授業の前の確認事項

おおたに先生(以下、おおたに):ではこれから第17回世界史の授業を始めます。でも、その前に出席を取ります。やすやす君。

やすやす君(以下、やすやす):はい!

おおたに:まき君。

まきちゃん(以下、まき):はい。

やすやす:そしておおたに先生の3人ですね。

おおたに:それでは今日の授業を始めるまえに確認事項があるけれど、覚えていますか?

まき:私、あまり覚えてないです(笑)。

やすやす:この回から聞く人もいますからね。

おおたに:ここにいるみんなは歴史の専門家ではなく、むしろ素人です。なので授業で取り扱う内容もそんなに専門的ではなくて、どちらかというと浅い表面的な歴史を取り扱いたいと思います。先生もおっちょこちょいなので間違えることもあるかと思います。

やすやす:そこを「かわいい!」と思ってほしいですね(笑)。

まき:そうですね。

やすやす:まきちゃんの場合はそこがかわいい、おおたに先生の場合はダンディーだと(笑)。

おおたに:いやいや(笑)。

やすやす:最近いただくメールでもダンディーキャラ、押されてますね。

おおたに:それはやすやすさんが押しているからでしょう。最近、「なんでも物知りのやすやすさんの博学が」というメールも多いですよ?

やすやす:いえいえ、それは全然ないですけど、ダンディーさとまきちゃんの声のかわいさはみなさんメールに書いてくださってありがとうございます。

おおたに:「あとやすやす君のつっこみが」というのもありますからね。みなさんよろしく。歴史を知るというよりは歴史を楽しむというスタンスで、楽しく授業を聞いて下さればと思っています。それでは授業を始めますね。

タイといえばタイ料理とニューハーフ?

おおたに:今日はタイですが、みなさんタイといって一番印象に残っていることはありますか? はい、まき君。

まき:私は食べるのが大好きなので、タイ料理。

おおたに:おいしいですよね。何が好きですか?

まき:パッタイヌードルも好きですし、あとタイ料理といったら何だっけ? あのへんの料理は似ているんですよね。蒸し鶏はまた違いますもんね。あとパクチーを使った料理も多いですよね。

おおたに:パクチーね。

まき:あとニューハーフショー。行ってみたいなと思いつつ(笑)。

やすやす:そうだね。なぜか世界でもタイはニューハーフが多い国になっているもんね。

おおたに:映画で『アタックナンバーハーフ』というのがありましたからね。

まき:それは知らなかった! 見てみたい(笑)。

やすやす:まきちゃん、意外とそれ系が好きなんだ。

おおたに:全部ニューハーフの人がバレーボールのチームで闘うんですよ。

まき:見てみたいです。

おおたに:ビデオになっているので見てください。

まき:それはいつの映画ですか?

おおたに:もう5、6年前だと思いますよ。

まき:けっこう新しいんですね。知らなかったです。

おおたに:まきちゃん得意のツタヤで。

まき:ツタヤで見ます。あと、ニューハーフといえば新宿三丁目が多いですね。

おおたに:二丁目でしょう?

まき:二丁目だ!

やすやす:何で三丁目に行くんだよ(笑)。

おおたに:三丁目は駅ですよ。

まき:そうですね! 新宿二丁目と(笑)。

おおたに:微妙にずれるところがね(笑)。

やすやす:さすがですね! まきちゃんはね(笑)。

おおたに:天然ですね。

やすやす:毎回収録前の天然さも大変ですからね(笑)。録音する前の会話とかヤバイと思いますけどね。

おおたに:特別番組でお届けしたいくらいですね。

やすやす:本当にそうですよ。Windowsに関する話なんか大変なことになっているから(笑)。

おおたに:Windowsを切って試したいとか言っているから(笑)。

バックパッカーの聖地・カオサン

おおたに:それでやすやす君はどうですか、タイの思い出。

やすやす:思い出は……でも、バックパッカーの人はタイが好きな人が多いじゃないですか。多いらしいんですよ。

おおたに:バックパッカーの聖地ってありましたね。

やすやす:そうですね。なので「初めてバックパッカーの旅をするならタイはどう?」と勧める方も多いと思いますが、僕は、タイはちょっと苦手で。あまりにも気候が暑くて、そこまでたくさん旅行したことはないんですよね。行った回数は多いですけど。

おおたに:カオサンに泊まったんですか?

やすやす:いつもカオサンです。カオサン以外は泊まらないです。

まき:カオサンって何ですか?

おおたに:バックパッカーの聖地ですよね。聖地の一つ。

やすやす:通りの名前かな。

おおたに:カオサン通り。

まき:何かあるんですか?

おおたに:そういう安い宿がいっぱいあるのと、怪しい店がいっぱいあって。「刺青を彫ります」とかね。FBIの身分証明書とか売っていますよね。

やすやす:安宿街と安宿に泊まる人を目当てにした格安航空会社、安いレストランなどが集まっている場所。今は少しさまがわりしたけどね。カオサンというのは昔からそういう通りですね。

カオマンガイ、パッタイなどの料理の魅力

おおたに:タイ料理はどうですか?

やすやす:タイ料理はかなり好きだと思います。辛い物も好きですし、パクチーも大好きです。あと最近、地味に活動していますがカオマンガイ。

おおたに:私も大好きです。

やすやす:活動しているくらいですから、大好きです。

おおたに:やすやす君のうちの近くにあるという噂を聞きましたけど。

やすやす:いや、あまりうちの近くではないですけどね。カオマンガイという鶏の炊きこみご飯ですか。それにタレをかけて食べる料理があるんですが、海南鶏飯みたいないい方もしますね。ハイナンジーファンですか。

おおたに:私も大好きです。

まき:私も食べたことあります。おいしいですよね。タイ料理屋さんに行くと、だいたいパッタイの次くらいに注文しますね。

やすやす:パッタイはそんなに好きなんだ(笑)。

まき:パッタイ、すごく好きです。あとタイ料理は意外と安いお店が多いですよね。都内の普通のレストランで食べるよりかは若干安めというところが、学生には嬉しいかなと思いますね。

やすやす:そうなの? 名古屋はそういう外国料理、多国籍料理を楽しむという人たちの規模が小さいんだろうね。だから高いよ。割高。

まき:東京は、高いレストランでもそんなには。すごく高いというお店はないですね。

やすやす:そう? タイ料理を食いに行ったら、ビールも1杯2杯飲むじゃん。4500円くらいはかかる。

おおたに:高いなあ。

まき:えー!! 高いですよ! お酒を飲んでもだいたい2、3000円くらいじゃないですか。

やすやす:そうなんだ。この間のケバブの話でも思ったけど、300円といってたじゃん。全然ちがうんだね。

まき:私のところは学生街なのでよけい安いと思うんですよ。

おおたに:なるほどね。まきちゃんは安い店を見つけるのがうまいんだね。

やすやす:そんな感じですかね。タイ料理は大好きだし、昨日の夜はイナバのタイカレーでした。

まき:イナバのタイカレー、おいしい!

おおたに:缶のやつですか?

まき:100円で買えて。私はあれのイエローが好きです。

タイ王国は東南アジアで唯一独立を保った国

おおたに:では勉強を始めますが、順番通り基礎知識からいきたいと思います。正式名称はタイ王国です。王様がいますからね。

やすやす:王様の国ですね。昔からいるよね。

おおたに:そうですね。ずーっと王様の国ですね。最近は立憲君主制で、憲法をもとに議会も持っている王国です。場所はみなさんご存知かと思うんですけども、インドと中国の間の、海に向かって突き出た半島、インドシナ半島のほぼ真ん中ですかね。

やすやす:いい位置にありますよね。

おおたに:これも一因ですけど、唯一東南アジアで独立を保った国ですよね。

やすやす:といわれていますよね。タイは植民地化されていないんですよね。

まき:世界史でやりましたね。

おおたに:位置関係は、タイの左側がミャンマーか。右下がカンボジア、右上がラオスで、カンボジアとラオスのさらに右側の海に面したところがベトナムという感じですかね。

やすやす:南の国境はマレーシアですよ。

おおたに:マレーシアですね。マレー半島の突端がマレーシアで、その先は島のシンガポールですね。

やすやす:そうですね。突端は島のシンガポールですからね。

おおたに:ちょっとくどかったかもしれない(笑)。歴史なんですが、順当にいくとタイ民族、タイ族における最初の国というのは、13世紀の初めに樹立したスコータイ王朝からなんですよ。

やすやす:わりと古いのは残っていないということですね?

おおたに:それまではいろんな民族があの場所を巡って取り合っていた感じです。あと、それ以前は王国自体が小さかったんですね。

やすやす:そういうことですね。

おおたに:村単位、町単位、小国単位だったので、大きい国といえるのは、しかもタイ民族の国といえるのは、スコータイ王朝が最初ですね。

タイ族は中国やインドなど広範囲に住んでいる

やすやす:タイ族というのはけっこう広くにわたって住んでいるんですよ。タイに限らず中国も成都のあたりまで住んでるし、ラオス、ベトナム、ミャンマー……。

おおたに:インドにもいるらしいですね。

やすやす:そこにわたって住んでいる人の一部がタイ王国をつくったということなのかな、やっぱり。元々はロシアのほうでしょ?

おおたに:ずっと北のほうですね。何山脈でしたっけ。

やすやす:アルタイ……?

おおたに:アルタイ山脈の方からきたのではないかといわれています。これも諸説あって、中国の南という人もいるけれども、最近はアルタイ山脈の方からきたのではないかというのが一番主流になってきています。

やすやす:最近の学説らしいよ。

おおたに:そうですね。どんどん南下してきたんですね。

やすやす:そうですね。

おおたに:タイの場所ですが、13世紀の初め、スコータイ王朝ができる前というのは、クメール王朝があったんですね。

やすやす:カンボジア?

おおたに:うん。その人たちがあの場所を王国として占めていたのですね。

やすやす:シェムリアップ、アンコールワットを首都としてということかな。

おおたに:その勢力が衰えてきたので、スコータイ王朝ができたのが最初というところですね。

徐々に南下しているタイの王朝

やすやす:まきちゃんはタイに行ったの?

まき:行ったことないです。私、東南アジアはまだラオスしかないんですよ。

やすやす:なんでラオスだけなの?(笑)。一番行かなさそうな街なのにね。

まき:そこに友人がいたので行きました。タイはずっと行きたいなと思っているんですけど、意外と近いので、いつか行こうと、結局行っていないという感じですね。

おおたに:なるほど。近いから台湾も行ってないしね。

まき:そうなんですよ。近い国ほど意外と行っていなくて。

やすやす:ふーん。俺はスコータイには行きましたよ。スコータイという街が今もあるんですよ。

おおたに:バンコクから北々西という感じですかね。

やすやす:そうでしょうね。ほぼ道をまっすぐじゃないですかね。

おおたに:ほぼ北なんですが、ちょっとだけ西に寄っているという感じで、飛行機で1時間、長距離バスで7時間。

やすやす:それくらいでした。

おおたに:それがスコータイで、さらに北にチェンマイがあって、バンコクのすぐ近くにアユタヤがあるんですよね。このあと王朝を4ついいますが、南下の歴史とともに、スコータイが一番北で、スコータイとチェンマイ、そこから南のほうのアユタヤに移ってきて、さらに南の、今のバンコクに移ってきているんですね。だから王朝の順番が北から南のほうに移ってきています。

やすやす:チェンマイというのは古都なんだ。昔の王朝があった場所なんだ。

おおたに:そうですね。時期的にはスコータイ王朝と同じ頃に、チェンマイのラーンナー王朝というのがありました。その都がチェンマイですね。

やすやす:俺がつくるならやっぱりチェンマイだね。

おおたに:でも国境が近いから危ないですよ。

やすやす:やっぱり涼しいもんね。

おおたに:たしかに気候はよかったですね。北のほうには山もあるしね。

チェンマイ名物、カオソイとは

やすやす:そうですね。チェンマイは飯もうまいですよ。カオソイはうまい。

おおたに:カオソイって何ですか?

やすやす:それは知らない?

まき:聞いたことはある。

おおたに:名前と物が結びつきません。

やすやす:バリソバってわかりますか?

おおたに:バリ? バリに行ったことがないんだけど。

やすやす:違う。バリソバという中華料理。

おおたに:知らない。

やすやす:いい方を変えるとかた焼きそばか。

まき:あ、知ってます。

おおたに:「バリ固」みたいな感じ?(笑)

やすやす:それは長浜ラーメンですよね(笑)。揚げ麺を乗せる……なんていうのかな。カレーのスープに米で作った細い麺を入れて、その上にかた焼きそばを乗せた麺類。

まき:あ! 食べたことないですけど、タイ料理屋さんでそれを売りだしているところは多いです。

やすやす:うん。めちゃくちゃおいしいから、日本のタイ料理屋さんでもカオソイはおすすめです。これはチェンマイ名物なんですよね。

おおたに:私はチェンマイに行って、まさにそのままの名前のチェンマイソーセージを食べてきましたね。

やすやす:普通のソーセージと何が違うんですか?

おおたに:ちょっと太めで、短めで、中があらびきの肉で、硬いの。歯ごたえがある。それでピリ辛なんですよね。それを食べてきました。おいしかったです。

やすやす:チェンマイの料理も辛くなるといいますよね。

おおたに:辛いカレーも食べましたよ。あとスティッキーライスでね。どうしてもタイになると食べ物の話にいっちゃいますね(笑)

やすやす:おいしいですからね。スティッキーライスも……話し始めたら長いからやめておきましょう(笑)。

まき:食べ物の歴史になりそうですね(笑)。

おおたに:次回当たったら食べ物の歴史やりますかね(笑)。