一度見たチャンスが消えたように思わせるには

DaiGo氏:こんにちは。メンタリストのDaiGoです。今回は、販売で使える心理学として、迷っているクライアント、顧客に自分から「どうしても欲しくてしょうがない、ぜひ譲ってほしい。なんとか買わせてくれ」と言わせる方法をご紹介したいと思います。

これはですね、どんな方法かと言うと、失われたチャンス戦略というものを使います。人間は、目の前にチャンスが転がっている間はそのチャンスを欲しがらないというか、すごく大事なものだという風には思わないんですが、その自分が手に入れることができたはずのチャンスが手のひらの上からスッと消えてしまうと、そのチャンスがどうしても欲しいと自分の中で価値観が変わってしまう、ということが心理学でわかっています。

どうすればいいかというと、例えば皆さんが小売店を想定しましょうか。パソコンとかビデオカメラとかの前に人がいたとしますよね。パソコンの前にしましょう。で、クライアントあるいは見込み客が迷っています。「買おうかな、どうしようかな〜けど結構スペックもいいからこれ欲しいよね〜。うーん」っていう風に見ていたら、「お客様そちらの製品にご興味があると、それは非常にお目が高いですね。ですが、残念なんですが実は今日多くの方がその商品に目をつけていただいて、本当にちょうど15分前くらいに来たお客さんがおそらく最後の在庫を買って行ってしまったと思うので、そちら在庫切れになっているんです」という話をするわけですね。

そうすると、どうなるかというと、今手に入ったかもしれない、買うことができたかもしれないチャンスが急に奪われるわけですよ。そうするとどうなるかというと、欲しくなるわけです。「え、それは残念。是非使ってみたかったんだけどな……本当にもう売り切れちゃったんですか?」と聞いてくるわけですよ。

そしたら、「もしかしたら、倉庫の方を調べたら在庫が少し残っているかもしれないんで、もしよろしければお調べ致しますがどうしますか?」と聞くわけですね。「是非、調べて欲しい。」と「もしあのご購入する場合はどの色がいいですか?」とか「どのモデルがいいですか?」「こちらのモデルがいいです」「こちらのモデルがあったらご購入という形でいいですか?」と聞くわけですね。で「是非じゃあそうしてください」と言われてから在庫を調べに行く。

在庫からPCはもちろん存分には在庫……ということにはなるんですが(笑)。そちらから持ってきて「こちらの在庫がありましたので、これでよろしいですか?」と言うと、本人としては自分が欲しいと言ってしまっているし、在庫を結構調べてから来てくれているので、そこから断るのは非常に心理的に抵抗があって難しいと。

こういう風にして物を売ることができるということですね。若干人を騙しているような気がすると考える方もいらっしゃるかもしれないんですが、今のはわかりやすく例として言っただけで、実際に嘘をつく必要は全くなくて、どうすれば相手が、見込み客が手にしようとしているチャンスが消えたように見せることができるかということを考えていただければ、今のは例ですが、もっとフェアな方法でお客さんが迷っているときに決断させるということができるようになると思います。是非試してみてください。

メンタリストのDaiGoでした。