いました。

あとはソファーがものすごくたくさんあるんですけど、今は半分は席で仕事しないで、ほとんどソファーで仕事してます。オフィスにこだわる理由は、社員のためと、もう1つは採用目的ですね。このオフィスで働きたいって思ってもらえるようにするためです。

いつも身の丈よりも上のレベルの、家賃の高いオフィスに入るようにしているんですけど、それをやることでみんなプレッシャーを感じてくれて、もっと頑張ろうというマインドになるのが一番大きいです。

実は一番プレッシャーを感じているのが経営者で、移転をするたびに家賃がすごく増えるので、私は胃が痛くてしょうがないんですね。ちょうど月曜日に移転したばかりなので、昨日まで胃が痛くて痛くて。

朝、オフィスに行くたびに、「こんな広いオフィスに入って大丈夫なんだろうか...」って毎回胃が痛いけど、もう頑張るしかないと腹をくくって1週間後には新しいオフィスに慣れるというのが毎回繰り返されています。

家賃は高いんですけど、この家賃が大した金額じゃないなというところまで頑張っていかないとなって、気を引き締めるためにもエウレカにとって移転は重要です。

「変わらないといけないとき」より前に変わること

西川:今は課題がいろいろあって、会社が大きくなると課題が変わってくるなと思います。

例えば、面談に私と赤坂が全部出るというのが物理的に難しくなってきました。そこで、出ない面談の定義を決めてみたんですけど、「なんで出てくれないんですか?」と言う人も出てきたり。ただ、私と赤坂がずっと面談に出続けるというのもそれはそれでよくないので、出席する回数を考えるなどしなければならないステージです。

評価制度の多様化でいうと、外国人スタッフが結構増えて日本人と全く同じ価値観や働き方かというとそうではないので、そこが多様化というところです。

あとはマネジメントコースか、プロフェッショナルコースかの選択肢も提供する必要が出てくると思います。今は全ての人が同じ形になっているので、それを多様化させていかなきゃいけない。

また、採用に関しては採用競合が大手になってきていることとして、リクルートさんとかとぶつかることが多くなってきていて、給与提示で負けるというパターンとか、「やっぱり大企業のほうがいいです」と言われてしまうパターンが増えてきています。

逆にうちが超ベンチャーに負けちゃうときもあって、エウレカはある程度組織ができていると思われているんですね。もうちょっと何もないところで働きたいという優秀な人たちがベンチャーに行ってしまったりするので、どうにかうちの魅力を伝えていかないといけないなと思っています。

あと中間管理職の育成評価というのは、先ほどお話した通りですね。

ステージが変われば課題も変わるので、どこの会社さんも課題が0になることってないと思います。重要なことは、やらないといけないときよりも前に変わる。「Change before we have to.」というのは、うちの社員の行動指針の1つなんですけど、変わらなきゃいけないそのときに対応すると遅くなってしまうので、変わらないとまずいというときじゃなくて、その前に予期するとか感じられるということが経営者にはすごく重要だと最近思っています。

そのためには、やはり社員とサービスを常に見てないと、どういうふうに変わるべきか、いつ変わるべきかがわからないなというのを、自戒を込めて思っています。

採用、組織作りに関しては以上になります。ありがとうございます。

(会場拍手)

エンジニアとデザイナーの評価制度

司会:ありがとうございます。ここからは質問へ移りたいと思います。

質問者1:評価シートについて2つお伺いしたいんですけど、配点は職種やグレードによって変えられるものなのかというのが1つ。

もう1つ、初期のメンバーの方に、エンジニアさんはいらっしゃらなかったと思うんですけど、専門スキルがある方の評価はどういうふうに決められてたのかということをお聞きしたいと思います。

西川:今はグレードという横軸と点数というよりは、「何点以上になるとどうなります」みたいにしている感じです。グレードとの掛け算は今はまだできていないですけど、今後はそれも考えなきゃなと思います。

エンジニアがいなかったときの評価制度は、最初はエンジニアのインターン生も1名いたんですけど、そのときは私と赤坂がつくってました。プログラミングのスキルは評価はできないので、そのときはまだざっくりとしたABCDEぐらいのやつで、ビジネスマンとしてどうしてほしいとか、開発のスピードが遅いとか結構主観でやってました。

ちょうど石橋がCTOになったときに、エンジニアの評価制度を全部変えて、かなり細かいものになったというのと、デザイナーの評価制度は初期からついこの間まで、私と赤坂も作っていたという感じです。

項目別に細分化された評価シート

質問者2:僕自身エンジニアなんですが、エンジニアの視点で見ると(評価シートの項目が)ちょっと複雑過ぎて、もう少し簡単にできないのかなと思ってしまうんですけど、どういう理由でこの複雑さになったのか、それとも見ているほど複雑ではないのかというのを教えていただきたいです。

西川:複雑さというのは、項目が多いという意味ですか?

質問者2:そうですね。評価に手間がかかりそうというイメージです。

西川:逆に(エウレカの社員は)評価は細かく、適切にというのに慣れ親しんでいます。中途の方にも、面接時に面談シートを見せることも多いです。最初から評価制度に力を入れていたからというのもあるんですが、うちの社員に関してはざっくりしてたほうが苦情が出るかもしれないですね。

カルチャーによるのかもしれないですけど、項目がきちんと自分のやっていることに合っているかどうかをかなり気にする人が多いです。けど、「今の評価制度どう思う?」ってヒアリングするんですけど、エンジニアからこの評価制度が複雑だという意見は今のところ出てないですね。

インターンから新卒で入社した社員について

質問者3:創業当初、インターンの方を活用したと言われていたんですけど、具体的に何人くらいの方をどういうスパンで回していって、その中で正社員に上がってきた人はどのくらいいるのか。そこでの失敗談もあれば聞かせていただきたいと思います。

西川:インターンを一番最初に入れ始めたのが1年目だったんですが、なんでインターンを入れ始めたかというと、メディア事業をやるのにマーケティングの人手が足りなかったからです。

6〜7年くらい前は、インターンを受け入れている会社が今よりも圧倒的に少なかったので、インターン生がひたすら入ってくるという状態になっていたんですけど、何をやってもらったかというと、途中までは広告営業のサポートをやってもらいました。

ちょっとずつ売り上げが伸びてきた頃から、エンジニアとデザイナーのインターン生を増やし始めました。つくらなきゃいけない事業は何もないんですけど、「好きなものをつくっていいよ」「アプリつくっていいよ」というのをやって、開発ができるチームのベースをつくる。

そのときインターン生だったメンバーが最初の新卒で入りました。インターンがトータルで50人ぐらいいたんですけど、その中で新卒1代目に入社したのが、pairsの初期開発もして、Couplesのリードエンジニアと、pairsの台湾チームを見ているディレクターです。

まず彼らが入って、うちはいわゆる新卒採用はやってないので、またインターンを採用して、インターン10~20人の中から新卒候補を入れて、早めに内定を出す、の繰り返しで今まで来ています

うちでインターンをやると就職活動をしないで、事業にずっとコミットし、スキルが付くので、そのままかなり早い段階で内定を出し、入社、というパターンでずっときています。毎年15〜20人ぐらいインターン生がいて、8割はエンジニアのインターンですけど、そのうちの5~7人が正社員として入社するという感じです。

職種別の評価制度と給与の決め方

質問者4:2点お聞きしたいんですけど、弊社で今、評価制度とか人事の制度をこれからつくっていくんですけど、細かい職種による要件をどういうふうに出して採用していったのかというのを1つ。あと最初に入ったメンバーとあとから入ったメンバーでスキル差があるかと思うんですけど、そこをどうカバーしてフェアに評価するような仕組みにしていったかというところを教えていただきたいです。

西川:1つ目は、職種によってどういう評価制度にするかという導入方法ですよね?

質問者4:はい、そうです。

西川:専門スキルはわりと明確なのでつくりやすいです。マーケティングスキルも、うちが求めているものでいうとつくりやすいです。一番難しいのは会社の「カルチャー」の部分。

どういうふうに決めたかというと、うちの経営理念や行動指針を決めたときに、そこと評価をクロスさせるというのをやりました。そのカルチャーの部分があってない人は、1回カルチャーを明文化することを先にやらないといけないので、そのときに行動指針も一緒に決めちゃうというパターンが多いと思います。

もう1つは、最初に入ったメンバーとの差ですよね? 大手の会社に就職を決めていた、もしくは就職しちゃいそうなインターンを口説くパターンもあるので彼らが世間一般の同職種よりも給料提示を高くせざるを得ないケースが何度かありました。そのままの給料水準なので、同じレベルの人を中途で入れたときに新卒のほうが給料が高いというパターンもあります。

解決方法としては、フェアを掲げる以上、評価制度を変えたタイミングでプロパーに補点をつけたり、逆に外からきた方がお給料高いのにこの項目と合ってなくて、補点がすごい多いというパターンもあります。それは正直に話して、うちの評価制度にできる限り合わせることを納得してもらうしかないと思っています。

今後もっと起きてくると思うので、他社からもいろいろヒアリングしていますが、サインアップボーナスで差分をカバーして、ベースの給与はこっちに合わせるというのが他社が一番やっているパターンだと思うのですが、ケースによってはそれを取り入れる必要も出てくると思います

各メンバーに求めるビジネスマインド

質問者5:採用基準のところなんですけど、ステージや役割によって、採用の基準が変わってくると思うんですけど、創業当時からの採用基準で明確に「これは譲れない」というものがあるのか。もし設定されているのであれば、なぜそれを設定されているのかというところを教えてください。

西川:創業当初は「ビジネスが好きかどうか」をとにかくすごく見てました。特にエンジニア、デザイナーは、モノをつくること、それ自体が好きな人もすごく多いですが、うちはモノをつくる開発スキル、デザインスキルははあくまで手段でしかないと思っていて。「ビジネスを成功させるために、それぞれがプロのスキルを持って集まってくる」という目標でやっていました。

3年目くらいまでは売上水位を見るのが大好きなエンジニアとか、自分でアフィリエイトで1ヵ月100万稼いだ大学生みたいなビジネスマインドが強いエンジニアが多かったんですけど、会社が大きくなってきて、ビジネスマインドをものすごく重視してしまうと、あるパーツでどうしてもこのスキルが必要というときに、ビジネスマインドは強くないけど、うちに入りたいと言ってくださってる方と一緒に仕事ができないなあと。

なので、今はビジネスマインドは前ほど重要視してないです。プロデューサーやディレクターはしているんですが、エンジニアやデザイナーに関してはその辺の重要性を少し落としている感じです。

個人の評価に対するフィードバックと職種間の評価の仕組み

質問者6:2点質問したいんですけど、評価制度の結果を吸い上げる部分が1つ。その結果を全体に公表しているのか、個人に公表しているのか、結果自体は公表せずに、「こういう声が上がってきてるから、こういうふうに改善してね」というふうに伝えるのか。面談のやり方を教えてください。

西川:個人の評価に対するフィードバックというか、例えばAさんに対して他人からこういう声が上がってますよというときに、それを本人に言うかということですよね? これは結構言ってます。匿名にもしないです。

仕事しづらいと他人に思われるのはどういうシーンかというのを匿名にしちゃうと、ふわっとなって根本解決にならないので。もちろん、伝え方は気をつけます。

質問者6:もう1点なんですけど、デザイナーやエンジニアは職種が違うじゃないですか? 例えば、エンジニアがデザイナーを評価するようなことはありますか?

西川:ちょっと前まではやっていたんですけど、今は基本的にはデザイナーと密接に仕事をしているエンジニアがいるとしたら、そのエンジニアにコメントを求めるかどうかは直属の上司に任せてます。

でも、多くの人からフィードバックをもらったほうが本人も成長しやすい。1人につきメイン評価者とサブ評価者と仕事をしているチームの2人ぐらいからコメントをもらうパターンが一番多いので、4人ぐらいがその人の評価をしています。

会社のカルチャーや思想の伝え方

質問者7:組織作りにおいて、会社の文化作りとその浸透がすごく重要だと考えているんですけど、その2点で工夫していることがあればお聞かせいただけますでしょうか? 

西川:50人ぐらいまでは風土とか文化を作っている経営陣が現場にがっつりいたので、浸透はしやすかったです。今は難しくなってきたので、経営理念、行動指針を明文化し、浸透させるいうことを意識的にやっています。

あと昔から毎月全社会をやってるんですけど、エウレカはどこに向かっていてて、どういう会社だっていうのを6年間、毎月毎月同じことを言い続けています。同じことをずっと言い続けていると、昔からいる社員が新しく入った人にその話をしてくれるようになり、それによって「エウレカっぽい」とか「エウレカっぽくない」という、すごくふわっとした言葉を彼らが消化して話してくれるので、同じことをひたすら言い続けることが一番重要なのかなと思っています。

そのカルチャーや思想を体現しているのが評価シートだったり、オフィスだったりというのがあるので、そこで感じてもらいつつ、経営者はひたすら同じ思想を毎月話し続けるというのが、一番気をつけていることですね。

中間管理職に対する研修プログラム

質問者8:1つは、西川さんのようなナンバー2でオールラウンダーで機転がきく方って正直あんまりいないと思うんですけど、西川さんが実際にやっていらっしゃるキャッチアップだったりとか、仕組みというのを自分なりに何か持っているのかというのをお伺いしたい。

もう1つは企業の成長に向けて、中間管理職の採用って非常に重要だと思うんですけども、中間管理職に対する経営の勉強をされていらっしゃるということだったのですが、それについて具体的に教えていただければうれしいなと思います。

西川:今質問されている方、うちのヘッドハンターさんなんですけど(笑)。私がスキルをどう身につけているか、なんですかね……オールラウンダーになりたいと思ってなったというよりは、やらなきゃいけないことが出てきちゃったからやるしかないというか、赤坂が事業以外あまりやらないので、結果的にそれでオールラウンダーにならざるを得なかったと思いますね。

というのと、知らない領域を知るのは好きなんです。私、自分はプロとしてのスキルが何もないと思ってるんです。なので弁護士さんとか会計士さんとの議論がすごく楽しいんですよ。専門スキルを持っている人たちとの話を楽しんでいるうちに知識が増えるというだけなので、特別何かやっているということはないですね。あとはもう会社にとって必要だからやる、それが私の担当領域っていう気持ちの問題だけな気がします。回答になってなくてすみません...。

あと、中間管理職に何をやっているかというと、リーダー・マネージャー研修とリーダー候補研修の2つをやっています。それぞれ隔週で3時間ぐらい。グループワークもやりながら、座学もやるというのをやっています。

外部の方にお願いしているんですけど、設計やどういうプログラムでやって、何ヵ月後にどうなりたいかというのを明確にして、今、それと評価シートの管理職のポイントを紐付けるのは私たちでやっています。まだまだ始めて数ヵ月なので、試行錯誤している部分も多々ありますが。

しかし、研修に出ていれば管理職になれるわけではなく、当たり前ですが、研修は補助的機能でしかないので、研修に結構お金をかけているにも関わらず、リーダー・マネージャーになるための本人の意識が低くスキルが伸びない、リーダー候補なのにリーダーになれない人は、入れ替えていくというのを本人たちにも言っています。

創業時の人材の囲い込み方

質問者9:創業期に正社員がいなくて、インターンからの社員ではない外から採ってきた方で、採用に工夫されたことはあるのでしょうか?

西川:特に何かすごく頑張ったというよりは、実は受け身でした。当時採用した今うちの中核メンバーのエンジニアはWantedlyやGreen経由ですね。応募が来たときに「この人すごくいい」と思ったら、速攻で面接設定してものすごい勢いでクロージングをかけるというのをひたすらやるしか手法がなくて、それしかやってなかったです。

その後、ヘッドハンターさんも増えてきて、いい方を紹介していただけるようになりましたが、最初はエンジニアのイベントをやるお金も知識もなければ、すごくいいサービスをつくっているわけでもなかったので、最初は私たちも苦労して、来た方を必ずクロージングするしか方法がなかったんです。

だいたい創業期のまったく無名の、自社サービスもやっていない会社に来る人って、良い意味でちょっと変わっていて、おそらく相性が良い人が多い。そういう人たちを必ず囲い込むために、おもしろいことができる環境をちゃんと整えていくということと、「一緒にやっていこう」「人が足りないから、お願いだから来て」とお願いをする感じですね。

司会:時間のほうも過ぎて参りましたので、これで終わりとさせていただきます。西川さん、ありがとうございました。

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1 エウレカは他のベンチャーと何が違う? 共同創業者が語る「経営チームのつくり方」
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