人生を変えるスイッチになるのは「おせっかい」
激変する人々を見てきた女性が教える、本気の情熱のつくりかた

変化の波を起こす「スイッチ」の正体 | 佐々木 裕子 | TEDxTokyo #1/2

現在の日本では、組織や世の中の「変化の震源地」が少なく、またそれが増える仕組みもできていません。では、そもそも「変化の震源地」とは一体どのようなものなのでしょうか? 株式会社チェンジウェーブ代表の佐々木裕子氏は変革屋としての活動を通して、その答えを見つけました。人のポテンシャルは無限大。だからこそ、人は誰でも変わることができる。そしてその変化を後押しするものは「他人のおせっかい」です。多様で、創造性豊かで、素晴らしい未来にして行くために、私たちがどのように変化するべきか、どのような「変化の震源地」を生み出して行くべきか。佐々木裕子氏が語ります。

「組織の震源地はリーダーではない」本当の変化の起こり方とは?

佐々木裕子氏:皆さん、組織や世の中の変化の波ってどういうふうに起きると思いますか? その究極の震源地っていったいなんなんだろう? 私は変革屋なので、今日はその話をしたいと思います。

MBAなんかにいくと、だいたい「企業変革というのはトップの危機感の醸成から始まる」というふうに習うんですね。つまり究極の震源地は経営者であり、リーダーであるということらしいんです。本当にそうなのかって思うと実際、私は本当は違うんじゃないかと思っています。

私が変革屋をやってだいたいもう5年くらいになります。年間5、600人くらいの人たちと接点をもってきてるんですけれども、その経験から考えると1つだけ確信をもって言えることがあるんですね。それ、ちょっと青臭い話なんですが人のポテンシャルっていうのは本当に無限大で誰でも変わることができる。

かつその、人が変わる瞬間の熱量というのが実は組織とか世の中を変えていく原動力になる。実は変革屋って最初のころですね、結構困った人たちと出会うこともあるわけです。例えば仕事がつまらないとか、この仕事はこなすものであると思ってたりとか、場合によっては明日には会社を辞めたいというような人と接点をもつこともあるわけですね。

まあなんですけど、びっくりするのはそういう人たちがたった数カ月ぐらいで激変をするんです。そういうふうに仕事がつまらないと言ってた人たちが、自分は実はこういう未来を作りたいと思っているので会社をこういうふうに変えたいんだよねと言い出したり、実はこういう世の中が良いと思っているんでね、だからここからこういうステップで行こうと思ってるんだよねって熱く語るようになるわけです。

その数カ月でいったい何が起きたのかということを紐解いていくと、たいがいですね、その人たちが自分の本当に奥底にある情熱だったりとか、本当に成し遂げたい未来だったりとかそういうことをグーと考えて、自分が作りたい未来に気づくっていうプロセスがやっぱりそこにはあるんです。

それに気づくと何がすごいかというと、そこって誰かに頼まれたわけでもなくてやれって言われたわけでもなくて、心の底から湧き出てくる熱量がその未来に向かってあるわけなんですね。そうするとまず何にもぶれなくなるし、迷いも無くなるわけだし、あんまり不安も無くなるわけです。

その未来をどうしても実現したいと思うので、結構周りを変えていくってそれなりに大変だし、手間もかかるし、しんどいんですけど、それを突破する熱量というのを持つことができるんですね。そういう人たちがたくさん出てくると、お互いに刺激をし合ってすごい変化の波が起きるわけです。

究極の震源地とは「自分が本当に成し遂げたいと思う未来に気づくこと」

だから私が「究極の震源地はなんだ?」っていうふうに問われたときに答えがあるとすると、それはそこにいる一人ひとりの人の。物凄く自分の心の底にある情熱とか、本当に成し遂げたいと思っている未来に気づく、そういう瞬間が実は震源地なんだなというふうに思っています。

だったら、そういうのを世の中の人、一人ひとりがもっとたくさん持てるようになればいいじゃないか、そういう仕掛けを作れないだろうかって思うわけなんですね。でも残念ながら現実はまだそうなっていないんです。

2011年の日本のビジネスパーソンの20代、30代の意識調査っていうのを見ると、実に7割以上の人が将来の目標とか夢とか成し遂げたいっていうことを持っていない。内閣府は若者調査っていうのをやってまして、自分が参加をすることによって世の中が変わる可能性があると思うかという質問があるんです。

これに「はい」と答えている割合というのはアメリカとかドイツは過半数いるんです、でも日本は3割に満たない。ちょっとここで白状してしまうと私自身も5年前まではまさにそのど真ん中にいたんですね。

それまで15年ぐらいキャリアを積み上げてきたんですけど、その間自分が世の中を変えるなんて思ってもいなかったし、志とか情熱って確かに大事だし持った方が良いけれど、それを持つのってすごく大変だし見つかるのもすごく時間がかかりそうだし、今やらなきゃいけないこともあるし、毎日一生懸命やってれば、いつかどっかにたどり着くんじゃないかってそんなふうに思っていました。

他人の可能性を純粋に信じて背中を押す「おせっかい」こそ、変化のスイッチ

なので当時の私のような人たちが、まだたくさんいるっていうことは凄くよくわかるんですね。でも一方でそういう人たちが、たった数カ月の間に激変するっていうことも私は知ってるんです。そこにきっと変化の仕掛けとかスイッチがあるはずなんだって、そう思うんですね。

その正体が何だろうかっていうのを知りたくて、その500人の人たちの中で激変した人々がどういう環境でどう変わっていったのかっていうのを私なりに追求し始めたんですね。つい最近、私その正体に気がついたんです。スイッチの正体。

結構、実はシンプルで古くて新しい答えだったんですけど、人が誰か他の人のことを物凄く純粋に信じて背中をグーと押してあげるという、その力だったんですね。実は激変した人たちの周りには必ず物凄くおせっかいな人たちっていうのがいるんです。

でも、そのおせっかいな人たちっていうのはその本人のことを、多分本人以上に信じていて期待をしていて、変わって欲しいと強く願っている。なぜならその人のポテンシャルは本当にたくさん無限大にあるからと思っているわけなんですね。

だからこそ本当にお前そんなことやりたいのとか、ちょっと小さくまとまってるんじゃないかとか、本当にやりたいことは何なんだ、人生のビジョンは何なんだっていうふうに問うたり、ダメ出しをしてくれたりしているわけです。

この愛に溢れるおせっかいな人々っていうのは本当に大きいなって、私、気が付いたんですね。なぜかっていうと、人生のビジョンとか志っていうものには、実は締め切りがないわけです。このクオリティのアウトプットで出してねっていうこともない。普通にしているとそれを考えるっていうことの優先順位はどんどん下がっていくし、低きに流れていく。

だけど、そういうおせっかいな人たちが本気で自分のことを思ってくれていて、そこに愛情があって期待があって変わって欲しいって思いがある。それに気がつくと物凄い健全なプレッシャーがその人たちにかかっていくんですね。

自分の人生のビジョンを聞かれ、答えられなかった体験

ちゃんと本気で向き合っていこう、自分が本当にやり遂げたいことはなんなんだろうか、うずうず何年も考えているわけにはいかないのでどっかで腹括りをしよう、そういうふうに自分に締め切りを設けていく力にもなっていく。

実は私もそうだったわけです。5年前に本当に転機に出会うんですね。それは、とある人に「あなたの人生のビジョンはなんなの?」って聞かれたんです。生まれて初めて。私はまったく答えられなくて凄いショックだったんです。

答えられないこと自体もショックだったんですけど、やっぱりその人が真剣に「多分あなたにはそういうものがあるはずだ。ちゃんとあるはずだ」と思っていて聞いてくれていたから、それがわかったので余計ショックだったんですね。

私は変わらなくちゃいけない。そう思った瞬間でした。そこから自分に向き合うっていうのを凄くやるんです。結構辛くて簡単に自分のやりたいことなんか見つからないですよね。くじけそうになって本当に泣きそうになって、もうこの辺でいいかって手打ちしそうになる時が何度もあったんです。

でも、その度にやっぱりおせっかいな人が私の周りにはいて、「お前、全然本気で考えてないだろ」と、「そんなんじゃ全然ダメだ」っていうふうに怒ってくれるんですね。

物凄く多様で物凄く創造性豊かで素晴らしい未来のために、自分たちができること

私がそこから逃げずに自分と向き合い続けられた、自分が本当にやりたいことは何かっていう答えをちゃんと見出して、今ここで変革屋ですといって話ができているのは、やっぱりそのおせっかいな人たちが私のことをずっと信じてくれて、変化のスイッチを押し続けてくれたからだって、本当にそう思うんです。

やっぱり、人がたった1人で自分を大きく変えていくことってなかなか難しいんだと思うんですよね。だけど素晴らしいなと思うのは、誰かのことを信じることはできるし、誰かの変化のスイッチを押すことは多分できるんです。

もしそうだとすると、次のその変化の波の震源地っていうのは、ひょっとするとですね、自分が、誰か自分の周りの人の変化のスイッチを押してあげるおせっかいな人になってあげる。そして自分の周りにいるおせっかいな人たちを本当に大切にして自分自身も変わろうと頑張る。

何かそういうお互いの本気のスイッチを押しあうってことが、未来を変えていくんじゃないだろうか。そんなことを思います。この間ですね、計算をしてみて凄い衝撃を受けたんですが、例えば残りの人生が60年だったとすると1週間は後3,000回しか来ないんです。

この凄く凄く大切な、大切な大切な人生の時間を私たちはいったい何のために、どういう未来を作るために使っていきたいのか。この問いに真剣に向き合う、しかもそれはたった1人じゃなくて、信じあえる人たちと一緒に向き合っていく。

そういうことが当たり前にできるようになれば、きっと未来は物凄く多様で、物凄く創造性豊かで、素晴らしい世の中になっていくんだろうというふうに私は思っています。今日がその何かの出発点になったとしたなら、変革屋としてはこれ以上幸せなことはないなと思っています、ありがとうございました。

(編集協力:伊藤勇斗)

<続きは近日公開>

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