女性活躍推進法案の問題点

山本太郎氏(以下、山本):生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案、通称、女性活躍推進法案について質問いたします。まずは女性活躍の大臣であられる有村大臣、女性が活躍できる社会こそが、未来の日本を輝かせる原動力になる、そう思われますか?

有村治子氏(以下、有村):山本委員にお答えいたします。その通りだと思っております。そして、この女性活躍というのが、当事者である女性のみならず、すべての人にとって暮らしやすい社会をつくる原動力にしなきゃいけないというふうに、思っております。

結果として、わが国の持続性、持続的な成長の実現や社会の活力の維持にもつながる、そういう意味では、男性女性ともの働き方の改革、あるいは家事育児への男女ともの参画のしやすくなる、あるいは介護と育児ということが両方でダブルケアー問題というのが、今日的課題としても出ておりますけども。

それぞれのご家庭の実現したいこと、ワークライフバランスを実現していくということが、その家庭にとっても、地域にとっても、また結果としての国全体にとっても、健全で大切な営みであるという認識と実感を広めていきたいと考えております。

山本:ありがとうございます。熱意があふれた答弁だと思います。果たして、今この法案のままで、多くの女性が輝けるのだろうかと、女性の活躍、女性が輝く、など言ったところで、活躍しようにも活躍しようがない、輝きたくても輝けない、実際にはその手段も環境もない。苦しい立場に追い込まれ、今日なんとか生きていけるかどうかっていうぎりぎりの精神状態や経済的状況の女性が、わが国にはたくさん存在いたします。

DV(ドメスティック・バイオレンス)の背景は性差別

山本:その中でも大きな問題のひとつ、DV、ドメスティック・バイオレンス、残念ながら、法案の中でも、修正案の中でも、衆議院議員の議論の中にもDVに関して、ほとんど触れられていないんですね。政治の世界ではDVの問題って解決したのかなって思っちゃうんです。まずお聞きいたします。DVの概念教えてください。

竹川佳寿子氏(以下、竹川):配偶者からの暴力の防止および被害者の保護等に関する法律の第一条に配偶者からの暴力の定義がございまして、配偶者からの身体に対する暴力、またはこれに準ずる、心身に有害な影響を及ぼす言動とされております。

ここでいう配偶者には、いわゆる事実婚の関係にある元配偶者が含まれておりますし、生活の本拠をともにする交際相手からの暴力などにつきましてもこの法律が準用されております。なお、暴力でございますが、身体的暴力のみならず、心理的攻撃、経済的圧迫、性的行為も含まれております。

山本:DV、配偶者からの暴力、主にって言うことなんですけども、DVについて、配偶者暴力防止法においては、被害者を女性には限定していないんですね。内閣府の資料によると、配偶者からの暴力の被害者において、男女の比率9対1、要するに、9割女性っていうことなんです。

DVの背景ってなんなんだろう……性差別社会であると言われています。男らしさ、女らしさ、男らしくしろ、女らしくしろ、これが諸悪の根源だと。つまり男性が、経済的、社会的に優位に立つ社会、女性が経済力を持つことが難しい社会、子育て、家事、これが女性の役割と決めつけられるような社会、妻には夫を世話し、支えるべきであるとされる社会、男性の攻撃性、暴力性が男らしさの証と容認されているような社会だと。このような社会意識がDVを許してきたとも言われている。

身体的暴力以外のDV 被害

山本:DVにはよくある身体的暴力だけではなく、精神的と、先ほど言われていましたよね、経済的、性的暴力なども含まれるそうです。身体的な暴力って、直接的な暴力ですね。平手で打つ、足で蹴る、物で殴る、髪を引っ張る、腕をねじる、引きずり回す、物を投げつける、などなど。

わかりやすいものが多いので、認識はしやすいとは思うんですけれども、ちょっとわかりずらいものとしては、心無い言動等により、相手の心を傷つける精神的DV、金銭的に被害者を追い詰めるDVは世の中的な認識の甘さから、相手に今DVしているという状況で、認識されづらいという現状だと。

例えば例を挙げると、大声で怒鳴るとか、誰のおかげで生活できると思ってるんだとか、この甲斐性なし、とか……(笑)。元役者ですから、熱が入るとそれっぽく聞こえるんですけど。

(会場笑)

山本:実家とか友人と付き合うのを制限したり、電話手紙を細かくチェックしたりとかですね、何を言っても無視して口をきかない、人の前で馬鹿にしたり、命令するような口調で物を言ったり、大切にしているものを壊したり、捨てたりする、生活費を渡さない、外で働くなといったり、仕事やめさせたりする、子供に危害を加えると言って脅す、殴るそぶりや、物を投げつける振りをして脅かすなどがあるそうです。

もしかしたらですね、今お聞きした中に、えっ、それもだめなの? DVなのってドキッとされた先生が、またいらっしゃるかもしれないんです。僕自身振りかえってみると、自分が機嫌の悪いときにね、なんかそれが相手に伝わるような態度をしたりとかするということも自分の過去にもあったわけですよね。でもそれもひょっとしたらDVに入るかもしれないな、と思ったら、ドキっとしちゃうもんですよね。

DV被害者の救済支援

山本:内閣府の調査によると、約4人に1人の女性が配偶者からDVを受けた経験あり、10人に1人の女性が、複数回のDVを受けたことがある。約20人に1人の女性が命に危険を感じるほどのDVを受けたことがある、との事です。

今現在、DV被害者、どこに助けを求めればいいのって、救済支援を求めるとしたら、内閣府管轄配偶者暴力相談支援センター、もしくは県あるいは市の福祉事務所に相談。厚労省管轄の婦人相談所に回され、そこで一時保護。みなさんご存知でしょうけれども、暴力を避けるために家を出たいと思っていても、加害者に知られずに身を寄せる場所がない場合に、被害者が一時的に非難する手段だと。

一時保護というものを婦人相談所でされるかどうかっていうのを審議されると。身柄を保護された後、自立支援としての厚労省管轄、生活保護に移ると。住宅支援なら国交省、保護命令制度においては法務省、取り締まりにおいては警察庁、子供も身体的虐待のみならず著しく心的外傷を受けているようなら、厚労省の児童相談所に通報、保護を要請する。

これ、むちゃくちゃ複雑じゃないですか。どんな手順なんだよ、ってこれ。聞きたいんですが、これ、入り口から、出口まで、誰が面倒見るんですかって、被害者どうなりますかってことをお聞きしたい。内閣府厚労省にお伺いします。一体誰が入り口から出口まで総合的に被害者、DV被害者を支援するんでしょうか?

竹川:配偶者暴力を受けられた被害者の方からの相談につきましては、配偶者暴力防止法に基づきまして、配偶者暴力相談支援センターが中心的な役割を担って支援をしているところでございます。

具体的には、被害者からの相談を受けまして、緊急時における安全の確保、それから被害者の自立支援や保護命令の利用などについての情報提供や、助言などを行います。また必要に応じて、関係機関との連携を行いまして、支援を行っているというところでございます。

安藤よし子氏(以下、安藤):婦人相談所は、県により設置をされておりますけども、配偶者暴力相談支援センターという位置づけになっている所でございます。またDV等によりまして、心身を傷つけられ、人権を損害された方々から、直接に相談を受け、または市町村の福祉事務所にいる福祉相談員や、警察などとの連携のもとで、相談を受けて支援を開始しているということもございます。

婦人相談所における支援を開始するにあたりまして、まず相談指導員などが、個々のDV被害者から被害の状況や、支援の要望を聞き取りまして、その意向や状況を踏まえて相談指導員や心理療法担当等の職員などの支援スタッフによる必要な調査ならびに、医学的判定、心理学的判定、場合によっては、職業判定を行いまして、さらには、入所調整会議を開催して、個々のDV被害者の支援ニーズに合う支援を選定しております。

同伴児童については、児童相談所とも連携して支援を行うということをいたしております。またこの入所調整の会議の結果、DV被害者の一時保護や継続的な相談支援、施設への入所などの今後の支援方法を決定するということになります。

継続的な相談支援につきましては、DV被害者が婦人相談所に定期的に来所して、生活支援や心理的な支援を受けることとなります。一時保護や施設入所につきましては一定期間、一時保護や婦人保護施設におきまして、生活支援、心理的な支援、同伴児童の学習支援、保育支援などを行っております。安全確保のための他県への移送などをすることもございます。

また退所時には、身元保障の確保などのサポートなどもしております。このような支援を通じまして、関係機関とも連携しながら、DV被害者の自立に向けたサポートを婦人相談所が行っているところでございます。

生活保護を受けられず餓死してしまった大阪の親子

山本:ありがとうございます。答弁の長さがバックアップの厚さを表しているわけではないんですよ。これ、それぞれの管轄以外のことはできないと、結局おっしゃっているわけですよ。結局、横口を入れなきゃ、たらいまわしにされるだけなんです。

はい、話戻ります。2013年5月24日、大阪市天満のマンションの一室、母と子と見られる2人の遺体が見つかった死亡事件がありましたよね。報道によると、室内に食べ物はなし、食塩があったのみ。預金口座の残金は十数円、電気、ガス、止められていました。

大阪府警天満所、生活に困窮して、餓死した可能性が高いとみており、事件の背景として、死亡した母親は、夫からのDV被害を受けており、母子で脱出したものの、しっかりとした行政からの支援もなく、生活保護を受けることができず、頼る相手もいないまま、孤立を深め、親子で餓死してしまったとのことでした。室内には、メモが残されていた。こう書かれていた。「最後にもっとたくさん食べさせてあげられなくてごめんね」。

これ、母親が残したメモ。この母親、生活保護を申請する目的で、福祉事務所を訪ねていたそうですけれども、福祉事務所の記録には、「申請の意思あり」とされてなかったのですって。おかしくないですか? これ、水際作戦じゃないかよって。しっかりとその人がどういうシチュエーションかっていうことが見極められていない、っていうことなんですよ。